■ 食品添加物が子供の心と体を壊す

マナメッセ(トータス 次の世帯の子供たちのために)より

 

●安心はおいしい  食品添加物が子どもの心と体を毀す!

★『なぜあなたの子どもは暴れん坊で勉強嫌いか』?   

ハイパーアクティブという言葉を知っていますか?

過度に活動的で過敏なこと、落ちつきがない、すぐ興奮する、反抗的ですぐいら立つ、衝動的で自制心がない、飽きっぽいなどの意味ですが、1975年にアメリカの小児科医ベンジャミン・ファインゴールド博士が、この表題の衝撃的な本を出版(日本でも人文書院から翻訳が出版されている)、こういった傾向をもつ子どもたちに共通の原因は、日常に糖分や着色・着香料などの食品添加物の多い加工食品をとりすぎているからだと指摘したのです。

なんでもアメリカの10年後を追う日本でも、今まさにぴったりの現象がおきつつあるのです。

 

★なぜ、ガン、白血病、子どもの成人病、アトピーが激増したのか?

アトピーやぜん息、鼻炎などのアレルギーがある子どもたちは、東京都心の幼児中4人に1人というデータもあります。昔は成長するにつれ治ってくるとされたアレルギーですが、今では小さいころ何でもなかったのに受験期に急にひどい症状に襲われたり、大人になってから花粉症にかかる人もふえています。

アレルギーの原因は専門家の間でもいろいろ意見が分かれていますが、いわば「文明病」といわれるもの。

大気汚染や、農薬・食品添加物などのあらゆる化学物質が複合的に作用し、人間本来の生体バランスを狂わせてしまったからなのです。

 

★先天性異常児の出生率がふえているのはなぜか?

10年前の東京都内の病院が調査した結果では先天異常の出生率は6.9%。

これはベトナム戦争の時に、アメリカ軍がまいた枯葉剤ダイオキシンの被爆地の先天異常出生率5.44%を大きく上回るものです。

すべて食べ物のせいとは断定できませんが、「食」を含めた複合汚染の結果と見る学者が大勢です。

現在30〜40代の母親は、戦後急増した食品添加物だらけの加工食品で育った世代であり、その母親たちが体内でとり入れた有害なものを遺伝子が受け継いで、その子どもたちはうまれてきたのです。

さらにこれ以上、あたなは、子どもたちに危険な食事を与えたいと思いますか?

 

● 危険と指摘されながらも増えつづける

食品添加物5つの不安と疑問

グルメブームだの、自然食ブームだのといわれながら、なぜ不自然な食品添加物が増えつづけるのでしょうか。

メーカーのエゴだけなのでしょうか。私たちも、その害を軽視しすぎて、毎日の食べることをおろそかにしすぎているように思えてなりません。 

 

1、そもそも食品添加物ってなんだろう?

添加物は食品を調理加工、製造するときに使われるもので、たとえば漬物の塩分、豆腐を固まらせるニガリ、パンを発酵させる酵母(イースト)など、本来これがなければ、その食品ができない必要不可欠なもので、これらは昔からあった自然のものです。

でも現在、私たちが一般に食品添加物と呼ぶのは、それらの役目意外の、さまざまな用途と目的のために使われる添加物のことを指し、これは実はなくても済むものがほとんどです。

たとえば漬物は、塩やヌカやたまりなどに付け込むだけでできる一種の発酵保存食品ですが、これはいま“付けもの”といわれるぐらい添加物が多くなっています。

着色料、保存料、化学調味料、人工(天然)甘味料、酸味料、酸化防止剤、乳酸発酵調味料など十数種ぐらいの添加物があり、あとでカツオくずやヌカに似たフスマなどを塗り付けたものも出まわっています。

