■ 野菜・果物と健康 (99)
 
石原結實 著    永岡書店
「石原結實式 野菜ジュース&スープが
病気を治す」        その9
 
第4章 食べ物が病気・症状に聞く理由
 
● 体に効く野菜・イモ類・豆類・穀類
 
■ キャベツ アブラナ科
胃腸膜を保護し、がん予防の強い味方
医聖ヒポクラテスは「キャベツは腹痛と赤痢の特効薬」、
ピタゴラスは「キャベツは元気をつけ、気分を落ち着かせる」、
とその薬効を認めている。
キャベツに含まれるビタミンUには、
胃腸膜を保護指定・十二指腸潰瘍を予防したり、直したりする作用がある。
他にも肝機能を高めたり、気管支炎によいとも言われている。
がん予防効果のあるイソチオアネートが多く含まれていることが、
最近の研究で明らかになった。
 
 
■ ブロッコリー アブラナ科
胃強力な抗がん作用が注目されている
ブロッコリーに含まれるスルフォラファンには、強力な抗がん作用がある。
スルフォラファンは芽の部分に多く含まれるので、
ブロッコリースプラウトがおすすめ。
熱に強く、ゆでたり炒めたりしても失われにくいという利点がある。
抗酸化作用が強いβカロチンやビタミンCも多く、免疫力アップにも効く。
体を冷やす陰性食品なので、冷え性の人は生のまま食べないほうがよい。
 
 
■ 小松菜 アブラナ科
がん予防、動脈硬化予防に効く
抗酸化作用が強いビタミンC、βカロテンを多く含む。
グルコシノレートという、肝機能を助け、肝機能を高める成分も含まれている。
アメリカやドイツの実験で、小松菜に含まれるグルタチオンに、
抗がん作用があることが確認されている。
体を冷やす陰性食品なので、冷え性の人は生でそのまま食べないほうがよい。
 
 
■ 大根・大根の葉 アブラナ科
消化を助け、二日酔いに効き目がある
でんぷんや蛋白質を分解する酵素(ジアスターゼ、オキシターゼ、タカラーゼなど)
を含み、消化を助ける。
食中毒や二日酔いの予防、改善によい。
大根の辛味成分には胃液の分泌を促し、消化を促進する作用があり、
胃もたれの解消にもおすすめ。
葉は冷え性、婦人病、貧血の改善に効果的といわれる。
 
 
■ にんじん セリ科
がん予防だけでなく、万病に効く
万病のもとといわれる活性酸素を無害化させる、
強力な抗酸化作用を持つβカロテンを豊富に含んでいる。
免疫力を高める、視力を回復させる、肌を丈夫に保つなど
さまざまな健康効果がある。
欧米の自然療法病院では、必ずといっていいほど、
にんじん2本、リンゴ1個で作る生ジュースをすすめている。
 
 
■ セロリ セリ科
血栓を予防し、動脈硬化に効く
ヨーロッパでは古くから薬草として用いられてきた。
古代ギリシア時代には、利尿薬、解熱約、胃薬、催眠薬など万能薬だった。
香り成分のアビインには神経をしずめる作用がある。
赤血球のもととなる栄養素が多く含まれているので、
貧血改善、生理不順、更年期障害にもよい。
何より、血液中の血栓を溶かす作用が強く、
血液をサラサラにして、心筋梗塞や脳梗塞を予防する。
 
 
■ パセリ セリ科
香り成分にさまざまな薬効がある
古代ギリシア時代、ローマ時代から
食中毒や二日酔いの予防に活用されてきた。
特有の香り成分はピオネン、アピオールで、強い殺菌作用がある。
ほかにも食欲増進、腸内環境を整える、排尿を促す、
腎臓・膀胱、尿管の感染症予防、血管を若く保つ、
イライラ予防、貧血の改善、脳の活性化、
体内の老廃物の排泄を促す(解毒)、
肝機能を高める、ホルモンバランスを整える、
などさまざまな健康効果があることが、
経験的、科学的に証明されている。
 
 
■ あしたば セリ科
がんや血栓を予防する
今日、葉を摘んでも翌日には収穫できるほど、
強靭な生命力があることで知られる。
あしたばを切ったときに出る黄色い汁には、
カルコンという強力な抗酸化物質が含まれている。
がん、潰瘍、血栓予防に効果がある。
ほかにがん予防効果が期待されるクマリンという成分も含まれている。
 
