生のまま味噌をつけてかじるのが最高!
天ぷらも美味しい! 炒め物も美味しい!
おひたし、和え物、汁の実にも
滋養強精強壮・疲労回復効果
行者ニンニク
 
 
行者ニンニクは、北海道と日本海側、近畿以北の高原や深山に自生するユリ科ネギ属の多年草多年草です。
本州中部では亜高山地帯の針葉樹林に群生しますが、そのほとんどが保護区で採取が禁じられています。したがって、東北、北海道の低山や平地で採れるものは非常に貴重なものとなっています。
 
別名、アイヌネギ、エゾネギ、山ニンニク、ヤマビル、ヒトビロ、キトピロ、ヒトビルとも言いますが、「アイヌネギ」とも呼ばれていることから分かるように、北海道ではアイヌ民族の人たちが昔から薬草として、食べ、火に炙り煙を浴び、消毒し、さらには伝染病の神を追い払うなど大切に用いてきました。
 
長さ20〜30cm、幅3〜10cmの葉で強いニンニク臭を放ち、地下にラッキョウに似た鱗茎を持ち、チューリップに似た肉厚の葉を持ち、ニラやノビル、山ラッキョウなどのネギ属植物のうち、最も葉幅の広いのが行者にんにくです。
 
生育速度が遅く、種が落ちて芽を出し、収穫できるようになるためには、少なくとも3年はかかります。
太くて上質な行者にんにくを収穫するには、5〜7年も待たなければいけません。
一度採ると、まともな物になるまではさらに数年かかる、とても希少な山菜とされています。
 
● 行者ニンニク 名前の由来
深山で修行する山岳信仰の行者たちが、荒行に耐える強壮薬として、強いニンニク臭のあるこの草を食べたことから「行者にんにく」の名がつけられました。
また逆に、これを食べると滋養がつきすぎて修行にならないため、食べることを禁じられたからとも言われています。
 
● 行者ニンニクの栄養・効能
「行者にんにく」は、山岳信仰の行者が荒行に耐える体力、精力を持ち続けるために食べたといわれるように、スタミナ食品、滋養強壮、健康食品として、注目されている山菜です。
栄養価に優れ、ベーターカロチンがキャベツの10倍、ビタミンB6、C、K、葉酸を多く含みます。
独特の強い匂いのもととなっているのが含有アミノ酸で、この成分が血小板を溶かし、血栓を予防するので、動脈硬化や脳梗塞の予防に効果があると言われています。
さらに、発ガン物質の解毒酵素を活性化する働きもあるので、各種ガンの増殖を抑制するといいます。
 
酵素アリナーゼの作用によってアリシン、アリルフィド類を多く含み、抗菌作用やビタミンB1を性を持続させる効果があり、これが高血圧予防、不眠症、冷え性などに効くとされています。
 
ニンニクの成分に近いためか、食べたときの風味もニンニクに近く独特の臭いを持ち、極めて強い口臭を生じることがあります。
アイヌ民族は春先に大量に採集し、乾燥保存して一年間利用していました。
オハウ(汁物)の具としたり、ラタシケプ(和え物)に調理して食べました。
さらにその独特の臭気は魔物を祓う力があるとされ、天然痘などの伝染病が流行した際は、村の入り口に掲げ、病魔の退散を願ったといいます。
 
一般的に言われている効能としては
・ガン予防  ・コレステロール抑制  ・動脈硬化予防  ・脳梗塞予防
・インフルエンザ等を抑制する抗菌作用 ・疲労回復等の滋養強壮効果などです。
 
● 行者ニンニクの採集
行者ニンニクの採取時期は4月から5月くらい。
若葉と若茎は簡単に折れる部分から採ります。
二番芽が出ないので、一株から葉は1枚ずつ切り取って利用するようにしましょう。
また、地中の根は1年中いつでも掘れますが、自生のものは数が少ない上、繁殖力が弱いので必要以上には採らないようにしましょう。
行者ニンニクの栽培
しかしながら、近年では非常に希少な存在となりました。
現在では、市場に出回っている多くは栽培されてものです。
北海道や日本海側の雪の多い地域で園芸栽培されています。
 
● 行者ニンニクの食べ方
生のまま味噌をつけてかじるのが最高です。
天ぷらも美味しい。中華風の炒め物も美味しい。
ギョウザ、卵焼きに混ぜるなどしても美味しい。
また、軽くゆでてから水にさらして、おひたしや、和え物に、
 
○下ごしらえ・・・水洗いしてから根元のはかまをきれいに取り除く。
 
■ 行者ニンニクの炒めもの
1、フライパンに油を熱する。
2、3センチぐらいに切った行者にんにくを入れる。
3、塩で好みの味に仕上げる。
* 味噌炒めも美味しい
* 炒めたものをラーメン等に載せても美味しくいただけます
 
■ 行者ニンニクのおひたし
1.行者にんにくをさっと湯がいて、その後、水にさらし冷たく冷やします。
2.茎の部分の赤い皮を、湯がいた後、手でそぐように取り除きます。
3.カツオ節などをかけて醤油でいただきます。
 
■ 行者ニンニクの卵とじ
1、行者にんにくは生のままで使います。
2、油で炒め、醤油・砂糖などで好みに応じて味をつけ、
3、最後に卵を溶き流し、蓋をして卵が半熟状態で出来上がりです。
 
■ 行者にんにくの餃子
【材料】
・行者にんにく(200g)、 ・青ネギ(300g)、 ・牛豚合い挽き肉(250g)、
・餃子の皮、 ・サラダ油(大さじ1)、 ・醤油(大さじ2)、 ・コショウ(適量)
【作り方】
1.行者にんにくと青ネギは洗って細かくみじん切りにします。
それをボウルに入れ、合い挽き肉と醤油・コショウ、サラダ油少々を加えてよく練りながら混ぜ合わせます。
2.餃子の皮の中央に1の具を少量丸めて置き、餃子の形に包みます。
包むときは皮の縁に指で水を薄く塗っておくと皮同士が付きやすくなります。
3.フライパンにサラダ油を入れて熱し、餃子を入れ、両面に焦げ目が薄く付く程度に焼き上げます。
 
■ 行者にんにくの餃子
1、行者にんにくは湯がいて使います。
醤油は生醤油のままで使います。
2、タッパーなどに行者にんにくを入れ、上から醤油を行者にんにくが被るくらい注ぎ入れます。
3、1、2日後に美味しくいただけます。
 
■ 行者にんにくのキムチ
1.市販のキムチの素を使い作ります。
行者にんにくは良く洗い、茎と葉をみじん切りにしてキムチを入れて漬けます。
行者にんにく1kgに対して市販のキムチの素400gの割合です。
2.あとは2、3日発酵させて、その後小分けして冷凍して保存できます。
解凍する時は、水に浸けてゆっくり行ってください。
■ 行者にんにく酒
1.行者にんにくを水洗いし、水を完全に切ります。
2.1の素材を5p程に切り、数時間置いて切り口を乾かします。
3.2の素材を容器に入れ、ホワイトリカーを素材の4倍、砂糖は少なめに大さじ1〜2杯入れます。
4.熟成には1ヶ月必要ですが、素材は10日ぐらいで引き上げます。
 
 
 

石川県認定
有機農産物小分け業者石川県認定番号 No.1001