沖縄の長寿を支えるパワー野菜 ゴーヤ (ニガウリ)の話 ![]() |
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![]() ゴーヤは果肉が苦いため「ニガウリ」とも呼ぶ。 ゴーヤの和名は「ツルレイシ」といいます。 イボに覆われた果実の外観と、完熟すると仮種皮が甘くなるという2つの形質が、果樹であるレイシ(ライチ)に似ていることに由来します。 ![]() インドネシア、ボルネオなどの熱帯アジアが原産地といわれ、インドに自生していることから、特にその周辺がゴーヤ発祥地ではないかと考えられています。 日本では南西諸島と南九州で多く栽培されていますが、市場では沖縄県産がシェアの30%を占めています。 健康にいい野菜として脚光を浴び、需要が高まってきたことから、現在ではさらに広い地域での栽培が盛んに行われるようになりました。 ゴーヤーは平均気温が25度以上で良く育つ植物で、本州全域でも、梅雨以降の夏場で日照が強くて気温が高く、雨も豊富な時期であれば、露地でキュウリ同様に種を蒔いて栽培することができます。 一般に食用とする未成熟な果実は緑色ですが、完熟してくるにしたがい黄色くなり果肉がやわらかくなり割れてきます。 完熟した種子にはとても甘く、美しい赤色のゼリー状に覆われます。 ![]() つる性の植物ゴーヤは、長さが4〜5mにも伸びます。そのため、家庭菜園で朝顔のように、庭先や窓際に柵を立てて植え、直射日光を避けて涼をとることと、実を育てて食べることを楽しみにする人もある。 比較的病害虫に強く、日照と気温と十分な水さえあれば、肥料や農薬はほとんど使わなくても収穫が得られ、家庭菜園の作物にも適しているのです。 ![]() 新鮮なゴーヤは緑色が濃く、ずっしり重く、イボにハリとツヤがあり、密集しているものを選ぶ。 根元が膨らんでいるものは収穫が遅れた可能性があるので避けること。 見た目より軽く感じるものは水分が失われている可能性がある。 ![]() 中のワタと種から腐り始めるので、保存の際は取り除く。 水洗いしないでビニールに入れ、野菜室で保存。 ■ 栄養・効能 生活習慣病への効果 ![]() 心身のストレスや疲労回復する働きをするビタミンCがたっぷり。含有量はゴーヤ100グラムあたり76ミリグラムもあり、レモンやキャベツの2〜3倍で、ゴーヤ1本に、レモン約2個分に相当する豊富なビタミンCが含まれていることのなります。 さらに、ゴーヤーに含まれるビタミンCは、加熱しても壊れ難い特徴があります。 抗酸化力のあるビタミンC を豊富に含むゴーヤを、肉と一緒に炒めるゴーヤーチャンプルーという料理は、まさに暑い沖縄で暮らす人の元気の源といえます。 さらに、ゴーヤーには、β-カロチンやビタミンB1、のほか、カリウム、リン、鉄分などミネラル類も豊富にふくまれます。 体のむくみをとり、疲労を回復してくれるため、夏バテ防止に大いに役立ちます。 ![]() ゴーヤは独特の苦味が特徴ですが、その苦味は、果皮に含まれるモモルデシンとチャランチンという成分で、血糖値を下げる効果のあることがわかってきました。 また、ゴーヤには植物インスリンが豊富に含まれ、血糖値を安定させる優れた効 果があり、ゴーヤが糖尿病に有効であることが報告されています。 ![]() 苦味成分モモルデシチンとチャランチンは、血糖値だけでなく、コレステロールも低下させる効果があることも分かりました。 また、コレステロールや中性脂肪などの血中脂肪の低下に効果的な水溶性食物繊維が豊富に含まれています。 ![]() ゴーヤの蛋白質には、ガン細胞を攻撃するナチュラルキラー細胞を活性化させ、ガン細胞の増殖を抑えるといわれています。 また、ゴーヤーに含まれるモモルカロシドという苦味の物質には、ガンの進展を防ぐ効果が期待されるといいます。 ![]() 「苦い!」