大根は多才である
すりおろしてよし、生でよし、煮てよし、
炒めてよし、漬物にしてよし。
だいこん
まずは大根おろし
大根おろしにしらす干しを振りかけ
醤油をさっとかけて、これで美味しい一品。
大根おろしは、鍋物の薬味には欠かせないし、
サンマをはじめ魚の塩焼きには大根おろしは欠かせない。
みぞれ和えに雪見鍋など、大根おろしは
いろんなところで活躍する。
大根おろしは、口の中をさっぱりさせる。
こってりとした肉の生姜焼きも、やっぱり大根おろし。
 
大根は煮物でも活躍する
油揚げ、ブリを始めとする魚類。
おでんに大根は欠かせない。
煮物での大根は、
自分自身の旨味は当然のことながら、
炊き合わせた相手や出汁の旨味をも含み込んで、
得も言われぬ味になる。
 
生の大根はサラダになる。
大根の浅漬けはしゃっきりとして、
たくあんにすると古さが味になる。
 
千変万化、自由自在。
姿形や調理法を問わず、
大根は日本の食卓に馴染んでいる。
大根は偉い。本当に偉い。
● ダイコン(大根)とは
地下に垂直に伸びた、肥大した根を食用にする。
一般的なダイコンは白色をしていますが、品種によっては黒色・紫色・茶色など他の色も見られ、特に赤色の「ラディッシュ(ハツカダイコン)はよく知られています。
 
ダイコンは、キャベツやブロッコリーなどと同じアブラナ科の野菜で、日本各地はもちろん中国やヨーロッパでも盛んに栽培されています。
主として肥大した根、茎、胚軸を食用とするほか、種子からは油が採れます。
 
形状や色も多様で、皮の色は日本に流通する品種に限れば主に白色です。
しかし、海外には赤色・緑色・紫色・黄色・黒色などの品種もあり、地域によっては、これらが白よりも普通です。
 
ダイコンは日本においては品種・調理法とも豊富であり、現代の日本人の食卓(鍋料理・おでん等)には欠かすことのできない野菜となっています。
 
野菜としての位置づけにおいては、カブとの類似性が高いですが、薬味や煮込み料理にも使われるなど、利用の幅ははるかに広いです。
 
サトウダイコン(テンサイ)はアカザ科でダイコンとは別種の植物です。
 
 
● ダイコンの歴史・由来
 
大根のルーツは諸説ありますが、原産地はヨーロッパ地中海沿岸から中央アジアといわれています。
エジプトでは、4000年以上も前にピラミッド建設の人夫たちの食料だったそうです。
 
日本へは稲作文化とともに中国から伝わり、有史以前から栽培が行われていたそうです。
日本での大根の最初の記録は「日本書紀」に「於朋花(おほね)」の名前で記されています。
この言葉が大根(おおね)に転じ、さらに音読みとなって現在の「だいこん」の呼称となりました。
 
栽培が盛んになったのは江戸時代に入ってからで、関東の江戸近郊である板橋・練馬・浦和・三浦半島辺りが特産地となり、その中で練馬大根は特に有名でした。
 
かなりに品種が改良されたほか、漬物や切り干しなどの加工が盛んになり、飢饉対策として栽培が奨励されました。
 
大根は春の七草のひとつで「すずしろ」の別名で呼ばれています。
「涼白(すずししろ)」の意味で「すずし」は小さい「しろ」は根が白いためという説、「すずな(=蕪)」の代わりに用いるので「すずなしろ」の意味からきたという説など、その語源には諸説あります。
 
 
 
● ダイコンの種類
 
大根は栽培する土の性質などによって根のかたちが著しく変化します。
日本に入ってきた大根は、日本人の好みや日本の気候に合わせて次第に交配を繰り返しているうちに、世界でも類のない変貌(へんぼう)を遂げました。
太さ、丸さ、長さ、大きさなどの外観の変化もさることながら、色や味、収穫時期にもそれぞれの地方の特徴を豊かに見せ、いわゆる「地大根」として、各地に特産の味をもたらして来ました。
大根の種類はさまざまで、現在日本では100種類以上あるそうです。
 
◆ 桜島大根
世界最大の大根で鹿児島県桜島の特産物です。
200年以上の栽培の歴史をも世界最大級の大根で、1本当たりの重量は平均で10〜20kgで、大きなものは30kgを超えるものもあります。
 
