メロンは糖度の高いフルーツ
初夏から夏場が旬のフルーツです。
さあ、みずみずしい果肉は芳醇な香りを
たっぷりお楽しみ下さい!
 
アンデスメロン
クインシーメロン
 
 
■ メロンは食べ方が大切ですね
 
メロンは果肉の色によって「赤肉系」、「青肉系」、「白肉系」に分けられます。
赤肉は夕張メロンやクインシーメロンがよく知られていて、
青肉ではアールスメロンやアンデスメロンなどが有名。
また、白肉にはホームランメロンなどがあります。
 
さらに、網の有無によって「ネット系」、「ノーネット系」にも分けられます。
ネット系メロンは、成長過程で果肉が果皮よりも大きくなろうとして、その時に果皮がひび割れてしまいます。
このひび割れをふさごうとしてできたコルク層がネットになるのです。
 
メロンはガラス温室、ビニールハウス、トンネルで栽培が行われていて、その多くがハウスかトンネル栽培です。
ガラス温室ではアールスメロン(マスクメロン)など高級メロンが栽培されています。
 
メロンを食べるときは冷やしすぎに注意してください。
美味しく食べる最適な温度は15℃といわれています。
買ってきてから室温で追熟させ、花落ちと呼ばれるメロンの底がやわらかくなった頃が食べ頃。
食べる前に冷蔵庫で冷やしましょう。
目安は1時間半くらいです。
美味しいメロンを一層美味しく召し上がってください。
 
また、美味しい期間はとても短いものです。
メロンは追熟して食べ頃になると2〜3日位で中から発酵し始めます。
食べ頃になった物は冷蔵庫に入れ、美味しい間の2日か3日以内に食べるようにしましょう。
 
完全に食べ頃になったメロンは冷凍保存もできます。
もちろん、生の物より風味は落ちますが、使いようによっては十分楽しめるでしょう。
冷凍する場合は、皮から果肉だけをナイフで切り、一口大の大きさに切った物をラップを敷いたバットなどに並べ再度ラップを被せて冷凍し、凍ったらジップロックなど密封できる袋に移して冷凍しておきます。
食べる際は、そのまま氷菓としてでも食べられますが、ミキサーにかけジュースやピューレとして使います。
 
● アンデスメロン 名前の由来
アンデスメロンは、サカタのタネが開発し、日本で生産・出荷される緑肉ネット系ハウスメロンです。
アンデス山脈とは、まったく関係ありません。
メロンの大敵のうどんこ病耐病性・つる割れ病抵抗性品種で、栽培し易いことから、「作って安心」「売って安心」「買って安心」より「安心ですメロン」というネーミングで売り出す予定でありましたが、名前にセンスがないとのことから、「安心です」を略して「アンデスメロン」となったということです。
 
 
 
■ メロンの歴史
 
メロンの原産地はエジプトと言うのが定説で、ヨーロッパにおけるメロンの歴史は古く、古代エジプトや古代ギリシャにおいてメロンの仲間が栽培されていたことが分かっています。
しかし、メロンは元々が湿気を嫌う果実であり、暖かい地方でしか栽培できなかったたため、気候のそぐわない北ヨーロッパ地域で栽培が行われるようになったのは14〜16世紀以降といわれています。
香りを大事にするイギリスに貴族に好まれ、温室栽培の品種が育成され栽培されてきました。
明治文明開化のころ、明治政府直轄の植物試験場(=新宿御苑、農事試験場)にイギリスから導入されたマスクメロンが、植物学の権威福羽逸人農学博士によって育種育苗されました。
現在のような温室メロンが生産され始めたのは大正時代になってからです。
 
しかし、少なくとも弥生時代にはすでにメロンの仲間「マクワウリ」が栽培されていたようです。
れを裏付ける証拠として、日本各地の遺跡から土器などとともにマクワウリの種が見つかっています。
 
これに続いて露地メロンも日本に入ってきました。
民間では大正の初期から栽培が始まりました。
 
 
 
