■ 血液をサラサラにする食事 今の日本人は、普段自分は健康だと思っている人であっても、そのうち約5割の人が、実は血液がドロドロだと言われています。 「食は血となり血が肉となる」といわれますが、血液がカラダに栄養や酸素を運び、退社をつかさどる健康の要であります。 健康なサラサラ血液を目指すめたには、普段の食生活のあり方が重要なポイントとなります。 ● 健康な人でもサラサラ血液はなんと3割程度! 脳血管疾患(脳梗塞、脳出血など)と虚血性心疾患(心筋梗塞、狭心症など)が、日本人の死因の上位を占めているそうです。これらの原因となるのは、動脈硬化で、血管の老化や血液の流れが悪くなることによって起こります。 東京女子医科大学附属成人医学センターにおいて、1200人以上の血流を測定してきた結果、なんと10人中6〜7人程度が血液の流れが悪いドロドロ状態で、サラサラ血液は1割程度だったといいます。この測定した人達の中には、動脈硬化や糖尿病などの病気を持っている人も含まれているので、健康な人に限ると、ドロドロ血液が約半数、サラサラ血液が約3割、まずまずの流れの人が約2割、といったところとのことです。 ショックなことは、ドロドロ血液とイメージされる血液の流れが悪いのは、肥満になりがちな中高年以上の人とイメージしがちですが、必ずしもそうとは限りません。糖尿病の人や高齢者でも食生活や運動などに注意している人はサラサラ血液をしているそうです。 10代の学生や若い女性でも、食事をきちんと取らずに甘いものばかり食べているような生活習慣が悪いと、血液の流れが悪くなってしまいます。 ● ドロドロ血液にもいくつかのタイプがある 東京女子医科大学附属成人医学センターで、多数の人の血液の流れを観察してきた結果、血液の流れが悪くなる状態にもいくつかのタイプがあることがわかりました。 過度のストレス、不規則な勤務などにより疲れた人がなりやすいべたべたタイプ、 糖尿病の人がなりやすいネバネバタイプ、 アルコールの飲み過ぎや糖分の取りすぎによるザラザラタイプ、 悪玉コレステロールが増加した時のツブツブタイプなどいろいろあるそうです。 また、サラサラ血液も、度が過ぎると貧血になることもあります。 赤血球の数が少なくなっていたり、鉄が不足している状態だと、血液が薄いために通過時間が短くなるのです。 ● 血行をよくするためのポイント 血行をよくするためのポイントは、健康を維持するためのの考え方と同じです。 食生活上でのポイントをご紹介しますが、あわせて適度な運動や十分な睡眠、禁煙などもじゅうようであります。 ■ 食べ過ぎは禁物 食べ過ぎ、飲み過ぎを重ねると、余分な脂肪分や糖分を体内に蓄積してしまい、血行が悪くなるだけでなく、肥満のもとになります。 ■ 動物性脂肪を少なくする 先ず、動物性脂肪、特に肉類の脂肪のとり過ぎは、悪玉コレステロールを増やす原因になります。肉類を食べる時は、脂肪分の多いバラ肉やロース肉より、脂肪分の少ないヒレ肉やささ身を選ぶようにしましょう。 ■ 糖分は控えめに 清涼飲料水などのドリンク類や洋菓子には、思っている以上に糖分が多く含まれています。糖質をとり過ぎが、血液中の中性脂肪を増やしています。 ■ 深酒は控える アルコールも血液中の中性脂肪を増やします。くれぐれも飲み過ぎには注意を。適量には個人差がありますが、だいたいビールは中ビン1本、日本酒1合程度までと言われています。 ■ 食物繊維をたっぷりとる 食物繊維は、大切な体内のお掃除役です。食物繊維が腸内でのコレステロールの吸収を抑え、その結果、血行が悪くなるのを防ぐ手助けをしてくれます。 1日にとりたい食物繊維の量は、20〜25g程度と言われていますが、現代人の多くが、この食物繊維の摂取量が不足しているといえます。 野菜、海草類、キノコ類、いも、こんにゃく、豆類を積極的に摂りましょう。 主食なら玄米や全粒粉のパンのほうが食物繊維を多く含まれます。 ● 血液サラサラ食品を食べましょう。 次に血行に関わる成分についてチェックしてみましょう。 ■ 生玉ねぎ タマネギの黄色い成分がケルセンは、コレステロールが酸化されて血管に沈着しないように働いたり、細胞の老化を防いだりして、動脈硬化の予防に役立ちます。 また、独特の辛味成分硫化プロピルは、生で食べると血液中のブドウ糖の代謝を促し、ベタベタ血液の改善に役立つ言われています。玉ねぎサラダなどが効果的です。 ■ 納豆 納豆には「ナットウキナーゼ」という酵素があり、人工血栓における血栓溶解作用が確認されています。 【注意】 心臓病や血管系の病気を持っている方でワーファリンという薬を服用している場合は、納豆がワーファリンの効き目をなくしてしまいますので、医師に相談なく食べないように気をつけてください。 ■ 黒酢 中国の人々は昔から「血管がしなやかになる」と言い伝えられ、黒酢をよく料理に使うそうです。 赤血球には形を容易に変えられる能力(赤血球変形能)があり、もし赤血球変形能が悪くなると、血流が悪くなりドロドロ状態になってしまいます。 「黒酢」に含まれるメラノイジン(色素)には、「赤血球変形能改善作用」があり、臨床試験で血行をよくする効果が確認されています。 その他にも、血清コレステロール低下作用、中性脂肪の改善、血糖値降下作用なども役立ちます。 また血管を軟らかくするヒスチジンが一般的な米酢に比べ、約15倍も含まれています。 【注意】 ヒスチジンは、体内でヒスタミンに変換されるヒスタミン前駆物質。 ヒスタミンは体内に吸収された後で他の成分に変化しますが、抗結核薬と、ヒスチジンを多く含む食品を同時に摂取すると、ヒスタミンの変化を邪魔して体内にたまってしまいヒスタミン中毒症状があらわれることがありますから気をつけてください。 またヒスタミンに過敏なアレルギー体質(アトピー・喘息など)の方も、アレルギー様の症状を起こすことがありますので控えてください。 ● 血が固まりにくく、血管を丈夫にする成分 納豆のように血栓を溶かす効果とは異なりますが、血を固まりにくくする働きや血管を丈夫にする働きのある成分も、血行をよくするのに役立ちます。 ■ 魚介類 イワシ・アジ・サバ・サケ・マグロなどに多く含まれるEPA(イコサペンタエン酸)とDHA(ドコサヘキサエン酸)は、動脈硬化を招く血中の悪玉コレステロールや中性脂肪を減らしてくれる、不飽和脂肪酸です。 血栓の基になる血小板を凝集させ過ぎないようにする働きや、血圧を下げる効果もあります。 また貝類に多く含まれているタウリンはアミノ酸の一種。コレステロールを低下させる作用があり、特にサザエ、トコブシ、ホタテなどの貝類、タコ、イカなどに多く含まれます。 ■ 野菜類 野菜類の多くに含まれている食物繊維はコレステロールを掃除する働きがあり、またビタミンCやビタミンE、βカロテン、ポリフェノールには強い抗酸化力があります。 ポリフェノールは血管中のコレステロールの酸化を防いで、血管にコレステロールが沈着するのを抑え、血管の老化も遅らせます。 その他にも、にんにく、梅干し、本格焼酎、黒砂糖、お茶、オメガ3脂肪酸の豊富なフラックスシードオイル、バナナ、ダッタンそばなども、役立つ成分が含まれています。 このように見てみると、血液の健康づくりに役立つ食材の多くは、日本の伝統食にあるようですね。 長寿食として世界から注目されるのもわかる気がします。 ただし、こうした作用のある成分は、実際にどの程度食べたら効果があるのかなどはわからないものもありますし、個人の体質によってもことなります。 あくまで「クスリ」ではなく食べ物ですから、期待しすぎるのは禁物です。 いろいろな食べ物を美味しく食べる、それが健康への道というのが基本だと思います。
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