■ きゅうり ウリ科
強い利尿作用で「水毒」を解消
ビタミンC、カリウム以外はあまり栄養素が含まれていないが、
カリウム、イソクエルシトリンには強力な利尿作用がある。
体内の余分な水分が原因で起こる「水毒」の解消に奏効する。
むくみ、高血圧、腎臓病、心臓病、二日酔いなどに効く。
ケイ素が含まれているので脱毛予防にもよい。
体を冷やす陰性食品なので、冷え性の人はとりすぎに注意。
漬物にするなど塩を加えるとよい。
余分な熱を取り、ほてりを抑えるので暑気あたり改善にもおすすめ。
 
 
■ 冬瓜 ウリ科
むくみを解消し、夏にぴったり
強い利尿作用がある。
むくみ解消や高血圧予防に効く。
体を冷やす陰性食品なので、夏場のホテリやノボセ解消にぴったり。
さっぱりしているので、食欲が低下している夏場のときにすすめられる。
冷え性の人は生でそのまま食べないほうがよい。
スープなどにしてとるとよい。
 
 
■ レタス キク科
鎮静作用と不眠解消に効果あり
昔から「頭の疲れを癒す」「鎮静作用がある」といわれてきた。
頭痛予防に効くといわれる。
葉を切ったときに出る白い乳液は、
神経を安定させるラクッコピコリンが含まれ、入眠作用がある。
サラダなどで生で食べることが多いが、体を冷やす陰性食品なので、
冷え性の人はスープに入れる、炒めるなど加熱して食べたほうがよい。
 
 
■ 春菊 キク科
がんや動脈硬化、老化を予防
抗酸化作用の強いβカロテン、ビタミンCを多く含み、
がん予防、動脈硬化予防、老化予防などに効く。
骨粗しょう症を予防するカルシウム、貧血の改善に役立つ鉄なども、
野菜の中では比較的多く含まれている。
独特の香り成分「ピネン」には、胃腸の働きを良くする作用がある。
 
 
■ ごぼう キク科
にきびや発疹などにおすすめ
不溶性食物繊維を豊富に含み、
腸内の老廃物や有害物質の排泄を促して腸内環境を整える。
なかでもリグニンには大腸がんの予防効果がある。
漢方では、腰をはじめ下半身を強化し、
精力を増強すると考えられている。
腎の機能を高め、排尿を促す。
ごぼうに含まれるイヌリンに利尿作用がある。
解毒作用や発汗作用にも優れているので、
ニキビや発疹など皮膚の病気にも効果的。
 
 
■ れんこん スイレン科
止血や消化不良に効く
でんぷんが大部分を占めるが、食物繊維も豊富で便秘に効く。
免疫力を高めるビタミンC、貧血を改善する鉄なども多く含まれる。
切ったときに黒ずむのはタンニンという成分のせいで、
止血作用、消炎作用があり、胃・十二指腸潰瘍の出血に奏効する。
倦怠感や精力減退にも効く。
 
 
■ ピーマン ナス科
発毛を促進する。抜け毛予防に
ベータカロテン、ビタミンB1、ビタミンCを多く含み、
免疫力アップによい野菜。
血液を浄化するクロロフィルや、老廃物の排泄を促す食物繊維も豊富。
毛細血管を強化して出血を防ぐビタミンPを含み、
傷の予防や治療に有効。
脱毛や爪の発育不良改善におすすめ。
 
 
■ ほうれん草 アザカ科
鉄分が多く貧血解消におすすめ
鉄分、マンガン、マグネシウム、カルシウムなどミネラルを多く含む。
貧血の解消によい。
血液中の有毒物を浄化するクロロフィルも含んでいる。
胃腸を浄化したり、ホルモンの分泌を清浄に保ったり、
尿酸の排泄を促す作用がある。
ほうれん草に含まれるシュウ酸は結石の成分になるので、
生で食べないほうがよいと言われることもあるが、
量に気をつければそれほど心配する必要はない。
1日100〜200g程度であればまったく問題ない。
 
