ヌルヌル成分で胃にやさしい。
カリウムで高血圧予防やむくみ防止にも。
 
なめこ(滑子)
 
 
なめこ(滑子)は、モエギタケ科スギタケ属のキノコの一種です。
なめこの生息地は、日本、台湾などに多く分布しています。
秋になるとブナやナラなどの枯れ木や切り株などに群生します。
 
茶褐色の傘と白色又は茶色の茎、ゼラチン質で茶色のひだをもっています。
天然のなめこと人工栽培のなめこがありますが、近年では広く人工栽培が行われ、
その栽培の方法も主に原木栽培と菌床栽培の二通りの方法があります。
 
天然もののほうが全体的に大きく、ぬめりが多く味も濃厚で、栽培もののとは随分違うようです。
 
市場に流通している多くは、原木栽培ではなく多くが菌床栽培のなめこです。
天然のなめこは、秋から冬にかけて生えるものですが、菌床栽培のおかげで、年間を通して食べることができているのです。
 
多くのメーカーから種菌が販売されており、害菌に対する抵抗力が比較的強く、家庭栽培も容易に行えます。
 
 
味噌汁やそばの具、和えもの、おひたし、炒め物をはじめとして、多様な料理に用いられます。
傘の開ききっていない小さなものはツルツルとした喉越しが楽しめます。
傘の開いた大きなものは直火焼きなどで香りとシャキシャキとした歯ごたえが楽しめます。
 
 
 
■ なめこの選び方
 
小粒でかさの部分がダラリと開いていない、肉厚のものを選びましょう。
なめこの最大の特徴はぬめりがあることです。
ぬめりの成分は「ムチン」というもので、納豆、オクラ、レンコン、長芋、うなぎなどにも含まれています。
気管、胃や腸などの消化管、生殖腺、目などヒトの粘膜の表面を覆う粘液の主成分も「ムチン」です。
ムチンは粘膜をうるおし、粘膜の損傷を防ぐため胃潰瘍や胃 炎の予防・改善、鼻の粘膜を丈夫にして風邪やインフルエンザなどの感染症にかかりにくくすると言われています。
また、粘膜が保護されることでアレルギー症 状の予防や改善も期待されています。
 
 
 
■ なめこの栄養と効能
 
なめこは主成分のほとんどが水分です。
栄養価として注目すべきは、なめこを覆う独特のぬめり成分です。
ぬめりの正体はムチンという糖タンパク質です。
この たんぱく質にはたんぱく質の分解・吸収を良くする働きがあり、胃や肝臓をいたわってくれます。
腸内で糖質を包み込んで吸収を抑え、血糖値の急激な上昇を阻止する働きがあります。
 
また、腸をキレイにし便通を良くする働きもあります。
また、その他の成分として、ミネラル分のカリウムも多く含まれています。
カリウムは体の余分な塩分を排出し、むくみを防いだり、血液の浸透圧を調整し、高血圧を予防する働きがあります。
 
他のキノコ類と同様に食物繊維も多く含まれ、便秘の解消や腸内の老廃物や有害物を排出させ、コレステロール値を低下させる効果も見逃せません。
最近では、ガンの発生や増殖を抑える働きもあることが分 かってきました。
 
なめこのおもな効能
・がん予防  ・高血圧予防  ・動脈硬化予防  ・胃潰瘍・胃炎予防  ・便秘予防
 
● ムチン
ムチンは粘膜をうるおし、粘膜の損傷を防ぐため胃潰瘍や胃炎の予防・改善、鼻の粘膜を丈夫にして風邪やインフルエンザなどの感染症にかかりにくくすると言われています。
また、粘膜が保護されることでアレルギー症状の予防や改善も期待されています。
 
● ナイアシン
ナイアシンはビタミンB2などと共に糖質・脂質・たんぱく質の代謝を促進します。
また神経や脳機能の正常化、性ホルモンの合成などにも大きく関わっています。
さらに、皮膚や粘膜の代謝に関与していますので、肌荒れや口内炎の緩和に役立ちます。
その他にも血管を拡張し、血圧を下 げたり、アルコールの分解に関わっているなど様々な働きをします。
 
● コンドロイチン
コンドロイチンは特に関節軟骨の約27〜43%を占めており、全身の間接が柔軟にスムーズに働くための重要な働きをします。
さらに、組織に保水性や弾力性を与えるため、肌や皮膚のみずみずしさを保ったり、活性化したりするのに不可欠だともいわれています。
 
● エルゴステリン
エルゴステリンは、ビタミンDに成る前の前駆物質(プロビタミンD)のひとつで紫外線に当たることによってエルゴステリ ンは体内でビタミンD(カルシフェロール)に変化し、カルシウムやビタミンA・Pの吸収を助け骨粗しょう症の予防などに効果があります。
また、エルゴステ リンはガンの予防にも有効とされています。
 
● β−グルカン
きのこは昔からガンに効くと言われ、多くの研究がされてきました。
近年ではキノコ類に含まれている、β−グルカンがガンを抑制する効果があると報告されている例が多数あります。
 
