■ 野菜・果物と健康 (157)
 
若杉友子の
「一汁一菜」
病気知らずの
食養生活法
若杉友子 著  主婦と生活社
その3
 
 
第3章 献立はそのまま真似してええよ
 
毎日飽きずに手軽に、
一汁一菜を続けるために、
献立を考えてみました。
旬の食材の持つ
からだへの効き目も
覚えながら作ってください。
 
■ 1部 元気が出るおすすめ献立3
 
 野菜と主食、ダブル主食の一汁一菜 
 
 大根ステーキ 
焼いて照りをつけた大根は、おいしい!
大根料理は消化を促すので、胃腸の調子を整えてくれるし、ガンの予防にもなるといわれています。
ユズの皮は風邪予防に。
 
材 料
大根・・・厚さ2cmの輪切り4〜8枚分(500g分程度)  ゴマ油・・・適量
しょうゆ・・・・大さじ1.5  酒・煮切りみりん・・・計大さじ1.5  ユズの皮・・・適量
 
作り方
@ 大根は2cmほどの輪切りにし、ゆでるか蒸して十文字の切れ目を入れる。
A フライパンにゴマ油を熱し、大根を入れ、焦げ目がつくまでゆっくり両面を焼く。
   しょうゆ、酒、煮切りみりんを入れて照りをつける。
   ユズの皮のせん切りを散らす。
 
 かやくごはん 
陽性のゴボウやニンジンを入れて炊き込むと、体の調子を整える。
ヒジキは血液をアルカリ性にするし、浄血作用もある。
薬にならから「加薬ごはん」というんだよ。
 
材 料
〈具〉油揚げ・・・1/2枚(粗みじん切り)  ごぼう・・・50g(ささがき)
ニンジン・・・30g(千切り)  ヒジキ(乾燥)・・・7g
干しシイタケ・・・2枚(水で戻して薄切り)
*あればツクシ、フキノトウ、フキなどの野草を入れる。
ゴマ油・・・・大さじ1/2
〈A〉干しシイタケの戻し汁・・・大さじ2  酒・煮切りみりん・・・各大さじ1
しょうゆ・・・大さじ1
3分づきの米・・・2合
〈B〉酒・・・大さじ1  塩・・・大さじ1/2  しょうゆ・・・小さじ1
昆布だし・・・500cc弱
 
作り方
@ 米を洗い、土鍋に昆布だしといっしょに入れ、2時間ほど浸水する。
A @で浸水している間に中華鍋かフライパンにゴマ油を敷き、油揚げを炒めゴボウを炒めてしんなりしたらニンジン、ヒジキ、干しシイタケを入れて右回転でかき混ぜる。
   〈A〉を混ぜて、汁がなくなるまで炒める。
B @の鍋に〈B〉を入れ、鍋を強火にかけ、一度沸騰してからは弱火にして炊く。
   土鍋の蒸気穴には木栓をする。
   米の表面に水分がなくなり、7割ぐらい火が通ったらAの具を入れる。
炊きあがったら火を止めて蒸らす。
C 10分ほどしたら全部をかき混ぜる。
 
 ワカメのみそ汁 
海藻はからだを浄化してくれるから、どんどん摂ってください。
ワカメには野草も合うから、もし野草が手に入ったら、ゆでてアク抜きしたのを絞って入れるといい。
 
材 料
昆布だし・・・700cc  塩蔵ワカメ・・・15g  ネギ・・・・適量  みそ・・・大さじ4
 
作り方
@ 塩蔵ワカメはたっぷりの水で塩抜きし、洗い流して食べやすい大きさに切る。
   野草を入れるなら下処理をする。
A 昆布だしを加熱して@に入れ、こしたみそを入れる。
   小口切りしたネギを散らす。
 
 
 
 
 雑穀でからだがあたたまる一汁一菜 
 
 タカキビのハンバーグ 
タカキビはあらかじめ炊いて使います。
山いもや小麦粉、パン粉をつなぎにしてハンバーグのようにまとめる。
焼くときにはあまりさわらないで、そっとひっくり返して。
 
材 料 (小8個分)
タカキビ・・・150g  タマネギ・・・小1個  山芋・・・70g  小麦粉・・・大さじ2
パン粉・・・・大さじ2  塩・コショウ・・・各少々  ゴマ油か菜種油・・・大さじ1
ソース・・・お好みで
 
