■ 野菜・果物と健康 (149)
石原結實式
「野菜ジュース&スープが
病気を治す」
医学博士・石原結實 著 永岡書店
その3
第1章
がん予防と生活習慣病に効く
野菜ジュース&スープ の2
ぜいたく病とも呼ばれ、美食が原因の病気
高尿酸血症・通風
■ どんな病気?
血液中の尿酸が7.0mg/d?以上になると高尿酸血症と呼ばれます。
高尿酸血症が5〜10年ほど続くと、痛風発作が起こります。
痛風発作は血液中の尿酸が結晶化して、足の親指のつけ根、ひざ、ひじなど関節に沈着して炎症を起こすことにより発症します。
痛風発作は激しい痛みを伴ないます。
病名の由来は「風が吹いても痛い」ことからきているといわれるほどですから、どれほど痛いかがわかるでしょう。
腔尿酸血しょうは動脈硬化を促進し、心筋梗塞や脳梗塞、腎結石などを招きやすくなります。
たかが通風と安易に考えないで下さい。
■ 原因は?
尿酸は体内でプリン体(細胞の拡散の主成分)が分解されるときにできます。
プリン体は食べ物にも含まれているので、肉類やビールなどプリン体を多く含むものの食べ過ぎも要因となります。
また、通風がもっとも起きやすい足の指は、体の中でも体温が特に低い場所です。
冷えているため尿酸が沈着しやすいと考えられます
■ こんな人は要注意
男性のほうがなりやすいので、30歳以上の男性は尿酸値に注意しましょう。
お酒をたくさん飲む、ストレスが多い、肥満している人も要注意。
■ 予防&治療法
野菜や海草などアルカリ性の食品をとって尿産の排泄を促しましょう。
激しい運動はかえって尿酸値を上昇させるので、適度なウォーキングがおすすめ。
過度の飲酒は痛風発作を起こしやすいので控えましょう。
@ 尿酸の排泄を促す海草類、黒酢をしっかりとる。
A 生ジュースを朝食代わりに飲む。1日2〜3回に分けて飲んでもよい。
セロリには体内に沈着した物質を溶かす作用がある。
【材料】にんじん2本(約400g)、りんご1個強(約250g)、セロリ100g
B 分足60m程度のゆっくりしたウォーキングをする。
C 足浴(足首から下を42度程度のお湯に20〜30分つける)を1日に1〜2回行なう。足が暖まり、尿酸の沈着が防げる。
下半身の血流をよくして排尿による尿酸の排泄を促す。
● 腔尿酸血症・通風に効く食べ物
?キャベツ ?わかめ ?黒酢
尿酸を溶かすセロリがたっぷり
■ キャベツ・セロリ・レモンのジュース
■材料(約300m?分)
きゃべつ・・・250g セロリ・・・200g レモン・・・1/2個
■作り方
@キャベツはくるくると巻き、セロリは適当な大きさに切る。
レモンは果汁をしぼる。 Aキャベツとセロリをジューサーにかけ、レモン果汁を加えてよく混ぜる。。
食物繊維が豊富なわかめと体温アップに効くしょうが
■ わかめとにんじんとしょうがのスープ
■材料(2人分)
わかめ(塩蔵)・・・10g にんじん・・・1/2本(約100g) セロリ・・・100g
しょうが・・・10g 昆布だし・・・500m? 塩・・・少々 黒酢・・・大さじ1
■作り方
@わかめは塩を落としてから水に漬けて戻し、3cm長さに切る。
Aニンジン、セロリ、しょうがは千切りにする。
B鍋にだしとAを加え火にかける。
沸騰したら火を弱め、野菜が柔らかくなったらわかめと黒酢を加え、
塩で調味する。
血液中の中性脂肪やコレステロールが増える
脂質異常症(高脂血症)
■ どんな病気?
血液中の中性脂肪やコレステロールが多い状態をいいます。
LDLコレステロールが140mg/d?以上だと高LDLコレステロール血症、HDLコレステロールが40mg/d?未満は低HDLコレステロール血症、中性コレステロール(トリグリセライド)が150mg/d?以上では高トリグリセライド血症と診断されます。
LDLコレステロール(悪玉コレステロール)や中性脂肪が血液中に増えると、動脈硬化を促進する大きな要因となります。
HDLコレステロールは血液中の余分なコレステロールを回収して、動脈硬化を抑制するため「善玉コレステロール」と呼ばれます。
これが減少すると動脈硬化のリスクが高くなります。
■ 原因は?
