■ 野菜・果物と健康 (146)
免疫力が高い体をつくる
「自然療法」
シンプル生活
東条百合子 著 三笠書房 その5
第3章 手当て法
「毒出し」で、
今の病気・不調がみるみる消えていく! 梅干し、こんにゃく、豆腐に野菜、ビワ葉・・・・・・
自然の食べ物や植物には、体の自然治癒力を高めてくれる不思議な働きが備わっています。
自然の親切と思いやりを実感してみませんか?
■台所・食卓・庭先・・・・・・
私たちの身の回りは「いのち」であふれています!
――「梅干しの黒焼き」のすごい効果 頭痛がする、包丁で指を切った・・・・・・。そんな時どう対処しますか?
ほんの数十年前までは、ちょっとしたことなら薬に頼らず、台所にある食べ物や庭先の野草などをうまく利用して手当をするのが当たり前でした。
そんな中で、「出番が多いのは、「梅干」でしょう。
頭痛ならこめかみに、やけどや切り傷には患部に、種を取った果肉をペタンと張る。
下痢のときには、果肉にしょうがのしぼり汁をたらし、熱い番茶を注いでから飲む。
これでだいたい治ってしまうものです。
また、黒焼きしたものを内服すると疲れをとり、細胞を活性化し、風邪に効果抜群。
血行がよくなるので、認知症の予防にもおすすめです。
歯茎に塗れば歯痛を和らげ、歯槽膿漏を改善します。
梅肉エキスには強力な殺菌力があり、チフス菌やコレラ菌にも対処するといわれるほどです。
まさに梅干しは台所の万能薬的な存在。
日本が誇る保健食品です。
ひとくちメモ
■ 梅干しの黒焼きのつくり方
@土鍋に梅干しを隙間なき1段に並べる。
A鍋蓋の穴と、鍋とフタのすき間に小麦粉を練ったものを貼り詰めて密封し、4〜5時間とろ火にかける。
B種を取り除き、すり鉢で粉にする。
C陶器かガラスの容器に入れて保存。
■じんわり体にしみこむ
「こんにゃく湿布」で熱・痛みが退散
胃腸の悪い人も、風邪をひいて熱があるときも、慢性病にも結核にも、とにかく弱った体への最高の手当てが、こんにゃく一つでできます。
誰もがすぐに実行でき、目に見えて効果がある、おだやかで心地よいボディケア法です。
たっぷりのお湯でゆでたこんにゃくをタオルで包み、肝臓のある右脇腹と丹田(下腹)に当て、30分ほどあたためます。
その跡冷たいタオルで約1分、冷します。
同時に、冷たいこんにゃくかタオルを脾臓に10分あてます。
ゆでたこんにゃくは1時間くらいあたたかいので、くるんだタオルを1、2枚はがし、今度は同じものを肝臓に当てます。
こちらも30分ほどあたため、同様に1分冷しておわりです。
このこんにゃく湿布がよく効くのは、こんにゃくが熱をしっかり抱き込み、その熱が臓器の中まで浸透して弱った細胞を活気づけてくれるからです。
また、こんにゃくにはゴミや異物などを吸着する性質があるので、体の毒素を吸い取る力にも優れています。
実際、ガンの手当てに使ったこんにゃくは、翌日にはとろけたようになり、肉が腐ったような異臭を放つほど、非常に強い毒出し効果をもっているのです。
体の浄化槽である肝臓と腎臓を温め、リンパ液の循環や胆汁の働きを助ける膵臓を冷すことで、体内にたまった毒素や老廃物が流れ、新陳代謝が活発になり、全身が生き生きよみがえってきます。
「こんにゃくごときにそんな力があるなんて」とバカにせず、信じて実行してみましょう。
私もよく、お世話になっていますし、周りでもたくさんの人が元気になっています。
ガンの腫瘍が小さくなったり消えた人もいます。
こんにゃくを当て、ポカポカ気持ちのよいあたたかさを楽しんでいるだけで、あとは内臓が全力で働き全身の掃除をしてくれます。
これが自然の親切、自然療法のすばらしいところです。
ひとくちメモ
こんにゃく湿布を子どもにする場合は10〜15分、乳幼児は7分くらいあたためましょう。
手当てのタイミングは空腹時がよく、食後の場合は少なくとも1時間はあけるようにしてください。
