春の七草の一つ
早春の香り
せり(芹)
 
芹は春の七草の一つである。
独特の香りを持ち、春先の若い茎を食用とします。
鍋物にはお馴染みである。
 
日本全国、朝鮮、中国、台湾、マレーシアなどにも広く分布する多年生草本。
湿地や田圃周辺の水路などに生育し、高さ50cmを越えますが、食べるのは高さ20cmほどになったときです。

 和名のセリは、競り合うの「競り」であるとの説があります。
 
 
■ 早春の味、芹(セリ)はいかがですか
「八百屋のオッサンのひとりごと」 より
春の七草に入っている芹(セリ)、今日は芹(セリ)の紹介です、
日本で昔から親しまれている香味野菜芹(セリ)ですが早春の味って知っていますか、スーパーでは1年中出ている感じですがこれはハウスでの栽培物です。
露地物が美味しい時期、それは2月〜4月の始めまで、この時期のセリは本当に香りが良くシャキシャキとした歯触りが素晴らしい野菜です。
これが露地物のセリです、
根本の部分が太くシッカリしているのが分かりますか、
香りは最高で歯触りもシャキシャキして最高の味、自分はこの芹の香りが好きです。
 
芹は栽培された物と自生している物があり、ハイキングに行くとキレイな水辺に生えている芹をよく見かけます、
もちろん自生している芹も食べられます、
只自生している芹の中には姿がよく似ている毒セリもありますので採集するときには気をつけて下さい。

 セリは普通地下茎を横に延ばしながら増えるのですが、毒セリの場合根がタケノコのような形をしていますので見分けられると思います、
只素人判断では食べないで下さい、
中毒することもありますので見るだけにしておく方がいいと思います。
 
セリは野菜として流通していますが、栽培物と自生している物とではあまり違いがない野菜です、
ですから栽培された物でも野草と行ってもいいぐらいで、綺麗な水さえあれば比較的簡単に作る事が出来る野菜でもあります。
 
また水辺に生えている植物ですが草丈も高くないので水田を利用して作られることが多い野菜です、
地下水などが出る所では休耕田を利用して作られることもあります。
収穫も簡単なため女性や老齢の方でも収穫が出来る野菜の優等生かも知れません、
でも香りが強いため好き嫌いが出やすい野菜になりますのであまり店頭に並ばないことが欠点かも知れません。
左が葉先、右が根っこになります、
芹を食べるときどこが一番美味しいか知っていますか、
実は根っこの部分が一番美味しいんです、
普通根っこの部分は捨てていると思います、
でも土を綺麗に洗い流せばこの根っこが一番なんです。
 
根っこの部分はどのようにして食べればいいと思いますか、
一番の食べ方は天ぷらです、
白い根が付いたまんま衣を付けて揚げてみましょう、
香りも歯触りも最高な天ぷらが出来ます。
 
また茎から上は和え物やおひたしに使って下さい、
こちらの方は普通に食べられているのでなじみがあるでしょう、
つまり芹はキレイに洗いさえすれば捨てる所がないエコな野菜なんです。
 
根っこを食べた事がない方は是非天ぷらで食べて下さい、
これはお奨めです、初春の味ですので、全てを利用しましょう。
 
 
 
●せりの栄養・効果
せりは、鉄、食物繊維を含み、貧血や便秘に効果があると言われています。
香りの元となっている精油成分には、保温効果や発汗作用があって、冷え性に効果があると言われています。
ビタミンCも含んでいて、抵抗力をつけることから、カゼに有効であるとされています。
その他、解毒作用があったり、血圧を上げないための健康維持に良いと言われています。
黄疸、高血圧にも効果があるとされています。
 
●せりの食べ方
せりは、ごま和え、おひたし、みそ汁、天ぷらなどに使われます。
秋田名物のきりたんぽ鍋には、せりが欠かせないそうです。
根の部分は、きんぴらにするとシャキシャキしておいしいですよ。
肉の臭みを消す効果があるため、肉を使った鍋に向いています。
漬け物の浅漬けでもおいしくいただけます。
 
●せりの調理
せりは、アクが強いので、下ゆでして水によくさらして使うと良いです。
せりは、基本的に香りと彩りを楽しむものですので、ゆですぎはあまり良くありません。
水溶性のビタミンCが溶けだしてしまい、味や栄養分を損なってしまいますからね。
 
●せりの保存
せりは、新聞紙に包んで、ポリ袋に入れて、立てて冷蔵庫で保存します。
これは、水分を蒸発させないようにするためです。
 
●せりの選び方
せりは、緑色が鮮やかで、茎があまり太くないものを選ぶと良いです。
そして、葉の長さが揃っているものが、良いとされています。
みずみずしいものを選ぶようにしましょう。
 
 
 
