■ 野菜・果物と健康 (156)
 
若杉友子の
「一汁一菜」
病気知らずの
食養生活法
若杉友子 著  主婦と生活社
その2
 
 
第2章 難しいことないよ、一汁一菜
 
日本には四季があります。
当然その時々の旬の野菜や野草が元気に生えてくる。
自然界のリズムってすごい力なのよ。
一汁一菜は、その力をいただくことで
日本人本来の体に戻してくれる。
自然に逆らわない食事なんです。
 
●献立に悩まない! 素材を変えれば大丈夫
 
日々の料理の中で、皆さんが悩むのは、献立をどうするか、ということだそうです。
私はあまり悩まないのに、どうしてだろう、と考えると、皆さん、おかずの種類が多いからではないですか?
 
私が「食養」の教えから導いた献立は、とてもシンプル。
玄米た分つき米の主食、みそ汁、おかずが1品、これだけ。
一汁一菜ですよ。
それも旬の野菜を主菜にしているから、おひたし、酢のもの、さっと煮、炒めもの。
すぐのできるものばかり。
悩む暇なく料理ができてしまうの。
 
主菜があっさりしているから、汁は具沢山がいいね。
といっても肉や卵なんか入れない。
旬の野菜や海藻を入れるんですよ。
 
そして、主食はごはんをすすめる。
白米よりも栄養価の高い玄米や分つき米がなおさらいい。
主菜や汁がさっぱりしていたら、旬の素材を入れた炊き込みごはんにしてもいい。
パンは空気で膨らんでいるからね。
膨らむということは陰陽では陰性。
体にいいものではありません。
 
さあ、こんな感じで、主菜、汁、ごはんをただ組み合わせただけでいい。
だから献立で悩む、なんてつまらないことは、もうしなくったっていいのですよ。
 
 
 
●旬の素材を食べなきゃね
 
日本には四季があり、春になれば筍がとれる。
筍ご飯を食べると、「ああ、春だなぁ」と日本中が感じるわけです。
夏はトマトやキュウリやスイカを食べて、水分を補給する。
秋は栗やイモ類と新米とで、おいしい炊き込みご飯を作るよね。
そして、冬になれば、根菜やコマツナの味わいが深みを増す。
 
旬の素材は旬に食べるのがいちばんいい。
これは当たり前のこと。
数字で見ても、ビタミンやなにやらの成分が多く、旬の露地野菜のほうが、温室栽培した野菜よりもずっと体にいいんですよ。
 
それなのに、今はスーパーを見ると、冬でもトマトやキュウリを売っている。
夏野菜は体を冷やすものですから、こんなものを真冬に食べていいわけがない。
なんでわざわざ温室で電気を使ってまで、こんな野菜を真冬に作るんだろう。
そうかと思えば、遠い南半球から、真冬にカボチャが送られてくる。
遠路はるばる送られてきた野菜が新鮮なわけがない。
 
日本の伝統的な食文化が大事にされなくなったことが、これにつながっている。
旬の野菜を食べる生活科から、肉をたくさん食べる生活になったでしょ。
そうすると、生野菜が欲しくなる。
生野菜はレタスだのキュウリだのトマトだの、どれも夏野菜ばかり。
真冬でも肉を食べれば、夏野菜がほしくなるというわけです。
四季があまりない国の食べ方をこの国でまねて、真冬に体を冷やして、貧血、低血圧、低血糖なんかを増やしている。
 
自然界には、ちゃんと1年のリズムがあります。
綾部では3月ごろにはフキノトウやヨモギが出てきて、その後セリが出てきて、ヨメナが出てきて、うちの畑で芽吹く野草を見ているとそれがよくわかる。
 
大事なのは、その自然界のリズムを、体でいただくこと。
旬を体で知って、自然界のリズムを、体でいただくこと。
旬を体で知って、自然界のサイクルに体のリズムを合わせていくこと。
だから、旬のものを食べなきゃいけない。
これはもう、自然界の摂理なの。
 
 
 
●食べていいものを知る
 
旬のものを食べなさいといっても、今に人たちには旬がわからない。
だから春夏秋冬の旬の素材表を作ってみました。
ぜひ食べたいもの(○)と、ときどきなら食べてもいいもの(△)、食べないほうがいいもの(×)を記したので、できるだけ○のものを組み合わせて料理をしてください。
 