作り方
@ タカキビは一晩水につけ、水を切ったら1.5〜2倍の水を加え、土鍋でじっくり炊いておく。
A たまねぎはみじん切りにしてさっと油で炒めて塩・コショウする。
   山芋はすりおろす。
   @と混ぜて小麦粉、パン粉を入れて丸めやすいかたさに調節したら8個にわけ、ハンバーグ形に丸める。
B フライパンに油を敷き、Aを両側こんがり焼いてお好みのソースをかけて食べる。
 
 なっぱと油揚げのみそ汁 
陽性のゴボウやニンジンを入れて炊き込むと、体の調子を整える。
ヒジキは血液をアルカリ性にするし、浄血作用もある。
薬にならから「加薬ごはん」というんだよ。
 
材 料
昆布だし・・・700cc  季節の菜っ葉・・・適量  油揚げ・・・1/2枚
ゴマ油・・・大さじ1/2  みそ・・・大さじ4
 
作り方
@ 鍋のゴマ油を熱し、千切りにした油揚げを炒め、昆布だしを注いで沸騰させる。
A 菜っ葉はアク抜きが必要なものは下処理をしてから、刻んで@に入れる。
B みそを溶き入れる。
 
 ごはん 
雑穀を入れた分つき舞や、玄米
*常備菜があると、ごはんがすすむ。
時間があるときに酢漬けや佃煮を作っておくといいですね。
私はぬか漬け、梅干し、ミョウガの酢漬けのほか、アカザの実やシソの実がたくさんとれると、佃煮を作る。
だしをとったあとの昆布も刻んで佃煮にするといいよ。
 
タカキビはひき肉がわりに使える!
 タカキビは、「もろこし」と呼ばれて、古くから栽培されてきた雑穀。
 肉のような色とプチプチした食感で、ひき肉がわりにハンバーグやミートソースにも使っていい。
赤ワインと同じポリフェノールやミネラル、食物繊維が含まれていて、風邪予防や便秘、肌荒れにいいといわれています。
 
雑穀は、食べるとからだがあたたまるから、冷え性の人はぜひ食べてほしい。
妊婦さんにもすすめています。
血を造ってくれ、毒素を排出するものも多いから、日頃からとるように努めるといい。
 
体温が低い人は、免疫力も代謝力も低く、元気も出ないとよくいわれるからね。
女性は子宮を元気にするためにも、体温を上げて元気で生活してほしいよね。
 
 
 
 ボリュウム汁の一汁一菜 
 
 れんこん団子汁 
れんこんは風邪から来る気管支の炎症、せき、たんなどによいといわれます。
肺や心臓にもよいので、毎日の食事のぜひ取り入れてほしい。
すりおろせば、子どもやお年よりも食べやすい。
 
材 料
れんこん・・・200g  ニンジン・・・1/2本  小麦粉・くず粉・・・各大さじ1と1/2
塩・・・少々  昆布だし・・・700cc
〈A〉=酒・・・大さじ1  塩・・・小さじ1/2  しょうゆ・・・小さじ2
刻みネギ・・・少々
 
作り方
@ れんこんはすりおろして、水分60ccぐらい絞る。
水分は知るに加える。
小麦粉とくず粉を少しずつ加えて塩で調味し、スプーンですくえるほどのやわらかさにする。
ニンジンは千切りにしておく。
A 昆布とれんこんの水分を沸かし、ニンジンの千切りを入れる。
   @を12個に丸めて、沸騰した中にすべり落とす。
B Aが浮いてきたら、汁を〈A〉で調味し、仕上げに香りとして刻みネギを散らす。
 
 カボチャサラダ 
カボチャは血行をよくするし、肌荒れにも冷えにも効果があって、免疫力も高めてくれる。
たくさん使ってほしい食材だね。
土鍋で蒸すと甘味が出るからぜひ試して。
 
材 料
カボチャ・・・・1/4個  塩・・・適量  タマネギ・・・中1/2個  キュウリ・・・1本
豆乳マヨネーズ・・・適量  塩・コショウ・・・適量
あればカボスのしぼり汁、なければ梅酢の薄めたもの・・・適量
 
