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健康に育ったニンニクは美味しい!
野菜感覚でなんぼでも食べられる!
高血圧の方にも低血圧の方にも、
人を元気にするすごいパワー!
青森県 《ろくのへミネラルファームズ》
前村長政さんの
ミネラルにんにく
![]() ● 「エえっ!、ニンニク鍋!」
しかし、その美味しさにびっくり仰天
前村さんの「ろくのへファームズ」を訪問したときのことです。
「さあ、お昼にしましょう」と案内されてびっくり仰天。
6月とはいえ汗をかきながら畑回りをしてきたこの暑い最中に「今日は鍋を食べましょう」という。
テーブルの真ん中に据えられた大きな鍋の蓋が開けられた。
鍋の中は真っ白にニンニクの粒で埋まっているではないか。
一粒のニンニクでも何か胃のもたれが感じられて、どうも苦手意識があるのに、「さあ、どうぞどうぞ」とニンニクがどっさり盛られた器が手渡され、一瞬たじろぐ。
恐る恐る口にした一粒のニンニク。
「あれ!、美味しい。これがニンニク?」。
クリとユリ根の中間的な食感、ホクホク感がありほのかな甘味がある。
「いやあ、美味しいです。びっくりしましたよ。なるほどよくわかりました。すごいですね」
このニンニクの素晴らしさと新しい発見に感動し興奮した。
そして余りの美味しさにお代わりまでして5、60粒は食べたか。
前村さんたちは、月1回ニンニク料理の研究をしている。
「健康に育ったニンニクはとても美味しく、野菜感覚でなんぼでも食べられることを知ってほしい。
それに高血圧の方にも低血圧の方に対しても、血圧をコントロールするなど多くの薬効がある。
疲労を回復し人に元気をつけるすごいパワーのあるニンニクです。
私たちは大人から子どもまで、野菜感覚で食べていただくために、ニンニクを美味しく食べる料理の研究をして発信しているのです」という。
● 食べて美味しい
本物のニンニクが作りたい
現在ニンニクは、中国などから大量に輸入され安価に販売されていますが、一般に市販されているニンニクには、特有のニンニク臭が強烈なものがあります。
強く残る口臭や焼きつくような胃のもたれを気にしてニンニクを嫌う人がかなり多いものです。
これはニンニク中に含まれる硝酸濃度が高いためです。
嫌われるニンニクになる原因は、その栽培方法、土づくりにあるといえます。
収穫量やニンニクの肥大化を狙った化学肥料主体の栽培ではどうしても窒素過多になっているのです。
このことは、たとえばメロンやイチゴを食べて舌が割れるような感じになったり、ネギの繊維質が堅くて口に残る。
またタマネギの辛味が強すぎるなども同じことで、土づくりに原因があります。
これではとても美味しいとは実感のできないものとなり、作物本来の味とは言えません。
中嶋常允先生は
「人は食べものによって若返り元気になる。
はじめに土があり、良い食べものは生きた元気な土による。
土の命と作物の命と人間の命はつながっているのです」
と、ミネラルと生命と土の関係、食べものの大切さを説く。
●良い土作りで作物が元気に、
美味しく体に良い食べ物に
前村さんは中嶋常允先生との出会いにより微量要素と土のかかわりが大切なことを知り、土づくりを重視し、野菜感覚で丸ごと食べられる有機ミネラルニンニクを開発されました。
前村さんの圃場を訪れたのは6月も半ば。
ゆったりした丘陵の畑からは八甲田山の峰々が展望できる。
一見ネギ畑のように見えるニンニクの畑が広がっているが、ニンニクの葉は西洋ネギのリーキのように扁平で大きい。
前村さんのニンニク畑の葉色は薄緑色で、背丈はやや短く丈夫である。
これは有機肥料で健康に育っている証だ。
若干間隔が空いて見えるが、これだと風の通りも良くなり根元まで陽があたって、病気も発生しないようにしているのである。
一般的には、作物の葉の色は濃い緑色で大きな葉が青々と生い茂っていると見事に感じるものだが、これまで有機農法の畑を見てきた経験では、どんな作物の場合でも、作物体はやや小ぶりで頑健であり、葉は小さめで肉厚であり、やや黄味がかった緑色をしているものです。
前村さんの説明を聞き、畑を見て大いに納得がいきました。
前村さんは、“ミネラル有機農法”を指導する中嶋先生の講演会で土づくりの重要性を知り、“食べて美味しいニンニク”を作るための土づくりに取り組みました。
ニンニクの収穫後には土壌分析(土の健康診断)をし、その分析にしたがって不足する栄養成分やミネラルを補給し、ニンニクに最も適した土づくりをします。
「やがて土が甦ってきました。
このニンニクには長い時間をかけての土づくりが土台になっています。
たっぷりの有機物を施しバランスの取れた土で元気に育つ、だから農薬もぐんと抑えることができます。
農薬を控えることで土の中の微生物も大活躍、自然の力で健康に育っていますから、臭いが少なく味がマイルドで、なんぼでも食べられるニンニクに育つのです」
やはり、基本は生きた健康な土を作ることにあるのです。
微生物も活躍する栄養バランスが取れた土であってこそ、作物は元気になり病気にも害虫にも強くなります。
そこで農薬も殆んどいらなくなり安全で栄養の豊かなものになるということです。
そして、そんな作物が人間の体に良い食べものとなり、食べて美味しいものになるというわけです。
● 「医は食にあり、食は農にあり、農は土にあり」
平成元年のことでした。
北海道農業自立推進協議会の、故・野口希彦先生にお目にかかった時、有機ミネラル農法を指導する熊本県の農業科学研究所・中嶋常允先生のお話をお聞きし、いてもたってもいられずどうしてもお目にかかりたくなってお電話を差し上げました。
「1月に東京の野口英世会館で、日本綜合医学会がある。出席しなさい。そこで会いましょう」とお誘いを受けました。
農業と医学とどんな関係があるのだろう。そんな難しいところへ行って解るものかなあ、と不安な気持ちを抱きながら出席しました。
医学博士・沼田勇先生が会頭、中嶋常允先生と甲田医院の甲田光雄先生が副会頭でした。
驚くなかれ、講演会場へつながる別室には、健康志向で作られた農産物や食品が大量に展示されているのである。
「医食同源」「病は食から」「1億総半病人時代の健康は元(食)から正せ」というわけです。
このときのご縁で忘れることのできない大きな出会いをたくさんいただきました。
「医は食にあり、食は農にあり、農は土にあり」。
そこに垣根をつくらず、科学者も医者も食品業者も農業者も一体となって、本質的かつ根本的に考えねばならないというのです。
中嶋常允先生との出会いのおかげで、多くの心ある立派な方々とのご縁を結べることとなりました。