どうしてこんなに添加物が必要なのかというと、その方が速く、手間も場所もいらずにできて、品質が変わらず長く売れるし、どんな遠くへも流通させることができる。

また色鮮やかな方が消費者によく売れるから。

つまり、メーカーにとってより少ない経費と時間でよりたくさん儲けるのに都合がいいからなのです。

たくわんを例にとれば、数週間も天日に乾かして甘味を出し、塩とヌカにコンブや唐辛子を入れた中にじっくり半年以上寝かせることであの独特の歯ざわりとうまみが醸し出されるのですが、それには時間と人手と場所がいります。

多量の塩でスカスカになるまで水分とうまみまで数日で出してしまい、さまざまな添加物で似たような味と香りときれいな色をつけ保存料を入れてしまえば、あとで品質が変わることもなく売るのに便利なわけです。

豆腐はニガリの代わりに硫酸カルシウムやグルコノデルタラクトンを使えばずっと大量に生産でき、消泡剤を使うことでオートメーションでの製造が楽になります。

漂白殺菌のために以前使われたAF2は、発ガン性が判って禁止になりましたが、今も豆腐の日持ちがいいのは水などに何らかの表示されない添加物が使われている気がしてなりません。

 

2、ガンや遺伝子の異常をひきおこすって本当か?

添加物がひきおこすと見られる発ガン、催奇形性(奇形を作る働き)、遺伝毒性等のうち最近の研究の発達によって発ガンのメカニズムについては、大分、解明がされてきています。

正常な細胞がガン細胞に変わるためには2つのステップがあり、まず変異原性物質(遺伝子の一部にキズをつける働きをもったもの)で細胞に異常が起き、それに発ガン促進物質が作用して、ガン細胞に変わるというものです。

変異原性と発ガン物質の間の数学的な公式はありませんが、この因果関係だけははっきりしています。いずれにしても、なるべく体内に入れないほうがいいことは、はっきりしているのです。

「でも認可されている食品添加物って厚生省が安全性をチェックしてるんでしょ」
こういう疑問を持つ人はけっこういます。

しかし、これまで厚生省が安全だとおスミ付きを出していた添加物でも、あとから発ガン性や催奇形性、遺伝毒性等が判明して使用禁止になったものはけっこう多いのです。

前述のAF2は、昭和40年から豆腐や魚肉ソーセージなどに広く使われていたものですが、9年後に強い発ガン性が立証され使用禁止になりました。現在母親になっている世代のほとんどの人が、成長期にこれを食べていたはず。禁止されても、体の中に入ってしまったものはもう取り消せません。このAF2は、体内に入って10年後からジワリジワリ影響が出てくるといわれているのです。

その他に人工甘味料のチクロやサッカリン、パンをふっくらさせるイーストフードの臭素酸カリウム、煮ぼしなどの酸化防止剤のBHA、漂白殺菌剤の過酸化水素、レモンの皮に塗られるOPPなど、発ガン性が判明して禁止されたものもありますが、いまだに使用制限だけのものもあります。

日本生協連盟では、小麦漂白剤の過酸化ベンゾイル、着色料の赤色2号、緑色3号、黄色4号、5号を最も危険なZリストとしてあげていますが、その他にまだまだ突然変異性や内臓疾患などの危険性があるものは数えあげればキリがないほど。そして何より気味が悪いのは、その一つ一つの添加物の複合作用で何がおきるのか、まだよく判っていないことです。ガンは自分たちの世代に結果がでますが、催奇形性などは次世代以降にもちこす可能性が大きいのです。

私たちはこの数十年のうちにかつて人間が体内に入れたことのない大量の添加物を取り入れ、それが自分や子孫にどういう結果をもたらすのか判らぬまま、私たちの体で生体実験をしているようなものといわれます。

 

3、添加物のよみとり方がわからない

1991年、7月1日から食品添加物の表示法はこれまでになく大きく改正されました。添加物には化合成物と天然のものの2種類があり、いま日本で厚生省が認可している食品添加物は合成添加物349品目、天然添加物1051品目にものぼります。

今まではこの中から合成添加物を主にたった78品目だけ用途名で表示すればよかったのですが、今年の改正で天然物を含めて用途名と物質名の全面表示法がとられることになったのです。