作り方
@ カボチャは薄くスライスして土鍋に入れ、塩をもみ込んで少量の水を注ぎ、フタをしてやわらかくなるまで蒸す。
   皮はかたいものは取り除く。
A タマネギはスライスして、多めの塩で塩もみしておく。
   汁は陰性なのでしっかり絞って捨てる。
   キュウリも輪切りにしてしっかり水を絞る。
B @にAを混ぜ、豆乳マヨネーズ、塩・コショウで味をととのえる。
   カボスのしぼり汁か、梅酢を同量の水で薄めたものを加えてさらに味をととのえる。
 
 ごはん 
分づき米や、キビを混ぜたごはんでもよい。
 
 
 
 おやつ 
 
   おやつには市販の甘い菓子や、手作りでも砂糖やバターいっぱいのものはすすめない。
ホックリと蒸したカボチャや塩で炊いた小豆、イモ団子などをおやつにしてほしいよね。
とくに白砂糖は血管を弱くして血を壊し、冷えも起こすから注意して。
 
 赤ジソジュースの寒天ゼリー 
夏に作る赤ジソジュースを寒天で固めたデザート。
さっぱりしているので、おやつのほか、食後のデザートにもぴったり。
赤ジソジュースは、自然食品店などでも売っているよ。
 
材 料(作りやすい分量)
赤ジソジュース・・・500〜600cc  寒天・・・1本
 
作り方
@ 寒天を水に浸し、やわかかくなったら絞って小さくちぎる。
A 赤ジソジュースと寒天を鍋に入れ、火にかけて
寒天の形がなくなるまで煮溶かす。
B 容器に入れ、粗熱が取れたら冷臓器で冷やし、固める。
   フォークなどでクラッシュして器に盛ってもよい。
 
 
 
 
■ 2部 調理法別 一汁一菜献立の工夫8
 
 
 炒めもの献立 
 
 ゴーヤの炒めもの 
ゴーヤは心臓と肝臓のクスリ。
あの独特の苦味がからだにいい。
味つけの調味料は、それぞれになじんでから次を入れると味がしみ込んでおいしくなります。
陰性の豆腐もよく炒めてね。
 
材 料
ゴーヤ・・・一本  油揚げ・・・1枚  豆腐・・・1/4丁  ゴマ油・・・大さじ・・・1/2
塩・・・適量  酒・・・大さじ1  みりん・・・小さじ1  しょうゆ・・・大さじ1
 
作り方
@ ゴーヤは縦半分に切り、中のワタをとり少し斜めにした5mmぐらいの輪切りに。
油揚げは熱湯をかけて油抜きし、袋状になっているものを開き拍子切りする。
豆腐はふきんにくるみ、上に少し重いものをおいて水切りする。
A カンカンに熱した鉄のフライパンにゴマ油ウィ引き、、油揚げを入れて右回転で炒め、ゴーヤを入れて炒めたら塩をして右回転で軽く混ぜる。
   豆腐を崩しながら入れる
B 酒、しょうゆ、みりんの順に味をつけるが、それぞれに味がなじんでから入れる。
   仕上げに塩で味をととのえて出来上がり。
 
 青菜とフノリのみそ汁 
材 料
昆布だし・・・・700cc  青菜・・・適量  みそ・・・大さじ4
フノリ・・・ふたつまみ
 
作り方
昆布だしを鍋で温め、青菜を入れる。
青菜は下処理が必要なものはしてからいれる。
椀に盛ってからフノリを入れる。
 
 ごはん 
玄米、分づき米、雑穀米をお好みで。
 
 
私は炒めものに肉やベーコンなんかの加工品は一切使わない。
野菜といっしょに油揚げを炒めることが多いですね。
豆腐は極陰だけれど、油揚げは中庸だから、体調も乱れにくい。
炒めるときは鉄鍋か、土鍋で。
高温でも大丈夫な土鍋をひとつ持っていれば、炒めものにも使えます。
調理器具は一生使うものだからね。
そこそこいいものを使わないと。
 
あとはごはんとみそ汁。
漬物や佃煮などの常備菜があれば十分。
 
みそ汁の具は残りものの野菜でいいの。
それにフノリをそのまま入れる。
階層は陰陽の表でいうとやや陰性だけど、体にいいものがたくさんあります。
フノリは昔は虫下しの薬にもしていたくらいだから。
からだを浄化させる作用があるんです。
 
 
 
 煮もの献立 
 
 ヒジキとレンコンの煮もの 
カルシウムとミネラルたっぷりのヒジキを、風邪の手当てに役立つレンコンとともに煮ました。
生命力をアップさせ、貧血の予防にも役立ちます。
多めの作って煮返して食べて。
 