そのひとつが、今回ご紹介する青森県上北郡六戸町・「ろくのへミネラルファームズ」前村長政さんの“ミネラルニンニク”です。
● 「人の命・作物の命・土の命は一体なのだ」
「君はニンニクとはどんなものか知っているか」。
ニンニクとは臭いもので、焼肉屋でお世話になっており、帰りには臭い消しにガムをくれたものである。
中嶋常允先生の質問への返事に窮した。「いいえ」。
先生から示されたのがニンニクの成分分析表である。
同じニンニクでありながらどうしてこんなに成分内容が違うのか。
「君はニンニクが好きか」「いえ、ええ、どちらかというとあまり……」。
「君たちが口にしているのは、もうニンニクではない。君たちは、なぜ古来からニンニクが人の健康のための食として重宝されてきたかを知らない。
ニンニクならいいのではない、どんなニンニクかが大事なのだ。
本物のニンニクは食べて美味しいのだ。ほんものを売れ!ほんものを」
「人のいのちと作物のいのち、土のいのちは一体なのだ」
「人が健康であるためには食べものが健康でなければならない、食べものが健康であるためには、土が健康でなければならい」
と言うのである。
そして「本当に健康な人というのは薬品を必要としない元気な人であり、
健康な作物とは農薬を必要としないで元気に育った作物、健康な土壌とは化学性・物理性・生物性のバランスが取れた生きた土壌」のことだと。
● 故相馬暁博士の にんにくの話
@ ニンニクの古里とその由来
1)古代史に輝くニンニクパワー
ニンニクの古里は、中央アジアで、Allium longiuspis(アリウム ロンギクスビス)と言う植物が野生型の先祖であると考えられていますが、定かではありません。
栽培の歴史は古く、既に紀元前から、エジプト(B.C.3,200〜2,700年)ではタマネギやダイコン等と共に、栽培されていた事が記録されています。
そのため、ニンニクは西アジア原産とする説もあります。
紀元前1,550年頃のエジプトの古文書(パピルス)に、22種類ものニンニクの利用法が書かれていました。
例えば、体の衰弱や頭痛、喉のハレなどに薬として処方されていたのです。
また、古代エジプトのピラミツド建設に従事する労働者に、ニンニクが給料として(定期的に)与えられていたとの記録もあります。
あのギザなどの巨大ピラミッドを築いた人達は、ニンニクを食べて体力をつけていたのです。
まさに、ニンニクパワーがピラミッドを作ったなんて、考えるだけで楽しいですね。
ところで、これは単なる想像・空想でなく、ピラミッド内部の壁画に、労働者たちがニンニクを食べ、苛酷な労働に耐えている姿が、描かれています。
2)ニンニク健康法の元祖争い
その後、ニンニクは、ギリシャ、ローマなど地中海地方に広がり、栽培され、食用に供されました。
ただし、ローマでは労働者や兵士に与えられましたが、紳士・淑女の食べる物ではなかった様です。
特に、若い男女には、ニンニクの強精剤としての効能が強く、与える事を避けていました。
そうなりますと、絶世の美女クレオパトラは、シーザとの愛を語る時、ニンニクを利用していたのか、しなかったのか、気になりますね。
古代ローマの時代、奴隷やスパルタカスの様な剣闘士には、ニンニクが力の源泉として、与えられていました。
闘技場で他の剣闘士や野獣を相手に、死ぬまで戦かった剣闘士のパワーの秘密は、ニンニクにあったのです。
このニンニクパワーについて、ローマの政治家で博学者の大プリニアスは、その著書『博物誌』の中で、痔から蛇の咬傷まで、なんと61種類もの病気に対す効用を、書きつらねています。
さし詰め、ニンニク健康法の元祖と言えるでしょう。
もっとも、医学の父と呼ばれるギリシァのピポクラテスも緩下剤、利尿剤として、ニンニクを勧めていますから、今、彼らが生きていたら、元祖争いをしたかも知れませんね。
また、中国では何世紀にも渡って、ニンニクの鱗茎は、漢方で大蒜と言い、高血圧、強精薬として、広く利用されていました。
今も、世界中の民間療法でニンニクぐらい高い評価を受け続けている野菜は他にないでしょう。
3) 日本へのニンニクの伝播 日本人とニンニク
中国には西域を経て漢の時代に伝わり(B.C.100年頃)、その後、日本には記紀・万葉の時代(奈良時代)に伝来したと言われています。
奈良時代の歴史書『日本書紀』にも、その名が見られます。
また、平安時代の植物事典とも言うべき本草和名(918年)には大蒜(於保比留:オホヒル)の名で記載されています。
紫式部の大河小説「源氏物語」の「帚木(ははきぎ)」の抄、「雨夜の品定め」では「極熱の薬草」として登場します。
光源氏のタフネスぶりは案外ニンニクの効用かもしれませんね。
ところで、作者の紫式部自身がニンニクを食べ、スタミナを付けながら、あの長編を書いたのではないでしょうか。
江戸時代の宮崎安貞の農業全書には、ニンニクは農家にとって欠くことの出来ない大切な作物であると書かれています。
戸外で働く農家は夏場、暑気に当てられる事が多いですが、農作業に出る度に、毎朝、小量づづニンニクを食べておくと、日射病など暑気あたりを防げるというのです。
また、ニンニクは食当りを消す作用があり、腫れ物を治し、痔疾にも敷灸として使うと、効果があるとの事です。
植える時期としては、8月中旬から9月始めでがよいと述べています。
4)ニンニクの呼び名とその由来
ニンニクは、タマネギやネギ、ラッキョウ等と同じ、ユリ科ネギ属の多年性植物です。
別名をオオニンニク、オオビル、ヒルと呼び、中国名を大蒜(tasuan)、葫(hu)、英語ではgarlicと言います。
和名のニンニクの由来は、仏教語の「忍辱」に由来します。
すなわち、健康維持・療養等のために、臭気を堪え忍んで食べると言う意味です。
もっとも一般には淡泊好みの日本人の口には余り合わず、仏教思想もと相入れなかったこともあって、薬用以外にはあまり広がりませんでした。
その点、中国や朝鮮の料理にはニンニクを使った料理が多く、また、獣肉や油を使う欧米料理でも欠かせない香辛野菜ですが、日本人はドラキュラ伯爵よろしくニンニク嫌いです。
昔は、疫病除けに食べたり、軒につるして邪気払いをする程度の利用でした。
その様な意味では、渡来以来の歴史は千年を越えるにもかかわらす、ニンニクは日本人の好みに合わず、主として薬用に使われ、日本人の消費はごく少なく、在留外国人(特に中国、朝鮮系の人々)向けの特殊な料理や薬用として小規模に栽培されるだけでした。
A ニンニクの生理・生態とその特性
栽培種のニンニクにはオオニンニク、ヒメニンニクがありますが、わが国で普通、ニンニクと呼ばれて、栽培されているのはオオニンニクの方です。