たとえば着色料は赤色○号、ウコン色素とか、保存料だけでなくソルビン酸、安息酸ナトリウムなどと以前より詳しい内容になったわけです。しかし、カタカナの添加物名ズラリと並んでも消費者にはかえって判りにくく、また表示スペースをとりすぎるので簡用名、簡略表示や、同種類のまとめ表示などが許されています。パンの老化防止のグリセリン脂肪酸エステルなどは一括して「乳化剤」、プリンのアルギン酸ナトリウムなどは「ゲル化剤」、その他「増粘剤」などなど。

さらに問題なのは、製造工程で使用される加工助剤や、キャリーオーバー(調味料などの材料そのもののなかに入っている添加物のこと、表示義務がない)は表示しなくても良いとされていることです。

今までも「無添加・無着色」を謳った自然風食品がありましたが、それらの多くには表示義務のない添加物が入れられていたのと同様に、今度は原材料に使うしょう油などの中に合成保存料などを入れてしまえばキャリーオーバーとみなされ表示せずに済むようになっているわけです。ガックリしますね。表示だけで安心するのは早計というわけです。

表示がわからない、信じられないからといって、手をこまねいてもいられません。

 

4、天然添加物は安心なのだろうか

このところ、合成添加物に代わり天然甘味料や着色料がナチュラル、安全と大はやりです。

しかし、天然のものといえど、自然界にあるものから人工的に抽出、濃縮、バイオ技術などが駆使されているものが多く、その害についてはまだ一部しか判っていません。自然界には毒性を持つトリカブトのようなものもあり、天然添加物なら安心というわけではありません。

人体に与える影響はこれから人体実験するしかないのです。

 

5、添加物をなくしてしまうことはできないのか?

日本がこれだけ豊かにになって、食べ物に不自由しなくなったのに、なぜ添加物だらけのものを食べなければならないのでしょうか。

家庭の冷蔵庫も大型化し、輸送途中の冷蔵設備も素材によって細かく使いわけられているし、POS(販売時点情報管理)などによって、メーカーや問屋は在庫管理が瞬間的にできて、過剰在庫をもつ必要がなくなってきているのです。この技術の発達が、企業の収益アップにはつながっても、少しも消費者に還元されていないといわざるをえません。

企業のエゴとともに、添加物にも、どうやら貿易摩擦が影をおとしています。戦後から高度成長経済とともに、倍々ゲームのように増加してきた化学合成添加物は途中、公害や発ガン作用の問題で一時的に削減されはしましたが、基本は増加傾向、そして91年の7月で1400品目になったというわけです。

最近の外圧がらみの象徴のようにいわれるのが11年前に認可されたダイエット人工甘味料アスパルテーム、昨年に認可したタール系着色料赤色40号です。赤色40号は発ガン性のほかアレルギーの心配もあり、世界でもアメリカだけが許可しているもの。いずれも自動車輸出などのツケで要求されている貿易自由化の外圧と企業の要請によって厚生省が認可したのではないかと言われています。またこのたびの天然添加物にしても世界貿易の不均衡になるとガットの勧告があったことが大きく作用していることはいなめません。世界保健機関(WHO)が認めている安全基準にしろ、残念ながらこういう世界の経済メカニズムと無縁ではないようです。

添加物のない暮らしをするということは、現状では、とてもむずかしいことのような気がしますが、これを可能にするカギは消費者です。買わなければメーカーも作らなくなる。アメリカ産添加物が上陸しても売れなければひきあげていくでしょうから。

 

 

● 添加物のオンパレードです

子どもの好きな食べ物ほど危ない!