材 料
乾燥ヒジキ・・・50g  レンコン・・・中1節  ゴマ油・・・大さじ1
塩・・・ひとつまみ  ヒジキの戻し汁・・・適量  酒・・・大さじ1
みりん・・・大さじ2  しょうゆ・・・大さじ2
 
作り方
@ 乾燥ヒジキはボールに水を張って5本の指で洗って塩分を出し、新しい水につけて少し硬めに戻す。
レンコンは一口大の薄切りにする。
A 土鍋か鍋を温めて、なべ底があたたまったらゴマ油すを回しいれ、レンコンとひじき、塩を入れて右回転で手早く混ぜ炒める。
   ヒジキの戻し汁をひたひたに加え、蓋をして弱火で煮る。
B 水分が少し残っているところで弱火にし、酒、みりんを入れ、しょうゆを回しかけてさらに煮る。
   汁が少し残っている状態で火を止める。
 
 サトイモとネギのみそ汁 
材 料
昆布だし・・・・700cc  サトイモ・・・4個  太ネギ・・・1本弱
みそ・・・大さじ4
 
作り方
@ サトイモは泥を落とし、皮を包丁の背でそぎとり、一口大に切って手塩する。
   太ネギは1cmの厚さに切る。
A 昆布だしにサトイモを加え、ニッたったらネギを加えてひとにたちさせ、水で溶いた味噌を加えてすぐに火を止める
 
*サトイモのぬめりでみそが溶けにくいので、あらかじめ水で溶いて加えること。
  サトイモはからだの毒素を出す働きがあり、寒い季節に最適。
 
 ごはん 
玄米、分づき米、雑穀米をお好みで。
 
 
煮物は和食の基本。
伝統的な日本の食事で食養をしようと思うなら、作り方は知っておかないと。
いろいろな煮物はあるけれど、まずは乾物を使った、だれにでもおいしいこの煮物を覚えてよ。
 
煮ものはだしがないとダメ、と思っている人は多いと思うけど、乾物を使うと、その戻し汁がいい味になって、昆布だしがわりになります。
ヒジキや切り干し大根にはカルシウムや食物繊維もたくさんあるし、子どもからお年寄りまでぜひ食べてほしい。
 
この煮ものは、多めに作って常備菜のようにして食べてよ。
アツアツのご飯に混ぜて、ヒジキごはんにしてもいいしね。
具はレンコンのほかにニンジンやゴボウを入れたり、あるものでいろいろアレンジしてください。
 
 
 
 揚げもの献立 
 
 レンコン団子揚げ 
ニンジンタマネギを入れたレンコン団子を揚げました。
あんかけは片栗粉ではなく、くず粉を使ってください。
多くの片栗粉はジャガイモのでんぷんだから、陰性です。
 
材 料
レンコン・・・150〜200g  ニンジン・・・1/2本  タマネギ・・・中1/2個
塩・コショウ・・・各適量  ゴマ油・・・小さじ1/2  小麦粉・くず粉・・・各適量
揚げ油・・・適量  昆布だし・・・適量  酒・煮切りみりん・・・各小さじ1
しょうゆ・・・大さじ1  ショウガの千切り・・・少々
 
作り方
@ ニンジンとタマネギをごく細かいみじん切りにする。
レンコンはすりおろして汁を60ccくらい絞り、汁もとっておく。
A 中華なべかフライパンにゴマ油を入れ、ニンジンとタマネギを炒め、しんなりしたら塩・コショウで味をととのえる。
B すりおろしたレンコンにAを混ぜ、小麦粉とくず粉を少しずつ加えて丸められるかたさにし、直径2cmぐらいのボール状にする。
   周囲にも粉をたっぷりまぶす。
C 鍋に揚げ油を入れ、中火日Bをこんがりときつね色になるまで揚げる。
D たれを作る。
鍋に@のレンコンのしぼり汁とだしを合わせて火のかける
160ccくらいが目安。
酒、煮切りみりん、しょうゆで煮もの風の味をつけ、くず粉を同量の水で溶いたものを加えてとろみをつける。
これを器に盛ったものの上に全体に回しかけ、しょうがの千切りを添える。
 
 みそ玉のみそ汁 
鍋を出さずに出来上がる、簡単なみそ汁。
みそ玉は、あらかじめ作って保存しておけば、忙しいときに助かるよ。
あとは乾物と合わせて熱湯を注ぐだけでいいからね。
 
