■ 野菜・果物と健康 (60)
 
官報・薬膳料理研究家 池田好子著   家の光協会出版
『野菜がからだに効く!』  より その 17
この食べ方が自然治癒力を高める
 
● 黒色野菜が腎臓に効く
 
(6) こんにゃく ( 別名 蒟蒻(こんにゃく) 
 
こんにゃくは食べていても、元の姿は見たことがない、と言う人も多いでしょう。
サトイモ科で、やつがしらに似たような形をしています。
 
日本では室町時代から栽培されています。
古典の『医心方』には「つき砕いて、灰汁でもち状にし、これに五味を調和して、ゆでて食べる。性は冷で消渇(今の糖尿病)に有効」とあります。
この時代は、ほとんどの人は貧しい暮らしでしたが、富者はやはり美食で糖尿病にもかかったのでしょう。
 
飽食の今日では、ノンカロリーといわれるこんにゃくがダイエット食品として役立っています。
 
昔から「砂払い」といわれ、おなかの掃除をする食品として知られ、グルコマンナン(多糖類食物繊維)が腸を刺激して便通をうながし、血中コレステロールを下げ、肥満防止や糖尿病にも効果があります。
また、のどの渇きを止めるなどのはたらきもあります。
 
 
■主な食品成分(100g中)
・ビタミンB2 0.02μg ・カルシウム 43r ・カリウム 33r
・マグネシウム 2r ・ナトリウム 10g ・葉酸 1μg
・食物繊維 2.2g
 
 
●こんにゃくの効用、
@中国では、利尿作用があるので膀胱炎や尿路結石に効果があるとして利用されています。
A温湿布として昔から伝えられていて、煮た熱いこんにゃくをタオルで包み、痛む場所にのせて利用します。
Bグルコマンナンは、胃の中に入ると水分を吸収してふくらみ、食べ物を腸へ送る速さを遅らせる作用で満腹感が残るので、肥満でコレステロールの高い人には最適です。
 
 
●こんにゃくの効果的な食べ方
・ 昔から日本人に愛され続けている食べ物ですが、欧米にはなく、私の家に来た欧米の人は食べられませんでした。
・ 近年では、いろいろなフルーツ味をつけたマンナンゼリーが出回り、お土産に持ち帰る外国の人もいます。
・ こんにゃくは、包丁で切らずに手でちぎると、表面積は大きくなり、味がしみこみやすくなります。
・ ここではカシューナッツの炒め物をご紹介します。
 
 
●こんにゃくとカシューナッツの炒め物
(こんにゃく+カシューナッツ)
【材料】(4人分)
こんにゃく・・・1丁  カシューナッツ・・・100g  しょうがみじんぎり・・・少々
あさつきの小口切り・・・少々  オリーブ油・・・適量  片くり粉・・・少々
A(しょうゆ・さとう・さけ ・各大さじ1、酢 小さじ1、水 大さじ2、こしょう 少々)
【作り方】
@こんにゃくは塩でも見洗いし、網の目上に切り目を入れ、手でちぎって一口大にし、片くり粉をまぶします。
A、@をオリーブ油で揚げる。
Bなべに油少々を入れてしょうがを炒め、上げたこんにゃくを加える。
ここでAの調味料を入れ混ぜる。
C、Bにカシューナッツも入れまぜ、火を通してアツアツを散らす。
 
■効能・・・『砂払い』効果、ダイエット
体内の余分な水分を排泄させるこんにゃくに、ナッツの脂肪と栄養で、めまいの予防にもなります。
 
 
●こんにゃく その他の利用法
■胆石や尿路結石での腹痛に
こんにゃくを熱く煮て、タオルに包んで患部に恩湿布します。
 
■食中毒の予防に
こんにゃくを塩もみし、そのあとすりこ木でたたき、薄く切って唐辛子炒めにして食べます。
唐辛子は殺菌力が高いので、こんにゃくの解毒作用との相乗効果が期待できます。
 
 
 
(7) しいたけ ( 別名 香蕈(こうしん) 
 