小さいころ身につけた味覚は、大人になると、なかなか変えることができません。中学生ころまでの食生活は、やはり母親がコントロールすることが必要です。

ここにあげた“子どもが好きな食べ物”には、とくに添加物がいっぱい。買い物の時には、パッケージをひっくり返して、必ず表示を確かめましょう。

 

★ 即席めん  中華料理症候群をおこす化学調味料がいっぱい

いわゆるインスタントラーメンと呼ばれる即席中華めんから、容器入りのスナックめん、やきそば、生タイプなどがありますが、どれにも共通しているのは化学調味料。

アミノ酸等と表示があるのはグルタミン酸Naにイノシン酸などが混合されているもので、多食するとシビレや頭痛など、"中華料理症候群"といわれる症状や、特に食用油との加熱で変異原性物質が出るといわれています。

中華めん類のかんすいは、めんのコシを出すためにアルカリ剤(炭酸ナトリウム、重曹、リン酸カリウムなど)を混ぜて使われ、これも多食すると消化管粘膜をいためます。

和風うどんにはリン酸塩Naが添加されたものがあります。これは加工食品全般に品質改良剤としてよく使われるもので、めんは歯ざわりが良くなります。しかし、多食するとカルシウムを奪い骨を弱くしたり鉄分の吸収をさまたげ貧血を招きやすいので、特に成長期の子どもたちには、要注意。

さらに生中華めん類に湿りとコシを持たせる品質保持剤プロピレングリコールは、多食すると赤血球の減少、肝臓や腎臓の障害、染色体異常が起こるとされ、使用規制が出されているもの。まだ乾めん類の方がマシといえるかもしれません。

油も安いヤシ油などが使われ、飽和脂肪が多いのでラードとともにコレステロールを増やします。特に製造年月日の古いものは油の酸化が心配なのでさけましょう。

 

★ 清涼飲料水   子どもを誘う着色料には遺伝子を傷つける作用が

ローカロリーのアスパルテームや、天然甘味料のステビアを使ったものは妊婦は特にさけましょう。オリゴ糖は腸内のビフィズス菌を増やしますが、摂りすぎは禁物。体内でオリゴ糖を作る機能が低下します。これはビタミン剤などの場合も同様です。

繊維質がとれる、またはカルシウム強化と謳われているドリンクや、カフェイン入りのドリンクも、過信は禁物です。スポーツ飲料にはグルタミン酸Naが。人気のダイエット飲料にもアスパルテームが。

子どもたちに甘味と色や香りのついた飲料ばかり飲ませていると習慣になり、エスカレートして低血糖症や肥満を招きがちです。

果汁10%以下のジュース類には、ハイパーアクティブ(H-LD症)にさせジンマシンも起こすというタール系着色料黄色4号をはじめ、黄色5号、赤色2.102.106号が、氷菓兼用のものなどにまだあります。最近では多くは天然色素に代わってきていますが、ただしベニバナ黄色や紫コーン色素には変異原性ありです。

コーラ類は、骨をもろくし鉄分の吸収をさまたげるリン酸塩Naが入っているものがあり、香料やカフェインも子供には良くありません。またダイエットを意識したものに最近はローカロリー甘味料アスパルテームが使われていますが、これはフェニルアラニン化合物で脳に障害を与える疑いがあり、乳幼児期の代謝異常フェニルケトン尿症の子には危険なものなので、妊娠中の人は特にさけるべきです。 

また同じくローカロリーの天然甘味料ステビアも、もともとは不妊と避妊用の薬草から作ったもので、低純度のものは変異原性もあるといわれています。保存料の安息香酸Naにも変異原性があってジンマシンの原因にもなります。WHOが決めた一日の許容量は体重1キロに5mg。一缶には50mg以上も添加されているので、20kg以下の子どもは二缶飲むとこれだけで許容量を軽くオーバーしてしまうことになります。

 

★ ハム・ソーセージ  

きれいなピンク色を出す亜硝酸Naには急性毒性が

ハム・ソーセージは本来塩と香辛料に漬け、じっくり時間をかけて熟成させスモークする保存食品ですが、本場ドイツなどでも発色効果とボツリヌス菌予防のために亜硝酸Na(硝酸Na)は使われてきました。