● トレハロース
キノコ類にはトレハロースが多く含まれています。
なめこは食用きのこの中では、特にトレハロースを多く含んでいます。
トレハロースはカルシウムの体外への流出を抑え、骨粗しょう症の改善に期待されております。
 
 
■ なめこの保存方法
なめこはぬめりがある分、他のキノコ類より足が速い感じがします。
数日で酸っぱい香りか発酵したニオイになってしまうので、特に一人暮らしな人にとって開封数日後のなめこは強敵ではないでしょうか。
大体の目安としては、冬場は5日、夏場は2日程度で、食べていただいたほうがよろしいかと思われます。
すぐに食べないであろうと判断したら冷凍庫に入ましょう。
自然解凍/水で戻しながら/熱湯かけのどれでも解凍できます。
お味噌汁などに使いたい場合は、冷凍のままお味噌汁に入れれば良いので便利。
 
 
■ なめこの食べ方
 
洗いすぎるとぬめりが落ちてしまうため、さっと水で洗い流す程度で大丈夫です。
 
なめこを大根おろしと和えるなめこ和えや、下処理したなめこを豆腐や大根おろしと汁で煮るナメコ汁もおススメです。
体の芯からポカポカ温まりおススメです。
 
 
● なめこのみそ汁
《材 料》?(4人分)
だし汁・・・800ml?? みそ・・・大さじ3〜4  ナメコ・・・1袋
麩・・・12個  刻みネギ・・・大さじ3
《下準備》
・なめこはザルに入れ、サッと水洗いしておく。
・麩は水で柔らかく戻し、水気を絞る。
《作り方》
・鍋にだし汁を入れて強火にかける。
・煮立てば麩を加え、みそを溶き入れる。
・なめこを加え、再び煮立つ直前に火を止め、刻みネギを加える。
 
 
● 揚げだし豆腐のなめこあんかけ
なめこのとろりとした煮汁が、豆腐にしみておいしい。
《材 料》?(4人分)
絹ごし豆腐 2丁(600g)  なめこ 2袋
煮汁=だし汁 1カップ  しょうゆ 大さじ1  酒 大さじ1  みりん 大さじ1
片栗粉  揚げ油  好みで七味唐辛子
《作り方》
1、豆腐はペーパータオルで包み、バットなどで受けた網にのせて20分ほどおき、水きりをする。
一丁を8等分に切って片栗粉を薄くまぶし、なめこはざるに入れて水洗いし、水けをきる。
2、フライパンに、揚げ油を深さ3cmほど入れて中温(170〜180℃。小麦粉を同量の水で溶いて数滴落とすと、鍋底近くまで沈んで、すぐに浮き上がる程度)に熱し、豆腐を入れる。
菜箸で返しながらからりと揚げ、油をきって器に盛る。
3、鍋になめこ、煮汁の材料を入れて中火にかける。
煮立ったら、火からおろして豆腐にかけ、好みで七味唐辛子少々(少々)をふる。
 
● なめこのおろしあえ
《材 料》?(2人分)
なめこ1袋  大根おろし10cm分  しょう油
《作り方》
・なめこはゆでて水洗いする。
・水けを軽く絞った大根おろしとあえて器に盛り、しょうゆ適宜をかける。
 
 
● とうふとなめこのぞうすい
食欲がないときに。消化がよく、体が温まります
《材 料》?(1人分)
ごはん100g  とうふ1/3丁(100g)  なめこ1/3袋(30g)  だいこん100g
みつば2〜3本  だしカップ1と1/2  しょうゆ大さじ1/2  塩少々
《作り方》
1、とうふは1cm角に切り、なめこはさっと水洗いしておきます。
2、だいこんはおろし、ざるにとって、自然に水気をきっておきます。
みつばは2〜3cm長さに切ります。
3、ごはんはざるに入れ、かたまりをほぐしながら水でさっと洗って、ねばりをとります。
4、鍋にだしを温め、しょうゆと塩で調味して、(1)(3)を入れ、さっと煮ます。
5、器に盛り、だいこんとみつばをのせます。
 
 
● なめこおろしそば
消化を助けてくれる大根となめこは、相性のいい組み合わせです。
《材 料》?(4人分)
ゆでそば4玉  大根1/3本  なめこ1袋  かけつゆ適宜  練りわさび
●かけつゆの材料(でき上がり約2カップ強分)と作り方
鍋に水2カップ、しょうゆ1/3カップ、みりん大さじ3、砂糖小さじ1をいれて強火にかけ、煮立ててアルコール分をとばす。
かつおの削り節10gを一度に加えて弱火で10分ほど煮たら、万能こし器にふきんかペーパータオルを敷いてこす。
《作り方》
1、大根は皮をむいてすりおろし、ざるに上げて汁けをきる。
なめこはざるにのせて流水の下で洗ってぬめりを取り、水けをきる。
2、鍋に湯を沸かし、そばを入れてほぐす。
ざるに上げ、流水の下で手早く洗いながら冷やし、水けをよくきる。
器にそばを盛って大根おろしとなめこをのせ、練りわさび適宜を添える。
かけつゆを好みの量かける。

 


石川県認定
有機農産物小分け業者石川県認定番号 No.1001