ニンニクの葉は、同じユリ科ネギ属のタマネギ、ネギ、ラッキョウ等の葉が丸く、中空であるのに対し、ニラやリーキの葉と同様に扁平です。
但し、葉はニラの葉の様には食べられません。
日本では、通常、食べている球の側球(鱗片:種球)を分けて、一っづつ秋に植え付けます。
ニンニクは収穫後、8月下旬〜9月上旬頃まで休眠しますが、植え付け時には、休眠から覚めており、20日前後で発芽します。
冬の低温で生長が止まるまでに、4〜5枚の葉が出て、草丈は40cm程になります。
冬の間は、外観上、生育は止まっていますが、0〜15℃の低温に1ヶ月以上遭遇しますと、株元の短い茎の上(成長点)に花芽と側球になる芽が出来ます。
そして、春になって暖かくなると、再び成長が活発になり、葉数(7〜9枚)、草丈(60〜80cm)が増すと共に、花茎(花を支える茎)が伸び、その基部では側球が肥大しつつあります。
そして晩春から初夏にかけて地上部が枯れ、球(鱗茎)は成熟し、休眠に入ります。
球は花茎の周囲に放射状に並ぶ6〜10数個の側球(食用部分)からなります。
この側球が食用となり、次の栽培のための親種になるのです。
伸びた(抽台した)花茎の先には、花の蕾や側球と同じ構造の珠芽(むかご)ができます。
ところが、大部分のニンニク(品種)は花が咲いても結実することがありません。
それを不稔と言います。
そうなんです。ニンニクは種無しスイカなのです。
種ができないニンニクは、子孫を殖やすために、種と同じように養分を貯えた側球や珠芽(むかご)を用意しているのです。
但し、最近、中央アジア、コーカサス産の極一部の品種に、少量の種子が着くことが、確認されました。
ところで、抽台をそのままにしておくと、その発育のために栄養がとられて、側球の肥大が妨げられます。
それで完全に花茎が伸びきると頭部を切り取ります。これを摘蕾と言います。
摘蕾期の球は日に日に大きく肥大していきます。
植え付けから約8ヶ月後、摘蕾から20〜30日で収穫されます。
出荷には抜き取り後、葉と根を切ってすぐに出す青切り出荷と、乾かして出す乾燥出荷などがあります。
B ニンニクの生産・流通
日本では余り伸びなかったニンニク栽培も、世界では広く普及・栽培されています。
世界的に見たニンニク消費は、南欧、北アメリカ(アメリカ合衆国を除く)、アジア、南米の一部で多いようです。
幾つかの国ではニンニクは玉葱と同程度利用されています。
例えば、韓国では、1979年、タマネギの収穫量393,000トンで、その栽培面積は15,000haです。
それに対し、ニンニク収穫量は350,000トンで、50,000haの栽培面積を占めています。
また、タイではタマネギの消費量が160,000トンであるのに対して、ニンニクは300,000トンと倍近い消費量でした。
一方、日本でも戦後の食生活の多様化につれ、香辛料として、また健康食品として生産は急速に高まってきました。
そのニンニクは大きく分けて、
(1)花茎が出て、数個〜10数個の側球ができる東洋種と、
(2)花茎が出ずに、より側球が多い着く米国種に分けられます。
日本では東洋種が主に栽培されていますが、南北に長い国土に合わせて、寒地系の品種や暖地系の品種を地域の気象・土壌に合わせて栽培しています。
東北・北海道では寒地種が関東以西では暖地種が栽培されています。
寒地種は青森の福地ホワイト、千葉の千葉大球が有名です。
暖地種には佐賀大ニンニクなどがあります。
戦前、戦後にかけての長い間、佐賀産や壱州ニンニクと言った暖地ニンニクが市場を占領していました。
その後、寒地栽培の方法が発達したことと、関西以西の産地がウィルス病などのせいで衰退したため、最近では東北産の寒地種が流通の主流になりました。
特に、青森県はニンニクの日本一の産地で、天間林村や福地村のホワイト種は結球が大きく、鱗片も6個と少なく使いやすいため人気があります。
C ニンニクの旬と選ぶポイント
ニンニクの収穫期は5月下旬から6月上、中旬です。
だから強いていえば旬は春から夏と言えます。
しかし、通常出回っている乾燥貯蔵品は、旬を気にするよりも、ずしりと重みがあり、結球がかたく、手に持って重みのあるものがよいでしょう。
外皮と中身との間に隙間があるのは水気の抜けた古いものです。
男と女の間に忍び込む隙間風同様、隙間にはご用心下さい。
その保存法は、網袋に入れ、日陰の風通しのよい場所に吊しておくとよいでしょう。
酢漬け、しょうゆ漬け、ニンニク酒にして、保存するのも一つの方法です。
なお、冷蔵庫の中で貯蔵しますと、芽が出やすく、先に述べたように、不快な臭いの素となります。
葉ニンニクは、露地では初冬(11〜12月)と春(3〜4月)に生産されます。
この時期のものが良いでしょう。
葉が水みずしく、青緑色で、葉の柔らかいものを選びましょう。
また、抽台した茎を食べるスワンタイは「ニンニクの芽」の名で販売され、冷凍で長期保存が出来、すぐに使えることから輸入量も増えてきています。
最近では、生のものも手に入ります。
その時は、青みの鮮やかな多肉質のものを選ぶのがポイントです。
古いものはしおれてかたく、色も落ちています。
D ニンニクの栄養価と機能性
1) ニンニクの主成分アリシンの秘密
強力な効能、その量を加減して下さい
日本では、「葷酒山門に入るを許さず」と言って、葷(臭い野菜:ニンニク、ニラなどネギ類)と酒は、寺院内に入ってはいけないされました。
ともに、清浄な修行を乱すからとされています。
酒は人の理性を狂うわせ、葷(ニンニクなど)は精を強め過ぎるためです。
ここでも、ニンニクなどネギ類の強精効果が認められています。
強烈な匂いを嗅いだだけでも、スタミナが涌いて来きそうなニンニクですが、あの独特のンニクの臭いは、含まれるアリイン(S―2―アリルーL―システィンスルホキシト)が酵素・アリナーゼによつてアリシン(ジーアリルーチオスルフィン酸エステル)に変わると発生します。
アリイン自体は臭いません。
生のニンラクの中では、アリインとアリナーゼが、丁度、右と左のポケットに分けて入れられているように、別々の組織に存在し、混ざり合うことがなく、臭わないのです。
それが刻まれたり、おろされたりすると、細胞が壊れ、アリインとアリナーゼか混ざり、アリシンが出来て、臭い始めるのです。
なお、臭い成分・アリシンはビタミンB1(チアミン)と結合し,ビタミンB1分解酵素の作用を受けない安定的な化合物(アリチアミン)となり、腸から吸収されます。
アリチアミンは、新陳代謝を活発にし、血行を促し、食欲を増進させ、その上、殺菌作用もしめします。