■ こんにゃく湿布のつくり方
@たっぷりの水のこんにゃくを2つ入れ、沸騰してから10分ゆでる。
Aこんにゃくを1つずつ、2つ折りにしたフェイスタオルに対して斜めに置く。
タオルの手前、右・左を降り、向こう側に転がしてくるりと包む。
B肝臓のある右わき腹と丹田(下腹)に当て、バスタオルなどで動かないようにする。
気持ちがいいと感じる温度に加減して30分ほどあたためる。
冷たいタオルで約1分冷す。
C今度はうつぶせになって腎臓に当てる。
くるんだタオルを調整し、程よい温度に調整する。
こちらも30分ほどあたためた、同様に1分冷す。
D最後に、半分の大きさにきの冷たいこんにゃくかタオルを膵臓にあてる。
こんにゃくは、小さくなるまでくり返し使える。
(保存は、水を張った容器に入れ、冷蔵庫へ)
■ビワの不思議な力で、医者いらずに
こんにゃく湿布と合わせて、日々の手当てに役立ててほしいのが、ビワの民間療法です。
その昔、お釈迦様がビワの葉をあぶって患部に当てる治療法を教えたことから、仏教とともに日本に伝わってきたといいます。
ビワには、痛みや熱、炎症、腫れなどをとり、けがなどでダメージを受けた細胞をみごとに再生させてくれる不思議な力があります。
私も50代で結核が再発したとき、ビワの葉温灸でいのちびろいをしました。
次男が大やけどした際も、「夜も寝れなかったほどの激痛が、ビワの葉を患部に当てて1時間ほどで、うそのようにとれたよ」と驚いていました。
とくにビワのは温灸は、「結核が消えた」「長年の神経痛が消えた」「内臓疾患が改善した」という例も多く、ガンなどの病気や慢性病に大きな効果があります。
これは、ビワの葉にあるアミグダリン(ビタミン17)という成分がもぐさの熱で分解され、細胞の奥底にまで深く染み渡り、浄化してくれるから、ガン細胞も健康な細胞に変えてしまうほどの強力なパワーがあり、モルヒネでもとめられない末期がんの痛みもやわらげてくれます。
ただし、この温灸にもっとも適したもぐさは一般胃は売られていません。
入用の場合は、「あなたと健康社」にお問い合わせ下さい。
また、ビワの葉や種を焼酎に漬けておくと、すばらしいエキスが作れます。
漬けてから3ヶ月ほどたつと、色が茶色くなってきます。
これを、やけどや傷、痛む歯などにぬるのです。
アトピー性皮膚炎や湿疹、水虫のかゆみなども止めます。
2、3杯に薄めて湿布すれば、腰痛や肩こり、ねんざなどにも効果抜群です。
爪をはいでしまったときにも、この湿布をしておけば、痛みもなく治ります。
庭のある家庭なら、ビワの木を植えることを、おすすめします。
ひとくちメモ
手軽にビワの葉療法をするには、こんにゃく湿布と併用するとよいでしょう。
ビワの生葉のツルツルしたほう(表側)を患部の肌に直接当て、そのうえからこんにゃく湿布をするだけです。
これで細胞が活気づき、血液が浄化され、痛みもやわらぎ、疲労を吹き飛ばしてくれます。
■脳卒中の改善・脳梗塞の予防にもなる
豆腐パスター
豆腐パスター(湿布)は、血行を促し、熱や酸化物質、ガスなどを吸い取り、体外に排出する作用を高めます。
風邪の熱には額に、肺炎の時には胸と後頭部に、脳卒中などのときは後頭部に湿布してください。
体に悪いものがたまっているときほど豆腐は臭くなり、時には白い豆腐が茶色く変色するほど、毒蘇を吸い出してくれます。
臭くなったり、色が変わってきたらすぐに取り替えてください。
脳卒中が後遺症もなく治った、という人が何人もいるほど、豆腐の助けてくれる力は強いのです。
救急車を呼び、入院する場合には、豆腐パスターはできません。
しかし、救急車がくるまでや、病院に運ばれる途中にしてあげると、大難を逃れて小難ですむことが多いようです。
また、けがで頭を打ってから頭痛で苦しみ、入院しても治らなかった方が、退院してから玄米食と豆腐パスターを併用したところ、完治した。