ところが近年になってこれには遺伝子損傷性、変異原性、染色体異常などの急性毒性が発見されました。ピンク色のおいしそうな色はこれで出されます(自然食メーカーでも少量これを使うところはある)。

その他にいろいろ添加物が多いのは、原料の肉が冷凍クズ肉で自然な粘着性やうまみに欠けるのを補い、短時間にそれらしく仕上げ日持ちをよくするためです。

前出のリン酸塩Naは、肉の粘着性と保水性の効果をあげ、たん白加水分解物はアミノ酸を作るもとで水あめや糖類などと共にうまみを出し、植物性たん白や卵たん白はつなぎと増量の役目をします。

保存料のソルビン酸Kは、それ自体で発ガン性の疑いがあり、発色剤の亜硝酸塩Naと一緒になって過熱されると、突然変異をひきおこす物質も少量できるとか。また酸化防止剤エリソルビン酸Naは発ガン性はないものの、突然変異性や染色体異常を起こすといわれています。

水と脂肪の分離を防ぐカゼインNa、肉の腐敗を防ぐPH調整剤、酸化防止のビタミンC(1-アスコルビン酸)は問題ないのですが、病気予防に抗生物質や殺菌剤を入れ、残留農薬の多い輸入飼料で飼育された原料肉の内容そのものが不安です。

 

★ パン・ピザ

いつまでもやわらかいパンやクリーム入りなどはさけたい

子どもたちが大好きなクリームパンやチョコレート入りの菓子パンは添加物が多く、ドーナツなど油を使ったものもさけたい。その日のうちに売り切る量しか作らない小さなパン屋さんの方が安心です。

ピザは保存料の必要ない冷凍製品の方がベターです。パック入りの安いものほどソースやサラミなどにも添加物が多いのでご用心。

胚芽やフスマ入りの茶色いパンも、残留農薬のない国産小麦でなければ、かえって体によくないわけです。

 

パンをふっくら発酵させるイースト、そのイーストのエサになるのがイーストフードで、砂糖や果汁などの代わりに市販のパンメーカーではいくつかの添加物を混ぜたものが使われています。

その一つ臭素酸カリウムは遺伝子に突然変異をおこし発ガン性があることが判明して以来、「最終的に残留してはいけない」と使用規制が出され、学校給食のパンの表示にも最近は見当たりません。

しかし、残留検出にひっかからない程度使うところはけっこうあるようで、その代わりの役目をするビタミンCが表示されたものの方が安心できそうです。

パンをいつまでも軟らかい状態にしておく乳化剤は、一括表示で添加物の種類が不明ですが、たいていはグリセリン脂肪酸エステルなどが入っていて、これは肝臓肥大や腎臓の石灰化がいわれています。

クリームやチョコレートの入った菓子パンには、保存料のソルビン酸Kが入っています。これはその他の加工食品にも多く使われており、染色体異常をおこすので要注意です。着色料、増粘多糖類、香料も入っているので、菓子パンならあんぱんの方が安心です。あんにはソルビン酸も使われていません。できれば少し固いけれど国産小麦を使った天然酵母パンをおすすめしたい。輸入小麦には長期輸送の防虫のポストハーベスト(収穫後)農薬が粉に直接混ぜられたりくん蒸され、残留農薬が問題になっています。

 

■ 「添加物を使う商品のできるまで」

マナメッセ編集部では、この特集の取材のために、ハムメーカー4社に質問状を送りました。(1)貴社の○○○(商品名)の食品添加物の使用目的を製造プロセスに即して教えてください。(2)添加物の安全性は、どのように確認しておられますか。の2点です。ニッポンハム、伊藤ハム、プリマハムの3社からは回答がなく、日本デリカ(株)1社のみが回答してくれました。

