山ちゃんの食べもの考

 

 

その98
 

 肉食と健康について、ピ−ター・コックス氏の話を続けます。
 27人の関節炎患者にベジタリアンの食事を与えたところ、4週間後には、関節の柔らかさ、痛み、朝のこわばっている時間、握力、白血球数、その他多くの健康の目安にはっきりと改善がみられ、それが1年後にも継続していたという。
 また別の研究チームでは、食事から、肉・魚・卵・酪農製品を除外し、果物・野菜・穀物・豆類・種子類の富む食事に切り替えたら、リューマチ性関節炎が改善されたという事例が報告されている。さらに、リューマチコンサルタントのジョン・キルワン博士は、「食事と関節炎」について、「現在我々の言えることは、赤肉・全脂肪乳・バター・バター入りキャンディをやめて、低脂肪食、冷水に住む魚か植物性油脂の摂取を増やすことは、痛みを止め・抗炎症剤の使用を少なくさせる可能性があるということだ。」と語っている。


 血圧は、心臓と血管の病気が進む際の危険要素の鍵の一つであります。イギリス政府は、高血圧関連の病気による死亡者は、年に24万人以上と推定しており、65歳以下の死亡者の3分の1は高血圧症由来の病気が原因であるといいいます。
 ピ−ター・コックス氏は「一般に、人は年齢を重ねるとともにゆっくりと血圧は上昇し、死ぬまで上がり続けるといわれています。西洋では年をとれば当然血圧は上がるものだということになっていますが、上がらない人もいる。これらの人々は肉体活動も活発で、太りすぎてもいず、食物中の食肉脂肪が少量で、かつ塩分も少ないのです。言い換えると高血圧は西洋的生活様式が原因のようだ。」と述べています。そしてその著の中で以下のように記しています。
 「1926年、カリフォルニアの研究者たちは、肉食をしない人々に肉中心の食事を2週間続けてもらった結果、その人たちの血圧が10%上昇した。またオーストラリアでは、肉食をする人と肉食をしないグループに分け、それぞれ年齢を5段階に分けて実験が行われた。その結果、どの年代においても肉食が血圧を高めることが明らかになったが、ことに、年齢が上がるにつれ肉食する人たちの血圧は上昇するのにたいして、肉食をしない人たちでは年を重ねても血圧の上がり方が少なく、最高年齢では低下さえしているのである。
 同様の研究がイギリスにおいても行なわれたが、結果は全く同じパターンであった」という。


 肉食と血圧の関係についての研究結果について、ピ−ター・コックス氏は下記のように述べています。
 肉食をする115人のグループと、ベジタリアン115人のグループで比較実験した結果、収縮血圧では9.3%、拡張血圧では18.2%もベジタリアンのグループが低い数値を示した。
 アメリカでは、全粒穀物、ふすま、全粒パン、野菜、豆類などによる食物繊維の多い食事が工夫された。この食事を与えられたグループでは、平均的な通常食の人たちに比べて10%も低い結果となった。
 肉を避けることが血圧の改善につながることは明確になってきている。
 オーストラリアのロイヤル・パース病院で、高血圧の人たちが、ベジタリアンの食事を摂ることにより血圧が下がった。
 また、ベジタリアンの食事で高血圧を治療しようと1年かけた実験がスウェーデンで行われた。平均8年間の高血圧の病歴を持つ26人が対象となった。食事からは、コーヒー、紅茶、砂糖、塩、チョコレートが除かれ、塩素殺菌した水も止められ、果物や野菜は有機栽培によるものとされた。
 結果は非常に印象的で、先ず患者は自分が健康的になったと感じた。この治療により、変化なし、あるいは悪くなったという人は全くなかった。少し良くなったと感じた人が15%、とても良くなったと感じた人が50%以上、完全に治ったという人が30%であった。「全員の血圧が下がると、ほとんどの薬は不要になった。1年後、26人中20人は投薬が全く不要になり、残り6人は多少投薬を受けていたが、量は半分になった。」




 

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生命の農と食を考える
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池田 優

 

 

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