手がしびれたり、頭が痛いなどの脳梗塞の兆しのあった方が、豆腐パスターを継続したところ症状が改善、80歳を過ぎた今でも元気に自転車に乗って駅のトイレ掃除に通い、駅員さんに感謝され、地域の人たちに喜ばれ、自分も楽しくなったという方もいらっしゃいます。
突っ張らずに楽しんで実行すると、細胞も喜んで元気に活動してくれます。
ひとくちメモ
同じ「冷す」でも、氷水のように急激に冷すと、細胞を痛めてしまい、体内の毒素を閉じ込めてしまうことになります。
すると治りが遅くなるほか、予後も気持ちよくないということになりますので、断然豆腐パスターがいいでしょう。
■ 豆腐パスターつくり方
@木綿豆腐を水切りしてつぶす。
A豆腐と同量くらいの小麦粉を入れ、豆腐から水がもれないようにする。
豆腐の1割量のおろし生姜を混ぜる
Bさらしなどの木綿の布か和紙に1cmくらいの暑さに伸ばし、
飛び出さないように包む。
C腫れたり、熱を持っている部分に湿布し、臭くなったら取り替える。
発熱したときにはひたいに貼り、体温が37度代になったらやめる。
■野菜の力を借りて・・・・・・
薬に頼らない応急手当法
身近な野菜にも、手当に使えるものはたくさんあります。
とくに強い効果のあるものを紹介しましょう
● 里芋
里芋は熱をともなう痛みや、ねんざ、のどの痛み、乳腺炎、肋膜炎、リュウマチ熱、ガンなどの特効薬です。
また、腫れものいっさい、内臓の痛み、神経痛、痔、やけど、そのほかすべての炎症に効く万能薬でもあります。
里芋でかゆくなる人は、ジャガイモで代用してもよいでしょう。
■ 里芋パスターつくり方
@里芋の皮を厚くむく。
むき方が薄いとかゆくなるので注意。
(里芋でかゆくなる人はジャガイモで代用してもよい)
A里芋をすりおろす。
Bすりおろした芋と同量の小麦粉、芋の1割量のおろしショウガを混ぜ、
練り合わせる。 Cさらしなどの木綿の布に、暑さ1cmくらいに伸ばして包む。
患部に貼り、4〜5時間して乾ききらないうちにとる。
● ゴボウ
炎症をとり、体にたまった毒素を排出する効果の高いゴボウは、腹痛や胃や腸の疲れ・痛みをとる助けとなる。
たとえば盲腸の場合、生ゴボウを皮つきのまますりおろして、そのしぼり汁を盃1杯ずつ30分または1時間おきに飲み、痛みのある部分を冷します。
すると、盲腸の炎症が止まり、手術が必要といわれた患者の症状が治まった例もあります。
そのほか、30g程度のゴボウのしぼり汁に自然醸造のみそ、おろしショウガを少々加え、熱湯を加えたものを毎日飲むと腸内細菌の働きが活発になり、治りにくい風邪や便秘も、治ってしまいます。
ただし、とくに便秘を治したい場合、腸の働きが活発になって痛みを伴うこともありますので、注意が必要です。
● ニンニク
ニンニクを外用にすると、筋肉麻痺、中風、鼻血、顔面麻痺などに効果があります。
生ニンニクをすりこぎでよくつぶし、どろどろにします。
おろし金でおろしても良いでしょう。 これをガーゼに伸ばして包み、患部に張ります。
鼻血の場合には足の裏に、右顔面麻痺の時には左顔面に湿布してください。
ニンニクは皮膚を刺激しますから、長い間当てておくとやけどのように皮膚がただれます。
ヒリヒリしたらすぐにとってください。
そのほか、ニンニクを薄皮のまま黒くなるまで焼くと、栗のようなおいしさになります。
これを2〜3個食べるだけで、胃腸病や慢性病に効果があります。
● キャベツ
キャベツはシュウ酸などのアクになる成分が少なく、適度な糖分と辛みのある野菜です。
キャベツはビタミンA、B、C、K、U、E、カルシウム、鉄など、多くの有効成分を含み、不足しがちなアミノ酸のリジンも多いので、常食を心がけてください。
とくに、キャベツのカルシウムは吸収されやすいため、お年寄りの骨折を防ぎ、高血圧の人が興奮しやすい症状を抑えます。