このような力を出すニンニクですから、地方によっては軒先につるして、邪気払いに利用する風習などがあったりもするわけです。
あのドラキュラを追い払うにもニンニクがでてきますが、これも“すぐれもの野菜”の国際的評価でしょうか。
また、アリシンには、風邪や気管支炎の原因になる連鎖球菌やブドウ状球菌などを殺す強い抗菌力があります。
疲労、風邪のひかけの時、ひとカケラのニンニクが最も効果を発揮します。
2) 疲労回復に、高血圧・動脈硬化の予防に
ニンニクの効能としては、腎臓の働きを活発にし、血圧を下げることも指摘されています。
それはネギ、タマネギ、シャロットなど、ネギ属の植物に共通の効能ですが、特に、ニンニクはその働きが強いようです。
さらに、ニンニクには疲労回復、新陳代謝促進作用のあるスコルジニンと言う成分も含まれています。
スコルジンを与えたネズミは、与えない場合の4倍の時間も水中で泳ぎ続け、生き伸びたという実験結果があります。
また、スコルジニンとビタミンB1を併用すると、B1の効力が一段と高められます。
そのため脚気や神経痛の速効薬として使われています。
このほか食欲不振の解消、動脈硬化や冷え性の予防、寄生虫の駆除にも効果があり、その効能を挙げればきりがないほどです。
ニンニクは、その成分であるアリシンの殺菌力とスコルジニンの強壮作用により、古くから優れた薬効が伝えられていますが、その効用を総合的に示す事例に次の様な事があります。
ニンニクはギリシャ人、イタリア人やスペイン人など南欧系の人々に好んで食べられます。
一方、どう言うわけか、イギリス人、オランダ人、ノルウェー人、フィンランド人などは敬遠します。
ニンニク嫌いのドラキュラ伯爵は、きっと北欧系の人の子孫だったのでしょう。
所で、ニンニクを食べる南欧系の人々の方が、心臓病や高血圧が少ない事をご存じですか。
ニンニクは高血圧、動脈硬化に効くのです。
3) 科学が解明したニンニクパワーの秘密
この様なニンニクの効能について、医学的な研究が進められるようになったのは、ごく最近のことです。
1944年に化学者のチェスター・J・カバリトが、ニンニクの臭いをもたらすアリシンがペニシリンなどと同様な抗生物質の一種であることを突き止めました。
これが先に述べたニンニクの抗菌作用の素なのです。
また、1949年には、ニンニクはコレステロール値を下げる効果がある、と言う興味ある報告がなされていますが,その後、30年間は追試験すら行われませんでした。
コレステロール値を下げる効果を追試験したのは、インドの研究者達で、1978年に88名の被験者を対象に行われました。
20名は健康な人で、68名は血中のコレステロール値と中性脂肪値の高い冠状静脈性心臓病の患者でした。
その人たちに6月から10ヶ月間、毎日、ニンニク28g(ニンニク約半個)に相当するニンニクオイルを与えました。
その結果、平均してコレステロール値は17%、中性脂肪値は20%も下がったと言うことです。
世界中の研究者によって、ニンニクの研究が相次いでなされるようになったのは、1980年代に入ってからです。
現在では、ニンニクの殺菌作用を疑う人はもういません。
何百もの研究によって、腸詰菌、結核菌、ブドウ球菌、赤痢菌、チフス菌を含む極めて広範囲の菌に対して、抗生物質として働くことが確かめられました。
その働きをする主成分はアリシンで、先に述べたように、ニンニクを切ったり、つぶしたりすると生成されます。
加熱調理によってアリシンが壊され、臭いが消えると共に、ニンニクの抗菌作用もなくなるのです。
シンデレラの魔法の馬車が十二時を過ぎると、カボチャとネズミに戻るように、ニンニクも加熱で効果を失います。
つまり、殺菌力があるのは、生で食べた場合のみなのです。
では、生で食べないとニンニクの薬効はないのかと言うと、そうではありません。
例えば、コレステロール値を下げる効果は加熱調理によっても失われないのです。
現在までに解っているのは、生で食べた場合にのみ期待できる効果は、殺菌作用、免疫機能の向上機能、ガン予防効果です。
一方、加熱調理してもなお期待できるのは、コレステロール値を下げる効果、気管支炎を予防する効果、咳を止める効果、血行をよくする効果などです。
4)ニンニクが免疫力を高める
ニンニクに免疫力を高める力のあることが確かめられたのは、1987年のことです.
フロリダにあるアクバ診療研究センターのタリグ・アブヅラー医学博士らが、生のニンニクが免疫系におけるナチュラル・キラー細胞の働きを高める事を発見しました。
ナチュラル・キラー細胞は、感染症と、おそらくはガン細胞に対しても、その防衛の第一線をあずかっている細胞です。
その働きがよくなれば当然、感染やガンに対する抵抗力が高まる訳です。
研究者自身を含めて9名が多量の生ニンニクを食べ、対照群の9名はまったくニンニクを摂らずに、グループ別にナチュラル・キラー細胞の比較を行ないました。
被験者の血液から摂ったナチュラル・キラー細胞をガン細胞に混ぜますと、ニンニクを摂った人の細胞は摂らなかった人の細胞に比べ、「140%から160%も多くガン細胞を破壊した」と報告しています。
これは、免疫機能が失われる病気であるエイズに対しても、意味をもつものだと思われます。
5) ニンニクの知られざる秘密:
セレンの持つ機能・心臓強化薬 ニンニクのもう一つの特色として、全ての野菜の中で最も豊富に硫黄を含んでおり、セレニウム(セレン)含有率の高い事が上げられます。
これがもとで、ニンニクは水銀、鉛などの有害金属を体外に除去したり、これらの重金属毒性を軽減する作用を示します。
また、セレンは発ガン性を有する過酸化脂質の害を抑える機能、すなわち、発ガン抑制機能を持ちます。
さらに、含まれるビタミンCやEと共に、セレンは脂質の酸化(過酸化脂質の生成)を防ぐ必須うミネラルでもあるのです。
セレンが欠乏しますと、ネズミやヒッジ、ブタ、ウシなどの肝臓や膵臓の壊死を引き起こしたり、心筋症(心臓を構成する筋肉が壊死する病気)が起こることが観察されています。
人でも、セレンとビタミンEの欠乏によって、肝臓の脂肪変性や皮膚の赤色化、低蛋白血症を伴う子供に特異的なクワシオルコルと呼ばれる病気などが起こります。
また、中国では克山(ケシャン)県地方の風土病(克山病)と呼ばれる心筋症が、セレン欠乏症によることが明かとなってきました。
実は、克山病は農夫のみが発病する原因不明の病気で、町に住む商人や軍人などはかからないのです。
それはこの地方の土壌にはセレンが殆ど含まれていないため、この地で栽培され、収穫された農産物にはセレンが欠乏していました。