収穫最盛期は1月中旬から2月上旬で、世界一の重さ31.1キログラム(胴回り119センチ)をもつ大根としてギネスブックにも認定されています。
 
やわらかく甘みがあって、煮崩れしにくい大根です。
生で食べるほか、煮物、切干し、漬物など広く利用されます。
粕漬けにした「薩摩漬け」が有名です。
 
◆ 聖護院(しょうごいん)大根
京都市左京区聖護院で、京都に古くからあった丸形の大根と、尾張の国の長大根(宮重大根)とが交雑してできた長円形の大根です。
 
10〜11月に収穫の秋大根に属していて、肉質の柔らかさ、豊富な甘み、水分が多くて繊維が少ない、という特質を備えて、煮物や漬物にうってつけの素材です。
 
伝統的な京野菜で、「千枚漬け」が有名。
京野菜の一つで、カブのように丸く、甘味が強いので、煮物に向いています。
京都の冬には欠かせない食材です。
 
煮るとたいへん軟らかく、味がしみ込みやすくて、とろけるような口当たり。
通常のダイコンと比べると、倍以上の値の高級品ですが、一度は食べてみる価値のあるモノです。
 
このダイコン、初めから丸かったわけでは、ありません。
初めは、普通の長いダイコンだったのです。
江戸時代後期の文政年間、聖護院の東の「黒谷」と云うところに光戒光明寺というお寺があり、ここに尾張の国からダイコンが奉納されました。
 
聖護院の農家がそのダイコンを貰いうけ、何年も大切に育てていると、どういうわけか丸くなってしまいました。
これが聖護院大根です。
 
◆ 守口大根
もとは大阪の守口で栽培。
現在は、愛知の特産物。
 
世界最長の大根(世界最長種)であり、長さは120cm、最大は150cm以上(200cmになることもある)に成長します。
太さは約2cmと細長い。
 
江戸時代より、主に現在の大阪市内に供給されていましたが、第二次世界大戦後は守口市の都市化にともない農地が減少したことと、栽培効率の悪さや栽培できる土壌が限られていることから、一般の野菜市場からは姿を消しています。
 
現在は愛知県北部の扶桑町のほか、岐阜県各務原市の木曽川流域および岐阜市北西部(則武、鷺山地区)の長良川流域で栽培されています。
この地域は水はけが良いことや、木曽川に面した地域の地質が砂状で柔らかく、粒子の細かい適度に砂の混ざった土壌であることから、地下へ細く長く伸びる当品種の生産に適しているとされます。
 
なお、生産はほぼ全て契約農家であす。
主な利用方法として、名古屋名物として知られる「守口漬」が挙げられます。
これは守口大根を酒粕で漬け込んだ漬物(奈良漬に近いもの)です。
 
◆ 源助大根
石川県で栽培されている源助だいこん(加賀野菜)は、10月下旬〜12月上旬が旬の時期です。
一般的な青首ダイコンよりずんぐりとした形をしています。
 
甘くてやわらかく、煮くずれしないことで有名。
ふろふき大根やおでんの具材のほか、ニシンとともに糀で漬けた大根寿しにもぴったり合います。
 
金沢市打木町の篤農家・松本佐一郎は、昭和7(1932)年に愛知県の井上源助から早生種で生育の旺盛なものを導入し、在来の練馬系打木だいこんと自然交雑させたものを毎年選抜し続け、昭和17(1942)年に今の源助だいこんを完成させました。
 
昭和26(1951)年からスイカやカボチャの後作として育てられ、昭和33(1958)年にスプリンクラーを導入し、本格的に栽培されるようになりました。
 
◆ 練馬大根
大根の練馬か、練馬の大根かと言われるほどに名をはせた練馬大根は、元禄の江戸時代から栽培されるようになりました。
当時すでに人口百万をこえる江戸の需要にこたえる野菜の供給地として、練馬大根の栽培も発展していきました。
 
よい大根を作るための肥料は、江戸の下肥(人糞)が用いられ、野菜を納める代わりに受け取る貴重なものでした。
明治の中頃から東京の市街地が拡大していくのに伴い、練馬大根の生産も一層増大していきました。
 
大型で根の長さが70cmにもなり、葉が大きく広がっているのが特徴です。
水分が少ないため、主にたくあん漬けなどの漬物にされます。
現在は保存種として、少量が生産農家に委託栽培されているのがほとんどだそうです。
 
