自家製の発酵有機質肥料でフカフカの土を作りと
宝達山から流れるミネラル豊富な天然の地下水で
栄養豊富も豊富でおいしいチンゲンサイです
石川県 羽咋郡 宝達志水町
宮本稔也さん他の
チンゲンサイ
 
 
大きなスプーンが重なったような形の「チンゲンサイ」は、アブラナ科アブラナ属の中国野菜の1つです。
淡緑色の茎は幅が広くて厚みがあり、大きめの葉は緑色で丸みを帯びています。
加熱するとまろやかな甘味とシャキシャキ食があり、炒め物やスープなどさまざまな料理に使われています。
周年出回っていますが、秋から冬が旬です。
bチンゲンサイは漢字で「青梗菜」と書きますが、これは梗(軸・茎)が青い菜という意味があります。
 
 
●県内一のチンゲンサイの産地・羽咋
フカフカの水はけのよい土と宝達山系の地下天然水で、おいしさ抜群のチンゲンサイを育てています。
農薬を最小限におさえた県認定のエコ農産物でもあり、毎日の食卓で安心して召し上がっていただけます。漬けもの、
クリーム煮、炒めものと、和洋中の料理にどうぞ。
 
1970年代に日本に種が導入されたチンゲンサイ。
今ではスーパーでも常連の葉物野菜として定着。
 
宝達志水町でチンゲンサイが栽培されるようになったのは、今から20数年前。
米の転作が盛んに進められていた時期でした。
県内ではチンゲンサイ総生産の約8割を占め、北陸でも有数の生産地に成長しています。

丸く可愛い葉が並ぶハウス内。
夏はぐんぐん成長し、連日の収穫も大変。
じっくり育つ冬場は甘みが濃厚になる
 
1年じゅう栽培できるチンゲンサイですが、温暖時には3種、寒冷時には2種と、品種を使い分けています。
種まきから収穫までの期間は、3〜11月は30〜40日、12〜2月は60〜90日。
最長時は最短時の3倍の長さになります。
春夏はハウス1棟を1日で収穫しますが、秋冬は1棟あたり3日間をかけて収穫。
味も時期によって大きく違います。
夏場はみずみずしく、シャキシャキとした歯ごたえ。
冬場は寒さにあたって糖分が増すので、甘みや香りも強くなります。
健康な苗に育てるには、根をよく張らせることが大切。
根つきは、苗を定植する際の水やりの加減に左右されるので、気温の変動が激しい春や秋、ハウスの中が高温になる真夏は特に気を遣います。
苗の様子を見ながらの慎重な判断が必要ですね。
 
● 夏はシャキシャキ、冬は味わい深く
フカフカの土作りでおいしさUP
米ぬかのほか、カキ貝の殻やもみ殻を混ぜ、十分に発酵させる有機質肥料。
ハウス内には米ぬかのほのかな香りが漂う。
味をよりよくするため、独自の工夫もしています。
チンゲンサイは水はけのよい土を好むので、米ぬかを中心にした自家製たい肥で、土壌バランスのよいフカフカの土を作り上げています。
このたい肥を使うと土がいい香りになり、チンゲンサイの香りも増すような気がします。
水も宝達山から流れるミネラル豊富な天然の地下水を使っています。
こうして栄養豊富なチンゲンサイが四季を通して採れますから、自宅でもよく食べていますね。
下ゆでがいらず、レンジで温めたり、浅漬けでさっと食べられる手軽さも、この野菜の魅力だと思います。
 
● 羽咋のチンゲンサイを表舞台に

宝達志水町は「オムライスの郷」として町おこしを実施中。
オリジナルオムライスレシピには特産品のチンゲンサイも使われている。
うれしいことに、当組合では世代交代が順調に進み、20〜30代のメンバーも育ってきています。
技術面では先達が築きあげた蓄積があるので、今後目指すのは"販売力の強化"。
若い彼らの力をフルに発揮してほしいですね。
というのも、県産のチンゲンサイの知名度はまだまだ低い。
もっともっと存在を知ってもらい、将来的には県外へも販路を伸ばしていきたいですね。
試食会などのイベントをはじめ、多方面のPR活動を増やして、今後の消費を担う学生さんや若い主婦にも認知度を上げていかなければ。
地域グルメ開発など、さまざまなプロジェクトとのコラボレーションにも積極的に挑戦していこうと思っています。
ビタミンや鉄分など栄養豊富なチンゲンサイ。
油との相性もよく、調理も簡単です。
最速レシピは、芯を縦に切り、ベーコンや肉を巻き、レンジで5分温めるだけ。
お好みのソースをかけて、シャキシャキの歯ざわりを味わって下さい。
一度にたくさん購入して、すぐにゆがいて冷凍するのもおすすめです。
毎日の献立に気軽に使えますよ!
 
