■ 子どもたちをボロボロにする飲みもの
マナメッセより    その3
 
添加物いっぱいの清涼飲料は、肥満はもとより、知覚障害などの原因をつくります。
果汁100%のジュースでは発ガン性のある残留農薬が心配。
完全栄養食品と呼ばれる牛乳でも、カルシウムの取れないものや心臓病を誘発するものが、たくさん売られています。
私たちは、子どもにどんな飲みものをあげたらいいのでしょうか。
 
PART3
完全栄養食品「牛乳」も牧場から家庭に届くまでの
様々な処理で有害物質を含むものも!?
 
水分補給の上でも、カルシウムやタンパク質をたくさん含んだ牛乳は、アレルギーのない限り、理想的な飲み物です。
その他、リン、鉄、ナトリウム、カリウムといったミネラルやビタミン、もちろん、脂質や糖質も含まれていて、これが完全栄養食品と呼ばれる理由です。
 
しかし、その完全栄養食品である牛乳にも、私たちが飲むまでに、様々な問題が発生しています。
 
■ 発ガン物質もつくり出す高温滅菌の問題点
牛乳が牧場の牛から搾られ、それがビンに詰められたりするプロセスで一番の問題は、なんといっても加熱による殺菌です。
この殺菌法には何種類かありますが、大きく分けると、低温殺菌と高温滅菌の2種類になります。
低温の方は、有害な細菌だけを殺して、乳酸菌のような有益な菌は残そうというもので、62℃から65℃で30分加熱するもの。
あるいは72℃で15秒という場合もあります。
この殺菌法は、フランスの細菌学者パストゥールの名前からパスチャライズと呼ばれていますが、これは現在欧米などで牛乳の殺菌法として広く採用されています。
 
一方高温滅菌は、135℃から150℃0・5〜4秒加熟しようというものです。
これでは、牛乳に含まれる各種病原菌も殺せますが、同時に有益な菌もすべて死んでしまうことになります。
わが国で市販されている牛乳は、ほとんどがこの滅菌法によって処理されています。
 
ところが、この高温処理によって、タンパク質やカルシウムが変化し、吸収されにくくなり、ビタミンも壊れます。
そして、発ガン物質過酸化水素も発生してしまうことが確認されています。
高温によって過酸化水素を分解する酵素が壊されてしまうからです。
こんな牛乳では、完全栄養食品とは言えません。
 
市販牛乳のほとんどは高温滅菌されたもの。
 
低温殺菌のための機械。
30分間の加熱というのは、次々処理できないのでコストもかかる。
 
発ガン物質:・・・高温殺菌によって発ガン物質の過酸化水素が発生する
不完全栄養食品に:・・・高温殺菌で、たんぱく質やカルシウム、ビタミンが破壊される
ホモジナイズで病気に:・・・一般に売られている牛乳のほとんどは脂肪球を小さくした
ホモジナイズ牛乳。
脂肪球を粉砕すると心臓病を誘発する酵素が活発に働く
抗生物質:・・・劣悪な環境下で飼育されている牛は弱く、たくさんの抗生物質が使わ
れている
成長促進剤:・・・乳牛の成長を早めるためにホルモン剤のつかわれることもある。
残留農薬:・・・特に輸入飼料などに含まれる殺虫剤やくん蒸剤が牛乳へ含まれてしま
う危険性
 
■ パスチャライズ(低温殺菌)牛乳はきれいな生乳の確保から
より本物の牛乳を求めて″と、低温殺菌の牛乳づくりにもう40年以上も取り組んでいる潟^カハシ乳業の高橋秀夫社長は、
「高温滅菌ですと、生乳にたくさんの有害な細菌が含まれていても、全部殺してしまうから問題ないんです。低温の場合は、まず細菌数の少ない生乳を入手しなければなりません。それが大変ですね」
と言います。
日本の基準では生乳1ml中細菌数400万以下ですが、同社では1ml中に5千以下になるように、契約牧場に対して指導しています。
一方、アメリカでは1ml中2万5千以下と定めており、日本の平均的生乳がいかに不衛生か不安になります。
 
生乳の細菌数をチェックし、多い場合は、牧場への指導、警告、ペナルティーがある。
もちろん殺菌後の牛乳もチェックされる。
 
【牛乳の殺菌法と表示】
牛乳の成分等の表示には、必ず殺菌温度と時間が表示されています。
がわが国で主流となっている高温滅菌のもの。パスチャライズのものがあります。
最近では、もっと高温で処理し、無菌パックに入れ常温でも保存できるようにしたLL(ロングライフ)牛乳も登場しています。
LL牛乳を常温で保存することの危険性は、かなり議論されましたが、昭和58年に厚生省が認め、昭和60年から店頭に並べられました。
一般的に消費者の評価は良くなく、安全性に疑問のあることから、あまり売れていないようです。
最近では、バックからLLの名前が消えてしまったりで、一見分からなくなっている場合があります。
LL牛乳の特徴は、表示を見れば分かりますが、バックの内側のアルミもポイントです。
牛乳には、このような表示が必ず付いています。
ブランド名で購入するのではなく、しっかり表示を見てから。
 
