ビタミンCの王様
暑い夏こそピーマンを食べましょう!
ピーマン
野菜・果物は旬に食べるのが一番。
これは味はもちろんですが、
栄養面でも旬のものは充実しているからです。
ピーマンは7〜9月くらいが旬です。
是非この期間の栄養補給にピーマンを取り入れて、
元気に夏を乗り切りましょう。
■ ピーマンの話
ピーマンを含むトウガラシの仲間の原産地は、中央アメリカ〜南アメリカの熱帯地帯で、果菜類の中でも高温性が高くて暑さに強い品種でもあります。
ピーマンは、英語で【グリーンペッパー】または【スイートペッパー】といいます。
ペッパーとは、トウガラシの意味で、ピーマンは、トウガラシの仲間です。
その昔、かの有名なコロンブスがヨーロッパにもちかえり、ポルトガル人によってアジアの各地に広められたとされています。
とうがらしに含まれる辛味成分【カプサイシン】は、ピーマンにはほとんど含まれず、辛味のないトウガラシともいわれています。
日本にはポルトガル人によって16世紀ごろ伝えられたといわれており、江戸時代にはかなり普及し、さまざまなピーマンを含むトウガラシが導入されましたがトウガラシにくらべ一般家庭に普及してきたのは、明治初期ぐらいで、広く栽培されるようになったのは第二次世界大戦後からだそうです。
それから、ピーマン自体も現在にいたるまで、さまざまな品種改良がおこなわれてきて現在にいたります!
現在では、よく似ている【パプリカ】やピーマンを完熟させた【カラーピーマン】も多くでまわっています。
【パプリカ】と【カラーピーマン】は別物です。
ピーマンは辛みのない大型とうがらしの一種で、独特の香り・歯ごたえ・味を持つ夏野菜のひとつです。
食べるときは、ぜひこの歯ごたえを活かした料理で楽しみたいものです。
ピーマンの持つ独特の苦みが苦手な方も多いようですが、パプリカのように甘くてジューシーなものもあるので、誰にでも楽しめる野菜となりつつあります。
◆ ピーマンの色について
緑色のピーマンの食べ頃は「果実の大きさが最大となり、(まだ未熟の状態ですが)硬さが十分ある時期」となります。
これを樹上で更に10日ほど熟成させると、色は黄色または赤くなり完熟することになります。
緑色の時においしい品種と、色づいた時がおいしい品種がありますが、黄色や赤い色のカラーピーマンは後者であり、完熟してから食べた方がおいしいピーマンと理解すると良いでしょう。
クセのある味を持つピーマンですが、ピーマン1個におよそ80mgのビタミンCが含まれています。
レモン1個分に相当するビタミンCを持っています。
ビタミンCはメラニン色素を分解する働きがあるので、夏の日焼け対策に十分摂りたい栄養ですね。
レモン1個を食べるのは大変ですが、ピーマンを1個食べるのはたやすいもの。
しかも、ビタミンCの吸収を助けてくれるビタミンPも含んでおり、加熱調理しても減少しにくいという特徴も持っています。
だから炒めたりしても十分ビタミンCが摂れるんです。
理想的なビタミンCの供給源としておすすめです。
また、ピーマンに含まれるビタミンAは、油で調理することで吸収率がアップします。
ピーマンの肉詰めや、炒め物など、肉料理によく使われるのは、美味しいだけじゃなくて栄養価が高まる調理法だからだったのです。
ピーマンは緑黄色野菜に必要とされるカロテン量を含んでいませんが、1度に食べる量が多いため、例外的に緑黄色野菜に分類されています。
また、カロテンと一緒に摂取することで、抗酸化作用がアップするビタミンEも含まれています。
また、赤や黄色のパプリカはピーマンより高い栄養を持つことで知られています。
カロテン・ビタミンCは2倍近く、ビタミンEは5倍以上も含まれており、赤い色素には強い抗酸化作用も含まれています。
緑色のピーマンが苦手な方でも、甘みのあるパプリカはいかがでしょうか。
ピーマンの緑色のもとである葉緑素(クロロフィル)はコレステロールが血管に付着するのを防ぎ、体外に排出するのを助ける働きがあります。
また、ビタミンPが毛細血管の壁を丈夫にしてくれるので、高血圧、動脈硬化などこわ〜い病気の予防にもなります。
● ぜひお子様にも食べて欲しいピーマン
ビタミンCと、カロテンに富む野菜、ピーマン。
ビタミンCは国産の緑色ピーマンでは100g中に約80mg含まれ、赤ピーマン、黄色ピーマンでは100g中にそれぞれ約170mg、約150mgも含まれています。