町に住む軍人や商人は各地から届く農畜産物などいろんな食材を食べますが、農夫は自分達の作った農産物のみを食べるため、セレン欠乏症に陥ったのです。
北海道でも、日高地方の火山灰土壌ではセレンが欠乏し、馬などに心筋症が発生しています。
ニンニクを食べさせてやりたいものですね。
しかし、ニンニクを食べない馬には、金属セレンのブロツクを胃の中に挿入する方法で欠乏症対策としています。
なお、セレンその物は毒物で多量に摂取すると、中毒症を現します。
セレンの過剰に存在する土壌で育った作物を食べ続けると、馬のひずめの異常や人の肝臓、腎臓、脾臓に蓄積し、中毒症を引き起こします。
ニンニクもほどほどに摂取するのが健康によいと言うことですね。
もっとも、聞くところによりますと、永田町近辺では、ニンニクの消費量がダントツに多いとのことですが、先生方のあの心臓の強さを見ると、なるほどと、うなづけますね。
どうか、世のお嬢様達、ニンニクを平気で宴席で食べ、チークダンスをする叔父さま達を許して下さい。
それも一重に、ニンニクの心臓を強くする機能がもたらす結果なのです。
6)ニンニクの抗生物質効果、アルコール効果
知ってますか。ハチやネズミはニンニクで酔います。
ニンニクには、先に述べたように、消毒、防腐の作用があります。
ニンニク精油の抗菌作用はかなり強く、ニンニクの搾り汁を混ぜた培地では、各種の菌が殆ど発育しません。
すなわち、ニンニクは抗生物質の一種なのです。
また、駆虫効果、すなわち、虫下しとしても有効です。
これは含まれる臭い成分・アリシンなどによります。
殺虫効果も認められます。
ミツバチに対する野菜や果物の臭いの影響を検討した面白い結果があります。
ニンジン(根)、ワサビ(根茎)、ショウガ(根茎)、レモン(外果皮)、タマネギ(りん茎)、ニンニク(りん茎)、ニラ(葉と茎)、セロリ(葉柄)を使って、実験をしました。
ニラとセロリは細切片で30g、他はおろしで5gを供し、ガラス製の密封容器の底に入れ、その上にプラスチックの網をかぶせました。
そして、ミツバチをこの中に放すと、ニンジン、タマネギ、セロルは、ミツバチに変化を与えませんでした。
ニンニクやワサビの場合、ニンニクやワサビを入れてから20分後にミツバチを入れると、1〜2分で落下し、動かなくなりました。
動かなくなる前に、丁度、人が吐くようにミツを吐き出しました。
ニンニクとプラスチック網の間に活性炭を詰めますと、臭いが吸収され、その容器の中にミツバチを放しましても、異常を起しません。
この事から、臭いがミツバチの異常を引き起こす原因と推測されました。
この事から、ニンニク、ワサビ、ニラ、レモンの皮から揮発する臭い物質が、ミツバチに致死的な作用を及ぼすことが解ります。
この作用は麻酔的で、動けなくなって30〜40分以内に、ミツバチを、正常な空気の中に戻すと、再び、動けるようになります。
このミツバチに与える影響は、アルコールが人に及ぼす影響に似ています。
臭いの中に置かれたミツバチは、まず、足がフラッキ、しだいに、よろけたり、前につのめったり、を繰り返し、網の上に座り込む様になります。
そして、ミツを吐き出します。
吐き終えたミツバチは一時、気分が良くなり、元気を取り戻しますが、すぐにまた動けなくなり、横向き、仰向けになって、脚を痙攣させながら、死ぬのです。
なにか、酔っぱらった男族の哀れさを表現しているかにみえます。
ネズミの場合も、かなり時間は掛かりますが、同様な致死的作用を受けます。
なお、ネズミの顔や手の皮膚が赤くなるのも、酒に酔った人に似ています。
酒飲みの私にとって、ミツバチやネズミが羨ましく思うこともあります。
ニンニクやニラで酔えるとは、安上がりですからね。
7)一言忠告、生食は危険!
臭わないニンニクの夢、実現へ
この様にニンニクの効果は明かですが、ただし、効力が強いだけに食べ方によっては危険でもあります。
気をつけたい第一点は、まず量です。
今晩は彼女とハッスルしようと、一度に三片も四片もの生ニンニクを食べますと、ホテルに着いた頃、胃がシクシク痛くなり、元気になるどころではなく、お陰で清い交際が続きます。
そうですね。せいぜい、生なら1日1片、加熱したものでも2〜3片に抑えることです。
食べ過ぎは貧血のもとになります。
また、空腹時の生食は絶対避けましょう。
胃の粘膜を傷つけ、胃痛に苦しむことになります。
なお、長期に渡って生ニンニクを食べ続けますと、その抗菌作用によって腸内の必要な細菌類の繁殖まで抑えてしまいます。
そのため、ビタミンB6欠乏をおこし、口角炎、皮膚炎などを起こし易くなります。
酒と同じで、休肝日?を作りましょう。
特に、デートの前日は、ニンニクを避けた方が無難です。
男の強さを示す前に、臭いのせいで、フラれる人もいます。
ところで、最近の研究によると、ニンニクの強壮剤としての作用は、ニンニクの悪臭成分と別な成分による事が分かってきました。
この有効成分はスコルジニンと名付けられました。
これは、アミノ酸が三つ連なるトリペプタイドの端に、アリルメルカプタンと言う臭い成分が結合していまが、この成分は、全体としては無臭です。
ニンニクの持つ機能・効能を持ちながら、悩まされていた臭いから解放される、と言った夢が実現するのです。
E にんにくの調理・料理
1)加熱で臭い消し、ニンニク料理も恐くない
ニンニクを使う料理には、ホイル焼きや炒めニンニクのようにニンニクそのものを食べる料理と、サラダやギョウザ、焼き肉料理のように、ニンニクの風味を高める香辛料として生かす料理があります。
ニンニクは加熱すると抗菌作用は減りますが、辛味が減って甘味が増し、臭いも薄らぐので食べやすくなります。
レバー炒めや麻婆豆腐などの料理には、刻んだりつぶしたニンニクを油にいれ、弱火でじっくり炒めて、こうばしい香りを引き出すようにします。
また、体力はつけたいが臭いが嫌という人には、ニンニクと卵を長時間、ユックリ煮て、それを干したニンニク玉や、乾燥させたニンニク粉末が良いでしょう。
世界的に見ると、ニンニクの利用は、調味料としての利用がメインですが、生食用、料理用、ピックルス等にも使われ、日本人同様、薬用にも利用されています。
利用部位は、一般的な球(鱗葉)の他、最近、中華料理などで馴染みになった生茎(花蕾部)、発芽したままの小球などです。
ニンニクを調理する時、まずニンニクを丸まま、焼くか、茹でるか、蒸すか、油で炒めることが、臭い対策上、有効です。
皮付きのままニンニクを焼くと、刻んでも臭いが弱くなっているのは、酵素・アリナーゼが熱で失活し(壊れて)、アリシンが生成され難くなるためです。
先に述べぬような方法も同様な原理によります。