材 料
みそ玉・・・適量
 
作り方
みそを大さじ1の分量ずつ丸め、ガス火でこんがりと焼き、保存しておく。
これを1個取り出し、ほぐしてお椀に入れ、乾燥わかめやフノリ、ネギの刻んだも
のなどを入れて熱湯を注ぐだけ。
インスタントだけど、自家製で、安心できる。
 
 ごはん 
玄米、分づき米、雑穀米をお好みで。
 
 
揚げものといえば、天ぷらやフライがおなじみだけれど、レンコンをすりおろして油で揚げ、あんかけにすると、これがおいしい。
お年寄りや子どもにも喜ばれ、家族全員で味わえます。
ボリュームがあるから、あとは簡単な汁とごはんですむ。
 
レンコンは、胃腸の粘膜や皮膚を守り、せき止めの効果があります。
陽性の素材だから、体の調子が悪く、風邪気味で冷えているときなどにも食べてもらいたい。
主菜としてだけでなく、汁に入れるのもおすすめです。
 
また、忙しいときは、だしをとらない簡単な汁を添えてすませてもいい。
豆みそをみそ玉にしておけば、あっという間にみそ玉ができるよ。
食事作りは毎日のことだから、ラクする方法も知っておいてくださいね。
 
 
 
 あえもの献立 
 
 コマツナのゴマあえ 
ホウレンソウを使う人がよくいるけれど、ホウレンソウはシュウ酸があり、からだによくないから私は使いません。
コマツナはアクもないから、さっとゆでるだけで大丈夫。
 
材 料
コマツナ・・・300g  ゴマ・・・30g  しょうゆ・・・大さじ1と1/2
煮切りみりん・・・大さじ1/2
 
作り方
@ コマツナは大鍋でさっとゆでて水にとり、根をとり、よく絞って4〜5cmに切る。
A ゴマをすり鉢で香りや油が出るぐらいまでよくすり、しょうゆと煮切りみりんを加える。
   @を手早くあえて器に盛る。
 
 ワカメと青菜のみそ汁 
 
材 料
昆布だし・・・700cc  塩蔵ワカメ・・・15g  ネギ・野草など・・・適量
みそ・・・大さじ4
 
作り方
@ 塩蔵わかめはたっぷりの水で塩抜きし、洗い流してから食べやすい大きさに切る。
   野草を入れるなら下処理をする。
A 昆布だしを加熱して@を入れ、こしたみそを入れる。
 
 むかごごはん 
「ムカゴ」とはジネンジョや山芋が子孫を効率的にふやし残す目的で、つるの途中(葉の付け根)にたくさんつくる5〜10mm程度の小さなイモのこと
これが手に入ったら、土鍋ごはんに炊き込むと、懐かしい味がするんです。
 
材 料
むかご・・・100g  五分づき米・・・2合  昆布だし・・・500cc程度
塩・・・小さじ1/2  酒・・・大さじ1
 
作り方
@ 米は2時間程度浸水する。
   むかごは土鍋でゆで(塩は分量が意)にし、水気を切っておく。
A 土鍋に米、昆布だし、塩、酒を入れて炊く。
   ごはんがグラグラ沸いてきたら@のむかごを入れ、右回転で回しながら炊き上げ、よく蒸す。
 
 
野草を使って料理をすることが多いので、私は野草のあえものをよくします。
都会でも公園やら空き地などにも生えているから、本当は野草で作ってほしいところだけれど、見分け方がわからない人が適当に摘んで食べるとたいへんなことになるからね。
今日はコマツナのゴマ和えをします。
ゴマはいいものを使ってね。
うちでは娘が作っているゴマを使っています。
国産のちゃんとしたゴマを煎って、すり鉢でよくすって使うと、香りがちがうよ。
 
あえものは、先に作ったらダメ。
水分が出てべちゃベチャになっちゃう。
ごはんも炊けたし汁もできたし、ごはんを盛ろうかってときにあえるんです。
そして、あえたらさっと器に盛りつけてください。
新鮮なゴマの香りが消えないうちに食べて。
 
 
 