■ 〈添加物の安全性について〉

厚生省の使用量の基準があるのはソルビン酸(保存料)と亜硝酸ナトリウムだけです。亜硝酸ナトリウムは毒性が強く、ラットの動物実験をそのまま人間にあてはめると、体重60kgの人が5g摂取すると、半数の人が死ぬ計算になります。 このため、日本デリカでは、定期的に製品の亜硝酸の量を検査しているとのことでした。また、添加物を使うメリットについては、発色効果がいい(つまり見ばえがする)こととともに、でき高がいい、(添加物を入れると肉1kgに対して1.5kgくらいの製品ができる)とも明かしてくれました。

なお、この日本デリカでは、添加物を入れない製品を生協ルートなどで流し、添加物を入れたものをスーパーなどで主に売っています。

スーパーでも無添加物を並べてはいるのですが、売れゆきはいまひとつとのこと。やはり発色がよくないことが原因らしいのです。

このあたり、私達消費者の不明を恥じなければならないところです。この会社は添加物製品といっても他社のものに比較すると種類が少なく、なんとかいい製品を出そうとする姿勢がみえました。

 

★ かまぼこ類   多種類使われている添加物の複合作用が心配

魚嫌いの子どもたちにも魚肉ソーセージやハムは食べやすく、一本丸ごとおやつ代わりに与えるお母さんもいますが、添加物の数が一番多いので要注意。

キャラクターのついた人気商品は、紅こうじ色素など天然着色料を使いカルシウム強化になっていますが、リン酸塩Naがあればかえってマイナスになります。

ピンク色した安いかまぼこには、合成甘味料ソルビットや合成着色料が使われており、できれば白か焼きかまぼこの方を選びたい。

かまぼこ、ちくわ、はんぺん、さつまあげ、そしてケーシング詰めのチーズかまぼこや魚肉ソーセージ・ハムなどを含みます。

現在は使われていないのですが、殺菌漂白剤AF2のことを忘れることができません。AF2は昭和40年から魚肉ソーセージや豆腐などに広く使われ、強い発ガン性が判明して9年後に使用禁止となりました。現在親になっている世代のほとんどの人がこれを食べて育っているはず。このAF2は体に入って10年後からジワリジワリをその影響が出てくるといわれているものです。

さて、現在のかまぼこ類の表示をみると、アミノ酸等の化学調味料、そして腐敗防止の保存料のソルビン酸Kは相変わらずどれにも入っており、その問題点については即席めんとパンの項を参照して下さい。

はんぺんなどの発酵調味料や増粘多糖類は一括表示でどんな添加物が入っているのかよく判りませんし、やはり魚肉のソーセージ・ハム類にはその上骨を弱くするリン酸塩Naや、タール系の着色料赤色106号や発色剤の亜硝酸NaやPH調整剤など添加物の数が一番多く、それらの複合作用も不明なのです。

チーズやかもぼこは、子どもの栄養補給に良さそうですが、チーズそのものに乳化剤や保存料などが入っており、乳化剤にポリリン酸塩が使われていればリン酸塩と同じようなカルシウムの低下や腎臓や尿細管の障害、鉄分吸収に悪影響をおよぼします。

 

★ ふりかけ  添加物表示欄にびっくり種類の多さはナンバーワン

ふりかけの原材料名の欄をよく見ると、添加物表示の多いことにびっくりするでしょう。色鮮やかなふりかけは着色料によるためで、そのうえ化学調味料もたっぷり使われています。

お弁当にも便利でよく使われるふりかけですが添加物の種類の多さはナンバーワン!自家製のふりかけを手作りしたり、無漂白のたらこやしらす干し、そして無添加の佃煮などごはんをおいしくする自然な味をぜひ常備してやりたいものです。

ふりかけは“添加物かけ”といってもいいくらい添加物の種類と数が多いのに、今回改めて驚いてしまいました。それも子どもたちが喜ぶ人気アニメのキャラクターつきのものの方がスゴイのです。いろいろな原料が入っているから添加物の表示スペースが大きくなるのは仕方ないとして、子どもに安全そうに天然着色料や甘味料が使われていても、天然だからといって安心できないものが多く見受けられます。