なお、パセリはニンニクの臭いの、自然の消臭剤です。
ニンニク料理にパセリを付けるのも、一つの心配りかも知れませんね。
食後のベーゼを楽しむための・・・
2)芽が出かけたニンニクにはご用心
ニンニクは、加熱によって独特の風味と香りが生じて、料理を引き立たせます。
しかし、芽が出かけたニンニク、そう、ニンニク切片の先端が緑色を帯びて来た物は、いっもと違った生臭い、嫌な臭いを発します。
だから、皮を剥き、小片の先端が緑化している物は避けるか、利用するときは、先端を大きくスッポリと切り捨てることです。
加熱調理する場合は、ニンニクを丸ごと使うか、潰して使うか、スライスして使うか、刻んで使うかで、料理の香味が大きく変わってきます。
当然ながら、スライスしたり、潰したり、小さく刻む程、ニンニクの香味が全体に強く回ります。
丸ごと油で炒めると料理全体に及ぶ香り、香味は弱く、それを口に含まない限り殆ど感じません。
いずれの場合も、焦げ色がつくまで加熱すると臭いはかなり弱まります。
この原理を踏まえて、それぞれの料理に適したニンニクの扱いを、スパゲティを例に述べてみると、ボンゴレの様にアサリのソース(汁)を生かして、ニンニクの香りを抑えたスパゲッティは、ニンニクを丸ごと、1、2片使います。
加熱し、アサリの口が開いたなら、ニンニクは捨てます。
アサリのソースに、かすかに香味がつく程度でよいのです。
これでアサリの香味が引き立てられるわけです。
ニンニクを控えめに使うところがポイントです。
それに対して、ナポリタンはニンニクを潰して使います。
ボンゴレに比べるとニンニクの香味ははっきりしますが、トマトの味を抑えるほどの強さにしないのがポイントです。
トマトを引き立てて食欲を出させるのに、ぴったりの強さが望ましいのです。
強からず、それでいて確かな支えになるニンニクの香気、そんな良きパートナーとしての女房に出会えた男は幸せです。
ニンニクを刻んで使ったスパゲッティには、パセリをタップリ添え、カラフルにしたいものです。
実は、パセリは、スパゲテイを一段と美味しくするばかりでなく、ニンニクの臭いを消してくれます。
なお、手や鍋、包丁などについた臭いは、レモン汁と塩で洗うととれます。
F ニンニク・アラカルト
1)ニンニク仲間の新顔
ニンニクでは、従来の食用に使われていました球(鱗茎:ニンニク)の他に、最近はスワンミャオ、スワンタイ、スワンホワンが注目されています。
スワンミャオは青びるまたは葉ニンニクとも言います。
鱗茎が肥大する前の若い葉を利用します。
スワンタイは「ニンニクの芽」の名前で人気があります。
スワンホワンは軟白した葉で、柔らかく臭いも少なく、今後の消費増加が期待されています。
葉ニンニク(中国語でスワンミャオ)は、殆どネギと同じように見えますし、ニンニクの香りはあまり強くありません。
そのためネギと同じように使えます。
茎ニンニク(中国語でスワンタイ)は中国ではよく見られる野菜の一つですが、日本では冷凍や生の状態で「ニンクニクの芽」として市販されています。
日本で流通している茎ニンニクは、殆ど全て中国から輸入したものです。
ところで、茎ニンニクは抽台した花茎で、適当な長さに切って、豚肉といっしょに炒めたり、ゆででサラダにすると若い人に喜ばれ、ゆでで、和え物、味噌和えなどにすると熟年層に喜ばれる料理になります。
例えば、塩を少し入れた熱湯で三、四分湯がきますと、臭いが弱まり、ニンニクに比べて、ズット味や香りがマイルドになります。
葉ニンニクや茎ニンニクは日本では、高知県など一部の地域で利用されている程度です。
しかし、中国では正月に健康を祝って葉ニンニクを食べる風習があり、麻婆豆腐などには欠かすことのできない野菜です。
2) にんにくを丸ごと揚げる!
これ、すっごくホクホクになっておいしいんですよ。
皮もついたまま、ただ揚げるだけです。
だまされたとおもって、あげものされるときに1つ買ってきて、においがつくのがおいやでしたら、最後に揚げてみてください!
時間が少ないと、中が生でサクっとしてからいので、まわりの皮がコンガリするまでしっかり揚げてください。
わたしも昔はにんにくキライでした。
でも今はだーいすき。
ドレッシングに入っているような生のすりおろしよりも、スライスして揚げたり、みじん切りにしてとりのから揚げにするとにおいが消えますし食べやすいですよ。
3) にんにくは、なぜあんなにくさいの ??
にんにくには「アリイナーゼ」という分解酵素が含まれていて、にんにくを切ったりつぶしたりすることにより「アリイン」という成分に作用して「アリシン」という強烈な臭いのある物質に変化させます。
更にアリシンが分解して、にんにく特有の臭気と辛みを持った「アルキルスルフィド」などに変化するからくさいんです。
にんにくの臭いの成分は、アルキルスルフィドなど複数の物質で構成され、にんにくを傷つけるなどしたときに生成しますが、これは、にんにくが害虫や病気に対抗して自分の身を守るために作る武器である生体防御物質だと考えられています。
この生体防御物質は、昆虫や動物の嫌がる刺激性の臭いなどによって食べられるのを防いだり、抗菌性のある物質によって病原性の細菌の繁殖を防ぐもの、と考えられているんです。
したがって、分解酵素アリイナ−ゼという物質こそ、あの強烈なにんにくの臭いの源だということがわかります。だけど切ったりしなければほとんど臭いません。買ってきた玉のにんにくのにおいを嗅ぐと、ほのかににおう程度ですものね。
アリシンは臭いの素でもありますが、さまざまな効力の源です。
効果を期待するのであれば、すりおろした方が高いでしょうね。
ニンニクは傷つければ傷つけるほどアリシンが増えますから。でも、胃腸の弱い人は刺激が強すぎて逆効果になってしまいますので気をつけてくださいね。
4) にんにくを食べた後のにおいを消す方法は?
にんにくを食べた後には、緑茶を飲むといいようですね。
これは緑茶の成分であるカテキンの殺菌、消臭効果によるものとされています。
また、食後30分以内に牛乳・チーズ・ヨーグルトなどの乳製品を食してみてください。
牛乳は口の中で転がしながら飲んだほうがいいようです。
どれも完全には消せません。が、かなり効果はあるようですよ。
★ 食後の臭いが気にならないニンニク、
マイルドな「低臭にんにく」をおすすめします。 青森県産の低臭にんにくは、ホワイト6片というにんにくの代表種です。
収穫した後、超真空処理をすることにより、食べた後の臭いがマイルドでいやな臭いが殆ど気にならないという低臭のにんにくです。
(アリイナーゼの活動を抑える効果があるのかも?)