 酢のもの献立 
 
 ニラと山芋の酢みそあえ 
さまざまな種類があって、1年中出回る。
旬は冬から春です。
胃腸を温めて、血液を造って血液循環をよくしてくれ、腎臓にもいいとか。
 
材 料
ニラ・・・1束  山芋・・・300g  ゴマ・・・大さじ2  みそ・・・大さじ3
煮切りみりん・・・大さじ2  梅酢・・・大さじ1(同量の水で薄めて使う)
からし・・・少々  昆布だし・・・大さじ1〜2
 
作り方
@ 山芋は皮をむき、縦半分に切って軽くゆでる。
軽くスライスして千切りにする。
ニラはさっとゆでて水のとり、絞って3cmくらいに切る。
A ゴマをすり鉢ですり、みそ、煮きりみりん、梅酢を入れ、食べる直前にからしを加えて@を盛った器の上に適量かける。
 
 
 根菜のみそ汁 
 
材 料
〈A〉=ニンジン・・・50g  レンコン・・・50g  大根・・・150g  ゴボウ・・・50g
油揚げ・・・1/2枚  長ネギ・・・1/2本  ゴマ油・・・大さじ1/2
昆布だし・・・700cc  みそ・・・大さじ4
 
作り方
@ 〈A〉をたべやすいおおきさにきる
   油揚げは短冊に切り、長ネギは小口切りにする。
A 鍋にゴマ油を引いて油揚げを炒め、〈A〉を加えてさらに炒める。
〈A〉がやわらかくなるまで煮込む。
B みそを昆布だし少々で溶いておく。
これをAに加え、器に盛ってから長ネギを散らす。
 
 ごはん 
玄米、分づき米、雑穀米をお好みで。
 
 
酢の物は食欲がないときや暑い季節にはありがたいものですが、普通の食酢はすすめられません。
食酢はアルカリ性で、体にいい、と信じている人は多いですが、陰陽で見ると極陰で溶血食品なので、飲めば血が溶かされて濃度が薄くなる。
貧血がひどくなり、体力が落ちることがあります。
どうしても使うなら、一度火を入れて。
とくに心臓が悪い人は、食酢を飲む健康法は厳禁です。
 
酢を使うなら、梅干しを作るときに出る梅酢を使いましょう。
これなら陽性です。
塩分が強いので、水と1:1ぐらいに薄めて使います。
この梅酢を使い、みそで味をつける酢みそなら、陽性のタレにもなるので安心できます。
季節の野菜や野草もきちんと処理してあえましょう。
 
 
 
 スパゲティ献立 
 
 ナスのしょうゆスパゲティ 
ナスはからだを冷やすから、妊婦にはよくありません。
妊婦でなくても、しょうゆでバランスをとって食べてちょうだい。
しょうゆは天然醸造のいいものを使ってね。
 
材 料 (2皿分)
スパゲティ・・・180g  ナス・・・2本  ニンニク・・・2かけ
赤トウガラシ・・・1本分(種を除いて輪切りしたもの)
煮切りみりん・・・大さじ2  梅酢・・・大さじ1(同量の水で薄めて使う)
ゴマ油・・・大さじ1  塩・・・適量  しょうゆ・・・大さじ2
 
作り方
@ 大鍋にたっぷりの湯を沸かし、塩を大さじ3杯ぐらい(分量外)入れてスパゲティをゆでる。
A その間にナスを半分に切ってから薄切りにしておく。
中華なべかフライパンにゴマ油を熱し、弱火でニンニクと赤トウガラシを炒めたら、ナスを入れて炒め、塩で味をつけます。
B ナスがしんなりしたら湯を切ったスパゲティを入れ、しょうゆを回しかけて手早く炒める。
 
 
 梅干しとろろの汁 
昔から受け継がれてきた、簡単な汁もの。
お椀に直接材料を入れてお湯を注ぐだけ。
洗いものが少なく、助かります。
梅干しは消化を促し、食欲を増進させてくれます。
種を出し、粗みじんにして使います。
 
作り方
お椀に梅干し、とろろ昆布、ねぎ、あればミツバを入れて熱湯を注ぐ。
 
 
毎日の食事はごはんを主食にするのが基本だけれど、たまには麺類を食べるのもいい。
私は本当は自分で打って食べることもあるし、パスタ料理も作ります。
パスタはしょうゆと相性がいいから、炒めてしょうゆで味つけするのものが多いですね。
 
