特有の香りが美味しい
ゴマ和え・味噌和え・天ぷらに
なすとの煮物が最高
加賀の伝統野菜
加賀つるまめ
「千石豆」「藤豆」
加賀野菜の一つにあげられている伝統野菜の「加賀つるまめ」。
「加賀つるまめ」は加賀料理の食材として古くから親しまれてきました。
「加賀つるまめ」の香りは独特なもので、煮物、和え物、汁の実など幅広い用途に使える夏の風物詩です。
しかし、金沢特有の産物というわけではなく各地でも作られています。
つる豆の正式名称は「藤豆(フジマメ)」で、豆の花がフジ(藤)の花を逆さにしたような藤の花に似ていることに因むようです。
藤豆には地域によってさまざまな呼称があり、加賀では「ツルマメ(蔓豆)」ですが、伊勢・伊賀地方では「センゴクマメ(千石豆)」、岐阜・愛知の地方では「マンゴクマメ(万石豆)」、関西地区では「インゲンマメ(隠元豆)」、九州方面では「ナンキンマメ(南京豆)」などと呼ばれています。
他に眉児豆、蛾眉豆、扁豆、サイマメ(菜豆)、ハッショウマメ(八升豆)、トウマメ(とう豆)、ゲンジマメ(源氏豆)、アジマメ(あじ豆)アジマメなど、数多くの別名があります。
「千石豆」とは、豆のサヤが千石船に似ているところから。
また、一本の木からたくさん採れ、豊産を意味する名称として「千石豆」や「万石豆」の呼称がうまれたようです。
さらに、金沢では「馬鹿豆(ダラマメ)」とも呼ばれたりしています。
「ダラ」とは金沢の方言で「ばか」のことです。
旬になると馬鹿らしいほどたくさん採れる(ダラほど採れる)という意味です。
原産地は熱帯アジアと言われ、インド、東南アジア、中国などで広く栽培されている一年生草本です。
「加賀つるまめ」は、生産量が落ち込んでいる金沢特産野菜の中でも比較的需要と供給が安定していることから、加賀野菜15品目の一つとして、1998年に8番目の認定を受けました。
加賀つるまめは香り豊かで、いきいきした緑色が鮮度の目安です。
なすやそうめんとの炊き合わせは産地の金沢ではおなじみの夏の惣菜です。
天ぷら、和え物、汁の実など、いろいろな味わい方を楽しめます。
主な産地は小松市・金沢市で、出荷期間は5月上旬〜11月中旬で、ピークは6月〜9月です。
●加賀つるまめの食べ方
独特の香りと食感が特徴で、加賀料理の材料として人気があります。
ナスとの相性がよく、つるまめとナスとソーメンの炊き合わせが有名です。
また、油揚げとの煮物、ちくわとの煮物などが夏の惣菜として一般的です。
若い莢をゆでてゴマ和え、味噌和えが特に喜ばれます。
その他、天ぷら、汁の実など、幅広い用途に使える加賀野菜です。
下ごしらえとしては、筋をとり塩を入れた熱湯で2分ほどゆでます。
加熱調理をするときにはゆでずに直接加熱します。
●加賀つるまめの栄養・効能
ビタミンB1、B2、タンパク質、カリウム、カロチン、鉄分、食物繊維などを多く含んでいます。
水に溶けない食物繊維が多く、便秘などの予防に効果があるといわれています。
カリウムは、体内の余分な水分を血管の外に排出して血圧を下げるといわれます。
また、カロチン、タンパク質、鉄分を含み血行を促し、食欲増進、疲労回復に効果があるといわれています。
また、高い栄養価を活かして漢方薬に使われることもあります。
●加賀つるまめの選び方・保存法
つる豆特有の香りが豊かで、莢にハリがありイキイキとした淡黄緑色のものがよい。
うぶ毛が有り、豆の大きくないもので、ふっくらとして弾力のあるものがよいでしょう。
表面にしわや黒い斑点が出ているものは日が経っているので注意。
保存法としては、水分の蒸発を防ぐ為ため、霧吹きで軽く水をしみこませた新聞にくるみラップをして冷蔵庫の野菜室に。
ただし、鮮度劣化の早い野菜なので、なるべく早く食べきるようにてください。
■ 加賀つるまめの胡麻和え
【材料】(4人分)
加賀つるまめ20枚、 黒ごま大さじ4、 砂糖大さじ2、
醤油大さじ1、味噌少々、
【作り方】
1、つるまめは、筋を取って塩茹でする。
2、黒ごまを香ばしく煎り、すり鉢ですりつぶして、砂糖、醤油、味噌を加え、
よく混ぜ合わせる。
3、「1」と「2」を和える。
■ 加賀つるまめの煮物
【材料】(4人分)
つるまめ 200g、 厚揚げ 1枚、 だし汁 3カップ
醤油大さじ 2杯、 砂糖 大さじ1杯、 みりん 大さじ1杯
【作り方】
1、つるまめは筋をとって水洗いし、
厚揚げは湯通しして余分な油を抜き、適当な大きさに切る。
2、厚揚げ、だし汁、醤油、砂糖とみりん少々を入れ、しばらく煮る。
3、厚揚げを取り出した鍋につるまめを入れ、柔らかくなるまで煮て
厚揚げと一緒に器に盛る。