■ メロンの種類
 
■ マスクメロン(アールス)
 
マスク(Musuk)とは麝香(ジャコウ=ジャコウジカの分泌物からとった香料)の意。
高貴な香りを持ち、しかもネットをはりめぐらした王者然とした造形美のメロン。
 
日本でマスクメロンと呼ばれているものはイギリスから導入されたアールス・フェボリット(伯爵好み)と言う品種です。
 
明治文明開化の頃、イチゴの福羽と言う品種を育成した植物学の大家福羽逸人博士によってこのマスクメロンもまた育種・育苗されました。
 
イギリスの貴族に好まれて栽培されていたためか、時の宰相大隈重信侯爵の目にとまり、やがて華族をはじめとした上流階級で贅沢な流行となったという。
大隈候の有名な大風呂敷「余はメロンを食うて125歳まで生きる」はこの時代に発せられたものです。
 
代表品種は「アールス・フェボリット」で、静岡県ではアールス・フェボリットの優秀なものを「クラウンメロン」として流通させています。
 
 
■ 夕張メロン
 
今やブランドメロンに成長した夕張メロンのふるさと夕張市は、96%が山で平地は夕張川沿いに僅かに広がる程度、かつては20の炭鉱が栄える炭鉱の町でした。
 
昭和35年にメロン組合が発足。
正式な品種名は「夕張キング」といい、親は「スパイシー・カンタロープ」×「アールス・フェボリット」で1961年(昭和36年)に誕生しました。
36年にはアールス・フェボリット(マスクメロン)との一代交配により”夕張キングメロン”(正式名称)が誕生しました。
露地栽培ができる赤肉系ネットメロン、スパイシーキャンタロープの栽培が始まりました。
 
強い芳香と濃厚な甘さの赤肉の夕張が世間を魅了しました。
その柔らかな果肉は日持ちが悪いので産地直送が主流です。
 
また「夕張メロン」という名前は夕張市農業協同組合の登録商標で、この農協から出荷されるものだけが夕張メロンの名称を使用できます。
 
 
■ アンデスメロン
 
大きさは少し小ぶりで果皮に細かい網が入り、果肉は緑色でややかたく、味と香りはマスクメロンに似ています。
価格がお手頃なことから人気が高く、ハウス栽培の中心品種となっています。
親は「アールス系」×「不詳」。
ちなみにアンデス山脈とは関係なく、発売当初の「安心ですメロン」という名前の候補が由来です。
 
■ クインシーメロン
 
赤肉系ネットメロンで、なめらかな口当たりと深みのある甘さが特徴です。
以前は日持ちが悪く独特のカロテン臭がありましたが、最近はそれらが改善されたことで需要が定着しています。
シーズンは5月?7月頃。
 
また最近では同じ赤肉種として、可食部が多く糖度も高い新品種「レノン」にも注目が集まっています。
 
■ アムスメロン
 
 
アムスメロンは、戦後移入された西洋系露地メロンの改良品種の一つで、アールスとソ連系メロンの雑種です。
皮に溝のような縦じまがあり、あらい網目が入ります。
やや楕円形で肉質の良い緑色の果肉で、果肉は甘く、味、香り共にアールス・フェボリットに近い
 
 
■ ホームランメロン
 
皮は乳白色でネットがなくツルツルしています。
乳白色の果皮と白い果肉、香ばしい香りとクリームのようになめらかで上品な口当たりと甘さ。
ホームランメロンは、白肉のハネデューメロンと緑肉のハネデューメロンを掛け合わせて出来た比較的新しいメロンです。
味も香りもいいノーネット系メロンであるハネデューメロンが親だけあって、見た目も立派。
それまで果皮果肉とも白いメロン”しらゆき”があったが、文字通り、完全に逆転ホームラン。
主に熊本や茨城で栽培されています。
時期は3?7月頃。
 
