ジュースにすると
スイカのような甘さが
口中一杯に広がります
熊本県菊池郡・大自然ファーム
本田和寛さんの
フルーツニンジン
 
図 26_26
 
● 「人が健康になるためには、
作物が健康でかければならない・・・」
 
大自然ファームのある菊池郡菊陽町は、阿蘇山の西側に位置し、昭和44〜48年の国の構造改善事業によって開田された地区です。
火山灰土の黒ボク地帯で、主要作物は水稲、その他露地野菜、タバコ、畜産の生産者などが多く、特にニンジンは県の出荷量の大部分を占めています。
最近は熊本市のベットタウンとして人口増加が加速しています。
 
緑肥を立ち木のまま漉き込み、土壌の排水性・通気性・活力を有効的に復活させる有機物循環農法と、作物が必要とする要素をバランスよく与えることで臭みと苦味を抑え、作物が本来持っている甘さと栄養を最大限に引き出す。
 
現在の農産物は肥料過多の為に、栄養素のバランスが崩れおいしくありません。
前年の肥料が土の中に残っているのに、また次の年追肥する。
不健康な土地から生まれる物は美味しくありません。
 
大自然ファームが実践する有機物循環農法は、微生物が活動する空間と餌を土の中に作り、健康な土地から美味しい野菜や果物を生産するというものです。
 
大自然ファームでは、露地栽培・ハウス栽培に関わらず、有機物循環農法に基づき、フルーツニンジンやスイカ等の単年作物の収穫が終わった圃場に、ソルゴーという背丈が3mにもなる作物を植えます。
 
それが育つ過程で、土壌に残った肥料分を吸い上げます。
そのソルゴーをトラクターで土の中30〜50cmに太陽熱・空気などと一緒に鋤き込み攪拌し、土壌中に有機物の層を作り出します。
やがてそれらが腐食し微生物の餌となって働きを活発にさせ、土壌の排水性・通気性を高めます。
 
こうして作られた健康な土壌に深く根を伸ばした作物には、信じられない美味しさが宿ります。
 
 
● 美味しさを生ジュースでお確かめ下さい
図 27_27図 28_28
 
土づくりにこだわった有機物循環農法により、ニンジン独特の臭みや匂いが少なく、ニンジン嫌いの方でも生ジュースで飲める甘味があります。
 
美味しさと共に豊富なミネラルも含み、ガン予防や動脈硬化防止によいとされるベータカロチンは通常の人参に比べ何と2倍以上!
生ジュースやキャロットケーキに最適な逸品です。
 
 
● 《本田和寛さんのお話》
 
大自然ファームを経営する本田和寛さんは、昭和25年生まれ。
酪農業を一から始めて専業として安定した経営を続けて来ましたが、牛乳の生産調整により自由な拡大ができなくなり、また輸入自由化の流れもあって、経営の改革を考えていたときに、父が4億の保証倒れにあい、全資産の競売となりました。
 
その資産を買い戻すことから、現在のニンジン専業経営へと転換しました。
酪農を経営していたときの蓄積で借地は多かったため広い耕地が確保でき、また堆肥の全量投入をしていたことで地力も充分にありました。
ニンジンに対しては全くの処女地と言うこともあって、さほど苦労もなく、安定した収量を確保できていたのですが、年2作の連作を続けていますと、少しづつ障害もでるようになってきました。
 
そこで肥料成分がよくわからず、生育にムラのあった堆肥をやめて、土中の肥料成分を少なくするため、また微生物対策としてソルガムの作付を始めました。
年2回のニンジンの作付を行うため、連作障害の回避が最大の課題です。
ニンジン専業経営にとっては、土の状態をいかに理想的にもっていくか、排水性と保水性、この相反する機能をどう調和させていくかが永遠のテーマです。
 