 
志雄施設園芸生産組合の組合長 宮本稔也さん
30才で建設会社を脱サラし、実家の農業の後継者となる。
チンゲンサイ栽培に従事して15年。
現在は40戸のハウスで周年、栽培・出荷を行っている。
4年前から志雄施設園芸生産組合の組合長を務める。
当面の目標は"羽咋のチンゲンサイ"の本格的な販売拡大。
 
地域農業の指導的役割を果たしている若手農業者に贈られる中日農業賞第65回優秀賞を受賞しました。
宮本さんは、早くから環境に配慮した水稲とチンゲンサイの栽培を行い、平成15 年には県のエコ農業者認定を受けました。

● チンゲンサイの歴史
中国の華中・華南地域が原産地と考えられています。
アブラナ科の原種は地中海沿岸が原産地とされていますが、そこから分化した植物が中国に伝わり、華中・華南地域で発達し、チンゲンサイが誕生して根付いたとの推測です。
チンゲンサイは結球しないツケナ類「小白菜」に分類され、小白菜は中国では古くから食べられていました。
日本へやってきたのは1972年の日中国交回復以降です。
当時、いろいろな中国野菜が入ってきましたが、中でもチンゲンサイは味や食感が日本人の好みに合い人気を得ました。
その際に、軸の色が青いものと白いものの2種類があり、それぞれ「青茎(青軸)パクチョイ」、「白茎(白軸)パクチョイ」などと呼んでいました。
しかし表記名をはっきりさせようということになり、のちに軸が青いものは「チンゲンサイ(青梗菜)」、白いものは「パクチョイ」に統一されました。
 
● チンゲンサイの見分け方
 
茎(葉柄)の幅が広くて肉厚で、きれいな淡緑色のもの。
葉は緑色でみずみずしく、葉と葉の間隔が詰まっていて、根元にかけて丸みがありツヤがあるものを選びましょう。
変色や枯れなどがないかも要チェックです。
 
●チンゲンサイの栄養と効能
おもな栄養成分(可食部100g中)
ゆで:βカロテン当量(2600mcg)、ビタミンK(120mcg)、カリウム(250mg)、カルシウム(120mg)
 
おもな効能
視力維持・かぜ・がん予防・心筋梗塞予防・脳梗塞予防・動脈硬化予防・高血圧予防・疲労回復
 
カロテンが豊富なのも大きな特徴で、カロテンは皮膚の粘膜を強くして、ビタミンCとの相乗効果で風邪の予防、美肌、ガン予防に良いとされています。
 チンゲン菜の食物繊維は特に脂肪との結合が強いんだそうです。
 そこで、便秘解消だけでなく、悪玉コレステロールの形成防止にも役立つんだとか!
 
β−カロチンも多く含まれており、なんとのピーマン6倍!!
β−カロチンは活性酸素の働きを抑制する作用がありがん予防に効果が期待されているほか、体内でビタミンAに変わり美髪、視力維持、粘膜や皮膚の健康維持に効果を発揮します。
呼吸器系統を守る働きがあるともいわれています。
 
他にもドライアイを防ぐといわれており、パソコンなど目を酷使している現代人には嬉しい食材でもあるんです。
また、アリルイソチオシアネートという成分は消化を助け、血栓を防ぎます。
また血圧の上昇を抑制する作用があるカリウムや、骨を丈夫にするカルシウム、止血作用のあるビタミンKなども含まれています。
 
 
● チンゲンサイの食べ方
炒め物、煮物、お浸し、スープなどに。
おもに中華料理に使われ、炒め物やクリーム煮、あんかけなどに適しています。
高温でサッと炒めると色鮮やかで食感もよく仕上がります。
加熱するときは、厚い軸の部分を先に火に通し、あとから葉の部分を加えましょう。
 
 
 
● チンゲンサイの保存方法
ラップに包むか、湿らせた新聞紙で包んでポリ袋に入れ、冷蔵庫の野菜室で立てて保存します。
葉物野菜の中では日持ちするほうですが、5日くらいを目安にしましょう。
長期保存の場合は軽くゆでてしっかり水を切り、小分けして冷凍します。
 
 
● チンゲンサイの種類
◆ チンゲンサイ
一般的なチンゲンサイ。
20cm〜25cmくらいの長さで葉は丸みがあり茎は肉厚で幅広く、シャキシャキとした食感があります。
おもに中華料理に使用され、炒め物やスープ、煮物など幅広い調理法に使えます。
とくに明記されることはありませんが、「青美」や「冬賞味」といった品種があります。
 
