京都府余謝郡 あっぷるふぁーむの
九条ねぎ
 
 
有機質肥料を使い土作りをし、農薬・化学肥料の使用を抑えた栽培をしています。 京野菜の一品です。
柔らかで甘みのある葉ねぎですので、鍋物・煮物・焼きねぎ等用途は豊富にご利用頂けます。
 
 
 
九条ねぎとは、日本を代表する青ネギ(葉ネギ)の一種であ、もともとは難波に自生していたネギが原種と言われています。
後に京都に伝わって、古くから品種改良が施され、伝統的に生産され続けている京野菜のひとつです。
 
京都市南区九条地区が主産地であったことからその名がつきましたが、現在の主な産地は九条の南、十条となっています。
京都で「ネギ」と言うと、青ネギ(九条ねぎ)を指す事が多いです。
 
九条ねぎには、葉鞘部が比較的太く濃緑色の九条太葱と、葉鞘部が細く葉色が薄い(浅黄色)の浅黄系(さんぎけい)九条葱があります。
 
 
  
 
九条太ねぎ(くじょうふと)
葉肉が長くて柔らかい葉ねぎを代表する品種。
青ねぎともよばれます。
京都九条が主産地でありましたが、今では西日本で広く栽培されています。
 
九条細ねぎ(くじょうほそ)
九条ねぎの系統で、葉肉が薄くて柔らかいです。
九条太より株分かれが多く、7〜10本にもなります。
 
 
■ 九条ねぎの特徴
 
九条ねぎ(ユリ科/多年草)は長くて、深いみどりの葉の部分が柔らかくとても風味が豊かです。
内部にぬめりが多いのが特徴です。
そのぬめりがねぎの甘味を増し、魚肉の生臭さを消したり、体を暖める働きがあります。
ビタミンB1、B2、Cを含み、刺激成分の硫化アリルとB1が結びつき、 青々とした葉先は、カロチンを含有し、消化・吸収を促進します。
 
ねぎはカルシウムやリン、鉄分、カロチン、ビタミンB1、B2、Cなどを含んでおり、とても栄養価に優れています。
ビタミンA(カロチン)は緑の葉の部分にしか含まれていませんので、葉の部分も味噌汁の具などに有効利用しましょう。
ねぎ独特の刺激臭はニンニクや玉ねぎと同じアリシンという揮発性の成分です。
しかし、アリシンは熱に弱く長く煮込むと効力は減り甘み成分に変化します。
また、水に溶ける性質を持っているので、生食用で水にさらす場合も2〜3分を目途にするといいと言われています。
夏の食欲のないときにソバや冷麦に刻んだネギを入れると食欲増進にも役立ちます。
 
また、ねぎは寒ければ寒いほど甘みが増すとも言われ、土の下で冬眠しながら白い部分にタップリ糖分を貯えます。
特に、厳寒期に耐えたねぎは味が良いだけでなく、タンパク質や薬効成分も、他のねぎの三倍近くも含んでいます。
 
ねぎには発汗作用や消化液の分泌を促す働きがあるため“薬味”といわれ古くから薬として用いられていました。
これはねぎに含まれる硫化アリル、アリシン、イオウなどの成分が色々な働きをしてくれるからです。
硫化アリルは局所刺激作用や制菌、発汗、緩下、駆虫などの効果があり、風邪をはじめ下痢止めなどとして用いられてきました。
 
また、ねぎには粘液質が含まれているので皮膚や粘膜の保護作用があり制菌作用と相まってやけどや出血などに外用するのは良いわけです。
アリシンは血行をよくして体を温め、肩こりや疲労の蓄積を防ぎ、神経を鎮め体調を整えます。
また、アリシンはビタミンB1の吸収を促進する働きもあり、疲労回復や風邪の治療にも効果があります。イオウは鎮静効果があり不眠に効果があるようです。

 
 
■ 九条ねぎの歴史とウラ話
 
九条ねぎの歴史は様々な諸説がありますが「ねぎ」はユリ科の植物で、中国西部地域が原産地と言われております。
 
紀元前より中国で栽培されていた原種が朝鮮半島を経て渡来し、古くは「日本書紀」にその記述が見られます。
そして浪速(大阪)から平安建都以前の和銅四年(711年)、稲荷神社が建立されたときに京都で栽培が始まったという口伝えがあり、平安前期の「続・日本後紀」には九条村(現・京都市南区九条) で「水ねぎ」を栽培したと記録があり、また、伝承によると、弘法大師(空海)が昔、東寺(教王護国寺)の近くで大蛇に追われて逃げ場を失い、ねぎ畑に隠れて難を逃れたことがあり東寺の五重塔の上には、ねぎ坊主(ねぎの花のつぼみ)がつけられたとも言われています。
 