また、キャベツにたくさん含まれるビタミンUは、胃や十二指腸の粘膜のただれを治し、細胞を強化します。「キャベツが胃潰瘍に効く」といわれるのはこのため。
予防効果も期待で着ます。
ただし、ビタミンUは熱に弱いので、生で食べる工夫をしましょう。
そのほか、老廃物の分解促進や血液浄化、腸内の異常発酵の予防や肝臓の働きの強化、造血の補助など、キャベツは肉食時の中和作用になくてはならない食材です。
● シソ
緑色の青ジソは、シソ酒や料理に、紫色の赤ジソは梅干しにと、我が家の食卓でもずいぶんお世話になっています。
シソのさわやかな香りには防腐性があるうえに、食欲もそそるので夏場の食欲のないときなどには重宝します。
葉も花も料理のつけ合せで、肉や魚の毒消しにも役立ちます。
シソの実は塩漬けにして保存すると、1年中利用でき、箸休めお弁当にも重宝するすぐれものです。
シソのビタミンAは、カロテンの形で、野菜の中では最高に多く含まれています。
また、ビタミンB1、B2、C、カルシウム、リンと、ビタミンもミネラル王さま級です。
そのため、吹き出物、抜け毛、枝毛、フケの改善といった皮膚に対する効果、脂肪の消化を助け、生活習慣病を予防する効果、血行をさかんにして頭や胃腸の働きをよくする効果、呼吸器の働きを助け、気管支炎や喘息などを鎮める効果、骨粗しょう症の予防など、幅広い薬効を持っています。
「梅干しのシソが余って困る」という人もいますが、刻んでご飯に混ぜ、おにぎりにしたり、旅行中の野菜不足を補うための携帯食などとして使えば便利です。
ひとくちメモ
のどの痛みをとるネギ、冷え性を治す大根干葉、便秘に効く大根葉のみじん切りの炒め煮など、野菜の薬効をあげればきりがありません。
かたよりなくさまざまなものを食べること、切れはしだからと粗末にするのではなく、野菜のまるごとの「いのち」に感謝の気持ちを忘れないことが、野菜の力を借りるさいの最大のポイントです。
■ドクダミが教えてくれる、自然の思いやり
昔から万病の薬として一般に広く伝えられている野草に、「ドクダミ」があります。
とくに腫れ物の吸い出しには効果が高く、生葉をあぶって、もんで患部に貼ったり、もんだ汁を患部につけるだけで、膿を吸出し、腫れも引きます。
化膿して腫れても、針でつついて膿をだしてからドクダミを貼っておくと、根もとれ、気持ちよく治ります。
慢性病の毒下しとしても、「ドクダミ」の名のごとく毒を出すということで大切にされてきました。
妊娠中にお茶代わりに飲むと、肌がきれいで丈夫な赤ちゃんが生まれると、昔はドクダミの効果を肌で感じ、利用してきたのです。
また、かつては赤痢(疫病)といった伝染病は、子どものいのちをあっという間に奪う恐ろしい病でした。
無医村で教師をしていた蘇武太先生にうかがった話ですが、赤痢が村で蔓延し、次々に亡くなる人が出たなかで、先生ご自身も赤痢に感染し、下痢が続き、死ぬかと思ったそうです。
そんな時、「ドクダミとゲンノショウコを濃く煎じて飲むといい」という民間療法を思い出し、湯飲み茶わん1杯の煎じ汁を飲んだところ、治っていのちびろいをした。
そこで村の皆さんに伝えたら、それから一人の死者も出なかったそうです。
そんなことから、定年後に幼稚園の園長をしていたときも、いつもドクダミとゲンノショウコをたくさん干しておき、園児が熱を出したりお腹をこわしたときに煎じてお茶として飲ませる。
けがをしたときには煎じ汁や生葉で湿布するだけで間に合わせていたとか。
ドクダミは、においの強い草ですが、生のままミキサーでドロドロにして、水で薄めてコップ半量を飲むことができれば、便秘や高血圧、糖尿病が解消します。
これらの病気のもとは、出すべきものを出していないということですから、ドクダミの毒出し効果を直接利用するのです。
ただし、これは冷え症の人や貧血の人には向きません。
ひとくちメモ
ドクダミと一緒に服用すると、下痢、便秘だけでなく伝染病にも効果のあるゲンノショウコ。
