皮がとっても柔らかく
緻密な果肉で甘みがあり、
特に、お漬物に最高です。
美味しい伝統の加賀野菜
へた紫なす
![]() ●美味しい"ヘタ紫なす"
旬の夏しか食べられません。
加賀野菜の“ヘタ紫なす”は、その名のとおり、ヘタの下まで紫色になる短卵形の小型なすです。
色やつやよく、日持ちもよく、皮が薄くて、果肉が柔らかく甘みがあり、地元の金沢では「丸なす」とか「小立野なす」などと呼ばれ古くから親しまれています。
一夜漬けややど漬け、煮物、天ぷらに最適で、崎浦丸なすとして金沢市民にたいへん親しまれているなすです。
一夜漬けにしたときの味は天下一品です
皮が薄く、肉質が柔らかいために、皮はパリッと、なかの身はジューシーで甘さを感じます。
このナスの漬け物を食べると気持ちの良いキュッキュッと音がするので、キュッキュッナスといったりもします。
このへた紫なす、美しく美味しく作るには、栽培にたいへん手間隙のかかるたいへん難しいなすですあり、土壌を選ぶ性質があるので、限られた土地でしかいいものが生産されません。
金沢市崎浦地区では明治時代から栽培されていたと言われていますが、現在では限られた生産の名人たちによって栽培が続けられています。
「ヘタ紫なす」のピークは7月上旬から9月上旬です。
本当に夏の間しか食べることはできません。
いまが一番美味しい時期です。旬の味をどうぞお楽しみ下さい。
●ヘタ紫なすの歴史と現状
なすは中国より直接に、あるいは朝鮮半島を経由して日本にもたらされましたが、それが全国各地に土着して、それぞれの地方の環境や好みによって、独特の地方種を生み出しています。
特に丸なすは、北支、朝鮮を経て北陸に伝わったとされています。
ヘタ紫なす(丸なす)の来歴は不明ですが、明治22年頃、市内の近郊野菜産地(有松、泉地区)に栽培されていた「小木」と呼ばれる系統から見い出されたものと伝えられています。
昭和の初期に、現在の産地の金城地区(野田台地)、崎浦地区(小立野台地)、米丸地区、三馬地区で栽培されるようになりました。
このヘタ紫なすは、別名小立野なす(小立野台地)、大桑なす(野田台地)ともいわれ、最近では丸なすの名称で広く市民に親しまれています。
●ヘタ紫なすの栄養・効用
<栄養>
主成分は糖質で、カルシウムと鉄を多く含みます。
ビタミン類は多くありません。
昔から、ナスでシップをすると打ち身や捻挫の腫れが引くとか、食べると熱を下げたり血液の循環をよくするとか言われてきましたが、それほど絶大な効果は期待しない方がよいでしょう。
<効用>
* ヘタを陰干しにしたものを煎じて飲むと、咳が止まると言われています。
* 打ち身や捻挫の応急措置に、冷蔵庫で冷やしたなすを切り、幹部に当てると腫れが引く効果があると言われています。
* 漬けなすには、ミョウバンや鉄くぎを入れるとアントシアニンの色が鮮やかになります。
* のぼせ・高血圧・食欲増進・解熱に効果があり、最近では動脈硬化やガンの予防にも効果があることがわかってきました。
* 体を冷やす効果が高いので妊娠中の方や冷え性の方は食べ過ぎに注意してください。
* 茄子は低カロリーですからダイエット中の方や糖尿病の方の食事に取り入れると良いでしょう。
反面、油との相性が良いので、油を使った調理をすればカロリーアップにも役立ちます。
* また、昔ながらの民間療法として、「へたの黒焼き」が歯痛や口内炎、歯槽膿漏に効果があるとされています。
生の茄子を切って貼り付ければ、応急的な湿布薬にもなります。
●ヘタ紫なすの出回り期
ナスは夏の代表的な野菜です。
旬は6月上旬〜11月中旬。 ピークは7月10日頃〜9月上旬です。
●ヘタ紫なすの選び方