その練馬大根は、たくあん漬けとして製品にされ出荷しましたが、干し大根としても販売され、一般家庭ではたくあん漬けが作られました。
その後、昭和の初めのころまで盛んに栽培され続けますが、昭和8年の大干ばつや、何回かのモザイク病の大発生によって大きな痛手を受けました。
 
その後も、食生活の洋風化・急激な都市化による農地の減少などにより、昭和30年頃から栽培が衰退し、練馬大根が出回ることがほとんどなくなってしまいました。
練馬大根の栽培が激減していくなかで、キャベツ栽培が主になり、現在の主要生産物はキャベツになっています。
 
その昔、三代将軍家光公(五代将軍綱吉公という説もあります)が脚気(かっけ)を煩(わずら)われていた時に、練馬村から大根が届けられ、無事病気が平癒(へいゆ)したところから,大根が江戸城に納入されるようになり、それ以来、練馬村は大根一色になってしまい、生産過剰状態になってしまったそうです。
 
捨てるより他ないとなったとき、品川東海寺の和尚さんであった沢庵禅師(1573-1645)が、禅宗の漬物方法としてのぬか漬けを教えたということです。
 
◆ 三浦大根
三浦半島でのダイコンの歴史は古く、寛永年間から栽培されていたことが相模風土記に記録されています。
 
大正年間に、地大根と練馬種を交配改良したもので、大正14年に三浦産のダイコンが「三浦ダイコン」と正式に命名されて以来、かつてはおでん屋の大根といえば三浦大根であり、正月のなますも三浦に限るといわれるほどで、冬ダイコンとして長年にわたって名声を維持してきました。
 
しかし、昭和54年に大型20号台風が三浦地域を襲い、三浦ダイコンが大きな被害を受けたのを契機に、「青首ダイコン」が三浦のダイコンの座を取って替るようになり、今ではほとんどお目にかかれなくなった品種です。
 
甘みと小振りなサイズが消費者ニーズに合い、台風被害後のまき直しでも威力を発揮したことや、三浦ダイコンに比べ栽培が容易で多収、軽量で作業が省力化されるという生産者側にとっても好ましいことなどから、わずか2〜3年で切り変わってしまいました。
現在は99%が青首ダイコンになっています。
 
三浦ダイコンの作付面積は6〜7ha程度で、年末の3日間、正月商材として出荷しています。
一部契約栽培や直売などでは12月から3月上旬まで販売している例もありますが、出荷量は全体の1%に満たない少量栽培にとどまっています。
平成17年度の出荷量は約5万袋(1袋約10s)です。
 
三浦ダイコンの特徴は、首の部分が細くて尻に向って太くなる「中ぶくら」で、長さ約60p、重さ約3s、大きいものは5〜8sに肥大します。
肉質はたいへん緻密で柔らかく、煮物やなます、ツマに向いています。
出荷は、今では珍しくなった袋詰めで行なっています。
 
青首ダイコンに切り変わっても、「三浦ダイコン」の人気は根強く、冬の時期には三浦ダイコンを求めて直売所を訪れる観光客を多く見受けます。
 
◆ 宮重大根(いわゆる青首大根)
江戸時代から尾張地方を中心に栽培され、青首大根としてこの系統のF1品種が日本全国で多く栽培され、現在では、店先で見かける大根のほとんどがこの宮重系の青首大根が大根の主流品種となっています。
 
青首大根は「宮重大根」の改良品種「対病総太り」という種類で、上から下まで太さがほぼ同じです。
水分が多く柔らかく、しかも煮崩れしにくく、おろしにしても辛みが少ない他と比べて際立った甘みが特徴です。
首の部分が緑色で、肉質は軟らかく、甘みに富み、辛みが少なく、生食にも向きます。
 
1本で首の部分はサラダなどに、真ん中はふろふき大根などの煮物に、しっぽの方はおろしにと、使い分けられる大根です。
 
また、切干大根にも向きます。
 
白首大根は根が地中深く張り、青首大根は反対に地上に伸びる性質が強く、同じ大きさのダイコンでも白首大根よりも収穫作業が楽です。
 
◆ 美濃早生(みのわせ)大根
夏大根の代表ともいわれてます。
生産される時期も長く、3月〜10月まで「春まき美濃」、「黒葉美濃」、「美濃つまり」など、品種も数10種に及ぶものが出回っています。
 