■旬の食材、○△×一覧
○ ぜひ食べたいもの △ 時々なら × 食べないほうがいい
野菜
 
キャベツ、シュンギク、
ソラマメ、タマネギ
チシャ、ニンニク
 
グリーンボール、アスパラガス、サヤインゲン
野草




 
セリ、ミツバ、ヨメナ、ツクシ、カンゾウ、ヨモギ、アザミ、フキノトウ、コゴミ、ノビル、フキ、雪ノ下、ハハコグサ、オオバコ
 
筍、ウド




 
ドクダミ、ワラビ、
タラの芽、イタドリ



 
果物
ナツミカン、イチゴ、
サクランボ
―――
 
キウイ
 
魚介

 
―――

 
アナゴ、ヒラメ、ボラ、ドジョウ、スズキ、タチウオ、トビウオ、アサリ、ハマグリ カジキ、ブリ、イカ、イワシ、エビ、サザエ
 
 
○ ぜひ食べたいもの △ 時々なら × 食べないほうがいい
野菜



 
トウモロコシ、ニラ、ウリ科類(カボチャ、キュウリ、トウガン、ニガウリなど)
 
シシトウ、オカヒジキ、ショウガ、トマト、ナス、トウガラシ、チシャ、ピーマン、ラッキョウ、、ソラマメ、エンドウマメ、シソ アスパラガス、オクラ、エダマメ、ズイキ、セロリ、レタス、チンゲンサイ

 
野草



 
フキ、キクラゲ、クレソン、アカザ、シロザ、月見草、桑、セリ、イノコツジ、ツユクサ、イヌビユ、ヒュウナ アシタバ



 




 
果物
サクランボ、スイカ、
マクワウリ、イチゴ
アンズ、スモモ、ビワ
 
メロン、桃
 
魚介






 
―――






 
アサリ、アワビ、サザエ、ハマグリ、トコブシ、アジ、アナゴ、アユ、イカ類、イサキ、イシダイ、ウナギ、エイ、カワハギ、スズキ、キス、ハモ、グチ、コチ、サケ、ヤマメ、メバル、マナカツオ カツオ、キビナゴ






 
 
○ ぜひ食べたいもの △ 時々なら × 食べないほうがいい
野菜

 
ニンジン、ゴボウ、ネギ、ムカゴ、ジネンジョ、ユリ根、コマツナ、カボチャ カブ、サトイモ、トウガン、ヤマイモ、シイタケ、シメジ、マツタケ パセリ、ホウレンソウ、ラディッシュ
 
野草
アサツキ、アカザの実
 
―――
 
ドクダミ、ワラビ、
タラの芽、イタドリ
果物
栗、リンゴ
 
柿、ギンナン、ナシ
 
アケビ、イチジク、ザクロ、ブドウ
魚介
 
―――
 
サヨリ、イカ、サンマ、カワハギ、舌ビラメ イワシ
 
 
○ ぜひ食べたいもの △ 時々なら × 食べないほうがいい
野菜





 
ニンジン、ゴボウ、大根、ジネンジョ、ユリ芽、ヤマトイモ、やつがしら、ツクネイモ、サツマイモ、ネギ、水菜(京菜)、コマツナ、春菊、カラシ菜、白菜、チシャ カブ、コカブ、サトイモ、ナガイモ




 
カリフラワー、ブロッコリー、レタス、クワイ




 
野草
アサツキ、アカザの実
 
―――
 
ドクダミ、ワラビ、
タラの芽、イタドリ
果物
キンカン、ダイダイ、ミカン、ユズ、リンゴ
 
―――
 
魚介


 
―――


 
たこ、フグ、タラ、ナマコ、ヒラメ、コイ、フナ、赤貝、アオヤギ、カキ、ホタテガイ、カニ、鯛 イワシ、ブリ


 
 
 
 
●春は苦味、夏は酢、秋は辛味、冬は油
 
では、どんな味の料理を組み合わせたらいいか。
それは、石塚左玄の「食養道歌」を参考にするとよくわかります。
 
そもそも食養を始めて唱えたのは、石塚左玄という人です。
明治時代陸軍で薬剤監となった後、栄養学がまだ学問として確立されていない時代に、食事に陰陽を取り入れ心身の調子を整え、病気を治す医食同源としての食養を提唱しました。
「食育」という言葉をはじめて使ったのも、石塚左玄です。
 