近頃は根こそぎ取ってしまう人が多くなって、たくさんは見られなくなりました。
昔は土用の丑の日に取るのが良いと、1年分とって乾燥させて、保存していましたが、現在ではそれも難しくなっています。
野草の力を借りるときは根を残す思いやりも大切なマナーです。
6〜9月の生命力旺盛な時期にとって、天日で乾燥させましょう。
■野草の手当てで、血液の浄化を
野草はとくに強い生命力を備えています。
ドクダミ以外の、家の周りにはえている野草にも、助けてもらいましょう。
● ハコベ
ハコベは栄養価が高く、タンパク質、カルシウム、鉄などのミネラルが豊富に含まれています。
サポニン、葉緑素、酵素などとともに、未知の成分も多く、大きな薬効を持つ野草です。
胃腸の不調や歯槽膿漏の薬になるほか、浄血作用もあるため、漢方では産前産後の浄血や、母乳の出をよくするために服用します。
まずはハコベからエキスを取り出しましょう。
ハコベを洗って水気をきり、ミキサーにハコベと少量の水を入れて青汁を作ります。
かたい茎はしばって捨て、青汁は土鍋でゆっくりと煮詰めます。
煮汁が真っ黒になったら、こして再度火にかけ、沸騰させないようにとろ火で、気長に水分が蒸発するのを待ちましょう。
ドロリとしてきたら完成ですので、冷蔵庫で保存してください。
これを日に干し、水分を抜いてから粉にすると、何年でも保存できます。
とくに歯槽膿漏や歯痛の場合は、患部にぬっておくと、1週間でびっくりするくらいの効果が出ます
● スギナ
ガンや糖尿病、腎臓炎、結石、カリエス、肝臓病、胆のう塩、リュウマチ、神経痛などに驚くべき効果の野草にスギナがあります。
ふえすぎて困るツクシの親ですが、この繁殖力が、弱った体にエネルギーを与えてくれるのです。
スギナの効力はすばらしく、4、5分煮立てて煎じたものを飲むと、リュウマチや神経痛、関節塩、肺結核をはじめ慢性気管支炎、肺治療に効くほか、利尿作用もあります。
また煎じた汁でかゆい吹き出物やかさぶたを洗ったり湿布しても効果がありますし、濃く煎じた汁であればひょうそやカリエス、ただれた傷、ガン性腫瘍にもよい。
この濃い煎じ液には止血剤としての作用もあるため、子宮や痔の出血も止めてくれます。
● カキドオシ
カキドオシは、茎が垣根を通り抜けて伸びるほど元気なので「垣通し」と呼ばれるようになりました。
一般になじみの深い薬草です。
全草を採集して乾燥させ、3cmくらいに切っておきましょう。
湿気が入ると効力が減るので、密閉できる缶などに保存しておくと安全です。
胆石、腎臓結石、膀胱結石、糖尿病、神経痛、気管支炎、肺炎、風邪の人に効果があり、とくに血糖降下作用が強いことが科学的にも認められています。
胆石などの結石に悩む人は、カキドオシ5gとスギナ10gを煎じて熱いうち飲むとよく効きます。
痛みが取れるほか、連用していると思われた結石も取れ、再発しません。
それ以外の症状の場合には、カキドオシを煎じて、お茶代わりに毎日飲むといいでしょう。
頑固な病でも、長期間飲用しているとよくなってきます。
● その他
タンポポの根はリュウマチや乳腺炎に、ヨモギは腹痛や発熱に効くなど、野草は野菜以上に強じんなパワーを秘めています。
これらの野草を野山で摘み、すり鉢ですりつぶして取った汁を盃1杯飲むと良いでしょう。
動物性タンパク質の肉や脂っこいものなどが好きな人は、1日半カップくらい飲むと、新陳代謝を助けてくれます。
ひとくちメモ
私のところで年に数回開催している健康学園で、子供たちが突然、高熱を出して倒れたことがありました。
お母さんは救急車をと叫びましたが、ユキノシタの青汁を飲ませ、ツワブキを額に貼ったら、熱はみごとに下がりました。
血液を浄化し、悪いものを流してくれるのが野草の力なのです。
■砂に抱かれて、心身のクリアランス
皆さんは砂に抱かれる心地よさをご存知ですか?