「創意工夫と努力で、農業には素晴らしい未来が開けると思います。
私の夢は、都市居住者が週末に訪れる農場の建設です。
そのために、「夢農場」と名づけて1200坪の熱帯フルーツ園にマンゴー、バナナ、レイチ、パッションフルーツなどの栽培を始めました。
安心して食べられる野菜、果物を生産し、供給する、そんな農場にしたいと思っています。
過去の危機が今の経営のバネになっています。
危機は、チャンスの裏返しでもあると思います。
現在の農業は、まさにこの時期だと思います。」
と、本田和寛さんはのべています。
 
 
● 大自然ファームの土づくり
 
大自然ファームの畑は、ニンジン生育可能硬度(ニンジンが育っていける土の固さの事)は深さ約47cm。
ニンジンの大きさは約15cm〜20cmですが、ニンジンはその先端から更に細い根が出ています。
それもニンジンとほぼ同じぐらいの長さです。
合わせると約30cm〜40cmの深さが必要になります。
 
トラクターに付いているロータリーという畑を耕す機械は深さ約20cmまでしか耕すことができません。
ということは、本来ニンジンが必要な深さまでは耕せていないということになります。
大自然ファームではこれをプラウという機械を使うことで約50cmの深さまで耕しています。
このプラウという機械は土を深さ約50cmからひっくり返すというものです。
メリットは同じ土を使い続けると起こる事がある連作障害を起こりにくくし、ロータリーでは届かない深さまで耕す事が出来るところです。
大自然ファームでは緑肥を鋤き込むのにも使っています。
 
更にもう一つ恩恵があります。
それは雨が降ったときでも水が深さ50cm位まで通り抜けるところです。
ロータリーだけしか使わない場合は約20cmの深さに硬い岩盤があるので、そこに水が溜り易くなってしまいます。
これが梅雨の時期に多量の雨が降り、その後夏の日差しを浴びると溜まった水のおかげでニンジンはどうなるか?・・・弱火でコトコト煮詰められた状態になり、ニンジンが畑で腐りやすくなってしまいます。
 
このように大自然ファームでは作物にも優しくかつ、長い期間の出荷に耐えられるような土作りを考えて日々努力しています。
 
 
図 29_29図 30_30
● 樹上完熟マンゴー
大自然ファームの完熟マンゴーは、見栄えを良くするために、必要以上にハウスの温度を上げてマンゴーの表面の色を赤くしたり、日持ちをさせるために早ちぎりをしたりなどは一切行っておりません。
マンゴーの木は、実が熟すと自然に身を切り離します。
私たちは、その瞬間をずっと待ち、袋に落ちたものだけを収穫しているのです。
香りが強く、やわらかく、少し小じわが寄っている。
これは皆、マンゴーが教えてくれる食べごろのサインなのです。
 
● 完全無農薬バナナ
大自然ファームではバナナの生育を行う上で、一切の農薬を使っていません。
太陽の光を浴びるために大きく成長したバナナの赤いガクの中にはたくさんの実が隠れていて、その実の先に白い小さな花を咲かせます。
3ヶ月ほどたつと実は大きくなり、重さは30kg、長さは1mを越えるものもあります。
丈夫な茎はのこぎりで切り取らなければ歯が立ちません。
一度実をつけたバナナの茎は枯れてゆきますが、その代わりに根の周辺から、小さなバナナの芽がたくさん出始めるのです。
甘くてモッチリした無農薬国産バナナをお味わいください。
 
図 31_31図 32_32
● ライチ
冷凍ものとは違い綺麗なピンク色をしています
大自然ファームの新顔です。ライチは和名で「レイシ、ライチー」と呼ばれるムクロジ科・レイシ属の植物で、葉は2〜4対の小葉ができます。
花は黄緑色で春に咲いて、果実は夏に熟します。
果実の表面(皮)は赤くウロコ状で新鮮なものほどトゲが鋭くなっていて、果皮をむくと半透明で多汁の果肉が表れます。
そしてその中には大きい種が一つ入っています。
 
● すいか ベイズリー
ラグビーボール状のすいかです。
べイズリーという独特な縞模様が特徴です。
皮の近くまで甘くて、とっても美味しいですよ
 

石川県認定
有機農産物小分け業者石川県認定番号 No.1001