◆ セリのお浸し
材 料(4人分)
セリ・・・1〜2束  シイタケ・・・4〜5枚  油揚げ・・・1/2枚
<調味料>
  だし汁・・・1/2カップ
  酒・・・大さじ1  みりん・・・大さじ1  塩・・・大さじ1/2  しょうゆ・・・大さじ1
下準備
セリは根の部分を切り落とし、根元を輪ゴムなどでしばり、塩少々を入れた熱湯でサッとゆで、水に取る。
水気を絞り、2cm長さに切る。
シイタケは石づきを落とし、軸と笠に切り分け、汚れを拭き取って薄切りにする。
油揚げはクッキングペーパーではさんで軽く押さえ油を取り、シイタケ位の大きさに細切りにする。
作り方
1、シイタケ、油揚げはフライパンで空炒りする。
2、ボールに<調味料>を合わせ、セリ、シイタケ、油揚げを和え、器に盛り分ける。
 
◆ セリの炒め物
材 料(3〜4人分)
セリ・・・適量  キノコなら何でも・・・1パック  ツナ・・・1缶  卵・・・2個
とろけるチーズ・・・適量  ヒジキのふりかけ・・・適量
作り方
1、セリは3人分で手首の太さ位使いましょう。
2、シメジを炒めるのはフライパンに任せて、その間にセリをざくざく切りましょう。
フライパンから目は離さないようにね。
セリはやわらかいし、軽く炒めないと香りが飛びます。
3、熱いうちにさっとツナをまぜます。
溶きたまごをサッと入れ、少しだけ火にかけまとめます。
4、卵とじにして食べても、パンに乗せてチーズをかけピザにしてもいいですね。
◆ セリ鍋
材 料(2人分)
セリ・・・1束  もやし・・・1/3袋  油揚げ・・・1枚
めんつゆ・・・適量  お酒・・・適量  しめじ・・・適量
作り方
1、お鍋の中にお水を入れて、沸騰させます。
その中にめんつゆとお酒とみりんとお塩でスープを作ります。
2、醤油ベースのスープの中に油揚げとしめじを入れてぐつぐつと。
3、食べる直前にもやしを入れて、火をとめます。
火を止めたあとでせりをのせたら完成です。
おいしくなるコツ
せりは煮込まず、余熱であたためて食べるのが美味しいです。
しゃきしゃきでせりの美味しさが味わえます
 
◆ セリのわさび醤油和え
材 料(2人分)
セリ・・・1束  わさび・・・少々  醤油・・・少々
作り方
1、せりはざくざく切って沸騰したお湯でさっとゆでる。水を切って。
2、ボウルにわさびと醤油を入れて混ぜる。
3、(2)にゆでたセリをいれて和える。
 
 
◆セリとほうれん草のおひたし  ◆セリの胡麻和え
◆セリの煮浸し  ◆セリの白和え  ◆セリの卵とじ
◆セリの天ぷら  ◆セリのかき揚げ  ◆セリごはん
 
 
 
●加賀野菜 せり について
 
 
 
 
 
 
 
 
 
加賀野菜“せり”は、茎の長さ40cm、長くて柔らかくてアクの少ない在来種である。
1株の重量は約4グラム程度で、全国で最も茎が細く、細葉の部類に属する。
収量は茎の太いものより少ないが、品質は優れている。
加賀野菜のせりは品質がよいことから、冬場の食卓に彩りと香を届ける野菜として欠かせないものになっている。
 
前年に収穫せずに4月下旬まで残した株を、4月下旬に代掻きした田に植え付ける。
以後水管理を行い株を発育させる。
8月下旬に株の抜き取りを行い、1週間堆積し各節から発根を促す。
発根したランナーを1520cmに切断し、そのランナーを苗として代掻きをした田にむらなく散播する。
散播したランナーが土と密着するようにすることが大切である。
ランナーが浮かない程度の浅水として発根を促す。
以降、田面がひび割れしない程度に水管理を行う。
収穫の10日前ぐらいからたん水を開始し、以降生育にしたがって深水とする。
 
江戸時代は、田んぼに水を溜めておく田井に、せりが自生もしくは栽培されていた。
明治に入ってから弓取郷の上安江・下安江の水田に栽培され、その後、諸江の柿本庄左右衛門が安江より諸江の方が水質がよく、こんこんと湧き出る豊富な水量に気づきせりを栽培したのが始まりと云われている。
 
諸江のせりは、明治初期から栽培されており、諸江自慢の特産品として、昭和に入ってからさらに生産が伸びた。
昭和30〜50年頃が最も盛んで、県内生産量の100%を占めるだけでなく、県外各地へも広く販売された。
諸江地区にせりが良くできたのは、付近の浅野川の伏流水により清潔なかんがい水(湧き水)がせりの栽培に適していたからである。
 昭和40年頃から湧く水の量が減ったため、現在は深い井戸を掘って電気ポンプで水をくみ上げて栽培している。