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■ 野菜・果物と健康 (105)
「100歳になるまで
病気にならない
スーパー免疫力」
Dr.ジョエル・ファーマン著 白澤卓二訳
永岡書店日本文芸社刊 より その4
2章 あなたの「免疫力」が2倍にも3倍にも!
■ 老化に歯止めをかけ、
がんを80%も防ぐ
「スーパー免疫力」! の2
● 野菜ーーなかでも「青物」野菜を多く摂ること
野菜には、先ほど述べた有効成分が豊富ですから、野菜――特に青物野菜を摂ることが、自分の食生活でどれほど抗酸化作用が働いているかの簡単な目安になります。
また野菜の摂取量を科学的に評価する方法として、血液検査でアルファカロテンの量を調べることもできます。
ニンジンなどオレンジ色をした野菜に多く含まれるベータカロテンのほうが良く研究されていますが、アルファカロテンのほうが野菜の摂取量をより正確に反映します。
一つは、アルファカロテンはたいていの総合ビタミン剤やサプリメントには含まれていないこと。
もう一つは、アルファカロテンを最も多く含むのが深い緑色やオレンジ色の野菜であることから、アルファカロテンの血中量で栄養価の高い野菜が摂れているかどうかがよくわかるのです。
アルファカロテンは40種以上あるカロテノイド系の抗酸化物質の一種で、この種の抗酸化物質は病気の予防や長寿をもたらす効果が証明されています。
最近の研究に、対象者全員の血中アルファカロテン量を測り、その後14年間の追跡期間のすべての死亡事例を調べたものがあります。
その結果、アルファカロテンノ量があらゆる死因を含む総死亡率に関係していることがわかりました。
血中のアルファカロテン濃度が最も高い人たちは、アルファカロテンが最も低い群に比べ死亡率が39%低かったのです。
特定の死因による死亡率にもアルファカロテンとの相関関係が見られました。
特定の死因とは、循環器系疾患やがんだけでなく、他の死因、特に感染症も含まれています。
アルファカロテンは単一でも十分大きな抗酸化作用が認められていますが、何より緑黄色野菜に含まれる何千にも及ぶ他の成分との相乗効果で体を健康にするので、他の成分のバロメーターともなるのです。
総合的な栄養密度が最も高い、つまりカロリーあたりの微量栄養素が最も多いのは緑色野菜です。
となると当然、アルファカロテンの含有量も、緑色野菜が最も多いということになります。
アルファカロテンの含有量が高い食品は、たいていの微量栄養素も豊富に含んでいます。
とすれば、上述の長期大規模調査の結果は、私の提唱する栄養価の高い食事法の有効性を裏づけるものです。
(種類も量も)理想的な微量栄養素を食事で摂れば、年をとったときに病気にかかる確率を劇的に下げることができます。
つまり、未加工の野菜を種類も量もたくさん食べれば、健康で長生きできる可能性が高まるということです。
カロリーに対するアルファカロテン量の比率が高い食品には次のようなものがあります。
チンゲン菜、アスパラガス
キャベツ、コラード(ケールの一種。ケールより葉の縮れ、味のクセが少なめ)
赤ピーマン、ブロッコリー
ニンジン、えんどう豆
スイスチャード(フダンソウ)、カボチャ
ピーマン
● なぜ、「免疫機能」が低下するのか
免疫機能が低下しているのは、たいていは食生活にファイトケミカルが不十分なせいです。
野菜を豊富に摂っている民族ほど、がんの罹患率が低く、歴史を振り返ってみるも、長寿民族=野菜の多い食生活をしていた民族、といえるのです。
ファイトケミカルは、人間の栄養学において過去50年間でもっとも大きな発見だった、といっても過言ではないと私は考えています。
これまで数百種のファイトケミカル植物栄養素が確認され、うち150種について詳しい研究がなされています。
もっとも人の免疫防御を支えている植物由来の分子は1000種以上といわれています。
ファイトケミカルを多く含むものは、一般的に、黒、青、赤、橙、オレンジ色をしている傾向があります。
ファイトケミカルは種類により分子構造も健康効果もさまざまなことから、いろいろな種類を摂るのがベストとされています。
すでに述べたものも含まれますが、ファイトケミカルには次のような種類があります。
アリウム化合物、硫化アリル、アントシアニン、ベタレイン、クメスタン、フラボノイド、フラバノール、グルコシノレート、インドール、イソフラボン、リグナン、リミノイド、有機スルフィッド化合物、ペクチン、フェノール性化合物、ファイトステロール、タンパク質阻害物質、テルペン、(イソプレノイド)、チロゾール・エステル、これら各種の中に何百もの化合物が存在するのです。
