■ 野菜・果物と健康 (142)
 
免疫力が高い体をつくる
「自然療法」
シンプル生活
東条百合子 著  三笠書房   その1
 
 
 
はじめに
免疫力を上げて、自分の体は自分で守る
「自然療法シンプルライフ」のすすめ
 
「あそこにいくと、どうやら病気が治るらしい・・・・・・」
私が主催する「あなたと健康社」について、どうやらそんな噂が広まっているようです。さまざまな体調不良や病気、時には難病を抱えて訪ねてくる人が、後をたちません。
でもここは病気治しを目的としているわけではありません。
 
よく、「はやく、ラクニ治る方法を教えてください」といった質問も受けます。
そういう人に、
「病気なんか治さなくていいのよ。根性が直れば、病気もよくなるから・・・・・・」
というと、キョトンとして訳がわからないという顔をされます。
 
「根性を直す」とは、
「あなたの根っこにある食や生活習慣を自然の道に戻してみませんか」
「いのちの尊さをもう一度、見直してみませんかという意味です。
 
「健康には気を使っているので、ふだんからきちんとするよう心がけています」
という人も、たいてい気にしているのは、目先の栄養や、マスコミが取り上げる、かたよった情報だけ。
どういう食生活や生活習慣が自然で、体にいいのか、まるでわかっていないことが多いものです。
 
病気の正体は、体を悪くするような食や生活習慣が少しずつ積み重なり、そこから、“育った枝葉”です。
医者に病気という枝葉を切り落としてもらっても、その枝葉を育てた根を変えないことには根本的な治療にはなりません。
必ず、次の枝葉(病気)が出てきます。
ほんとうの健康や幸せが欲しいなら、病気を育ててしまう根を何とかするしかありません。
それには、自然やいのちに感謝して、自然な食べ物、いのちのある食べ物をバランスよく食べること。
地球が回転するように生活も常に規則正しくし、体のリズムを自然に合わせること。
心のもちようも、流れる水のように素直に、よどませないようにすることが大切です。
 
ただし、あせらないことです。
長年かかってつくりあげた病気や体質が、10日や20日で消えると思ったら大間違いです。
いま見えている「枝葉だけを何とかしたい」ではなく、自分が歩いてきた過去の食や生き方を見つめ直し、ライフスタイルを改善する努力と時間が必要なのです。
「間違っていたんだ!」と素直に根っこを張りなおす人は、どんな病気でも治る人です。
 
私の人生を振り返ってみれば、生後まもなく負った足の故障に始まり、婚約者の戦死、難病、失業、離婚、億単位の借金と、荒波の連続でした。
特に20代からかかった肺結核。
当時は死病と恐れられ、一時は死も覚悟したほどです。
その死の淵から私を救い出してくれたのが、自然の道に変える「自然療法」でした。
 
「自然療法」とは、病院での治療のように「医者まかせ」「人まかせ」で特別な何かをしてもらうことではありません。
 
自然の生命力あふれる食べ物をいただき、自然に潜む無限のパワーを体の手当てに生かし、心のかたよりを正す「自然に調和した生活法」のことです。
「自然の力」を味方につけることで、私の体はすっかり健康を取り戻し、心や考え方もどんどん変わって、運命までもがよい方向に回りだしました。
自然に寄り添うと、大いなる宇宙のエネルギーがどんどん体に入ってきて、マイナスをすべてプラスに転じてくれるのです。
この宇宙の真理を皆さんにお伝えしたくて、約半世紀、自然療法の健康運動に全国を飛び歩いています。
 
自然の力を信じ、自然療法ライフを実践する人のなかには、医者から治らないと見放されたガンも、糖尿病もアトピーも不妊症も、心のうつも、すっかり治って元気に充実した毎日を送っている人がたくさんいます。
「病気を治したい」という人はもちろん、「より健康に暮らしたい」「幸せな人生を送りたい」とと願うすべての人に、本書でご紹介する「自然療法シンプル生活」を参考にしていただけたらと思います。
 
「どうすればもっと健康に、幸せになれるのかしら」と、頭で考えてばかりいてもだめ。
やってみないことには何も始まりません。
実行し、一つひとつ、体で納得していくことが大事なのです。
失敗があってもいい、後戻りしてもいい。
「自然の力」に感謝し、心を開いて、再び歩き始めればよいのです。
 