播種してから50〜60日で収穫できる上、外観もスマートで人気の品種です。
辛みがあって甘みが少なく、煮物に適しています。
 
◆ 亀戸(かめいど)大根
東京の亀戸が特産でしたが、現在は江戸川区や葛飾区などで少量が作られる程度です。
2月中旬から5月に出まわります。
 
紡錘形の細長い小ぶりな大根です。
ほのかな香りと甘みがして、柔らかな葉といっしょに一夜漬けにすると美味しいです。
 
◆ 辛味大根
普通の大根より小さめで辛味が強い大根を総称して「辛味大根」と呼んでいます。
辛味大根は、辛味成分イソチオシアネートを多く含んでいます。
栄養価も高く、カリウムやビタミンAやカロテンを豊富に含んでいます。
辛味だけでなく、旨みと甘みがあって、これでなければならないというお蕎麦屋さんたちに人気です。
 
辛味大根はおろして食されますが、薬味として蕎麦やうどん、天ぷら、肉料理、魚料理等に添えられます。
蕎麦やうどんとの相性は抜群です。
 
辛味大根には、次のような種類があります。
辛之助大根、からいね大根、カザフ辛味大根、辛吉大根、辛丸大根、ねずみ大根、味辛大根、雪美人ミニ大根、おいばね大根、四季蒔き倍辛大根、黒丸大根、だるま大根。おろし大根、時無し大根、などがあります。
 
京都の辛味大根
京都府北区鷹ヶ峰(たかがみね)で、元禄時代から栽培されている大根です。
大根とは言っても、形はまるで違います。
直径3〜5cmくらいで、まん丸の形。
どう見ても小カブにしか見えないのですが、れっきとした大根です。
 
水分が非常に少なくて、おろしてもサラサラしています。
その為、ソバつゆが薄まらなくて、薬味にピッタリです。
味はその名の通り、辛い!
しかし、ワサビとは違った独特の味と刺激で、古くから通人に大いにもてはやされたという事です。
 
特に、大晦日の京都室町などでは、昔は辛味大根おろしのソバを年越しに食べる習慣があり、ソバ屋は、ソバと辛味大根を届け、食べる直前に各自で辛味大根をおろして、ソバにのせて食べるのが習わしだったそうです。
 
ところが、ソバの薬味として使いみちが限られていたことで辛味大根の栽培は広まらず、また、戦時中のソバ粉の統制によって、京都市内からソバ屋が激減し、栽培も減ってしまいました。
現在では、二軒しか栽培農家がないのだそうです。
 
◆ ラディッシュ
直径2〜3cmの球形で、赤玉がなじみ深いですが、白玉、赤長、白長などもあります。
生食がほとんどで、カリッとした歯切れの良さが楽しめるため、彩りや付け合わせ、サラダによく利用されています。
 
別名二十日大根とも呼ばれ、20日くらいで収穫できることからこの名前がつきました。
10〜3月頃が出回り期です。
濃い緑色の、ピンとした葉っぱのついているものが良品です。
直径2cm前後、直根が細くヒゲ根のすくないものを選びます。
 
そのほか、品種とは違いますが...
◆ かいわれ
12〜14cmまで伸ばした大根の芽で、貝割菜(かいわれな)ともいいます。
和風テイストのほか、肉類を使ったサラダにもよく合います。
四十日という品種を使用します。
 
◆ 春大根
2〜3月頃に出まわるものを春大根といます。
大根は冬に出荷されるものが大部分ですが、初冬に種子を蒔き2〜3月に出まわるものを特にこう呼びます。
千葉、埼玉が主産地です。
 
◆ まびき菜
根が肥大する前に間引いたもので、おろぬき大根とも呼ばれています。
葉が柔らかく、おもに葉を食べるもので、もみ漬けものや汁の実などにされます。
 
 
■ ダイコンの加工品
 
◆ たくあん漬け
干しだいこんをぬかで漬けたものです。
名前の由来は、江戸時代に沢庵和尚が漬けたからと伝えられますが、たくわえ漬けがなまったものとも言われています。
 
◆ 各地の名産漬物
○ 秋田のいぶりたくあん    ○ 東京のべったら漬け
○ 石川の七尾たくあん     ○ 岐阜の守口漬け
○ 京都の千枚漬け       ○ 京都の聖護院大根のぬか漬け
○ 愛知の渥美たくあん     ○ 和歌山の紀ノ川たくあん
○ 鹿児島のつぼ漬け      ○ 鹿児島の薩摩漬け
 