基本的には脂質や糖質、コレステロールを多く含む肉類、卵、アルコールなどのとり過ぎが原因と考えられています。
しかし、肉類などをあまり食べないのに発症するケースもあります。
中性脂肪やコレステロールは脂質ですから、体内でのエネルギー燃焼がスムーズに行なわれていればたまることはありません。
運動する習慣がなかったり、体温が低かったりなど、体内でのエネルギーが燃えにくいと発症しやすいといえます。
■ こんな人は要注意
からだが冷えている人や運動する習慣のない人、アルコールをたくさん飲む人に起こりやすい病気です。
■ 予防&治療法
体温を上げる陽性食品を食べる、ウォーキング、スクワット運動、半身浴などを行いからだを温めましょう。
@ からだを温める陽性食品をしっかり食べる。
A 腸官でのコレステロールの吸収を抑制する食物繊維を含む根菜類、海草類、きのこ類、こんにゃく、玄米などを十分とる。
B ウォーキングやスクワット運動で下半身の筋肉を鍛え、体温を温めて脂肪の燃焼を促す。
運動してから半身浴をすると脂肪の燃焼効果が高まる。。
C 半身浴をした後で下半身に冷たいシャワーを浴び、再び半身浴を行なう(温冷浴)。
● 脂質異常症(高脂血症)に効く食べ物
?しょうが ?唐辛子 ?根菜類
からだを温めるにんじん&しょうが
■ にんじん・しょうが・レモンのジュース
■材料(約250m?分)
にんじん・・・1と1/2本 しょうが・・・20g レモン・・・1/2個
■作り方
@にんじんは適当な大きさに切る。
しょうがはよく洗う。 レモンは果汁をしぼる。
Aにんじん、しょうがをジューサーにかける。
レモン果汁を加えて混ぜる。
食物繊維がたっぷりとれる根菜類のスープ
■ 根菜類たっぷりピリ辛スープ
■材料(2人分)
大根・・・100g ごぼう・・・30g にんじん・・・1/2本(約100g)
こんにゃく・・・1/2枚 長ねぎ・・・1/2本(約300g) かつおだし・・・500m?
さけ・・・大さじ1 みそ・・・大さじ1 七味唐辛子・・・適宜
■作り方
@大根とニンジンは皮をむき、3mmのいちょう切りにする。
ごぼうも同様に切り、酢水に漬けて水気を切る。
こんにゃくは薄切りにしてした湯でし、ざるにあけて水気を切る。
A長ねぎは斜め薄切りにする。
B鍋に@とだしを入れて火にかけ、沸騰したら火を弱めてアクをとり、酒を加え、やわらかくなるまで煮る。
CAを加えて1分ほど煮て、みそを溶き入れて味を調え、七味唐辛子をたっぷり入れる。
食べ過ぎや肉中心の食生活が肝機能を低下させる
脂肪肝
■ どんな病気?
一般的な肝臓の脂肪量(中性脂肪が占める割合)は、約3%ですが、これが30%を超えると脂肪肝と診断されます、
自覚症状がないため、放置されがちですが、進行すると肝臓の炎症を招き、アルコール性肝炎と同じように肝細胞の繊維化、壊死などが生じ、肝硬変、肝臓がんを起こすリスクが高くなります。
■ 原因は?