また、平安時代から京の主要野菜であったらしく、延喜式(927年)にも栽培法が記され、江戸時代の雍州府誌(1684年)には、東寺の付近から東南の地域一帯の葱の品質が良いと書かれております。
 
平安京の郊外(碁盤の目の外)の洛南一帯は低湿地で養分豊かな土壌が条件に適した上に、熱心な農家によって作りこまれ、改良されたことから「九条ねぎ」の名が生まれたとされています。
 
明治時代に入り、牛肉の普及が進むにつれ栽培も一層盛んになり、京都の産業の発展も重なったことで、産地は南に、そして徐々に郊外にすすみ、今日、京都府下で作られています。
 
冬の気候が比較的温暖な関西では、霜に浴びながら柔らかい緑葉が育ち、甘味を増す九条系品種があり、これを大きく分けると葉ねぎ(青ねぎ)と根深ねぎ(白ねぎ)とに分けられます。
 京都では、普通ねぎと言えば、葉ねぎの代表の九条ねぎを指し、根深ねぎを関東ねぎと呼びます
 
★ 九条葱にまつわる伝承
弘法大師(空海)が大ヘビに追いかけられたとき、ネギ畑に隠れて難を逃れたという逸話が残っています。
そのため、東寺周辺の農家の人々は東寺の縁日(御影供)にあたる21日はネギ畑に入らないようになり、その日にネギを食べると一家に不幸が起こるという言い伝えがあったといいます。
 
 
 
 
■ 「九条ねぎ」おいしい食べ方
九条ねぎフェステバル他
 
● 九条ねぎとわかめの酢みそ和え
《材 料》 (2人分)
九条ねぎ300g  わかめ(カットわかめ)10g
 A=みそ大さじ2  酢大さじ2  砂糖大さじ3  いりごま大さじ1
《作り方》
1、九条ねぎは4cm〜5cmの長さに切る。
2、沸騰したお湯にねぎの白い方を先に入れ1分程ゆで葉の方も入れてさらに1分ほどゆでてざるに取る。
3、わかめは水でもどして絞る。
4、Aを混ぜ合わせ酢みそを作る。
5、2を絞り、わかめを入れ、4を入れて和える。
※ いかをゆでて入れてもよい。
 
 
● 九条ねぎのスープ
《材 料》 (2人分)
九条ねぎ80g  玉ねぎ100g  じゃがいも100g
牛乳少々  生クリーム少々  クルトン  ハーブ
《作り方》
1、九条ねぎは適当な長さに切り、オリーブオイルで軽く炒める。
2、玉ねぎとじゃが芋はくし型に切り、かぶるくらいの水で煮込む。
3、1,2をミキサーにいれて撹拌する。
漉して鍋に戻す。
4、ブイヨンと塩、コショー、牛乳で味を整える。
5、生クリームをそえ、ハーブを飾る。
※ ねぎのぬめりが甘みと柔らかさの秘密。
市場に年中出回っているけれど、特に、寒くなると甘みが増して、絶品!!
カロチン、ビタミンB1、B2、C が豊富で、栄養面でも申し分ない。
 
 
● 九条ねぎの卵焼き
《材 料》
九条ねぎ(小口切り)1/2本(15g)  卵2個  塩麹小さじ1  油適量
《作り方》
1、卵を割りほぐし、九条ねぎ、塩麹を入れてよく混ぜる。
2、熱した卵焼き器に油をひき、1の卵を薄く流して焼く。
※ お弁当おかずに大人気の卵焼きをアレンジ。
毎日食べても飽きがこず、調理もとっても簡単。
見た目も鮮やかで、彩りに欠かせません。
ねぎと塩麹の相性も抜群です。
 
 
● 九条ねぎのぬた
《材 料》 (4人分)
九条ねぎ300g  薄揚げ100g  サラダ油10g
酢味噌=みそ50g  みりん20g  砂糖5g  酢20g
《作り方》
1、ねぎは3cmの長さのぶつ切りにしておく。
2、フライパンにサラダ油を入れ、1の茎の部分から炒め、しんなりした頃に葉の部分を加えて炒める。
3、小鍋にみそとみりんを入れて伸ばし、さらに砂糖を加える。
弱火にかけて煮溶かしたのち、酢を徐々に加えて伸ばす。
(好みにより練り辛子や当たりごまなどを加える。)
4、薄揚げは、表面がカリッと焼き色が付く程度に焙り3cmの長さに切っておく。
5、2と4を3で和え器に盛る。
※ ・酢みそ和えをぬたという。
・薄揚げは、二枚におろし細切りにして湯通ししてから用いると口当たりは柔らかになる。
・和え種の薄揚げをあさりのむき身やイカに代えてもよい。
 