光沢があり、果肉のしまったもの。
へたのとげが固くとがっており、さわると痛いくらいのものがよいでしょう。
●ヘタ紫なすの保存方法
袋などに入れて冷蔵庫へ。
10℃程度が適温で、5℃以下だと逆に低温障害を起こしてしまいます。
●ヘタ紫なすの食べ方
長ナスは中華や洋風にも応用できますが、へた紫ナスの持ち味を十分引き出すのは漬け物や煮物といった純日本的な調理法です。
なすはアクが出るので、切ったらすぐに塩水につけてあくを抜くのがポイントです。
●ヘタ紫なすを美味しく
■ ヘタ紫なすの一夜漬け
【材料】(4人分)
・ヘタ紫ナス8個 ・塩 10g
【作り方】
@へたが付いたままの状態できれいに洗います。
A塩をふり入れ、容器の上からおもしをのせて一晩ねかします。
(この他にぬか床に入れてもよい)
B漬かったなすを水で洗い、へたを切り取って適当な大きさにしていただきます。
●ヘタ紫なすのなすソーメン
【材料】(4人分) ・なす 8個 ・ソーメン2把
【作り方】
@なすは皮をむいて一口大に切り、塩水にとってあく抜きをする。
ソーメンは固めにゆでて冷水でよくもみあらいし、ざるにあげておく。
Aなすがかぶるくらいのだし汁、酒、醤油、砂糖を入れて煮立てる。
B煮立ったところにソーメンを入れてもう一度煮立てる。
●ヘタ紫なすの煮物
【材料】(4人分)
・なす8個
【作り方】
@なすのへたを取り、下の方を縦半分ぐらいに切り目を入れる。
Aなすがかぶるくらいの水を入れ、塩を軽く一握り入れ、沸騰させて7〜8分煮立てる。
柔らかくなったらこのゆで汁を捨てる。
Bだし、酒、醤油、砂糖を入れて2〜3分で煮汁がなくなったところで火を止める。
●ヘタ紫なすのミートチーズ焼き
【材料】(4人分)
・なす4個 ・合挽肉 150g
【作り方】
@なすは縦4つに薄切りして、油をなじませたフライパンでこんがり両面を焼く。
Aフライパンに油を足して、にんにくのみじん切りと合挽肉を炒め、トマトケチャップ、ドミグラスソース、水、固形スープの素を入れて煮る。
塩、こしょうで味を調える。
Bオーブンの天板になすを並べ、玉葱の薄切りをのせ、Aをかけ、チーズをのせ180℃のオーブンで5〜8分焼く。
C器に盛り、パセリのみじん切りをふる。
●ヘタ紫なすのいしる漬け
【材料】(4人分)
・ヘタ紫なす 5個 ・昆布小 1枚 ・いしる 大さじ1 ・ミョウバン ・塩
【作り方】
@なすのヘタの下から、縦半分に包丁を入れる。
Aミョウバンと塩を1:1で合わせたものを、なすの表面にすり込ませ、30分間〜1時間ほどおく。
B水300ccに、塩小さじ1.5、いしる、昆布を入れてなすを漬け、一晩おく。
(重石はしっかりすること)
●ヘタ紫なすの天ぷら
【材料】(4人分)
・ヘタ紫なす 12個 ・青じそ 4枚 ・さつまいも 1本
・天ぷら衣(水、小麦粉、卵)
・天つゆ(だし汁5、みりん1、うすくち1を煮きったもの)
・薬味(大根おろし、おろし生姜など)
【作り方】
@なすを茶せんに切り、水につけてアク抜きする。
A青じそはきれいに洗っておく。
Bさつまいもは洗った後、7mm程度の輪切りにし、水につけてアク抜きする。
C天ぷら衣にくぐらせ油で揚げる。
●ヘタ紫なすのオランダ煮
【材料】(4人分)
・ヘタ紫なす小20個 ・だし汁200cc ・砂糖大さじ1/2 ・みりん大さじ1
・酒大さじ1 ・醤油大さじ3 ・おろし生姜少々
【作り方】
@なすのヘタを取り、丸のまま、たっぷりの湯に塩をひとつまみ入れ、落としぶたをして茹でる。
A鍋に、砂糖、みりん、酒、醤油を入れて煮立て、なすを入れてゆっくり煮込む。
■ なすの話
● なすの旬
なすの旬は夏?それとも秋? さあ、どちらでしょうか?
