炒めものや天ぷらでバツグンの味
ゴマ和え、クルミ和えが美味
煮物、汁の実にもいい
コゴミ
 
 
北海道から九州まで各地の林の中、山道の道端や崖の下など水はけがよく湿った場所に群生しています。
別名、コゴメ、クグミ、クサソテツ、ガンソウといい、ワラビ・ゼンマイと同じシダ類の多年草です。
ヨーロッパ、アメリカ、アジア等、北半球に広く分布しています。
緑と黄緑のツートンカラーの茎で、若芽のときは先端を内側に巻いていますが、しだいに葉を広げ、成長するとシダの葉10数枚が向き合って環状に広がり、直系1m近くまで大きくなります。
若芽も数本がまとまって生えます。
 
芽の時は鱗片と呼ばれるこげ茶色の鰹節を削ったようなものが付着しています。
草が生える前に出揃うので収穫も容易ですが、成長が非常に早く、一週間ぐらいで葉が開ききってしまいます。
そのため、その場所ごとに収穫期間が短く限られ、山菜として食べられるのは芽が丸まっているうちだけなので採取のタイミングが大事です。
 
大きくてしっかりとした歯ごたえがあり、シダ類の野性味を感じさせる山菜です。
見かけに比べて(?)クセが無いのでアク抜きせずに使えます。
茹で上げた時のその色は、ハッとするほど鮮やかな緑色です。
 
富山県小矢部市の桜町遺跡は、縄文時代早期から晩期(8000年前〜2300年前まで)の集落跡ですが、なんと、ここからコゴミが出土しました。
「食用にされていたかどうかは不明」とされていますが、同じ場所からクルミやトチの実も出土している事から、食用にされたのではないかとかんがえられます。
 
日本では食用として各地で促成栽培も行われています。
 
 
● コゴミの名前の由来
新芽の先が曲がっていて、かがんでいる様から「カガム」「コゴム」と呼ばれ、それが「クグミ」になり、「コゴミ」はそこから転化したのでは、といわれています。
 
 
● コゴミの採取
くるんと丸まった芽の中に、春の匂いをいっぱいに詰めたこごみ。
4〜5月の若芽の状態を、手で折れる柔らかい所から摘み採ります。
成長が早いので、旬の時期はほんの数日しかありませんが、小さすぎるものや葉が開いているものは採らずに、10〜30cmの先端が巻いているものを選びます。
又、かたまって生えているのを全て採るようなことはしないで、少なくとも1株に2〜3本は残しておく、2番芽は採らないなどの、マナーがあるようです。
は守りましょう。
 
● コゴミの食べ方
クセのない万人に好まれる味です。
歯ごたえがあり、噛むとわずかにぬめりがあります。
色が変わりやすいので、サッと茹でた直後に冷水にさらしてください。
おひたしや和えものがポピュラーです。
アクがないので生のまま油炒めや天ぷら、煮物、汁の実などにも利用できます。
■ コゴミの天ぷら
1、生のまま天ぷらにします。 衣は薄目がいいでしょう。
2、天つゆでもいいですが、塩でもなかなかです。
3、さっと揚げてシャキシャキ感を残すと美味
 
■ コゴミのゴマ和え
【材料】
・青こごみ(320g)、 ・白ゴマ(大さじ1/2)、 ・醤油(小さじ4)、
・だし汁(大さじ4)、 ・砂糖(大さじ2)
【作り方】
1.青こごみはゴミを取って洗い、ざるにあげて水気を切ります。
2.沸騰したお湯に、塩小さじ1杯を入れて青こごみを茹で、サッとかき混ぜて色が鮮やかになったところでざるにあげます。(※茹で過ぎないように気をつけましょう。)
3.茹でた青こごみは3p程の長さに切っておきます。
4.白ゴマはフライパンなどで空炒りして、すり鉢でよく擦っておきます。
5.4の白ゴマに砂糖・醤油・だし汁を入れて、よく擦り混ぜます。
6.5に3の青こごみを入れて和え、器に盛ります。
 
■ コゴミのクルミ和え
【材料】
・青こごみ、 ・クルミ、 ・マヨネーズ、 ・砂糖、 ・みりん、 ・醤油
【作り方】
1、青こごみをぬるま湯で湯洗いし、よく湯切りして2〜3p程に切ります。
2、すり鉢にクルミを入れて、初め擦りこぎ棒で軽く叩き潰してから好みの大きさの粒にします。
3、2のすり鉢に適量のマヨネーズ・砂糖・みりん・醤油を入れてよくかき混ぜ、1の青こごみを入れ、片手指先で軽く揉んで和えます。
■ コゴミのマヨネーズ和え
【作り方】
1、青こごみ300gを、根元の固いところを切り捨てて、塩少々で柔らかく茹で水にさらします。
2、水気を切って3p程度の長さに切ります。
3、マヨネーズに醤油大さじ1(味噌でも良い)を加え、和え衣を作ります。
4、食べる直前に器に盛り、3をかけます。
■ コゴミの卵豆腐
【材料】
・青こごみ、 ・卵、 ・醤油、 ・砂糖、 ・塩、 ・だし汁
【作り方】
1、青こごみは軽く茹でておきます。
2、鳥肉でのだし汁に醤油、酒、砂糖、塩で薄く味つけをし、溶いた卵を加えます。
一度こすと、口当たりがなめらかになります。
3、型に卵汁を流し込み、蒸します。
最初は強火で2〜3分、弱火にして10〜15分くらいが目安です。
卵が固まりかけたころをみて、青こごみを上に入れ、再び少し蒸します。
■ コゴミのケチャップ煮
【作り方】
1、青こごみ300gを、サッと湯通ししておきます。
豚の三枚肉200gを一口切りにします。
2、豚肉を多めの油で炒め、そこに青こごみを入れ、全体に油がのったところで、
だし3・ケチャップ1の割合で加え、中火で5〜6分煮ます。
3、塩少々で味をととのえて出来上がりです。
 

石川県認定
有機農産物小分け業者石川県認定番号 No.1001