味、香り、臭いなど刺激がマイルドで、にんにく本来の香りや風味を残し、ほどよい辛さで栄養成分はそのままという理想的なニンニクです。
5) にんにくは精がつく、新型インフルエンザに
効果的、というのはほんとうですか? ほんとうです。
ニンニクは疲労回復や精力増強によく効きます。
それはホルモンの分泌をよくすることから現れる働きだと思われます。
わたしたちの疲労の1つはビタミンB群の不足によります。
B群が不足すると、エネルギー源になる糖質が十分に燃えてくれないため、だるいなどの症状がでてきます。
その疲労回復に効果があるのがニンニクです。
体内に吸収されにくいビタミンB1は、ビタミンB1、B2が豊富に含まれるニンニクを摂取するとアリシンがビタミンB1にくっついてアリチアミンというものになり、体内にその吸収を助けてくれます。
したがって栄養価が倍増し、エネルギーを効率よく消費し、新陳代謝を高めて疲労物質をすみやかに体外に排出してくれ、体内で持続してくれるのです。
こうした疲労回復の効果が精がつくということにつながるのです。
新型インフルエンザについて、次のような記事が新聞に紹介されました。
人間のからだには細菌やウイルスなどの外敵に対して何層かの防御機構が働いています。
まず大切なのは外敵を体内に入れない、皮膚、粘膜で食い止めることです。
これには皮膚の鍛錬や手洗い、うがいとともに規則正しい生活や、バランスの取れた食事で基礎体力をつけることも含まれます。
体内にウイルスが侵入してしまったら、それをやっつけるのが白血球(免疫細胞)の中の顆粒球、リンパ球、マクロファージなどです。
その働きを強化する食品の代表例はきのこ類、にんにく、海藻、シリアル穀物などです。
また、1990年に米国立がん研究所が発表したがん予防の期待できる食品群にも免疫力強化が期待できます。
風邪かな?と思ったらこれらを多めに食べて、バランスのよい食事で、ゆっくり休養して、インフルエンザを撃退してください。
6) にんにくのおいしい食べ方は?
ニンニクの食べ方はいろいろありますが、特に生のニンニクはニンニクを食べるというよりは「からだにおいしいスパイス」を食べる、と考えた方がおいしく食べられると思います。
料理に少量使っただけで絶妙なコクと旨みがでますので、にんにくがその食材をさらにおいしくするお手伝いをしてくれます。
ですから、中華料理・韓国料理・フランス料理・イタリア料理と、さまざまににんにくは使われているのです。
7) にんにくのルーツは? 語源は ?
にんにく栽培の歴史は古く、紀元前4500年の古代エジプトまでさかのぼります。
古代エジプトではピラミッド建設に従事した労働者が体力増強の目的で食べていたといわれており、ピラミッド建設と合わせて地中海地域に広まりました。
ツタンカーメンのお墓からもニンニクが発見されています。
その後、ニンニクはさまざまな作物とともにシルクロードを通って中国に伝えられました。(漢の時代)
中国から日本にやってきたのは今から約2000年ほど前だといわれています。
日本では「古事記」(712年)に応神天皇の御歌の中に「蒜」(にんにくを表わす)が出てきます。
また、「日本書記」、「源氏物語」などにも「忍辱」(「にんにく」と読み、その名が出てきます。
にんにくの語源は、僧侶が隠して忍び食べいてたところから、という説と、荒行に耐えうる体力を養うために食したとされ、感情に流されず辛抱強くものごとにあたり、あらゆる困難にも耐え忍ぶという意味の仏教用語、「忍辱」がなまって「にんにく」となった、との説があります。
日本では、ねぎ・にら・にんにく・らっきょう・のびるは「五辛」といって、不浄、悪疫を払うといういわれがあったそうです。
にんにくやのびる(野蒜)など、根茎を食用とするユリ科の植物を総称して蒜(ひる)と呼んでいたようです。
しかし、のびるとにんにくを区別する場合、にんにくをおおびる(大蒜)と称しました。
したがって、大蒜と書いて「にんにく」と読ませ、生薬名では「たいさん」と読みます。
まれに「人肉」と書いた文字を見かけますが、当て字であることは言うまでもありません。
8) 福地ホワイト6片って、どんなにんにく?
国産にんにくの代表種です。
青森県の福地村というところでは鎌倉時代牧畜が盛んで、にんにくは馬にとって万能薬だったらしく、飼育に付随して栽培されていたのが始まりだという説。
また一説には今から200年ほど前、農家の人が4〜5人で「伊勢参り」をした時、その地方にあったにんにくが利尿、胃腸、神経痛によく効くと聞き、種子を購入して宅地に栽培したのが始まりともいわれています。
表皮が白く、6粒ほどの一片の粒が大きいところから、昭和38年「ふくちホワイト」として命名され、青森県の奨励品種として全県で栽培されるようになりました。
現在では「福地ホワイト6片種」といわれています。(青森県福地村ホームページより)
また、ある関係者の話では、福地村でにんにくの種子を中国から購入し植えた開発当時、表皮が白くて、一片の粒が大きい見事な6片のにんにくができたとのことです。
まさに突然変異、福地村の気候風土がもたらした奇跡の恵み、としか理解のしようがなかったとのことです。
そしてその後、農家の減反政策、過疎対策としてにんにくを大々的に広めたと、という話です。
9) 肉や魚料理のくさみをとるのに
焼肉に限らず、肉とか魚にはくさみが伴います。
焼肉とにんにくがマッチしているのはもちろん美味しさなのですが、その影にはにんにくが肉のくさみを消しているからなのです。
ヘ〜、あのくさいにんにくが消臭効果があるの?って思うでしょうが、にんにくのアリシンが肉のタンパク質と結びついてくさみを消してくれるのです。
特にジンギスカンや、カツオのたたきのような料理には最高ですね。(イワシを煮るときにも使ってくださいね!)
肉類にはビタミンB1が多く含まれています。
同じ肉類を食べても、ニンニク有りとなしとではなん倍も吸収率が違うんですよ!。
特に豚肉にはビタミンB1が多く、牛肉の10倍も含まれているそうです。
ビタミンB1は糖質(ご飯やパンなど)の分解を助け、エネルギーに変える働きや脳の中枢神経や手足の末梢神経の機能を維持する重要な働きがありますが、体内には吸収されにくいところがあります。
ところが、にんにくとの相性はとてもよく、にんにくに含まれるアリシンがビタミンB1にくっついてアリチアミンに変化し、ビタミンB1の吸収力をアップさせます。
その相乗効果はなん倍にもなり、新陳代謝を高めて疲労物質をすみやかに体外に排出してくれます。
こうした効果が疲労を回復させてスタミナがつくことにつながるのです。
ビタミンB1はとてもデリケートな成分なので、ビタミンB1の多く含まれている食べ物だけを摂取しても、体内にはほとんど貯蔵されずに尿から排泄されてしまうそうです。
10) にんにくの有効成分が効率よく取れる調理法
にんにくに含まれる有効成分といえば「アリシン」で、この成分を効率よく摂るには生を食べるのが一番ですが、それはなかなか大変です。
アリシンは高温には弱いので、180℃を超えない程度で焼いたり炒めたりすれば有効成分はそのままで、とても美味しく食べられます。
よくイタリヤ料理でパスタや炒めもの料理を作るときに、フライパンにオリーブオイルとにんにくをいれて弱火でじっくりと加熱しますが、これは大変効率が良い食べ方なんですね。
その他、にんにく常備菜として「しょうゆ漬け」「みそ漬け」「酢漬け」「酒漬け」「蜂蜜漬け」などにしても、保存がきいておいしくにんにく成分が摂取できます。
11) にんにくの上手な保存方法
冷蔵庫のなかった昔はよく風通しの良い所に吊るしていました。
今は便利な冷蔵庫がありますので、にんにくを新聞紙で1個づつ包み野菜室に入れておけば長く保存できます。 決してスーパーのビニールやラップに包んで密閉しないようにしてください。
(ムレや湿気は禁物です!)