実はそれぞれの季節に合った味わいがあるので、どちらも旬と言えます。
夏のなすは、水分がたっぷり詰まっており、みずみずしさを味わえます。
秋のなすは、果肉がギュッとしまったなめらかさを味わえます。
そういうわけですので、季節ごとに違ったなすの味わいを楽しんでみてはいかがでしょうか。
● なすの栄養
なすはわずかなビタミンとミネラルを含んでいるとはいえ、ほとんどは水分でできており、カロリーが低く、とってもヘルシーな野菜です。
そして、紫色の皮には、今注目が高まっている色素成分が含まれているのです。
その色素成分はポリフェノールの一種であるナスニンとアントシアニンです。
これらは強い抗酸化作用があり、コレステロール値を下げて、動脈硬化を予防の効果と、血液をサラサラにしてくれる効果が期待されています。
ちなみになすは食べる場面に合わせた調理がおすすめです。
焼きなすや蒸しなすのように、なすそのままを味わうのであれば、あっさりとした味わいで低カロリーなので、ダイエットにはうってつけ。
麻婆なすや揚げなすなど、油を使った料理だと、果肉がスポンジのように油を吸収するので、ボリュームたっぷりで、スタミナをつけたいときにはぴったりです。
また、ヌカ漬けにするとビタミンB1やカリウムが倍増します。
● なすの選び方
・ 実がふっくらとしており、首までしっかりと太っているものを選びます。
・ ヘタが鮮度を見分けるポイントです。
色は黒く、筋が見え、トゲが痛いくらいのものが新鮮です。
・ 皮の色は濃く、ツヤがあって光っているものを選びます。
・ なすは水分がたっぷりと含まれている野菜です。
触るとハリと弾力があり、ずっしりと重量感のあるものを選びます。
● なすの保存方法
・ 低温に弱いので、できれば常温保存を。
常温なら2〜3日もちます。
ビニール袋に入れるか新聞紙で包んで保存します。
・ 冷蔵庫で保存する場合は、ビニール袋に入れて保存します。
冷蔵庫に入れると果肉も皮も固くなって、風味が落ちてしまうので、早めに食べることをおすすめします。
● なすの旬
なすは夏から秋にかけて、太陽の光のもとでぐんぐんと育つ露地栽培ものと、冬から春にかけ施設で大事に育てられるハウス栽培のものがあります。
次に主な産地と時期を紹介します。
夏秋なす(7月〜11月):栃木県、群馬県、茨城県
冬春なす(12月〜6月):高知県
通年:愛知県、熊本県、福岡県
● なすの種類と時期
なすの種類は170種類。なんとも種類豊富な野菜です。
色も紫、黒、白、緑といったものがあり、形は長いもの、卵形、丸いもの、小さいものなど様々です
◆ 千両なす
関東地方から東北地方にかけて、よく食べられているなすの品種で、中長の卵形をしています。
ヘタの近くまで濃い紫色をしており、漬物、焼き物、煮物と、なんでもありの食べ方ができるなすです。
◆ 長なす
関西地方で多く食べられているなすで、20cmほどの長さがあり、濃い紫色をしており、ひょろんと長いです。
皮が柔らかいため、漬物にぴったりのなすです。
もちろん加熱料理でもおいしくいただけます。
◆ 米なす
アメリカ種を改良して作られたもので、他のなすと違って、ヘタの色が緑色です。
大きな卵のように丸っい形をしており、濃紺色の実は皮が固く、肉質が非常に締まっています。
崩れにくいので、煮物や焼き物にぴったりです。
◆ 大長なす
30cmを超えるほど長いなすで、九州を中心に作られています。
果肉は柔らかく、皮が固いので、漬物には向かず、加熱調理向けのなすです。
ただ、あまりにも長いので、持って帰るのが一苦労です。
折らないように注意する必要があります。
◆ 水なす
ギューっと絞ると水がしたたり落ちるほど水分がたっぷり詰まったなすです。
丸く、濃い紫色をしている、漬物向きのなすです。
◆ 小なす
「一口なす」とも呼ばれる、小さい丸型のなすです。
皮が柔らかく、種も少ないので、そのまま漬物にされることが多いです。
辛子漬などでもおなじみです。
● なすの下ごしらえ
なすを切ると、切り口から黒っぽく変色していきますね。
実はこれ、酵素の働きで、アクが黒く変色している状態です。
なので、なすは調理直前に切って、水に浸けて、アクを抜くとよいでしょう。
また、なすは油との相性がとてもよいです。
煮物や焼き物をする際、サッと油に通しておくと、色も味もよくなります。
カロリーが気になる場合は、塩水に浸ければ、油の吸収を抑えられるので、試してみてはいかがでしょうか。
● なすの切り方
輪切り
なすのヘタを切り落とします。
なすを横に置き、端から好みの幅で切っていきます。
炒め物でや汁物の具、揚げ物など、何にでも活躍する切り方です。
乱切り
なすのヘタを切り落とし、横に置いたなすに斜めに刃を入れます。
刃の角度を維持し、なすを少し回転させては切り、回転させては切っていきます。
切り口の面が多くなり、味がしみやすく、炒め物や煮物にぴったりの切り方です。
切り口の面が多い分、変色しやすいので手早く料理しましょう。
薄切り
なすのヘタを切り落とし、縦に置き、好みの幅で切っていきます。
薄く切ったなすの面を利用した料理で活躍する切り方です。
てんぷらや、はさみ揚げ、グリルなどにおすすめです。
細切り
薄切りしたなすを縦に置き、端から好みの幅で切っていきます。
薄切りにしたなすを重ねて、細く切る切り方です。
炒め物やゆでて味わう料理に向いています。
片栗粉をまぶしてゆでると、プルンとした食感が楽しめます。
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![]() 石川県認定 |