そんなパスタ料理のときは、一汁一菜ではなくて、パスタとスープぐらいでいい。
スープも熱湯を注ぐだけの簡単なものにすれば、パスタが伸びずにおいしく食べられんです。
野草や旬の野菜は、パスタの具にぴったり、ヨモギやコゴミもよく使う。
シソはバジルと香りがよく似ているから、バジルがわりに使う人もいるよね。
今回は手に入りやすいナスで作ってみました。
ナスはからだを冷やすから、よく炒めてくださいね。
 
 
 
 スープの献立 
 
 ヒエのスープ 
ヒエは文字通り冷えに効く穀物。
からだを温め、胃腸の機能を活性化してくれます。
白ゴマペーストを入れたこのスープはコクがあり、クリーミー。
赤ちゃんやお年寄りにも向きます。
 
材 料
ヒエ・・・1/4カップ  ゴマ油・・・大さじ1/2  タマネギ・・・中1と1/2
ニンジン・・・1/4本  昆布だし・・・900cc  白ゴマペースト・・・大さじ1と1/2
塩・コショウ・薄口しょうゆ・・・各適量  あればフキノトウのみじん切り・・・適量
 
作り方
@ ヒエは一晩水に浸し、ザルに上げて水気を切っておく。
A タマネギはくし型に切り、ニンジンは一口大に切っておく。
鍋にゴマ油をひき、タマネギを炒め、@を入れる。
昆布だし、ニンジンを入れ、ときどき右回転でかき混ぜながら、とろみが出るまで、20分ぐらい煮込む。
B 白ゴマペースト・塩・コショウ・薄口しょうゆで味をととのえる。
A ゴマをすり鉢ですり、みそ、煮きりみりん、梅酢を入れ、食べる直前にからしを加えて@を盛った器の上に適量かける。
あればフキノトウのみじん切りを入れる。
 
 
 
 カボチャサラダ 
カボチャは血行をよくするし、肌荒れにも冷えにも効果があって、免疫力も高めてくれる。
たくさん使ってほしい食材だね。
土鍋で蒸すと甘味が出るからぜひ試して。
 
材 料
カボチャ・・・・1/4個  塩・・・適量  タマネギ・・・中1/2個  キュウリ・・・1本
豆乳マヨネーズ・・・適量  塩・コショウ・・・適量
あればカボスのしぼり汁、なければ梅酢の薄めたもの・・・適量
 
作り方
@ カボチャは薄くスライスして土鍋に入れ、塩をもみ込んで少量の水を注ぎ、フタをしてやわらかくなるまで蒸す。
   皮はかたいものは取り除く。
A タマネギはスライスして、多めの塩で塩もみしておく。
   汁は陰性なのでしっかり絞って捨てる。
   キュウリも輪切りにしてしっかり水を絞る。
B @にAを混ぜ、豆乳マヨネーズ、塩・コショウで味をととのえる。
   カボスのしぼり汁か、梅酢を同量の水で薄めたものを加えてさらに味をととのえる。
 
 
スープを中心にした献立では、できるだけ具沢山にし、主菜のように食べるんだよ。
特の雑穀を入れたスープはおすすめだね。
雑穀の多くは陽性で、からだを温めてくれるからです。
 
女性にはヒエを使ったスープをぜひ飲んでほしい。
体の芯から温まるからね。
白いゴマペーストを入れることで、よりクリーミーに仕上がる。
 
さらにカボチャのサラダをつければ、申し分なし。
カボチャはからだを温め、胃腸を強くし、気力を養う。
膵臓、脾臓にもいいので、たっぷり食べてほしいね。
 
サラダのタマネギは水に放つと水っぽくなるので、スライスしたら塩でもみ、そのまま絞って汁気を出してちょうだいね。
 
 
 
●コラム――青菜や野草の下処理のしかた
 
野草の多くはアクがあり、食べ方を間違えたり多く食べ過ぎたりすると、腎臓をいためることがあります。
適切にアクを抜きましょう。
青菜の一部も加えて、下処理の仕方を伝えます。
 
さっと塩ゆで
アクがほとんどないものはこれで十分。
コマツナやミツバ、キャベツなど
しょうゆ洗い
塩世でして水のさらしたら、水としょうゆを7対3にした割り下の中で洗い、
割り下を捨てる。割り下にはアクがいっぱい。
セリ、ノビルなど。
灰でゆでる
5、6月のヨモギ、夏のフキなどはアクが強く、なかなかアクが取れないので、
クヌギの灰などを入れた湯でゆで、水にさらす。