褐色のカラメル色素はしょう油などにも使われていますが、突然変異原性は陽性です。クチナシの黄色やカロチノイド、紅こうじ色素、パプリカ色素には問題ないのですが、ベニバナの黄色やエンジ虫からとる赤色コチニール色素そして天然甘味料の甘草は、いずれも突然変異原性がいわれています。

またダイエット甘味料のアスパルテームや天然のステビアの問題については、清涼飲料水の項で詳しくふれています。酸化防止剤としてビタミンCやビタミンE使用は良いとして、植物のカテキンについては不明です。そして化学調味料がたっぷりなのは、もういわずもがな。

ふりかけはぜひ家庭で作りおきしておきたいものです。煮干しをミキサーなどで粉末にし、ゴマ、かつおぶし、のりを細かくしたものにしらす干しを混ぜ、自然塩を少々を混ぜるだけでヘルシーふりかけの出来上がり。自然なおいしさを舌で覚えさせたいものです。

 

   スナック菓子  米産フライドポテトは添加物+農薬が心配

食べはじめると止まらないやめられないスナック菓子は油と塩分が多く、アメリカでは悪い食品の代名詞“ジャンクフード"と呼ばれています。

これでお腹がいっぱいになると、ちゃんとした食事をとらず、栄養のバランスがくずれ、食生活全般にも悪影響を及ぼすことになるからです。

イライラしたり精神的に問題のある子ほど口淋しさからスナック菓子を手放せなくなり、だんだん刺激の強い激辛タイプへエスカレートしていくようです。

ポテトチップやフライドポテトは、どの子も大好き。大人のおつまみにも人気ですが、残念ながらこれも、過食をひかえないと肥満と成人病のモトといわれるくらい脂肪と塩分が多いし、のどが渇くのでたいてい清涼飲料水と一緒にとられるので、さらにカロリーが高くなります。

植物油はフライ油とスプレー用があり、スプレー用では主に、パーム油が使われていますが、これは飽和脂肪酸が多くコレステロールを増加させます。その他ヤシ油や大豆油などが混合され、コレステロールをとかす不飽和脂肪酸のリノール酸が多いヘルシーな油は使われておりません。またアレルギーの三大アレルゲン(大豆、卵、牛乳)の筆頭は大豆製品になっているので注意しましょう。

塩分のとりすぎは、もちろん高血圧や腎臓病を招くもと。それに化学調味料はつきもので、乳化剤、甘味料、膨張剤、香料入りのスナック菓子の不安点は、これまでのべてきたとおりです。表示をよく見比べて添加物の数少ないものを選んで下さい。

原料の輸入じゃがいもも、特にアメリカ産のものは日本にはない農薬がたっぷりかけられ、芽止めに放射線をかけたものがあります。皮付きのタイプのフライドポテトの方が危険度が高いので、冷凍食品を買う場合もさけて下さい。ポテトチップはほとんど輸入じゃがいもですが、国産じゃがいもを使った商品をぜひ優先的に求めましょう。  

 

★ 菓子類・アイスクリーム

輸入菓子や輸入イチゴのケーキなどが要注意!

色あざやかなお菓子は子どもの夢を誘います。禁止するより、甘さをおさえた自然なおいしさを舌で覚えさせる方が添加物の多い菓子離れの早道のようです。

ケーキ類では、季節はずれのいちごのショートケーキ、おかしいと思いませんか? 殺菌防カビ剤など残留農薬たっぷりの輸入いちごなので、さけましょう。

甘い菓子類については、今回調べてみて外国のものより日本の製品の方がずっと良いということが判りました。乳化剤や香料、増粘多糖類は同じですが、着色料は天然の安全なものへ変わっています。マーブルチョコやいちご色を使った菓子類にはエンジ虫からとった突然変異原性のあるコチニール色素などは見当たりませんでした。