■ 本物の牛乳をつくるためには
年の飼い方や飼料も安全なものに
カルシウムやタンパク質、ビタミン等の変化の少ない低温殺菌の牛乳をつくるためには、どんな生乳でも良いというわけではありません。
前頁で高橋社長も言っているように、細菌の少ない生乳でなければなりません。
細菌の多いものでは、生乳の段階でタンパク質が変化してしまうことがあるからです。
 そのためには、搾乳時の衛生だけでなく、牧場全体の衛生にまで気を配ることが必要です。
牛自体が病気になってしまっては、何にもならないからです。
 
■ 農薬や化学肥料を使わないエサづくりも大切
牛も生き物ですので、農薬などが残留した牧草や飼料によって障害を引き起こしたりします。
とくに発ガン性のある、くん蒸剤の使われた輸入飼料もだいぶ出回っており、これらに頼ることは、酪農家自身にも危険がありますし、牛乳への混入も気になります。
 
また、ブロイラーのように狭い牛舎で飼育することも問題があります。
運動できるスペースを必ず設置し、丈夫でストレスなどのない牛を育てないと、すぐに病気になり、結果として抗生物質などを使うことになってしまいます。
 
これらのことは、ごく普通に考えれば、非常にもっともなことなのですが、牛乳の単価の安いわが国の酪農事情は、酪農家に、コスト削減と必要以上の搾乳を要求します。
結果として、日本の.乳牛の半数以上は乳房炎に患っているのではないかとも言われています。
でも頑張って安全でおいしい牛乳をつくろうとしている少数の酪農家もいます。
私たち消費者は、そんな酪農家を応援するためにも、低温殺菌の牛乳を選びたいと思います。
 
■ 殺菌法に加えて問題となっているのが
脂肪球を小さくするホモジナイズ
ホモジナイズというのは、生乳に含まれている脂肪球に圧力をかけて、乳中の脂肪球を砕いて小さくしてしまう工程のことです。
これは、牛乳を飲みやすくするために行うと言われていますが、高温滅菌をスムーズに行うためという理由もあるようです。
牛乳の中の脂肪球を小さくしてしまうと、脂肪球皮膜の中に入っていたキサンチンオキシダーゼという酵素が活性化し、血液に溶けて身体中を回ります。
このとき、人間の心臓などにあるプラスマローゲンという物質を、この酵素が破壊してしまうのです。
その結果、心臓の組織に傷ができ、ここにコレステロールなどが沈積し、動脈硬化から心筋梗塞をひき起こしてしまうのです。
 
このホモジナイズをしない牛乳(ノンホモと呼ばれます) は、一般の市場では、低温殺菌以上に少ないようです。
ノンホモ牛乳を静かに置いておくと、脂肪球が浮いてクリームラインという脂肪の層ができます。
これは決して腐敗によるものではないのですが、どうもメーカー側では、このクリームラインが気に入らないようなのです。
見た目が悪く、消費者が、変質していると判断しかねないと思っているのです。
他の食品と同じように、牛乳もまた見ばえが優先されて危険なものとなっています。
 
しかし、このクリームラインこそ、生クリームとして珈琲や紅茶に使用することもできますし、ここから自家製のバターをつくることもできます。
そして、クリームラインの下は、いわゆるローファット牛乳です。
ノンホモ牛乳は、安全性とともにこうした楽しみを与えてくれます。
牛乳選びのポイントは、低温殺菌とこのノンホモです。
 
■ 牛乳は卵と同じように生きている商品
世界各地の牛乳事情や牛乳文化に詳しく、「ほんものの牛乳を!」(三一書房刊)という著書もある『乳業ジャーナル』の斉藤邦樹編集長は、
「牛乳というのは、日本においては割合新しいものなので、どういうものが本物であるのかよく分からないで良い悪いを言っているようなところがあります。
そこで、よく私は卵にたとえて話すのですが、牛乳というのは、卵と同じで生きているんです。
卵は1週間はもちますが、ゆで卵にすると、1日で腐ってしまいます。
それは卵が死んでしまったからなんですね。
牛乳もそれと同じで、高温滅菌はゆで卵をつくっているようなものなんです。
何も生きていないところへ細菌が混じれば、急激に増殖し二次汚染の危険があります」
と言います。
 
確かにゆで卵を生卵と言っては問題があります。
そして、牛乳は生きているものだ≠ニいう視点は、日本人には欠けているような気がします。
この視点を身につけることが、今後、私たちの牛乳文化を育てて行くことにつながるのではないでしょうか。
 
 

石川県認定
有機農産物小分け業者石川県認定番号 No.1001