■ ハニーデューメロン
 
フランス生まれでアメリカ育ちのウインターメロン。
果形は楕円形で果皮は、白、又は黄色のメロンでネットは出ません。
輸入メロンの大半を占めているのがこの品種です。
今で回っているものは、ほとんどがアメリカやメキシコ産の輸入品です。
ハネデュー、ハネジューとも呼ばれています。
 
果肉は冴えた美しい淡緑色で、名前(Honey Dew=ハチミツのしずく)のとおりハチミツのような甘みを持ち、多汁で味はよいが香りは少ない。
 
日本には明治時代に導入されたが、多湿な気候に適さず、僅かに岡山県で栽培されています。
 
■ タカミメロン(貴味メロン)
網目が細かくネットの盛り上がりが薄いのが特徴。
果肉は緑色で糖度が高くさわやかな甘みがあります。
果肉がややかためなので日持ちがよく、スーパーなどでもすっかりおなじみになりました。
 
■ オトメメロン
2000年に誕生して人気が高まっているメロンです。
果皮のネットが緻密で、果肉は薄い黄緑をしています。
果肉はみずみずしく糖度も高めで、さわやかな香りと甘味が味わえます。
出荷時期は4?6月頃。
 
■ ルピアレッド
赤肉種で果皮のネットが細かく、主に北海道で栽培されています。
積丹半島付近で栽培されたものは雷電海岸にちなんで「らいでんメロン」と呼ばれることもあります。
果汁が豊富でまろやかな甘さがあり、果肉がしっかりしているので日持ちも良好です。
 
■ プリンスメロン
かつてはメロン市場のシェアNo.1を誇りましたが、1970年代以降にさまざまな品種が登場したことで生産高は減少しました。
西洋種のメロンと「まくわうり」を交配した品種で、果肉は緑?オレンジで甘みが強く、大きさはやや小ぶりです。
 
■ キンショウメロン
やや縦長の球形で皮は濃い黄色をしており、果肉が白いのが特徴です。
親は「マクワウリ」×スペイン系メロン。
肉質はややかためで歯ごたえがあり、さっぱりとした甘さです。
4月?7月頃に店頭に並びます。
 
 
 
■ メロンの栄養と効能
 
メロンに含まれるカリウムの量は果物の中でも特に多く、高血圧や動脈硬化、糖尿病の予防効果が期待できます。
 
カリウムは筋肉にとっても欠かせないミネラルです
フルーツの中でも特にメロンは、バナナ以上にカリウムを多く含んでいます。
これはナトリウム(塩分)を排泄する役割があり、高血圧に効果があります。
また、長時間の運動による筋肉の痙攣などを防ぐ働きもあります。
逆に不足すると、筋肉が弱り、障害を起こすそうです。
 
カリウムには水分バランスの調節をする働きもあり、利尿作用やむくみ解消にも効果的です。
 
また赤肉メロンはβカロテンの含有量がずば抜けて多く吹く含んでいます。
これは体内でビタミンAに変換され、髪の健康維持や、視力維持、粘膜や皮膚の健康維持、そして、喉や肺など呼吸器系統を守る働きがあります。
 
老化を防止する抗酸化作用やがん予防にも効果があるといわれています。
豊富に含まれるβカロテンには風邪予防にも効果があります。
 
その他、メロンにはククミシンというたんぱく質分解酵素も含まれています。
 
 
■ メロンの保存方法
 
完熟していないメロンは追熟させるため常温で保存し、食べる2〜3時間前に冷蔵庫で冷やしましょう。
追熟期間は品種によって多少のばらつきはありますが、収穫日から5〜7日ぐらいが目安です。
一般的に食べ頃になると香りが強くなり、お尻の部分に弾力を感じます。
 
カットしたものは種を取ってからラップに包んで冷蔵庫へ。
ただし冷やしすぎると味が落ちるので要注意。
 
メロンは種に近い内側のほうが甘味が強く、皮に近づくにしたがって糖度は低くなっていきます。
またツル側の部分より、お尻(果頂部)のほうが糖度が高くなる傾向にあります。


石川県認定
有機農産物小分け業者石川県認定番号 No.1001