東条百合子
 
 
第1章 生活習慣、衣と住
心地よい暮らしをつくる「自然療法24時間」
 
生き生きした生活習慣が、
60兆個の細胞を喜ばせ、健康と幸せに導くカギ。
ヒントは「自然にあります
 
 
■免疫力のある高い体は、
「季節感のある衣・食・住」から生まれる
 
私の暮らしは、80歳をこえたいまも、ほぼ毎日、変わりません。
同じリズムで同じ生活をくり返していますが、毎日が楽しくてしかたがないのです。
 
玄米と野菜中心の食事を、体調と相談しながらいただく。
朝は4時から5時に起きて、ビワ葉温灸をする。
ご先祖さまに朝と夕べのあいさつを欠かさない。
世のため人のために喜んで働かせていただく・・・・・・。
私が積み重ねてきたこの道は、いのちの根源、「お天道さま」という、”目には見えないが、たしかにある宇宙や自然の大いなるパワー“につががっているという実感があります。
 
「自然の力」を味方につけて生きようにも、何から手をつけてよいかわからないという人は、まず食を変えてみるとよいでしょう。
”いのち”がある食べ物を選び、ムダにすることなく調理師、残さずいただく。
そんな生活のなかから新しい体験が生まれ、ものの見方や考え方が変わってきて知恵が育ち、しだいに生活習慣やサイクルも変わってきます。
 
生活習慣というのは、わたしたちの脳を刺激し、健康状態や心のありようを方向付け、体質や性質、人格を形成して、幸・不幸や運命までも左右していく力を持っています。
やがては遺伝子にまでもしみつき、次の世代にも生活習慣となって伝わってしまうほど、影響力の強いものなのです。
衣食住をはじめとする毎日の生活習慣の中で、地道に良い種(良い習慣)をまき、一生懸命に(喜んで創意工夫し、規則正しく)育てること。
これが、健康や幸せの芽となります。
 
自分にはもう、「不健康」がしみついてしまったと思う人も、悪い芽を根気よく摘みとり、新しい芽をまき直して育てればよいのです。
時間はかかっても、必ずよい芽が出てきます。
 
ひとくちメモ
見えない自然の力に「ありがとう」と感謝したとき、神の経(いのちの通路)は天にスーッとつながり、すべてがうまく流れて周りだします。
「お天道さま」という大いなる自然力を意識して暮らすことが、宇宙や自然の無限のパワーを味方につける秘訣です。
自然に寄り添う「自然療法シンプル生活」を実践すると、体にも心にもむりなく納得できる自然の真理が見えてきます。
よい食生活は、
らせん階段をのぼるように、
「体質」「人間性」「生きる力」「運」を高める
 
 
 
 
 
■「自然のパワー」を味方につけると、いつも快調、
病気になってもすぐに治っていく
 
講演会や研修会などで、皆さんによく尋ねることがあります。
「心臓は誰が動かしていますか?」
「・・・・・・・・・・・・」
「では、自分が動かしていると思う人」
パラパラと手が上がります。
「じゃあ、自分で止めることもできるわけね」と言葉を続けると、
「えっ」という空気が会場に流れます。
 
 
私たちは自分の力で生きているのではなく、大いなる自然のコントロールのもとに生かされているのです。
暗い夜が明ければまぶしい朝が、寒い冬の次には暖かい春がやってきます。
種が芽を出し、花を咲かせ、実を結ぶのも、自然のなせる技です。
誰が教えたわけでもないのに、日々や季節のめぐりも植物の成長も、確実にリズミカルにまわっています。
人の命もこれと同じです。
 
人間の体を構成している60兆個の細胞は”神さま”が動かしています。
神経は「神の経(みち)」と書くように、「神の力」とつながっています。
この「神の力」こそ、「自然の力」「宇宙の力」「天の力」などの大いなる力――人間の力が及ばないこの偉大な力が、いのちの働きを自動的に調整していてくれるのです。
 
昔の人は、これらすべてのパワーを「お天道さま」と呼び、森羅万象のコントロールタワーは、人間の力ではなく自然の力であることを生活の中で体感していました。
この、「お天道さま」が太陽を輝かせ、雨を降らせ、土を豊かにし、すべてのいのちを育て養います。
太陽も地球も星のひとつですが、宇宙の星星も、いのちの源である「お天道さま」が育てます。
同様に、すべての人間の親もまた、「お天道さま」です。
そして私たちは、自然とともにめぐり、生かされている存在です。
 
日本人は、このいのちの根源である「お天道さま」を古代から体で学び取り、代々伝え続けてきたのです。
どんなに自然の食べ物を食べても、どんな生活をしていても、これを自覚しているのといないのとでは、人生に大きな違いが出てきます。
 