12) にんにくから芽がでちゃった?
にんにくを買ってついうっかりしてしまい、「にんにくから芽」が出てきちゃった!。
そんな経験ありませんか?。そんな時、みなさんどうされてますか?。
にんにくの芽はジャガイモの芽等と違い毒性はありません。
ただ炒め物にするとすぐ芽が黒くこげちゃうので、芽の部分を摘み取ればおいしく食べられますよ。
にんにくは年に一度、7月頃に収穫します。
それを現地の農協では冷蔵庫で芽が出ないように、いわば目を覚まさないように眠らせて保管しておき、年間を通して出荷するのです。
以前は芽が出ないように芽止めの農薬を使いましたが、現在は一切使いません。
元気のいいにんにくですから外気に触れると芽を出したがります。
室温が温かかったり、陽気が暖かくなってきたりすると余計に芽を出したがるのを承知しておいてください。
なお、中国料理では、ニンニクの球根のみならず、葉や茎、いわゆる「ニンニクの芽」も香味野菜として利用されています。
13) にんにく祭りって聞きましたが ?
にんにくの日本最大産地の青森県弘前市郊外にある鬼神社では、毎年5月ににんにく祭りが開かれます。
門前町にはにんにくの市ができ、にんにくをお供えしたり無病息災を祈ってにんにくを買い求めるという行事です。
魔よけとしてにんにくを戸口につるした後に食べるという風習は、にんにくの大産地だけに生活習慣の中に根づいて、江戸時代から続いているそうです。
また、茨城県にある一ノ矢八坂神社では、毎年6月〜7月に祇園例大祭(にんにく祭り)が行われます。
五穀豊穣・無病息災等の祈願として行われ、参道の両側には、お土産としてのにんにくを売る店がぎっしりと軒を連ねるそうです。
アメリカのカリフォルニア州の町ギルロイは、全米のにんにく加工量1番の都市です。
毎年7月に「ガーリック・フェスティバル」が開催され、北カリフォルニア最大のお祭りとして12万人が押し寄せるそうです。
にんにく入りのパン、スープ、アイスクリーム、ガム、キャンデーなど、すべてににんにくの風味がつけられ、にんにく料理や各地から集まった料理自慢たちのコンテストなどが行われるそうです。
3日間の祭典で使われるにんにくの量はなんと67万個以上、1トンを越える量になるんですって、すごいお祭りですね。
アメリカでにんにくの消費を伸ばしたのは80年代で、健康志向とあいまったエスニック料理のブームに乗ってにんにくが日常の料理に定着したとのことです。
その背景には、こうした生産者の努力があったんですね。
14) にんにくの民間療法があるって?
にんにくは、現在のように栄養成分が解明される大昔からさまざまな薬効があるため、民間療法として使われていました。
その中の一例をご紹介します。
※人によってはかぶれることがありますので、皮膚のデリケートな部分、たとえばひじの内側などにちょっと塗ってみて必ず確認しましょう。
赤くなるようでしたら避けてください。
その1 「けがの消毒」
応急処置にニンニクの絞り汁を3〜5倍に薄めてガーゼなどにしみ込ませ、患部にあてればニンニクの強い殺菌力で消毒されます。(刺激が強すぎて痛みを感じるときには中止してください。)
その2「肩こり、筋肉痛」
ニンニクとしょうがをすりおろして薄力粉適量と水を混ぜ、ガーゼなどに厚めに塗って患部にあててください。(ニンニクが乾いたら取り替えて)
その3「腰痛」
ニンニク2〜3片を柔らかく蒸し(電子レンジで加熱してもOK)、ガーゼ状の袋に入れて風呂の中に入れます。
ニンニクのエキスが風呂の湯に溶けて血行がよくなり腰痛に効きます。
その4「水虫」
水虫の正体は白癬菌(はくせいきん)といって角質層に寄生するカビの一種です。
したがって、この白癬菌をにんにくの殺菌力で殺すという訳です。
ニンニクをすりおろし、その汁を患部にたっぷり塗るか、布にしみ込ませて患部にあてます。(でも、水虫はしつこいですから毎日繰り返し行なう根性も必要ですが…。)
その5「風邪」
「ニンニク」と「しょうが」をすりおろしたものに蜂蜜を入れてお湯で割って飲んでください。
15) にんにくの薬効は?
ニンニクは薬ではありませんが、世界中で食生活の中でさまざまな形で利用され、健康についても広範囲で利用され私達の生活に深く浸透していることは間違いないことです。
ここではその内容から、ニンニクが良いと思われるものをいくつかご紹介します。
○老化防止 ○糖尿病 ○坑ガン作用 ○風邪 ○貧血? ○胃潰瘍
○美容 ○血栓予防 ○肝臓 ○アトピー ○疲労回復 ○便秘
○更年期障害 ○精力増強? ○コレステロール 等
イタリアでは古代からニンニクには「殺菌や虫下し」に効果がある、「怪我や虫刺され」に効果がある、と言われているそうです。
16) にんにくはガン予防になると聞きましたが?
ニンニクはガン予防では野菜の優等生です。
アメリカ国立ガン研究所が、世界のあちこちでの調査や研究を元にガン予防に役立つ食材のトップとして認めたのが、やはり「ニンニク」だと紹介されています。 ガンは人間の体を構成する約60兆個の細胞のどこかの遺伝子に、発ガン物質が作用して細胞の突然変異が起きて、これが増殖しガン細胞が増えるからです。
ニンニクがガン予防になるといわれているのは、ニンニクに含まれる「S−アリルシステイン」などの水溶性のイオウ化合物(イオウが化学反応により他の物質と結びついてできる物質)が、発ガン物質を活性化する酵素の働きを抑える作用があるといわれているからです。
ただし、ニンニクを丸ごと焼いたり、電子レンジで加熱したニンニクよりは、刻むかすりつぶしてそれをしばらくおき、酵素を働かせてから加熱するほうが酵素(アリイナーゼ)が化学変化を起こし効果が出るといいます。
また、生のニンニクより強い坑ガン作用がある発酵させた黒いにんにく(当社で販売してます…とげぬきにんにく熟丸)と新聞で報道されましたので、こちらをご覧ください。(弘前大学医学部 佐々木教授 新聞記事)
17) にんにく風呂について
にんにくを湯舟にいれますので、入浴中はちょっとにおいが気になるかもしれません。
皮膚のデコボコのところに入るとちょっと身体がにおいますが、お風呂から出た後、よくバスタオルで身体を拭いて乾かせばにおいは殆どなくなります。
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![]() 石川県認定 |