◆ 干しだいこん
大根を乾燥させたもので、天日乾燥することにより、甘みと風味が加わります。
青首大根や練馬系の大根が多く使われます。
干し大根には、千切りにして干した切り干しと、蒸して乾燥させた蒸し干しがあります。
冬の日光、寒風を浴びた寒干し大根が良品です。
 
◆ 干葉(ひば)
大根の葉や茎を陰干しにしたものです。
雪国で、冬場に少ない青菜の代わりの貯蔵菜として利用されました。
細かくきざんで湯通しし、炒め物や汁物、干し菜飯などに利用します。
 
 
 
● ダイコンの栄養・効能
 
● 大根の葉は緑黄色野菜、根は淡色野菜です。
 
● 皮の部分には2倍のビタミンC
アブラナ科野菜の大根には辛み成分のイソチオシアナートが豊富に含まれており、血液をサラサラしたり、殺菌作用などがあります。
でんぷん分解酵素(アミラーゼ)などの消化酵素も豊富に含まれていて、食べ物の消化吸収を促進します。
食物繊維も多く含みます。ビタミンCも豊富ですが、特に皮には中心部より2倍ものビタミンCが含まれます。
 
 葉は緑黄色野菜
葉の部分には根よりずっと多くのビタミンCを含み、ビタミンA(カロチン)も豊富で、さらに、ビタミンB1、B2、カルシウム、ナトリウム、リン、鉄などの成分を含みます。
 
● 切干し大根
さらに、乾燥させた切干大根には、生の大根より、ビタミンB1、カルシウム、鉄分を多く含み、食物繊維やミネラル供給におすすめです。
 
● 消化促進
大根の根にはでんぷん分解酵素(アミラーゼ)が含まれているため、食べ物の消化を促進し、げっぷ、胸焼け、胃のもたれ、胃酸過多、二日酔いなどの症状に効果的です。
胃の弱い人は、食事に大根おろしを添えて食べると、消化がよくなります。
昔から「もちの食べ過ぎには大根を食べるのが良い」と言われるのもこうした効果からきたものです。
 
● 大腸がん予防や吹き出物予防
大根に含まれるオキシダーゼ酵素には解毒作用があり、発がん性のある焼き魚のこげを抑制する働きがあります。
焼き魚を大根おろしと一緒に食べるのは非常に良い取り合わせなのです。
また、豊富な食物繊維が腸を整え、腸内の老廃物を一掃するので、大腸がんの予防や吹き出物などに効果があります。
葉に多く含まれるβカロチンにも、がん予防の効果があります。
 
● 血液をサラサラに
大根の辛み成分のイソチオシアナートには、肉食生活でドロドロになった血をサラサラにし、血栓を予防する働きがあります。
肉料理を食べる時には、アブラナや大根を多く食べると良いのです。
 
● 殺菌作用
大根の辛み成分のイソチオシアナートには、白血球を活性化し、また人間の体に害を及ぼす細菌を殺したり、力を弱めるなどの殺菌作用があります。
お弁当などにアブラナ科サラダに、大根とワサビをおろしたドレッシングをかけたものを入れると、アブラナ科野菜から蒸発するイソチオシアナートの殺菌作用が他の食べ物にまで効果を与えるほどです。
 
● 消炎作用など
おろし汁には消炎冷却効果があり、やけどや歯茎のはれ出血、頭痛、発熱、のぼせなどの外用薬として利用できます。
 
● せき、たんに
昔から「だいこんあめ」として、ビタミンCや酵素、はちみつの相乗効果でのどの炎症を鎮め、せきやたんを取り除いてくれます。
 
 
 
● ダイコンの選び方
 
○ 葉つきがあればぜひ葉つきを選んで下さい。
葉にも栄養がたくさんあります。

○ 葉に勢いがあり、美しい緑色のものを選びます。


○ 葉のつけ根の真ん中に大根の芽がありますが、それが茎になるまで伸びているのは育ちすぎで、おいしくありません。

○ 葉の茎を折ってみて、そこがスカスカだったら大根自体にもすが入っています。

○ 葉が切り落とされているときは、葉の折り口がみずみずしく新鮮なものを選びます。

○ 根の部分は白く、きめこまかく、張りと光沢のあるものが新鮮です

○ ひげ根やくぼみがなく、丸身が円形で、持ってみてずっしりと重みがあるものを選びます。
 
 
 