ひとくちメモ
江戸時代に、観相家として名をはせた水野南北という人がいました。
彼はたくさんの人を観察して、生活習慣病がつくった人相と運命には大きな関連があることを見出しています。
「生活は規則正しく、食事は腹八分目に、モノを大切にすること。
そして早寝早起きをし、毎朝、のぼる朝日を拝む。
これが吉となる。
逆に服や住まいのぜいたく、ケチは凶を呼ぶ」
と、健康で幸せに生きるための日常生活の心得を説いています。
病気は、
「あなたの神経のパイプが
“自然”とうまくつながっていませんよ」

というお天道さまからの親切な手紙
 
 
 
 
■力もあせもお金も出しきると、
「いいモノ」も「人」も「お金」も入ってくる
 
「生き生き元気で生きられる確実な方法があります。しかも、かんたんに」
というと、みなさん目を輝かせます。
古血(ふるち)(酸化して動けなくなった血)をつくらないことです。
血液がよどむと血液の質が悪くなり、そこから病気もやってきます。
 
どんなに体によいといわれるものでも、「食べすぎ、入れすぎ」は古血の原因になります。
入れることばかりしていないで、出すこと、回すことが肝心です。
泉の水もよどむとボウフラが沸きますが、流して(出して)回せば清らかで美しい水になり、人を潤す命の水になります。
 
すべてのことにおいて、同じことがいえるのではないでしょうか。
たとえば、お金やモノにとらわれすぎると気持が不安定になり、精神力で突破していくパワーも失われます。
自分の思いに固執すれば周りとの調和も崩れます。
「わがカネ、わがモノ、わが家、わが団体・・・・・・」と抱え込み、ためる一方、守る一方では、神経も60兆個の細胞も詰まり、内臓もうまく働かず、人生もいき詰ってしまいます。
 
社会活動に尽力し、国会議員としても活躍された私の人生の師、常岡一郎先生が、こんな話をしてくださったことがありました。
 
「あのね、水は邪魔者や石ころがあっても、どけとは言わない。
そこを避けて姿を変えて、さらりと通るだろう」
「自分の面子や都合、利益にとらわれる自己を放すんだよ」
 
なかなか難しいことではありますが、それができれば、心が軽く広くなるんです。
残念無念や恨みの感情も手放すことになりますから、細胞の詰まりがとれ、神経がラクに通り、恐れや不安も流れて消えていきます。
 
「お天道さま」」のエネルギーで地球は回り、すべてのものが動かされています。
自然の秩序に素直に身をまかせたほうが、人生もうまく回っていくのです。
 
ひとくちメモ
私たちの体は、約6割が水からできています。
生まれたての赤ちゃんにいたっては、なんと8割が水だそうです。
水は血液や細胞の中に姿を消して入り込み、いのちを支えています。
水もまた自然からの大切ないただきものです。
合成洗剤などはできるだけ使わず、水を汚さない暮らし方で、よどみのない体と心を育てること。
これが「あなたの運命」の健康につながります。
「ため込む」ことから、
病気や不幸が始まる
 
 
 
 
■心も体もやすらぐ「お日さまのリズム」
 
地球は、太陽を中心に回っています。
朝が来て昼になり、夜の帳(とばり)が降りる。
この自然のサイクルの中で、すべての生き物が動かされ生かされています。
人間も例外ではありません。
日の出とともに起き、太陽が明るく輝く日中は、活動的に動く。
そして、日が沈んだら次の日にそなえてリラックスする・・・・・・。
「自然療法シンプル生活」の第一歩は、自然の”時間割”に体を合わせることです。
 
あたりまえのことですが、朝は寝坊などせず規則正しく起きるのが基本です。
日中は手足を動かしてテキパキと働き、夜は一日の疲れをとるべく早めに眠りましょう。
とくに夜11時から早朝3時ごろは、すべてのものが深く眠る時間帯です。
この時間帯にモノを食べたり、テレビを見てダラダラおきていると、バイオリズムが狂い、ぐっすり眠れなくなります。
朝は頭がぼんやり重く、日中になっても内臓の働きにエンジンがかからず、疲れやすく、頭の回転も鈍るなど、悪循環に陥ります。
私は、前述したように、前の晩がどんなに遅くても、朝は4時から5時に起きています。
そして、朝と夜の7時には家族そろって神棚と仏壇に手を合わせ、お伝道さまと先祖にあいさつをするのを日課にしています。
 
生活リズムをバイオリズムと一致させて規則正しく過ごすと、体もこころもリズミカルに回り、気持ちよく過ごすことができます。
そして一日の時間割が決まっていれば、優先させるべきことは何なのか、限られた時間を工夫して大切に使う知恵も生まれてくるのです。
 