ことこそゴーヤーの身上ですが、人によってはは、もう少し苦味をマイルドにしたいというとこともあるでしょう。 ● まず、しっかりワタをとること。 ● 薄切りにして使う。 ● 塩もみする。(時間を長く置けばより苦味は和らぎます)。 ● 水にさらす。(あまり長時間つけるとビタミンCは溶け出してしまいます)。 ● 下茹でする。 ● 油には苦味をマスキングする働きがあるので、多めの油で揚げる・炒める。 ● チャンプルーなどの味付けのしっかりした料理にする。 ■ ゴーヤの料理を楽しもう (青木礼子さんのレシピ集より) 実を縦半分に切り、種と綿の部分をスプーンできれいに取り捨てます。 薄切りにして水に適度にさらし、水を切った豆腐や鰹節や卵・豚肉を加えて少々の油で炒めた、沖縄料理でサッパリ風味の豆腐と野菜炒めである「ゴーヤーチャンプルー」は、代表的な料理です。 ● 沖縄の代表的料理 ゴーヤチャンプルー 1 ゴーヤーは縦割りにし、中綿と種を取り、5mm程度の厚さに斜め切りに。塩をふってザルにあげ、少ししんなりするまでおく。 2 豆腐は水を切り、手でちぎっておく。豚肉(ポーク缶)は食べやすい大きさに切っておく。 3 フライパンに油をひき、豆腐に焦げ目がつくまで炒める。 4 に豚肉(ポーク缶)を入れ、ゴーヤーを入れる。ゴーヤーに火が通ったら、塩・コショウで味つけし、醤油で香りづけをする。 5 最後に溶き卵を入れ、半熟になったら出来上がり。 * ゴーヤーは、水分を吸収しやすいので水洗いは控える。 ● ゴーヤとナスの味噌炒め 1 ゴーヤーは縦割りにし、中綿と種を取り、5mm幅の斜め切りにする。 塩をふってザルに取る。 2 ナスは縦4つに切り、塩・コショウをし、素揚げにする。 3 フライパンに油をひき、2を入れ、その後ゴーヤーを入れて炒め、塩・コショウで味を整える。 4 みりんでといた味噌を加え、火を止める。 * 味噌を入れてサッとあえるのがコツ。長く炒めると焦げて辛くなるので要注意。 ● ゴーヤの天ぷら 1 ナスを縦に4等分し、ゴーヤーは中綿と種を取って10mm程度の斜め切りにしておく。 2 天ぷら粉に水適量を加え、衣を作り1につけて揚げる。 3 好みで塩をつけていただく。 * 塩でいただくとゴーヤーの苦味をおさえることができる。 ● ゴーヤのかき揚げ 1 ゴボウ、ニンジンは千切りに、ゴーヤーは縦半分に切り、中綿と種を取って5mm幅の斜め切りにする。 2 衣をつくる。材料から水が出るので、衣の水は控え目に。 3 1にサクラエビを加え適量を取り、衣をつけてそのまま油の中に。 * 油の中でしばらく菜箸でつまんだままにしておくとバラけない。 ● ゴーヤーの和え物 1、ゴーヤーを半分に切り、中綿と種を取り うすくスライスする 2、熱湯でさっとゆでて、水気を切る 3、粗熱がとれたらシーチキン缶を汁ごといれ、ゆずしょうゆを ひたひたより少なめに入れ和える 4、すぐ食べられますが、冷蔵庫で少し冷やして味をなじませてからの方がおいしいと思います ● 夏場に冷やした漬け物 ゴーヤの味噌漬け 1、ゴーヤーを縦二つに切って種を取り、日に干して少し乾燥させ、味噌漬にします。 2、適当な塩加減に漬かったら味噌を落としてサクサクと適当な幅に切り器に盛りま す。 * 生のゴーヤーを使うので、苦味のキッチリと効いた一品です。 暑さで食欲のないときも、この味噌漬けあれば箸が進むこと請け合いです。 冷蔵庫で冷やせば、さらに美味しい。 苦味に弱い人は薄切りを、食べ応えのある苦味を求める人は厚切りを。 ● シンプルに大胆に ゴーヤの醤油かけ 手順は簡単。切って、茹でて、かける、これでOK。 薄切りにしたゴーヤーをさっと熱湯で茹で、器に盛ってかつお節と醤油をかけていただく。 この苦味の利いた「醤油かけ」は、酒の肴にも最高。 夏の家庭料理の定番として、とても愛されているとのことです。 |
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