◆ ミニチンゲンサイ
長さが10〜15cmほどの小さなチンゲンサイ。
見た目は普通のチンゲンサイと同じですが葉も茎もやわらかめで、株のまま丸ごと調理することも可能です。
青果店ではあまり見かけませんが、約30日で収穫できるため家庭菜園用として人気があります。
 
◆ パクチョイ
チンゲンサイと同様の形をしていて茎の部分が白いのが特徴です。
チンゲンサイと同じ種の野菜でクセがなくて食べやすく、サッと炒めるとやわらかくてシャキシャキした食感が楽しめます。
チンゲンサイと同様、炒め物やスープ、煮物などいろいろな料理に使えます。
 
 
 
■ チンゲンサイの簡単炒め物
《材 料》(2人分)
チンゲンサイ・・・2個  ごま油・・・適量
塩コショウ・・・適量  しょう油・・・適量  いりゴマ・・・適量
《作り方》
 1、ちんげん菜を切り、ごま油をひいたフライパンで炒めます。
 2、火が通ってきたら、炒めながら、塩コショウ、しょう油、いりゴマ入れて完成です。
 
 
■ チンゲンサイの炒め煮
《材 料》
チンゲンサイ・・・3株  塩コショウ・・・少々  酒・・・大匙2
オイスターソース・・・大匙3  水・・・大匙4・・・サラダ油・・・大匙1
《作り方》
1、青梗菜の下処理をします。
2、水洗いしたら、根元に十字の切り込みを入れます。
3、フライパンにサラダ油を入れ強火で熱したらチンゲンサイを入れて炒めます。
4、チンゲンサイの色が鮮やかになってきたら、塩、コショウ、オイスターソース、酒、
 水を入れて3分煮て出来上がり。
※ カルシウムの吸収を高めるためにはきくらげやしらす干しを加えてみましょう。
 
 
■ チンゲンサイの中華風クリーム煮
《材 料》 (2〜3人分)
チンゲンサイ・・・2個  ベーコン・・・4枚  エリンギ・・・3本  水・・・100cc
牛乳または豆乳・・・100cc  鶏がらスープの素・・・大さじ1
オイスターソース・・・大さじ1  片栗粉・・・大さじ1  しょうが・・・1かけ
《作り方》
1、中華鍋に油をひき生姜とベーコンを炒め、ちんげん菜ときのこも入れて炒める。
2、火がとおったら、水と鶏がらスープの元、オイスターソースを入れて軽く煮込む。
3、最後に豆乳を入れ、温まったら水溶き片栗粉を入れてとろみがついたら出来上
がり。
※ おいしくなるコツ
牛乳を使用する場合は水と一緒に入れても大丈夫です。
豆乳の場合は分離してしまうので最後に加えるのがポイント
 
 
■ チンゲンサイと牛肉の炒め物
《材 料》 (2人分)
牛肉の切り落とし・・・150g  チンゲンサイ・・・1個  もやし・・・適量
塩コショウ・・・適量  砂糖・・・大さじ1  しょう油・・・大さじ1
《作り方》
1、ちんげん菜を一口大にきっておきます。
フライパンにサラダ油をひき、牛肉を入れて3分ほど炒めます。
2、そこへ、ちんげん菜、もやしを入れて2分ほど
更に炒め塩コショウをして下味をつけます。
3、そこへ、醤油、砂糖を入れた具材に絡めて完成です。
 
 
■ チンゲンサイの牛乳スープ
《材 料》 (2人分)
チンゲンサイ・・・1/2個  水・・・200cc  牛乳・・・100cc
じゃがいも・・・1個  コンソメ・・・1個
《作り方》
1、チンゲン菜とじゃがいもはみじん切りし、水・牛乳とともにミキサーにかける。
2、弱火で15分煮る。
 
■ チンゲンサイのおひたし
《材 料》 (2〜3人分)
チンゲンサイ・・・1袋  かつお節・・・ひとつかみ
酢・・・小さじ1  しょう油・・・大さじ1
《作り方》
1、チンゲン菜を、茎と葉、二等分にする。
小さいのはそのままでもOK.
2、塩をひとつまみいれたお湯で茹でる。1分程度。
茹で上がったら冷水にさらし、水気を絞る。
3、そして、お酢を絡める。
4、皿に盛り、鰹節を乗せ、醤油をかけたら完成。
 
 

石川県認定
有機農産物小分け業者石川県認定番号 No.1001