 
■ しそ シソ科
免疫力アップやかぜに効く
殺菌力が非常に強く、昔から食中毒の予防や解毒に用いられる。
漢方ではうつ病、気管支ぜんそく、かぜ、発熱、
頭痛、せき、胃弱の薬として使われる。
免疫力を高めるので、
免疫が関係するアレルギー性疾患の改善に効果がある、
気分が落ち込んでいるときにもおすすめ。
香り成分に食欲増進作用がある。
 
 
■ アロエ アロエ科
強力な緩下作用が便秘改善に効く
古くから「医者いらず」といわれるほど薬効が高く、
薬として利用されてきた。
便秘、消化不良、慢性胃炎、火傷などに効果がある。
強力な緩下作用があり、排便を促す。
アロエに含まれるアセマンナンには、
粘膜を強くして潰瘍を治す働きや、免疫力促進作用がある。
 
 
■ しょうが ショウガ科
免疫力を高め、万病に効く妙薬
体を温めて発汗を促す、免疫力を高める、
殺菌作用、解熱、鎮痛作用、気力を高めるなど
さまざまな健康効果がある。
漢方では心身の多くの病気に効く薬と考えられている。
これらの薬効はしょうがに含まれる
ジンゲロン、ジンゲロール、ショウガオールなどの辛味成分によるもの。
かぜ、うつ病、胃腸の不調などにも効く。
 
 
■ にら ユリ科
体を温め、疲労回復に効く
にら特有の作用に「駆?血作用(くおけつさよう)」がある。
血液の汚れを浄化して、血行を浄化して、血行をよくするため、
肩こり、頭痛、めまい、耳鳴り、動悸、生理通、生理不順
などを改善するといわれる。
ほかに、体を温める、消化を促進する、殺菌作用、鎮静作用などもある。
にらレバ、にらの卵とじなどは、陽性食品の卵、レバーをあわせるので、
滋養強壮、疲労回復、虚弱体質や貧血の改善、低血圧などに効く。
 
 
■ ねぎ ユリ科
かぜの予防にはねぎみそ汁
滋養強壮、発汗作用、利尿作用、
殺菌作用、解熱鎮痛作用などがある。
滋養強壮、鎮静効果が高く、
日本でも古くからかぜの特効薬として活用されてきた。
不眠症や食欲不振などにも効果がある、
冬場のビタミン補給にぴったりの野菜。
 
 
■ 玉ねぎ ユリ科
血液をサラサラにして動脈硬化を予防
ほかのユリ科の食べもの(にら、ねぎ、にんにくなど)と同様、
動脈硬化予防、滋養強壮、解毒作用などさまざまな健康効果がある。
特筆すべきはグルコキニンの血糖降下作用。
鎮静効果もある。
玉ねぎの薄皮を煮出した煎じ汁は、高血圧、動脈硬化に効く。
 
 
■ にんにく ユリ科
体を温め、疲労回復に効く
古代エジプト時代、ギリシア時代から「万能薬」とよばれ、
活力源として活用されてきた。
エネルギーを作るときに欠かせないビタミンB1と結びついて、
体内に吸収されやすくする硫化アリルを含み、
疲労回復や滋養強壮に効果がある。
それ以外にもさまざまな健康効果がある。
取りすぎると胃腸膜をあらすので注意する。
 
 
■ らっきょう ユリ科
血液をきれいにする浄化作用が強い
にら、ねぎ、にんにく、玉ねぎなどユリ科アリウム属の野菜と同様、
血液の流れをよくして浄化する作用がある。
エネルギーを作るときに欠かせないビタミンB1を、
効率よく吸収させる硫化アリルを多く含む。
疲労回復、懲りの解消、狭心症や心筋梗塞の予防などにおすすめ。
 
 
■ 山いも ユリ科
滋養強壮、老化防止にはコレ!
山いもをはじめ、里いも、うなぎ、どじょうなど
ヌルヌルした食べものは、滋養強壮によいといわれている。
漢方では胃腸や肺、腎の働きを強化し、
消化不良、蹴り妙通、せき、糖尿病、頻尿に効くとされる。
足腰の冷え、むくみ痛み、頻尿、老眼、白内障、
インポテンツ、皮膚のかゆみ、骨粗しょう症など
老化による症状や病気に処方する「八味地黄丸」の主成分。