旬野菜の選び方と保存法 (その1)
  野菜の鮮度と栄養 (2)

 前回は、「野菜は生きている」原理を見てきました。
 そして、収穫後の野菜には呼吸作用(自己消化作用)によってをして生きており、品質や鮮度を保つためには、野菜の呼吸作用を最小限に抑えること必要で、その最大のポイントで、は「低温」と「湿度」と「ガス調節」であるとのべました。。



私たちは、栄養成分の生産者である生きている野菜(植物)の生命を食べることで生かされています。
唯一の生産者である野菜(植物)の良質・新鮮な生命力あって、消費者である自分たち(動物)の健康な生命が育まれます。

私たちが真に健康であるためには、日ごろ食する野菜が、生き生きとした鮮度の高い、栄養分の充実した、生命力の旺盛なものでなくてはなりません。だから、誰しもが安全で、栄養価が高く、新鮮なものを食べたいと願っています。
 
「鮮度保持」は同時に「栄養保持」であり「おいしさ保持」でもあります。したがって、
青果物を購入する際に消費者が最も重視する条件は「鮮度が良い」ということであり、「安い」をはるかに上回っています。
 
野菜は畑から採った直ぐ、収穫した直後が一番新鮮で栄養価も高くおいしいのは当然で、可能な限り収穫時に近い状態でたべるのが理想です。しかし現実にはそうもいきません。そこで、収穫された野菜や果物の呼吸作用や自己消化作用どのよう抑え、失われる鮮度・栄養・おいしさをどのように維持するかを工夫しなければなりません。
 
「より新鮮なものを食べたい」「より栄養価の高いおいしいものを求めたい」という消費者の要望を満たすべく、生産者、卸売業者、小売業者、それぞれの段階でいろいろな工夫や努力が行われています。それが「鮮度管理」です。
農家の人たちは夜明け前から畑に出て、農協や市場に出荷するまでに、収穫、選別、包装、梱包、一時冷却、そして輸送など鮮度維持にいろんな努力を払います。
農協や市場では一時も早く小売業者に届けるべくまだ暗いうちから貯蔵、仕分け、配送を行っています。
そして販売店では入荷品の仕分け、蘇生、貯蔵、包装など、鮮度管理をしながら店頭に並べます。

 

いかに鮮度のよい野菜や果物が入手できたとしても、私たち消費者の段階でその取り扱いに誤りがあれば、金が銀になり、銀が銅になって、生産者や流通業者・販売店の工夫や努力も水泡に帰し、おいしさも栄養も不十分なものになってしまいます。
 
そこで私たち消費者は消費者なりに野菜や果物の栄養価やおいしさを損なわないための取り扱い方や保存の工夫が必要になります。
以下、購入に際しての野菜ごとの選び方や家庭における保存方法について簡単に述べてみたいと思います。
 
しかし、どのような保存方法をとろうとも、生鮮野菜は呼吸作用・自己消化作用によって鮮度・栄養・おいしさを劣化しながら生き続けているのです。したがって安いからといってあまり大量に求めたりせず、鮮度のいいうちに早く食べ切ることが最大のポイントであることは申し上げるまでもありません。
 
さて、これまで述べてきたように、野菜の鮮度を保持するためには、その鮮度劣化となる要因と栄養分消耗(出費)を可能な限り抑えるための取り扱いや環境条件を整えることが重要になります。
つまり、呼吸作用と蒸散作用(水分の蒸発)、また成長作用によって消耗(鮮度劣化・栄養劣化)が進みますから、それを極力を抑えてやります。
 
まず野菜の保存には温度管理や湿度管理があります。
温度が高いと呼吸作用や蒸散作用が激しくなりますから、一般には冷蔵庫の野菜室で、5℃前後の低温貯蔵をします。
また80〜90%台の水分を含む野菜や果物は乾燥に弱いので、適度な湿度を保ち風に当てないなどの工夫が必要です。
さらに強い成長力を持った野菜で、芯のある野菜は芯を摘み取ること、横にすると立ち上がろうとする野菜は立てて保存するなどの処置も必要です。
もちろんそれぞれに例外もありますので、後述する具体例を参考にしてください。
(つづく)