 
● 九条ねぎのグラタン
《材 料》
九条ねぎ400g  サラダ油10g  小麦粉40g  塩少々 こしょう少々
牛乳500g  チーズ40g
《作り方》
1、ねぎは3cmの長さのぶつ切りにしておく。
2、フライパンにサラダ油を入れ火にかける。
3、2に1を加えしんなりするまで炒め、軽く塩・コショウをする。
4、3に小麦粉を振り入れさらに炒める。
5、4に牛乳を加えて伸ばししっかりと加熱する。
6、5を器に盛りチーズを載せ、オーブントースターで焼き色がつくまで焼く。
※ ・ベシャメルソースは、小麦粉をバターで炒めた後、牛乳やブイヨンで伸ばし、高温で加熱し、デンプンを十分α化すると美味しくできる。
・小麦粉デンプンは高温にしなければ完全にα化されないので十分に加熱する
・素材を炒めた後、小麦粉を振りかけさらに炒めでから牛乳やブイヨンで伸ばすとダマになりにくい。
・小麦粉を片栗粉にすると小麦アレルギーの方に適応できる。
・牛乳を豆乳にすると牛乳アレルギーの方に適応できる。
 
 
● 九条ねぎのネギ焼き
お好み焼きのキャベツの代わりに、長めにきざんだネギを使います。
九条ねぎ本来の味わいを楽しみたい方はネギとお好み焼きのタネだけで焼くことをお勧めします。
また、お好みの具として、豚肉または貝柱などと合わせて焼くと九条ネギと具が表面は香ばしく焼けて、中はとろけるように柔らかく甘い、ネギの 風味を満喫できます。
お好みによってソース、またはしょうゆをたらしていただきます。
 
《材 料》
小麦粉・・・2,1/2カップ  だし(こんぶ・かつお・・・3カップ
ガラスープ・・・小さじ1  卵・・・1ヶ  九条葱・・・お好みの量
《作り方》
1、生地の材料を混ぜ合わせて、30分そのままねかせる。
2、九条葱を小口切りに刻む。
3、フライパン又はホットプレートにサラダ油をひき、生地を丸形 に薄くのばす。
4、生地が乾かないうちに手早く、刻んだねぎを山盛りにのせる。
5、生地とねぎのつなぎとして、ねぎの上に生地少々をかける。
6、焦がさないように両面を焼くとできあがり。
7、表の面にしょうゆをハケでぬる。
8、お好みでレモン汁、七味、一味をかける。
【ポイント】
トッピングは、桜エビ、ちりめんじゃこを入れるとおいしい。
 
 
● 九条ねぎのすき焼き
 
すき焼きは、関西と関東で調理法が異なります。
(関西出身で関東にお住いの方は、関東のすき焼きに驚いた方も多いと思います)
関東ではしょうゆ、みりん、だしなどを調合した割り下を使い、肉と野菜を同時に煮るのが特徴です。
一方、関西は砂糖としょうゆでまず肉を焼き、割り下は使いません。
割り下を使う関東のすき焼きは、すき「焼き」ではなくすき「煮」だと思うのですが、関東のすき焼きは鋤焼きからきた関西のすき焼きとは違って、そのルーツは「牛鍋」にあるのだそうです。
関西では、温めた鉄鍋に牛脂を敷き、その上に肉を置き、いためます。
そして、ある程度肉が焼きあがってきた頃を見計らって砂糖をふりかけ、醤油を注ぎそこに野菜を加え一気に煮るという調理法です。
一方、関東では肉と野菜を同時に煮て食べるそうですね。
そして、すき焼きの味付けは割り下で行います。
この割り下とはしょうゆ、みりん、砂糖、水の混合液のことだそうです。
割り下を鉄鍋に入れ温めてから、ねぎや野菜をまず鍋に入れ、最後に牛肉を入れるという順番です。
《材 料》
牛肉・・・600g〜800g  九条ねぎ・・・・4束(本当は多いほどおいしい)
生椎茸・・・1パック  糸こんにゃく・・・一袋  やき麩・・・お好みでどうぞ
1、肉は少し大きめに、九条ねぎは5cmぐらい、椎茸・糸こんにゃくは食べやすい大きさに切っておきます。
2、鍋を熱し、牛脂を全体にひき、肉を広げて鍋全面に並べ、すぐに砂糖を全体にふりかけ(100g〜150g)、混ぜながら醤油をかけ全体に火が通るように炒めます。
3、全体に火がとおり、肉の色が変わってきたら肉を端によせて、用意しておいた九条ねぎ・椎茸・糸こんにゃく・やき麩を入れる。
4、上から好みで砂糖・醤油をたして、鍋のふたを閉め、九条ねぎがしんなりしてきたら、召し上がりください。
 
 
 

石川県認定
有機農産物小分け業者石川県認定番号 No.1001