その石塚左舷が作った「食養道歌」の中に、こんな言葉があります。
 
「春苦味、夏は酢の物、秋辛味、冬は油と合点して食え」
 
春は苦味というのは、春には苦いものを食べなさいということです。
春は富山の薬売りが「熊の胆」という苦い薬を売る時期です。
ものすごく苦いけれど、病気の人が飲むとよく効く。
そんな味を食べる季節だということですね。
春は山菜の苦味を味わうにもいい季節です。
 
夏には酢の物を食べなさい、と左玄はいいます。
暑いときには肝臓の陽性がさらに強くなる、だから院生の酢の物で調和を取るわけです。
しかし、夏の酢の物には、キュウリなど陰性のものが入っているので、陰性になり過ぎないように注意してください。
 
秋になると季節が陰性になり、肺を病んでいる陰性の人は、よけいにひどくなってしまいます。
そこで、陰性のカラシやワサビの辛さではなく、陽性の料理に塩気を効かせたものを食べなさいというわけです。
 
そして、からだを動かさず、からだが陰性になりがちな冬は、陽性に強い油を使った料理を食べなさいということ。
「油断大敵」という言葉があります、油を断ったらいけない、とも教えているのです。
 
季節の自然の中で、ふさわしい味を食べることが大切。
食べ物の味には「酸っぱい、甘い、辛い、塩辛い」があるじゃないですか。
左玄はそれを陰陽五行説に当てはめ、季節ごとの食べ分けを教えていたのです。
 
 
 
●調味料はとにかく良いものを使う
 
調味料を選ぶときは、よいものに注目してほしい。
昔ながらの伝統的な天然醸造を見直してください。
値段の安さで選ばないように。
きちんと天然醸造すれば、時間も手間もかかるのだから。
即製したものは、コクなんかあるわけがないから、アミノ酸だのなんだの添加物でごまかすんだよ。
毎日口にするものなのに、それではダメ。
体によくないし、味だっておいしくない。
 
私の料理は、調味料といってもしょうゆ、みそ、酒、みりん、ゴマ油や菜種油くらい。
数が多くないのだから、いいものをそろえておいしく食べてほしいですね。
 
 しょうょうゆ 
しょうゆは日本料理の味つけの要になる調味料。
蒸した大豆といって砕いた小麦を混ぜ合わせてもろみを作り、それを樽に仕込んで1年近く毎日かき混ぜて発酵醸造させて作ります、
十分に発酵したものほど、まろやかでコクがあり、おいしい。
 
各地方ですばらしい醤油を作っているところがありますから、「国産の原材料」「即製でない」ことを確かめて購入してください。
 
できたら、濃口、薄口のしょうゆをそろえてください。
2種類を混ぜて使うと、料理に深みが出ますよ。
 
 みそ 
みそもまた、私の料理では、とても重要な調味料です。
 
みその原料の大豆は体を冷やす要素を持っているけれど、
米麹と自然塩を加えて1年、2年、3年と寝かせると大豆がアミノ酸に分解されて、からだを温める性質に転化するのです。
最初の1年ではダメなの。
2年以上のものは食薬として基礎体温を上げたり、浄血・造血する作用もあります。
3年ぐらい寝かせると、ますます陽性になってくる。
 
だから、私は毎年自分でみそを作り、かめに入れて長く保存しています。
みそは2種類以上混ぜるとおいしくなるので、3年たったみそと2年たったみそを合わせたりして使っています。
 
みそ汁は毎日飲むけれど、それ以外にも料理に積極的に使ってください。
みそ炒めとか、みそ田楽とか。体温が上がるから、低体温の女性にもぴったりです。
 
 酒・みりん・酢 
酒やみりんも、添加物がたくさん入った「酒風」「みりん風味」のものが横行しています。あんなのはダメ。
酒は、昔ながらの伝統を守っている天然アミノ酸の純米酒を、みりんは国産の有機栽培、熟成されたものを使いましょう。
 
酢は、溶血性食品なので、血液を溶かし、貧血の原因になります。
使うときはさっと火を入れましょう。
梅干しを作るときに出る梅酢は、クエン酸がからだにいいので、酢の代用として薄めて使います。
 
