栄養がいっぱい詰まった
冬の栄養健康野菜
煮物・汁の実・おひたし・和えもの
漬物・油炒め・小松菜スープ・鍋料理
小松菜
 
 
●小松菜の旬は
改良が進んで一年中食べることができますが本来の旬は冬なのです。
小松菜の旬は11〜3月、これからいよいよ美味しくなります。小松菜はアブラナ科の野菜で、寒さに強く、霜がおりる頃になると葉肉が厚くなり、アクが抜けて甘みが増し、美味しくなると言われてます。
小松菜は、冬にとれるのでかつては冬菜雪菜”とも呼ばれ、また、関東では正月のお雑煮に欠かせない野菜として親しまれ、正月菜などと呼ばれていました。
 
●小松菜の名の由来
しかし、東京・江戸川に近い小松地区でたくさん作られていたため、「小松菜」と名前がついたようです。
ま た、一説によると、小松菜は江戸時代から作られていて、タカ狩りにやってきた8代将軍徳川吉宗が香取神社(旧西小松川村)に立ち寄られました。そのときの 神主、亀井和泉が、これといって差しあげられるものも無かったので、餅の澄まし汁に青菜を少々いろどりにあしらって差し出すと、その菜っぱのおいしさに感 激し、吉宗公はたいそう喜ばれて、「この汁の菜をなんと申すか」と訪ねられました。返事にこまったいた神主に、吉宗公は「それではここは小松川だから小松 菜と呼べ」と命名したということです。
ちなみに、英名は「Komatsuna」。
 
むかし昔、江戸の町の胃袋を満たすため、江戸前と呼ばれる東京湾の魚介類の他、江戸野菜と呼ばれる多くの農産物がありました。
例えば、砂村瓜(江東区砂町)谷中生姜(台東区谷中)亀戸大根(江東区)練馬大根(練馬区)千住葱(荒川区・足立区)滝野川牛蒡(北区)・・・
でも今はそのほとんどが絶滅か絶滅寸前です。あったとしても滅多に入手できません特定のルートで取引され、一般の市場へは流れません。
しかし! 小松菜だけは江戸川で元気に栽培されています
 
●小松菜は冬に欠かせない栄養の宝庫
小松菜はホウレン草とよく似ている野で比較されますが、どちらも冬の緑黄色野菜の代表といえる栄養豊富な野菜です。
「こまつな」の特徴は、アクとなるシュウ酸が少ないので、下ゆでをせずに直接炒めたり、味噌汁に入れたりなどの調理ができます。新鮮でやわらかいものは生でも食べられます。
ビタミンB2の含有量は野菜の中でもトップクラスです。
100g(1/2束)で、ガンに有効だとされているベーターカロテンと1日に必要なビタミンCを摂取できます。小松菜のビタミンCは壊れやすいので、調理するときには短時間ですませましょう。
常食する野菜では最もカルシウムを含み、含有量は100g(1/2束)中290mgと、ほうれんそうの5倍も含まれています。
その他、カリウム、鉄分なども含んでいます。骨や歯を丈夫にしたり、貧血の予防などに効果のある栄養が豊富です。ガンや骨粗しょう症の予防に、ストレス対策に、若さと美しさを保つために、積極的に食べたいいものです。
 
●小松菜の効能
風邪予防・ガン予防・骨粗しょう症予防・ストレス解消、動脈硬化予防・貧血予防・老化防止・美肌保持
 
●小松菜の選び方と保存方法
葉の緑色が濃く鮮やかで大きさがそろったもの、根が長く、茎がしっかりとしているものが良品です。
黄色くなってしまったものは鮮度が落ちた証拠です。ほうれんそうよりも鮮度が落ちやすいので早めに食べましょう。
小松菜は、ほうれん草に比べて日持ちが悪いため、購入した日のうちに使い切るのが理想です。
数日間おいて置く場合は、根元を水で湿らせたキッチンペーパーで包み、保存袋に入れて冷蔵庫の野菜室に立てて入れるか、固めに茹でて冷凍保存すると良いです。
 
●小松菜の料理法
あくが少ないので、下茹でなしで、お浸し、煮浸しにもできます。
煮びたし、炒め物をはじめ、常夜鍋(豚肉と小松菜のしゃぶしゃぶ)など、鍋物にも直接入れることができるので手軽に食べられます。
小松菜を茹でるときには、根元に火が入りにくいので、根元から入れるようにします。しゃきしゃきした歯ざわりを残して茹であげましょう。
ジュースにも最適で、アレルギー体質の人も安心して食べられます。
 
● 600℃
小松菜の成長は600℃ってわかりますか?
この数字はおおよその目安ですがその日の最高気温の累計が600℃になる頃に収穫されます。
ですから夏場ですと20日程度、冬場で2か月ほどかかることもあります。
 
 
 