とれたての植物性食品に含まれているファイトケミカルの多くが、現代の食品加工の過程で失われたり破壊されたりします。
それには調理も含まれる場合もあります。
天然の植物性食品は非常に複雑なため、実際にどのような化学構造をしていて、どのような有効成分が含まれているかは完全に確認されていません。
とはいえ、免疫細胞の機能と生成が植物由来の多種多様のファイトケミカルによって支えられていることは、はっきりしています。
植物から摂れるさまざまなファイトケミカルをそのままの形で摂取する――それをしないことが原因で、がんを含む予防可能な病気にかかってしまうのです。
● なぜ、「免疫機能」が低下するのか
趣旨を明確にするためにあえて言いますが、私の考えでは、鶏肉も抗酸化物質やファイトケミカルがほとんど含まれていないという点において、クッキーと変わりません。
動物性食品にも加工食品にも、そういった免疫機能を支える栄養素が入っていないのです。
ファイトケミカルが含まれない食品を食べれば食べるほど、私たちの免疫力は低下し、病気になったり、ともするとがんができたりする確率が上がります。
卵の白身や白身の肉、パスタなどを勧める低脂肪ダイエットがいろいろありますが、そうした食事は免疫システムに関して言えば、実は有害で発がん性もあります。
それにはさまざまな理由がありますが、主なものとしてはファイトケミカルの防衛効果を得られないという、これまで述べてきた点に帰結するのです。
●ファイトケミカルをたっぷり摂ることが
「がん」に勝つ最強の武器
さまざまな研究で、ファイトケミカルは、ビタミンやミネラルではカバーできない、次のような防衛的役割を果たすことがわかっています。
● 解毒酵素を誘導する
● フリーラジカルの生成を抑制する
● 発がん性物質を非活性化、解毒化する
● 毒素による破壊から細胞構造体を守る
● 破壊されたDNA配列を修復する機能を促す
● 傷ついた遺伝子を持つ細胞の複製を妨げる
● 抗真菌・抗細菌・抗ウイルス効果を促す
● 傷つけられたり書き換えられたりしたDNAの機能を妨げる
● 免疫機能が病原菌やがん細胞を殺す能力、細胞毒性(傷害性)を高める
以上挙げたことを集約すれば、ファイトケミカルは人の抗がん機能を働かせる燃料ということになるでしょう。
食生活でファイトケミカルをたっぷり摂っていることが、ガンとの戦いにおける最大の武器となります。
そうした防衛機能の一つが免疫機能の細胞殺傷能力で、侵入してきた病原菌(ウイルス菌や細菌)を破壊したり、異常細胞ががんになる前に殺す作用です。
◆ スーパー免疫力を生み出す「スーパーフード」
優れた栄養が人体の健康にに及ぼす作用について、議論がますます盛んになっているなか、それを疑う議論も出ています。
特に自分が以前から信じていた説や、食の嗜好を貫きたい人たちがいるからです。
それでも最近では、栄養の免疫機能に対する効果が、くつがえしがたい科学的データによって裏づけられています。
その免疫機能とは、感染症とがんの両方に抵抗するものです。
栄養学を深く学び、最近の研究報告に目を向けている人ならだれでも特定の自然食品が絶大な生体防衛作用を持つという事実を無視できないでしょう。
「スーパー免疫力」を生み出しそうな食材を、私は「スーパーフード」と呼んでいます
食生活を改め微量栄養素を豊富に含むスーパーフードを摂るようにすることが、優れた健康と若作りの和泉のカギとなる。
それを裏付ける証拠があふれているのです。
1930年代に科学者達は、最初の微量栄養素を発見しました。
それがビタミンとミネラルです。
また、私たちにエネルギーというかたちの燃料を供給する植物中の成分を割り出し、それを主栄養素と名づけました。
主栄養素とは、脂肪、炭水化物、タンパク質を含むすべてのものです。
こうした栄養素は、私たちが生きていくのに必要なカロリーを含んでいます。
また水もカロリーはないものの、主要な栄養素の一つと考えられています。
さらに時を同じくして科学者達は、ある微量栄養素が欠乏すると壊血病、ペラグラ、脚気といった、珍しい病名のさまざまな急性疾患を起こすことがあることを発見しました。
当時のアメリカでは栄養欠乏症はごくありふれたものでしたが、1940年代になると連邦食品医薬品局(通称FDA)がパンや牛乳などの一般食品への「栄養強化」(微量栄養素の添加)を命じました。