ビタミンA(カロテン)は、国産の緑色ピーマンでは100g中に約400μg含まれ、赤ピーマン、黄色ピーマンでは100g中にそれぞれ約1,100μg、約200μgも含まれています。
油炒めしてもこれら成分の損失はほとんどありません。
栄養豊富な野菜とはいえ、一般にお子様にはピーマンはその独特な香りから嫌われる傾向があります。
これはピーマンには、ピーマン特有の「ピラジン化合物」が含まれており、これがごく少量でも鼻で検知できる物質であることによるようです。
しかし最近の品種改良でこの独特の香りが少なく甘みの強い品種、例えばカラーピーマンなどが市場で入手できますので、ぜひお子様にも食べていただきたいと思います。
● ピーマンの選び方
表面がピカピカとツヤがあり、輝いているものを。
色が濃く、鮮やかなものを。
ヘタがピンとしていて、切り口がみずみずしいものを。
果肉が厚く、持ったときに重量感があるものは水分がたっぷりと含まれていて新鮮です。
● ピーマンの保存方法
・ 水分がついていると腐敗の原因となるので、水気をふきとり、ポリ袋に入れて、冷蔵庫で保存します。
・ 1週間以内に使い切るようにしましょう。
・ 種から腐ってしまうので、カットした場合は、白いワタと種を取り除きます。
・ 傷んでいるものがあると、傷みが伝わるので取り除きます。
◆ ピーマンの風邪引き(低温障害)・・・
ナスやバナナが風邪を引くように、ピーマンも風邪を引きます。
ピーマンが風邪を引くのは、7度以下の低温で貯蔵した場合で、果皮に打ち身のあとのような変色や黒点が発生し、種子の周りにも褐色が起こり腐敗します。
これが低温障害です。
10℃前後では、2ヶ月は十分保存可能なのです。
● ピーマンの旬
ピーマンは夏から秋口にかけてが旬の野菜です。
今は、ハウス栽培の技術も発達し、年中新鮮なピーマンが食べることができます。
主な産地と時期は、大きく2つに分かれます。
ひとつは夏秋ピーマンで、露地栽培されています。
もうひとつは冬春ピーマンで、ハウス栽培されています。
● ピーマンの種類と時期について
■ ピーマン
ピーマンと言えば真っ赤に熟す前に収穫した、緑色のもののことを言います。
薄肉中型でピカピカの緑色が鮮やかで、ところどころにくぼみがあるのが特徴です。
シャリっとした歯ごたえがあり、採れたてのものは生でも食べられますが、日が経ったものは少々苦いので、加熱調理した方がよいです。
■ パプリカ
ピーマンと比べて厚みのある、大型肉厚で、ベルのような形をしています。
甘みが強く、みずみずしくジューシーで、パリっとした食感なので、生食がおすすめです。
赤・橙・黄・黒・緑・紫などのカラフルな色が揃っていますので、料理の彩りにもぴったりです。
■ ししとう
小型で細長い形のししとうも、ピーマンの仲間です。
ししとうは、先端がライオンの口に似ていることから「獅子唐辛子」と呼ばれています。
細長いもので、京都の伏見唐辛子、満願寺唐辛子なども、ししとうの仲間です。
■ その他
アナスタシア
新野菜のひとつで、小型薄肉のカラーピーマンです。
ジューシーな味わいで、フルーツ感覚で食べることのできるピーマンです。
● ピーマンの下ごしらえ・切り方
■ ピーマンの下ごしらえ・洗い方について
ピーマンを調理するときは、苦味の元である白い種とワタを取り除きます。
ヘタの部分を切り落とせば、手でちぎり取れます。
ピーマンは加熱して食べるもの、と思いがちですが、生もおすすめ。
それでも苦味やにおいが気になる場合は、サッと湯通しするか、軽く塩もみするとよいでしょう。
■ ピーマンの切り方
● 輪切り
1、ヘタを切り落とします。
2、中身のワタと種を取り除きます。
3、ピーマンを横向きに置き、好みの幅で切っていきます。
● 角切り
1、ピーマンを縦半分に切り、種とワタを取り除きます
2、ピーマンを横に置き、好みの幅に切っていきます。
3、2で作った幅と同じ幅に切って、四角を作ります。
4、角切りは、炒め物や、スープの具にぴったりです。
● 半割り
1、ピーマンをくぼみに沿って、縦半分に切ります。
2、種とワタを取り除き、包丁の刃先を使ってワタをきれいに取り除きます。
3、ピーマンを主材料として楽しむ料理に向いています。
4、ピーマンの肉詰めや、バーベキューやオーブン焼きなどにおすすめです。