食べ過ぎ、アルコールの過剰摂取、糖尿病、薬剤などの影響などです。
特に大きいのが食べ過ぎ、飲みすぎによる血液の汚れです。
肝臓は食べ物に含まれる栄養素を、体内で利用できるように作り変える役割を担っています。
そのため、食べ過ぎや飲み過ぎによって、肝臓で処理する量が増えるほど脂肪肝や肝炎を発症しやすくなります。
また、便秘が続くと腸内に有毒物質がたまり、これを解毒するために肝臓への負担が大きくなります。
脂肪肝や肝炎の要因は食べ過ぎ、飲みすぎ、便秘などによる血液や腸内の汚れが原因と言っていいでしょう。
■ こんな人は要注意
目がかすむ、白目の部分が黄色い(黄疸)、鼻の頭やほお、手のひらが赤い、男性の乳が女性のようにふくらむなどの症状は脂肪肝、肝炎が疑われます。
■ 予防&治療法
腹8分目(少食)、運動を心がけて減量しましょう。
@ 過食、とくに肉類の食べ過ぎを控える。
A えび、かに、たこ、いか、しじみ、あさりなど、胆汁の流れをよくし、肝機能を強化するタウリンを多く含むものを心がけて食べる。
B 生ジュースを朝食代わりに飲む。1日2〜3回に分けて飲んでもよい。
【材料】にんじん2本(約400g)、りんご1個(約250g)、キャベツ100g
C 肝臓の解毒作用を高めるセリ科の野菜を積極的に食べる。
D 汗をかく程度のウォーキングを習慣にして減量する。
E 腹巻を着用して肝臓を温めて血流をよくする。。
● 脂肪肝に効く食べ物
?セロリ ?パセリ ?セリ科の植物
肝機能を高めるセロリとパセリ
■ セロリ・パセリ・りんご・レモンのジュース
■材料(約250m?分)
セロリ・・・250g パセリ・・・20g りんご・・・小1個(約150g)
レモン・・・1/2個
■作り方
@セロリとりんごは適当な大きさに切る。
パセリは洗って根元をそろえてまとめておく。 Aレモンは果汁をしぼる。
Aセロリ、りんご、パセリをジューサーにかけ、レモン果汁を加えてよく混ぜる。
肝臓の解毒機能を高めるあしたば(セリ科)を使って
■ あしたば・リンオ・オレンジのジュース
■材料(150m?分)
あしたば・・・80g りんご・・・中1個(約200g) オレンジ・・・1個
■作り方
@あしたばはくるくる巻いておく。
りんごは適当な大きさに切る。
オレンジは果汁をしぼる。
Aあしたばとオレンジをジューサーにかける。
オレンジの果汁を加えてよく混ぜる。
からだが冷えている人に起こりやすい
胃炎・胃潰瘍
■ どんな病気?
胃粘膜の血行不良やストレスなどが続くと、胃の機能が低下してしまいます。
その結果、みぞおちの痛み、空腹時の胃の痛み、食欲不振、ゲップなどの症状が起きてきます。
ひどくなると胃粘膜が傷つけられて炎症を起こし、びらん(胃粘膜がえぐれるように傷ついた状態)ができて、胃潰瘍を引き起こします。
■ 原因は?
胃炎や胃潰瘍の人の腹部をさわると、ほとんどの人が冷たく冷えています。
冷えは血行不良を招きます。
胃炎や胃潰瘍は、胃粘膜の血液循環の低下によって起こると考えていいでしょう。
一般に胃潰瘍には牛乳がよいとすすめられます。
確かに牛乳には胃粘膜を保護するビタミンUが含まれていますが、同時に体を冷す食べ物でもあります。
からだが冷えて胃炎・胃潰瘍を起こしている人は、温めて飲みましょう。
■ こんな人は要注意
空腹時に胃の痛みを感じる、便の色が黒っぽい(タール便)場合は胃潰瘍が疑われます。
タール便がある人は胃粘膜から出血しています。
■ 予防&治療法
腹巻やカイロで腹部を温めるだけでかなり症状が改善されます。
胃粘膜を保護するビタミンUを含むキャベツもおすすめです。
@ 生ジュースを朝食代わりに飲む。1日2〜3回に分けて飲んでもよい。
ジュースを飲むと冷える人は刻んだキャベツにかつお節としょう油をかけて食べるとよい。
【材料】キャベツ400g、りんご1個(約250g)
A 黒豆を黒砂糖で煮た「黒豆煮」を毎日食べる。
黒はからだを温める陽性食品の色。
黒豆、黒砂糖ともにからだを温めて胃粘膜の血行をよくする。
A しその葉加しょうが湯を1日に2〜3回飲む。
【作り方】しその葉2〜3枚は火であぶってパリパリにし、手でもんでカップに入れる。生姜のおろし汁5〜6滴を加え、熱湯をカップの半量ほど注ぐ。
C 腹巻やカイロで腹部を温める。
● 胃炎・胃潰瘍に効く食べ物
?キャベツ ?しょうが ?しそ
胃粘膜を保護するキャベツがたっぷり
■ きゃべつ・しそ・りんごのジュース
■材料(約400m?分)
キャベツ・・・300g しそ・・・20枚 りんご・・・中1個(約200g)
■作り方
@キャベツの葉にしそをくるくる巻き込む。
りんごは適当な大きさにきる A@をジューサーにかける。
からだを温める陽性食品がたっぷり
■ キャベツ・しょうが・にんじん・りんごのジュース
■材料(400m?分)
キャベツ・・・200g りんご・・・小1個(約1500g)
にんじん・・・中1本(約150g) しょうが・・・20g
■作り方
@キャベツはくるくる巻いておく。
にんじんとりんごは適当な大きさに切る。
しょうがはよく洗う。
A@をジューサーにかける。
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