ひとくちメモ
生活リズムを地球のリズムに合わせるいちばんのポイントは、早寝早起きの習慣をつけること。
朝日を浴びることで、すっきりと目覚め、いやしホルモンのセロトニンの分泌も活発になります。
「ため込む」ことから、
病気や不幸が始まる
 
 
 
■「喜んで動く」ことが幸せへの近道
 
いまは、手足を動かすことがほんとうに少なくなりました。
ご飯は炊飯器が炊いてくれすし、水は蛇口を開けば自動的に出てきます。
食器洗いやトイレの自動洗浄機など、次々と便利なものが出てきて、しようと思えばいくらでもラクや手抜きができる時代です。
でも、「ラクで便利でかんたん」に生きられる生活には、落とし穴があります。
 
なんでも機械まかせにすることに慣れっこになると、脳が活性化せず、何もできない、感謝を忘れた人間になるのです。
「何もやってくれない」「○○のせいでこうなった」と、心も腐ってしまいます。
これでは幸せになれる道理はありません。
安易に機械に頼らず、手足をテキパキ動かし、右脳左脳をフル回転させる生活にこそ、人間生を高める道筋があります。
 
このとき、ぜひ心がけてほしいことがあります。
喜んで手足を動かすことです。
動かすこと自体も運動機能をつかさどる小脳の働きを高めますが、喜びがともなうことで、情報が大脳にプラスのイメージで刷り込まれていくのです。
 
人のために楽しく働く気持や、冷蔵庫や洗濯機にも「ありがとう」という思いがあると、神経がラクになり、脳細胞もラクに開いて、生き生きしてきます。
脳全体の働きがより活性化し、直観力や洞察力が鋭くなり、何より、くたびれなくなります。
好きな曲のリズムにのって楽しく体を動かしていると、いつまでも踊れそうな気分になるように、家事などもイヤイヤするのと喜んでするのとでは、疲れ方がまったく違います。
 
人の性格は、手足を動かすという"からだの積み上げ"、喜んでするという"心の積み上げ"が脳にしみつき、つくり上げていくものです。
家事を軽くみる風潮がありますが、実は家事ほど、豊かな感性や人間性を育む行為はないのです。
喜んで家事をしているだけで、どんどん自分の能力が花開いてくる・・・・・・。
家事が幸せを呼び込むのは、そういうわけなのです。
 
ひとくちメモ
「家のことなんかしなくてもよいから、勉強しなさい」「家事なんて誰にでもできるのよ」といわれて育った人も多いことでしょう。
でも、頭でする勉強は「知識」を増やすだけ。
家事はその点、生きる「知恵」を鍛えてくれます。
家事のできる人に有能な人が多いということが、それを証明しています。
家事には、
「人間生を高める」
すべての要素が詰まっている
 
 
 
■「腹式呼吸法」で全身の浄化作用を高める
 
私たちは無意識に、空気を吸ったり吐いたりをくり返していますが、呼吸もやり方しだいで"自然のパワー"をさらに多く取り入れ、病気を寄せつけない体をつくることができます。
そのためには、空気を体の奥まで吸い込み、吐き出す呼吸法――腹式呼吸を習慣にしましょう。
 
腹式呼吸は、気が集まる重要なツボ、"丹田"を養うので、腹が据わってきます。
胃腸の働きが活発になり、血行が促され、全身の細胞に新鮮な空気、自然の"気"がいき渡ります。
肝臓や腎臓の解毒浄化作用がスムーズになる、自律神経をととのえてくれるなど、現代人にはとくに意識してほしいものです。
 
同時に、お腹を手の平で時計回りになでると、お通じがよくなります。
私はこの2つをあわせてやり始めてから、食べる量は同じなのに、お通じの量も回数もふえました。
体が軽くなり、気持ちよく一日働けます。
 
空気は、食べ物以上に「あるのがあたりまえのモノ」かもしれません。
いちいち呼吸を気にしていたら何も手につかなくなってしまうでしょう。
ですが、私たちが無意識に空気を吸ったり吐いたりして、活動に必要な酸素を取り入れ、二酸化炭素を排出できるのも「お天道さまのおかげ」です。
呼吸を通して、しっかり宇宙のパワーを受けとってください。
 
ひとくちメモ
腹式呼吸のポイントは、「息を出しきること」です。
呼吸というとどうしても、吸うところに意識がいきがちですが、まず、しっかり息を出しきらねば深く吸い込むこともできません。
深くフーッと吐き出せば、意識しなくても自然にお腹の底まで空気が入るようになり、腹式呼吸が身につきます。