 ゴマ油・菜種油 
油も国産のゴマ油と菜種湯を使っています。
ゴマ油は、娘の畑でとれたゴマを搾ってもらい、缶に入れて大事に使っています。
上等な油を使うと、炒めものの味が引き立ちますよ。
 
 
 
●塩味はきちんと感じるぐらい使ってよい
 
世の中、とかく減塩、減塩って言うけれど、塩を少なくしすぎると、貧血、低体温、便秘症の人が増えてきます。
 
そもそも、塩は人間が生きていくうえで不可欠なもの。
なのに、どうして目の敵にされるのか・・・・・・?
答えは肉食にあります。
 
肉はナトリウムのかたまりで、塩もまた、ナトリウムでできています。
ナトリウムは血液濃度を上げる作用がとても強いので、肉を食べたからだに塩が加わると、炎症を起こしてトラブルになりやすいんです。
 
でも、一汁一菜で、肉はめったに食べないという人なら、減塩なんて考える必要はありません。
自分がちょうどいいと思う塩加減で、気にせず食べてほしいと思います。
 
日本には「塩梅」という言葉がありますね。
「からだの塩気はどう? 足りている?」というのが、健康かどうかを聞くことばになっています。
また「手塩にかけて育てた」なんて言い方もします。
手の上の塩を、ちょうどいいぐらい与えて育てるのが、いい子育てってわけです。
 
ただし、精製されtものはやめましょう。
 
天然の塩には塩素・ナトリウム・カルシウム・マグネシウム・マンガン・ニッケルといったミネラルが含まれています。
でも精製された塩や食塩と呼ばれるものは、塩化ナトリウムが99%を占める化学物質です。
天然の塩とぜんぜん成分がちがう、あれは塩ではありません。
 
天然の塩を選び、臨機応変に「適塩」を決めてちょうだいな。
 
 
 
●精製された砂糖は使わず、米飴、みりんで
 
最初にいっておくけれど、白砂糖は化学物質よ。
なるべく食べないでほしい。
 
白砂糖は、サトウキビを搾り、石灰や炭酸ガスで汚れを沈殿させ、不純物を取り除いてから精製して作ります。
石灰や炭酸ガスは製造過程で取り除かれるといってもいやですね。
精製するとサトウキビに含まれていたミネラルやビタミンはほとんど失われてしまうので、白砂糖は化学薬品みたいなものなのですよ。
 
消化吸収がやたらに早いので、血糖値が急激に上がってしまい、それを下げようとしてインスリンが過剰に分泌され、逆に血糖値が下がりすぎて低血糖になる。
低血糖が続くと、今度は血糖値を上昇させようとしてアドレナリンが分泌される。
出すぎると脳が正常な判断ができなくなり、イライラしたりキレやすくなったりする。
眠れなくなる人もいるんですよ。
いいことないんだから。
 
そのうえ、白砂糖は酸性食品なので、大量に摂ると体内のアルカリを総合印して中和しようとするために、体の中にあるミネラル分、特にカルシウムが失われる。
砂糖にカルシウムはほとんど含まれていないので、中和に必要なカルシウムは体の骨や歯から溶かして供給されるといわれている。
虫歯や骨粗しょう症の原因にもなるよね。
 
私は「砂糖をなくすだけで、病気の半分以上は改善される」と講演会や料理教室でくり返し言っているんです。
だから、私は料理には砂糖は使わない。
米飴かみりんで味をつけます。
 
もし、砂糖がどうしても必要なら、精製していない糖蜜、キビサトウ、てんさい等、メイプルシュガーなど、カルシウムやミネラルが含まれた糖質を少量使ってちょうだい。
黒砂糖もいいけど、カチカチに固めてあるのは石灰が入っているからダメ。
 
あ、人工甘味料はもっとダメだからね。
とにかく化学製品をからだに取り込むのは、ホント、やめてほしい。
 
 
 
●道具は土鍋と鉄のフライパンがベスト
 
料理をするなら、調理器具のことも言っておかないと。
 
私は、ごはんを炊くのも煮物を作るのも、土鍋を使う。
なぜなら、料理がぐーんとおいしくなるから。
 
土鍋は火と水と土で作られた自然のもの。
熱伝導の速い金属製の鍋にくらべてゆっくりと火が回り、素材本来のうまみや甘味が引き出されます。
土鍋でごはんを炊くと、遠赤外線の効果でじんわりと火が通り、ふっくらする。
適度に水分が抜けるのもいいんだよね。
消化吸収がよくなって、造血力も高まります。
だから、玄米でも何でも、私は土鍋で炊くように言っているの。
 