● ダイコンの調理のポイント
 
○ 葉は買ったその日のうちにすぐ調理します。
(浅漬け、汁の実、おひたし、菜飯などに)
○ 大根は部位によって味が違います。
葉に近い首の部分は、辛みが弱く、またビタミンCが多く含まれているので生食用に最適です。
塩をふってサッともんだり、だしをきかせたしょうゆにつける即席漬物にしてもおいしいです。(なます、サラダ、おろし、刺し身のつまに)

○ 中央の部分は最も甘みが強く一番おいしいところで、太さもそろっているのでどんな煮物にも最適です。
大根の味を生かした薄味の煮物にすると、美味しさが引き立ちます。
(おでん、ふろふき大根に)

○ 先端の部分は辛みが強い部分なので、味の濃い料理向き。
辛みは煮ると、甘みに変化します。
辛みのきいた薬味や切干大根などに向いています。
(味噌汁の具、炒め物、味の濃い煮物、ぬかづけ、薬味に)

○ 皮は千切りにして、きんぴらがグッドです。


○ 大根おろしにすると、時間が経つにつれて、ビタミンを失い味も落ちますから、使う直前におろすようにしましょう。

○ 茹でる時は、米のとぎ汁か米粒を入れるとアクが抜けて甘みが増すといいますが、最近の品種ではほとんど直火でも良いようです。

○ 大根は淡白な味のため、脂の多い食材との相性も抜群です。
ブリやばら肉と煮ると、肉のくせをやわらげ、コクがでて味わい深くなります。
 
 
● 大根おろしについて
○ 大根の辛み成分は、イソチオシアナートと呼ばれるもので、すりおろした時に細胞が破壊されることで辛みとなります。
この成分は、大根の首の部分よりも先端のほうに多く含まれています。
イソチオシアナートは揮発性であるため、すりおろした後そのまま放っておくと辛みはなくなってしまいます。
ビタミンCの損失も時間とともに多くなるので、なるべく食べる直前におろします。
 
○ 大根は中心より皮に近い方が水気が少なくビタミンCも多いので、なるべく皮ごとおろしましょう。
 
○ しょう油やぽん酢などをかけて食べますが、もみのり、しらす干し、かつおぶしをのせてもおいしいです。
 
○ 辛みが強いときは、水でさらし、ふきんで軽くしぼると良いでしょう。
 
○ 大根おろしと人参おろし(とうがらしの場合もある)をあわせるもみじおろしは、人参のもつビタミンC酸化酵素によって大根のビタミンCが破壊されますが、食欲を増進させる働きもあるので、あまり気にせず彩りをつかう事も良いでしょう。
 
○ 甘い大根(だいこん)おろしの作り方
葉に近い方を使用し、大根を垂直に立て、ソフトタッチでまあるく円を描く様におろします。
横向きにしたり、縦横方向が定まらないのもダメです。
 
○ 辛い大根(だいこん)おろしの作り方
先端部分を使用し(しかも夏場の方がより辛い)、おろし金に対して一直線におろします。
力強くおろすことにより細胞がより細かく破壊され、辛み成分が活性化します。
また、辛みはすぐに飛んでしまうので、早めにいただくことです。
 
 
 
● ダイコンの保存法
 
○ 保存の適温は5℃前後です。
 
○ 泥付きなら土の中もしくは新聞紙などに包んで暗い場所に、洗った物は適度な湿度を保つためにビニール袋、新聞紙、ラップフィルムなどで包んで冷蔵庫で保存してください。
新聞紙に霧を吹いておくといいでしょう。
 
○ 葉を付けたままにすると、葉から水分が蒸散してしまい、身の水分も奪ってしまって内部に「す」が入る原因にもなりますので、葉を付け根ギリギリのところで切り離す方が良いでしょう。
 
○ 葉はビニール袋に入れて冷蔵庫で保存します。
すぐに使いきれないようなら、さっとゆでて使い易い長さに切り、密閉容器で冷蔵保存するか、細かくきざんでから密閉容器に入れて冷凍しておくと、料理の仕上げの青みに利用できるので便利です。
陰干しして干し葉にするのもよいでしょう。
 
○ 冷蔵では根も葉も4〜5日で使いきる方が良いでしょう。
 
○ 大根おろしは水気をきって冷凍保存しておくことができます。
予め小分けにしておくと便利です。
 
 


石川県認定
有機農産物小分け業者石川県認定番号 No.1001