それに比べ、アメリカ製の色とりどりのチョコレートには、ジンマシンもおこす要注意タール系色素の黄色4号をはじめ、黄色5号、青色1号そして昨年許可された赤色40号も使われています。赤色40号は発ガン性もありアレルギーも起こすので、これを許可しているのは世界でも今までアメリカだけでした。それが日本にも輸入されているのです。イギリスのキャンデーなどにも合成着色料が多く見られます。

アイスクリームにトッピングするカラフルな顆粒や、ホームメードのケーキの材料のシロップ漬けフルーツには合成着色料がいっぱいでちょっとショックでした。せっかく、お菓子を手作りしても、これでは台無しです。

アイスクリームは安いものほど添加物が多く、植物性脂肪もヤシ油やパーム油などがほとんど。キャンデーでも中にアイスクリームが入ってないものの方がマシなようです。

それから和菓子や、あんみつセットの中のぎゅうひなどにタール系の合成着色料を使ったものがあるので、よく表示を確かめて!

 

● 今日からすぐ実行できる

危ない添加物から家族を守る知恵

この特集を読んで「これじゃ何も食べさせられなくなるじゃないの」と悲鳴をあげている方も多いでしょう。添加物の他にも農薬や化学肥料、殺菌剤の心配な肉類や卵、養殖魚など不安だらけ。すぐにすべてを安心な食品にするのはむずかしくても、今からすぐできることもたくさんあります。ぜひトライしてみてください。

 

★ 除毒調理法で添加物や農薬禍を少しでも防ぐ

そのまま口にしたら危険がいっぱいの添加物食品の毒性を、かなり少なくする方法があるので、代表的なものを紹介します。

● ウィンナ・ソーセージは包丁で切れ目を入れ熱湯で2、3分ゆでる。
(合成保存料のソルビン酸などはだいぶ湯に溶け出します)

● 生ラーメンはゆで汁を捨て、即席めんの場合でも一度湯を捨てる方がよい。

● 肉などのアクはていねいにとる。
(シラス干しの過酸化水素も熱湯を通すととれます)

● 防カビ剤OPPなどが塗布されたレモンの皮はむいてから紅茶などに。

(果物の皮もむく)

● 野菜類も水でよく洗い、皮をむき、アクをよくぬくことで、農薬が多少減ります。
● よく噛んで食べる。よく噛むとだ液が出ます。
  だ液にはぺルオキシターゼ、カタラーゼという酵素が、除毒と防ガン作用をします。

 

★ 解毒作用のある食品を意識的にたっぷりとる

ビタミン、ミネラルの豊富な食べ物は、抗がん作用があり、添加物に負けない体質を作り、免疫力強化になります。

● カルシウム(細胞を結ぶコラーゲンを丈夫にし、発ガン物質などの侵入を防ぐ)

● ビタミンA(緑黄色野菜やレバー、卵黄などAを含む食品には抗ガン作用がある)

● ビタミンC(焼き魚に大根おろしやかんきつ類の汁の組合わせなどは
発ガン物質を消す昔からの知恵。ガン防衛体質にします)

● ビタミンE(脂質の酸化防止、細胞の老化防止のEは、ガン細胞化を防ぐ)
● 食物繊維の多い食品(植物繊維は腸内の有害物質を吸着して
  体外へ出す働きをする。イモ、豆、海草に多い)

 

以上はもと消費者センター試験室長の増尾清さんの著書『不安な食品とつきあう法』『食品添加物の見分けかた』(農文協)などを一部参考にさせていただきました。もっと詳しく知りたい方はぜひ本を買い求めて下さい。

また安全食品の入手方法については、全国情報を集めた『まともな食べものガイド』(鳥居ヤス子・工藤和子・根元悦子共著 学陽書房)が役立ちます。

 

★ なんといってもお母さんの手作りがいちばん安心です

店頭で添加物表示が10も20もあるようなものを買うよりは、ちょっと値が張っても、なるべく安全な素材を買って、お母さんが手作りしてあげたもののほうが、はるかに安心。

 

石川県認定
有機農産物小分け業者石川県認定番号 No.1001