砂の中から首だけ出して、ただ入っているだけで猛烈な毒素が出てくるのが砂療法です。
糞尿や生ゴミも、土に埋めておけば微生物の力が働いて、きれいにしてくれる。
フグの毒にあたった人を、穴を彫り、土にもぐらせておいたら助かったという話しも聞いたことがあります。
50歳のとき、「土はかたくて大変だけれど、すなならかんたん」と思いつき、夏の海岸の砂を掘り、試してみることにしました。
砂から出たあとの、体の軽いことといったら! スポーツをしたあとのように、気分も爽快でした。
砂でどんどん元気になっていくのがわかったので、以来、ほかの人にもすすめて一緒に砂浴を楽しんでいます。
腰痛がとれた人、リュウマチが改善した人、子宮ガンや子宮筋腫をもっている人のなかには、そのあと悪いものがドッと出て、なんともなくなってしまったケースもありました。 毛穴を通して体内にたまった悪いものが排泄され、細胞が生き生き働き出し、自然治癒力が活性化されます。
ガンや糖尿病をもった人が入ったあとの砂は、くさいにおいがしたり、ハエが喜んでたかります。
腰痛と肩こりがひどかった私の姉の場合は、砂浴をした日の夜、寝返りをうつだけでプーンとにおいが漂い、隣で寝ていた私はくさくてたまりませんでした。
そして翌朝、「どこも痛くない!」と喜んで起きた姉のシーツには、足の裏のウオノメがポロリと落ちていました。
砂はすべてをやさしく包み込み、ため込んだよけいなもの、毒素や疲れをとってくれるのです。
砂浴ができないときは、小さい砂袋をつくって具合の悪いところに当てておくだけでもラクになります。
ただし、日頃から食事を正し、手当てをして体の調子を整える努力なしでは砂の力は助けてくれません。
病気を治すのではなく、砂を通して自然の力を学ぶのです。
ひとくちメモ
● 砂欲の方法
入る時間は体調に合わせて、体力のある人なら、朝8時ごろから夕方4時ごろまで8時間くらい入るとスカッとします。
夏になったら、ぜひ試してみてください。何よりの健康法です。
まず、ピーチパラソルやテントのような、日よけを用意します。
暑いと砂が焼けてきますし、顔も日に焼け火ぶくれが出たり日射病になったりします。
帽子なども用意して、2重に日よけするとよいでしょう。
服装は、なるべく砂と肌が触れる面積が広いように、木綿の水着やふんどしをおすすめします。
入り方は、自分の体より少し深く掘り、頭のほうを高くして、お尻の当たるところをやや深く掘って足を少し曲げて開き、手は脇にまげてゆったりとおいて、砂をかけると楽です。
姿勢がつらくなったり、かゆくなてきたり、苦しくなってきた場合にはむりをせず、気持ちよく眠れるくらいで続けるようにしましょう。
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