茎も皮も葉も、全部が美味しい!
香りと歯ざわりを楽しむ
酢味噌和えがうまい!
天ぷらがおいしい!
 
うど(独活)
 
 
◆ 捨てるところがほとんどない山ウド
 
「山うど」は3〜5月が旬です。
鮮烈な香りとシャリシャリとした歯ごたえが春の野山を感じさせます。
 
風も無いのに自分から動いているように見えるので“独活”。
またウゴク(動く)がなまってウド。
 
数少ない日本原産の野菜です。
ウコギ科タラノキ属の多年草。
 
山ウドは捨てる所がほとんどありません。
蕊の白いところだけ食べれると思っている人が多いのですが、皮や葉も食べることができます。
むしろ山ウドの皮や葉のほうが野性味豊富な山菜と思えるくらいです。
 
ウドの蕊は酢の物類やサラダ、または炊き合わせ(煮物)に、皮は天ぷらや金平に、芽の部分や葉はてんぷら、または茹でておひたしやマヨネーズ和えにして美味しく頂きましょう。
 
ただ山菜の野性味にはアクがつきものです。
香りもアクの内かもしれませんが強いアクは害があると思います。
調理方法によっては充分アクを抜く必要があります。
 
 
◆ 山うど(天然うど)
 
うど(独活)は、若葉やつぼみ、芽および茎の部分を食用とします。
つぼみや茎は採取期間が短いですが、若葉はある程度長期間に渡って採取することができます。
 
山ウドはややアクが強く、山菜として葉や先端を天ぷらなどにする他、ぬたや茹でたものを酢味噌和え、みそ汁の実の実とします。
 
山ウドは葉、皮、茎全て捨てる事なく食べられるのは周知のこと。
葉は天ぷら、皮は刻んで佃煮、茎はおひたし、煮物、みそ汁の具などで食します.
 
 
◆ 露地栽培の山うど
 
スーパーなどで「山うど」と称して販売されているもののほとんどは、畑で露地栽培されているものです。
山野に自生する天然の山うど採ってきて畑に植え、根株に土寄せしてやや緑化させた露地栽培の山うどです。
山うどは香りや風味がよいが、アクが強いのも特徴です。
山うどの旬は、栽培ものが3 5月、天然ものが5 6月に少量出ます。
 
選び方は、穂先がぴんとし、痛いような産毛が白い茎を覆い、上から下まで均一の太さのものがよい。
皮は筋の内側まで厚めにむきます。
切り口が空気にふれると酸化して茶褐色になるので、切るそばから酢水にさらしてアクをぬきます。
ゆでる場合も酢を加えると白く仕上がります。
 
 
 
◆ 白うど 東京うど
 
一般に「うど」として売られている白いものは、山菜の「山うど」に対して「白うど」「東京うど」と呼ばれ、日の当たらない地下のムロなどで、株に土を盛り暗闇の中で栽培する「軟白栽培」によるものです。
光を遮断し、モヤシのように茎を白く大きく伸ばして出荷されているものです。
軟白栽培の白うどは、三鷹市・立川市を中心とする東京・多摩地区の特産品です。
 
白ウドは他に、酢水で灰汁抜きをして煮浸しやサラダとしても食べられます。
また、皮も柔らかく、短冊切りにしてキンピラにすると美味しいため、白ウドは捨てるところがほとんどありません。
 
「東京うど」は、江戸時代に生産が始まり、現在も東京都内各市場に出荷され、東京を代表野菜となっています。
当時は、人よりも早く初物を食べることを粋と考える江戸っ子気質から、春先に独特な香りと歯ごたえのある「うど」が先を争って買い求められたことが俳句や川柳にも詠まれています。
 
 
 
◆ うどの栄養・効能
 
うどは90%以上が水分で、微量のビタミンやミネラルからなり、栄養素的に決して栄養が豊富な植物とはいえません。
カルシウム、カリウム、亜鉛、鉄などのミネラル、少量のタンニン、精油、酵素を含み、ビタミンB1、B2、C、k、パントテン酸を含んでいます。
 
しかし、うどには、「ジテルペン」「フラボノイド」「クロロゲン酸」などの有効成分が含有されている事が特徴的です。
 
うどの茎と根には精油類(数類のジテルペン類)を含み、これが大脳皮質や延髄を興奮させ、血液の循環を促進するので、発汗、鎮痛、利尿、消炎などの作用があります。
したがって、風邪、頭痛、偏頭痛、めまい、リュウマチ、神経痛、関節炎などに用いられます。
 
「ジテルペン」は、自律神経を調整する機能があり、精神の安定に役立ちます。
「フラボノイド」は「抗酸化物質」のひとつで老化やガンの予防効果などがあるとされています。
「クロロゲン酸」もフラボノイドと同様に抗酸化物質で活性酸素を除去して細胞の老化を抑制します。
 
カリウムをキュウリより多い270mgほど含み、高血圧予防に効果的です。
食物繊維が多く、便秘解消、大腸がん予防に役立ちます。
 
 
民間薬として、うどの生汁を精神不安、分裂症などに用いられます。
乾燥した根や茎を風呂に入れると、肩こり、痔疾、神経痛、リユウマチ、痛風、腰痛、冷え性などの鎮痛に役立つといわれます。
 