しかし貧困層では、次のような欠乏症が現在でも頻発しています。
ビタミンA欠乏症=眼球乾燥症
ビタミンC欠乏症=壊血病
ビタミンD欠乏症=くる病、骨粗しょう症
要素欠乏症=甲状腺腫、クレチン症(甲状腺機能低下症)
鉄欠乏症=貧血症、知的障害
チアミン(ビタミンB1)欠乏症=脚気
ナイアシン(ビタミンB3)欠乏症=ペラグラ(足や顔・首などに起こる皮膚炎)
1940年には、すでにビタミン剤が10億ドル産業として栄えていました。
オレンジジュースを飲み、ビタミンCのカプセルを服用することが奨励され、食品メーカーには加工食品にビタミンA、D、Bなどを添加するようになったのです。
1950年代、60年代になると、加工食品への栄養添加はさらに拡大します。
やがて先進国では加工食品が青果物に取って代わり、主要なカロリー供給源になっていきました。
1960年代にはファストフード店がアメリカ中に広がり始め、1970年には60億ドル産業に発展します。
それから20年もしないうちに、いたるところに店舗ができました。
2005年のファストフードの年間売り上げは、アメリカだけでも1200億ドルにのぼっています。
もともと加工食品には微量栄養素が欠けているため、それによる栄養失調を補うための作戦が栄養強化です。
高カロリー食品が世にあふれ、その一方、微量栄養素は摂取されなくなりました。
今日、あまりの多くの人が毎日の食生活を加工食品、簡易食品、ファストフードに頼っているのです。
野菜、果物、キノコ類、豆類、種子類などが食生活にほとんど含まれていない状態です。
主要栄養素
脂肪
炭水化物
タンパク質
水
微量栄養素
ビタミン
ミネラル
ファイトケミカル
酵素
● 生命にかかわる「ジャンクフード」革命
加工食品の栄養強化は各栄養分を各成分ごとにバラバラに考える、昔の考え方から生まれたものです。
科学者も行政も、人々の食生活に欠けがちな微量栄養素を個々に補うことにとって、栄養不良、不適切な選択、食料不足などによって起こる健康障害を防げると考えていたのです。
そうした不足栄養素を補給することで、先にあげたような種々の欠乏症の治療や予防ができたことは確かなのですが、この方法によって加工食品やジャンクフードの革命が起こり、私たちの食生活と健康を誤った方向に導いていきました。
一般人の食生活をシフトさせたその考え方は今もなお健在で、悪影響をおよぼし続けています。
この食生活の変化によって私たちの免疫システムは衰えたばかりか、私たちは何百という病気の危険性にさらされることになりました。
人の栄養というものを、こうして単純にとらえすぎたことが、粉ミルクや病院の流動食、栄養ドリンク、栄養食品といった栄養機能食品や保健機能食品の出現につながり、それが高じて医療危機、ついにはがん急増の一因となっているのです。
◆ がんの急増を直ちに食い止めるために
1935年から2005年の70年間、がんの罹患率は毎年増加の一途をたどってきました。
加工食品とファストフードが(国内外の)未開発地域に広まるにつれ、その農村地域でがんと肥満の発症率が上がるのを私たちは目の当たりにしてきました。
その結果、免疫機能の障害、アレルギー、自己免疫疾患、がんの人であふれかえる国々になってしまったのです。
1960年代、70年代は大半の栄養士が主要栄養素の研究に主眼をおき、最善の健康状態のための理想的な脂肪、たんぱく質、炭水化物のバランスを定めようとしていました。
当時の医師や栄養士は、微量栄養素ならば総合ビタミン剤などのサプリメント服用で補えると信じ、ビタミンやミネラルの所用量を満たすのに微量栄養素の豊富な食品を食べなくてはいけないと考えていませんでした。
食品の微量栄養素の含有量などは、ほとんど見向きもされなかったのが現状です。
当時の科学界では、免疫の重要な機能も、それが食べものによって支えられていることも、まだはっきりされていませんでした。
食品に含まれる何百という有機化合物の特定もできていません。
現在でも、まだまだ多くの人たちが適切な栄養とは主要栄養素を理想的なバランスで摂取することだと考えています。
そのバランスについて、高たんぱく食を勧める人、低脂肪食を勧める人、高炭水化物食あるいは低炭水化物食を勧める人など、いろいろな人が、いろいろな理論を提唱しているのです。
体重を気にする人はたくさんいますが、みなカロリー摂取量を細かくチェックしている人でさえ、健康状態にはなかなか目を向けません。
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