玄米なら圧力鍋、という人があるけれど、それはぜんぜんダメ!
高温高圧で、食べ物の大事な栄養素を破壊してしまいます。
消化吸収も悪く、いい血液ができませんから、病気も治りにくいです。
大体短時間で調理しようというのが間違っている。
コトコト煮るほうが、何でもおいしくなるんだから。
 
また、鍋もアルミやテフロン加工のものは、やめてちょうだい。
鍋の内側が傷つくと、有害物質が溶け出て料理といっしょに口からからだに入れる恐れがある。
重金属は脳と骨と腎臓にたまりやすいというから、要注意ですよ!
 
それより、昔ながらの鉄鍋を使ってほしい。
重くて扱いづらいかも知れないけれど、調理家庭で溶け出した鉄を摂取できるから、昔から貧血や低血圧の女性にはもってこいといわれた鍋なんです。
 
ただ土鍋にしても、鉄鍋・フライパンにしても、安物はダメよ。
土鍋は安いものだと、変な金属が入っていたりするんだから、こわいよ!
絶対にそういうのは使わないで!
 
 
 
●電気調理器と電子レンジもクセ者
 
日本の伝統食文化を継承しようという私にとって、電子レンジはまったく必要のないもの。
電子レンジは食べ物の温度を上げる過程で、マイクロ波が食べ物の分子を引き裂き、組織自体を変質させるといわれているの。
食品によっては栄養分が損なわれるだけですむけれど、発ガン物質に変えてしまうこともあるといわれているから恐ろしい。
 
電磁調理器、IHっていうの? あれはもっといや。
電磁波は、小児白血病やガンの発生率を高めるといわれています。
だから、特に妊婦には使ってほしくない。
料理教室の場で、IHを使っている場合にはお断りすることにしています。
カセットコンロを用意してくれればいいんだけれど。
 
食べ物をおいしく、養生に役立てようとするのに、溶け出したもので病気になったら元も子もない。
命あってのものだからね!
 
 
 
●平ザル、すり鉢、ゴマ煎り器。昔の道具を見直す
 
今は便利な調理器具がたくさんあるけれど、昔ながらの道具のよさを知って、ちゃんと使ってほしいんです。
 
平らな丸いザルは、収穫してきた野草や野菜を乾燥させるときに使う。
梅干しを干すときにも使うし、葉っぱをしいて料理を盛ってもいいから、一つは持っておくといいですよ。
 
ゴマは煎りゴマを買うのではなく、ちゃんと家で煎って、擦って使ってほしいから、ゴマ煎り器やすり鉢、すりこぎは持っていてください。
すり鉢は湿気やすいから、よく乾かすこと。
 
 
 
●なぜパンより米なのか?
 
私の一汁一菜では、ご飯を食べることをおすすめします。
ご飯を食べないと力が出ない。
パンでは不足だと思うんです。
 
パンの原料になる小麦はものすごい陽性なのに、粉末にするときに、強烈な陰性のエネルギーで粉砕するんですよ。
それがよくない。
粉砕するときに、小麦の持っているエネルギーがなくなります。
それに、パンはシステインというアミノ酸を入れて焼くでしょう。
こればかり食べているのはよくない。
 
さらに、パンには添加物もいろいろ入っているし、油脂も入っていてカロリーも高い。
メロンパンなんて、あっさりしてそうに見えるけれど、400キロカロリーもあるんでしょ。
こわいねー。
ふわふわっと食べて物足りないのに、脂肪だけはつく。
 
ただ、子どもはすごい陽性体質なので、陰性の食べ物でバランスをとって、おおきく成長していかなければならない。
だから、子どもがパンやうどんを食べるのは悪いとはいえません。
 
でも、食べるなら、材料のいいパンを食べてください。
ふくらます酵母も、天然酵母がいい。
でも、それにしてもふくらますことに変わりはないので、陰性の食べ物だということはわかっておいてください。
 
パンを食べるときは、米や雑穀の入ったスープなどで調和をとるべきでしょう。
陰陽を上手に組み合わせることで食養が成立します。
 
 
 