旬のうどは、栄養を期待して食べるよりは、うどの香り、歯触り、味などを楽しむために食べたいものです。
 
ヤマウドの粕漬けは食欲を高め、腸内の乳酸菌を増やし、ビタミンB1、Eを強化して、腸内の善玉菌を増やすので老化予防に役立つ
 
漢方薬として使われる場合は同じ“独活”という字を“ドッカツ”と読み、根を乾燥させて使います。
 
● うどの入浴剤
うどの皮は下処理の後捨てられますが、この皮を天日で充分乾燥させた後、適当な量を鍋で10分程煮込んでからその湯を浴槽に入れると、うどの精油で保湿効果抜群の入浴が楽しめます。
 
 
 
◆ うどの大木
 
“ウドの大木”などと言いますが、ウドは木ではなく草です。
食べられるのは、から初夏にかけて芽吹いた小さな若芽の頃に山菜として利用します。
 
しかし、うどは大きくなると2〜が3メートルにも育ちますが、そうなると、食用にも木材にも適さないことから、転じて「図体はでかいが中身が伴わず、何の役に立たないもの」の例えとなどとされいます。
 
だが、実際の所は夏ごろまで「若葉」や「つぼみ」も山菜として採取できます。
 
うどの大木が生えているのを見つけた場合には、茎の硬い皮を削ぎ取ると芯の部分はセロリのように美味しく食べることができます。
ここまで大きくなると生のままでもほとんどアクがなく、雑味もありません。
また、先端の部分はまだ柔らかいので、若葉や花芽がまだ出ていないものは摘んで天婦羅にできます。
 
 
 
◆ うどの酢味噌あえ
【材 料】(3人分)
・うど・・・1本  ・みそ・・大さじ1/2
・砂糖・・大さじ1/2  酢・・大さじ1/2
【作り方】
@ うどは厚めに皮をむき、切ったらすぐに酢少々を加えた水に放してアク止めをします。
A 鍋にお湯を沸かし、酢を少々落としてうどをゆでます。
B 味噌、砂糖、酢をまぜ合わせて、器に盛ったうどにかけます。
 
* うどの芯は、香り高く淡白な味わいなので、いろいろな調味が楽しめます。
酢味噌和えの他、ゴマ酢和え、サラダなど。
また、野菜炒めの具や油を使わない金平に。
 
 
◆ うどの皮のきんぴら
【材 料】(4人分)
・うど・・・400g  ・人参・・・100g  ・油・・・大さじ2  ・みりん・・・大さじ1/2
・しょうゆ・・・大さじ1  ・唐辛子・・・1/2本  ・塩・・・小さじ1
・いりごま・・・大さじ1
【作り方】
@ うどの皮と人参を細く切り、水に放しアク抜きし、ザルにあげておく。
A 唐辛子は種を取り、輪切りにする。
B 中華鍋に油を熱し、唐辛子、人参、うどの順に炒め、塩、みりん、しょうゆで調味する。
C 盛りつけにいりごまを散らします。
 
 
◆ うどの刺身
【材 料】(4人分)
・うど・・・1本  サラダ用水菜・・・100g  ・ラディッシュ・・・4個
・帆立の刺身・・・4粒  ・エビ・・・80g
【ドレッシング】
・市販のポン酢・・・大さじ2  ・ワインビネガー(又は酢)大さじ1
・砂糖・・・小さじ2  ・塩小さじ1/3  ・こしょう少々  ・サラダ油・・・大さじ2
【作り方】
@ ボウルに油以外の材料を入れてよく溶かし
油を少しずつ 混ぜながら加えドレッシングを作ります。
A ラディッシュは輪切りにし、うどは皮を剥き、厚さ5mm長さ4センチの短冊に切って酢水に10分浸けます。水菜は4cmの長さに切る。
B エビは茹でて 殻をはずします。
C 2リットル位の熱湯に酢を大さじ1を加え、うどをさっと通し、@のドレッシング半量をかけて冷ましておきます。
(うどは茹でないで熱湯につけるだけにし、シャッキリ感を残す)
D Cと水菜、ラディッシュ大皿に盛りつけ、貝柱とうどを盛り付け、残りのドレッシ
ングをかけます。
 
* 新鮮なうどを洗って、皮をむき、拍子木に切りして、生のまま味噌で食べるお刺身もすごく美味しいです。
 
* 茹で上げてアク抜き下ごしらえしたウドを半割または斜め切り半分割して、調味した煮汁で煮ます。
煮汁は、出汁に酒、砂糖、塩で調味します。
素材が白いので醤油は使わないほうが良いでしょう。
仕上げにみりん少々。
ほかの具と合わせる場合は、一緒に煮ないでウドの煮汁を使いまわして別々に煮ると良いでしょう。
 
 
◆ うどの皮のかき揚げ、葉の天ぷら
皮をかき揚げにすると、何の素材かほとんどの人が分からないのでびっくりさせる事ができます。しかも牛蒡のかき揚げより美味しいのです。
葉や芽の天ぷらも香りがあり美味です。
揚げごろもは、水に溶き卵を入れ、片栗粉を加えて溶かし次に小麦粉(薄力粉)を入れ、箸でかき混ぜます。
粉玉が残るほうが揚げ具合が良いので混ぜすぎずネットリさせないこと。
氷で冷やす必要はありません。
揚げ方は、中温の天ぷら油にゆっくりと泳がせ、上げ際に少し高めの温度にするとカリッと揚がるでしょう。焦げないように気をつけて。
天つゆは、出汁を効かせ砂糖を使わず薄味のものが合います。
 
ウドの皮の固い繊維は油を使い加熱する事によって柔らかくなります。
味付けの基本は酒と醤油です。
砂糖は好みであれば使いましょう。仕上げに七味や山椒をどうぞ。
 
 


石川県認定
有機農産物小分け業者石川県認定番号 No.1001