■ 相馬暁先生のお話
冬の青菜の効能・機能
● 緑の青菜を食べて、真っ赤な鮮血を
冬の青菜はすぐれた健康野菜です。
冬は、やれクリスマスだ、正月だと言って、ご馳走(肉類)を食べ、お酒を飲む機会が多くなります。
また、寒さを防ぐため、脂肪など高カロリー食をとります。
そんな時に、葉緑素の宝庫とも言うべき青菜を摂取しますと、肉食性老廃物やタバコのニコチン、酒(アルコール)のアルデヒドなど、各種の細胞阻害物質に対して、中和解毒効力を発揮します。
これは葉緑素の速効性浄血作用によります。
葉緑素は血液中で色々な毒素と結び着いて、解毒するのです。
その様な意味では、冬の青菜は二日酔い、悪酔いによく効きますし、血液自身の浄化にも役立ちます。
 
実は、赤いサラサラした血液は、肉食すると粘りを帯びた黒ずんだ血液に変わります。
これをリフレッシュするのが、葉緑素の解毒作用です。
口臭を消すのに葉緑素入りのガムや歯磨きを利用しますが、これも葉緑素の吸着力・消臭力などを活用したものです。
同じ様なことが体内でも起こっているのです。
所で、植物の葉緑素と人の血液の主成分・血色素(ヘモグロビン)は、非常に似た構造をしています。
葉緑素は四つのピロール核のまん中にマグネシウムの一分子を持つ化学構造式です。
それに対して血色素は四つのピロール核の中心に鉄が一分子入っています。
中心の元素がMg(マグネシュウ)か、Fe(鉄)かの違いなのです。
緑の葉緑素と赤い血色素は兄弟分で、植物の青い血と動物の赤い血は元を質せば同じ構造なのです。
だから赤い血液を作るのに、青い葉緑素が必要なのです。
 
また、冬のホウレンソウや山東菜、小松菜、京菜など、いわゆる冬の青菜は、カロチン、ビタミン、ミネラルなどに富み、栄養的には優等生といってもよいほどです。
周年出回っていますが、霜に当たって甘味の載った旬の栄養価、味はまた格別です。
お浸しばかりでなく、油揚げと一緒に煮たり、水炊きし、ポン酢で食べたり、鍋物に入れて楽しみたいですね。
この様な冬の青菜を沢山食べますと、風邪をひき難く、シモヤケ、ヒビ、アカギレなどの予防にもよいとされています。
これは青菜に含まれるビタミン類の効能と言えます。
 
野菜に含まれるカロチンやビタミン類が癌抑制作用を有することがダンダン解ってきましたが、小松菜やホウレンソウに、肉や魚の加熱に伴い生成される発癌物質、アミノ酸の一種トリフトファンの加熱分解物の害作用を抑える効能があることが分かりました。
 
 
■ 小松菜のおひたし
【材料】(4人分)
・小松菜・・・1わ ・すし用あげ・・・1枚 ・だし汁・・・大さじ4
・うす口しょうゆ・・・大さじ2 ・さとう・・・小さじ1 ・ごま・・・少々
【作り方】
1、小松菜は塩ゆでし、3cm程の大きさに切って、水気をしぼります。
2、あげは、網で両面を軽く焼き、細かく切ります。
3、だし汁としょうゆ・さとうを混ぜ[1]の小松菜と[2]のあげをあえます。
4、器に盛り、ゴマをちらしてでき上がりです。
 
 
■ 小松菜の浅漬け
1、3時間ほど天日で干ししんなりさせる(天日で干す事が美味しさのポイント)。
2、洗って根っこを揃える。
 
3、3センチくらいに切る。 株元がついている場合揃えて切る。
4、お好みにより塩をしてもむ。
5、重石をして3―4時間して出来上がり。
6、浅漬けした小松菜にお好みでかぼすや醤油をかけお召し上がりください。
 
■ 小松菜ジュース
【材料】
 ・小松菜・・・1束 ・水・・・1回200cc〜400cc ・水・・・1回200cc〜400cc
 ・レモン (お好みで)・・・半分 ・オリーブしそ油 (お好みで)・・・10cc〜15cc
【準備】
 ・ミキサー ・空きビン 5〜6本
【作り方】
1、小松菜をよく洗い、5cmくらいの長さに切る。
2、ざく切りにした小松菜と水200ccを、ミキサーにかける。
(水の量は好みに合わせて調整 )
わりと濃いめに出来上がりますので、薄めをお好みの方は水を400ccに増やしてみてください。
3、最後に塩 小さじ1/2を入れ、もう一度フラッシュする。
水の量の目安 (保存する時は濃い方が容器がたくさん要らなくて済みます)
200cc---ドロ×ドロ×ドロで濃い。 飲むときは倍に薄めてもOK
    300cc---ドロ×ドロ でまぁまぁ濃い
    400cc---ドロ これくらいで飲むのがちょうどいい感じ。
小松菜1束で、ミキサーに2回分位です。
4、空き瓶に詰めて、冷凍庫で保存する。
間口の広いビンがおすすめです。
【ワンポイント】
● 水200ccで作ると濃いめにできるので、飲むときは好みに合わせて水や氷を足してください。
● 冷凍庫で凍らせた後は、翌朝飲む分を、前の晩に冷凍庫から出し、自然解凍しておくと便利です。