●土鍋でふっくらおいしいごはんを炊いてみよう
 
ごはんを炊くのに、一番のおすすめは、土鍋。
ひとつ持っておいて、できれば鍋用の浅いものではなく、炊飯用の深さがあるものがいいですね。
圧力鍋は栄養を破壊してしまうから、すすめません。
 
 玄米を炊く 
@ きちんとはかる
米は計量カップできちんとはかる。
指でまっすぐすり切りに。
今わ家族が少ないから、「お米は1合しか炊かない」という人もいるけれど、それじゃおいしく炊けないよ。
最低でも2合は炊いてほしい。
A 米をとぐ
   昔の米は表面の汚れをきれいにするために、ギュッギュッと押しつけるように洗ったり、強い力で回転させたりしていたけれど、今の米はきれい。
特に、玄米は軽く洗えばよい。
2〜3回水は替えるけれど、澄むまで替える、なんてことはしなくてもよい。
B 倍量の水で浸水
   土鍋に洗った玄米を入れ、2倍量の水を注いで6〜10時間浸水する。
たっぷり浸水することで、ふっくらやわらかくなる。
夏は水につけたまま米を放置すると傷むので、ボウルなどに入れて冷蔵庫に入れておくといい。
C 火にかける
   Bの水をザルでよく切ってから、あらたに水を加える。
新米なら1.5倍、通常なら1.7〜1.8倍が目安。
固さは家族のお好みで。
炊く直前に塩を入れる。1合につきひとつまみが目安。
塩を入れるのは陰陽のバランスをよくするため。
フタをして中火にかける。
沸騰するまで2合なら10分、3合なら15分が目安。
この時間が短いと甘味が出ないのでじっくり待つこと。
フタをしてさらに弱火〜中火で約10〜15分。
その後ホタル火にして約45〜50分炊く。
 
 雑穀の炊き方 
アワヤヒエ1カップの場合
@ 水が濁らなくなるぐらいまできれいに洗う。
A 1.5〜1.8倍の水に浸し、2〜3時間つけておく。
B 鍋に1.5カップの水を入れて沸騰させてから、Aの水を切った雑穀を入れる。
C 塩をひとつまみ入れそのまま木べらでかき回し、水分がなくなったら弱火にしてフタをする。
D とろ火にし、木栓をして15〜20分炊いて火を止める。
5分ほど蒸らしてからフタをとり、木べらでざっくり混ぜる。
E 火を止めたら土鍋のフタを開けて、穴がいくつかあいている様子が、おいしさの証拠(カニ穴があくと言う)。
   10〜15分蒸らす。
   このとき、土鍋の穴を木の栓でふさいでおくといい。
   その後、しゃもじでふんわりと混ぜてから茶わんにごはんをよそう。
 
 分つき米を炊く 
 玄米が苦手な人は、分づき米を食べましょう。
収穫した米から籾殻だけ取り除いたのが玄米、胚芽の部分を少し残して精米したのが分づき米です。
胚芽には、たくさんの栄養分が含まれています。
同時に、精米することで消化がよく、食べやすくなります。
3分づき米、5分づき米、7分づき米などがあります。
玄米とは浸水時間や水の量などが違います。
 
@ お米をていねいに洗い、2時間ほど水に浸す。
A 塩を米1合につきひとつまみ入れ、5分づきなら1.5倍程度の水を加え、フタをして15〜20分で沸騰したら弱火にし、フタの穴に木栓をして約20分。
水分がなくなったら火を止め、10分ぐらい蒸らす。
 
 
 
●昆布だしをとって料理に使おう
 
動物性のものを使わない陰陽ライフでは、だしもカツオ節ではなく、昆布でとります。
だしをとるといっても、土鍋の中に土鍋の中に昆布を放り込んでしばらく置き、加熱するだけですから、簡単ですよ。
火にかけたら沸騰寸前に昆布を取り出してちょうだい。
グラグラ炊くとまずくなる。
 
干しシイタケでもだしをとります。
私はそのまま鍋で煮立ててしまいます。
水につけて戻すと香りが悪くなるから注意してね。
このだしは陰性なので、昆布だしといっしょに使うことをおすすめします。
 
うどんやそばのだし、五目ごはん、煮物などは昆布と干しシイタケを合わせます。
 
また、タマネギを炒めるといいだしが出るので、カレーやコロッケなどには、タマネギをみじん切りにしてゴマ油などで炒めたものを大いに使ってほしいね。