しいたけには、春子、夏子、秋子、冬子とあり、通年にわたり生産されています。
冬子を寒子とも呼び、高級品になっています。
冬に生産されるものが香りも質もよいところから、収穫期を冬としました。
 
しいたけは不老長寿の食品といわれ、17世紀には豊後の国(大分県)で栽培された記録があります。
日本産は最優良品で、中国にも輸出されています。
 
ナラ、クヌギ、クリの木にしいたけ菌を植えて栽培しますが、独特の香りは日光と気候風土の賜物でしょう。
 
中国の『日用本草』に、名医であった呉端が「気を増し、飢えず(体質改善し)、血を破り(血行をよくし)、風邪を治す」と記しています。
肝臓や胃腸に働いて、気を穏やかにし、脾胃を健やかにし、熱を清め、心臓のはたらきを調整します。
 
 
■主な食品成分(100g中)
・タンパク質 19.3g ・ビタミンB1 0.50r ・ビタミンB2 1.40r
・ビタミンD 17μg  ・カルシウム 10r ・カリウム 2100r
・マグネシウム 110r ・鉄 1.7r ・食物繊維 41.0g
 
 
●しいたけの効用、
@カルシウムの吸収を助けるエルゴステリンは体内でビタミンDに変わり、骨粗しょう症を予防します。
Aしいたけの成分エリタデニンは血中のコレステロールを排出し、血圧降下や動脈硬化予防に役立ちます。
Bしいたけに含まれるレンケナンは、多糖性のぬめり成分で、ウイルス感染予防や抑制に働き、さらにガンの予防や抑制をすることが最近発表されています。
 
 
●しいたけの効果的な食べ方
・ きのこには、ひらたけ、まいたけなどさまざまな種類がありますが、どれも食物繊維が多く、便秘、有害物質抑制、腸内の有害金属の蓄積防止、悪玉コレステロールの低下に効力を持っています。
・ 生しいたけも干ししいたけも、日光に当ててから調理するとよいでしょう。
造血作用をするエルゴステリンがビタミンDに変化し、うま味もまします。
・ 今回のメニューは、漢方薬入りスープです。
 
 
●しいたけと鶏肉の漢方スープ
(しいたけ+鶏肉+茯苓(ふくりょう))
【材料】(4人分)
干ししいたけ・・・8枚  骨付き鶏肉・・・300g  茯苓粉末・・・10g
水・・・4カップ  しょうが(スライス)・・・1片  長ねぎ・・・10cmくらい
塩・酒・・・少々
【作り方】
@干ししいたけは前夜水につけておき、4つに切る。
つけ汁はとっておく。
A土鍋か厚手のなべに水と干ししいたけのもどし汁を入れて鶏肉を煮る。
次にしいたけとしょうが、ネギを入れ、スープが白くにごるまで煮る。
B1時間ほど煮たら茯苓粉末を加え、しばらく煮て、酒、塩で調味する。
Cスープとともに食べる。スープだけ飲んでもよい。
 
■効能・・・利尿作用、疲労回復
茯苓は駆?血剤(血の滞りを治療する薬剤)で、きのこの仲間でもあります。
 
 
●しいたけ その他の利用法
■咳止め、出血性の痔に
スープ上に煎じて飲用します。
 
■悪玉コレステロールの低下に
生しいたけ90gと干ししいたけ9gを煎じて毎日3回飲用すると、7日間で10%の悪玉コレステロールが低下したという実験報告があります。
 
 
 
(8) そば ( 別名 蕎麦(きょうばく) 
 
そばは昔、米・麦の不作のときに備荒食料(不作に備える食料)として利用されました。
そばは温暖の地よりも高地、寒冷地、荒地で収穫できる作物です。
 
白米を主食とする今日、食べすぎ予防や、白米に不足しているビタミンB1・B2の捕食として、そばはすぐれた食べものです。
 
消熱解毒の作用、つまり、のぼせ、発熱、毒下し、帯下(こしけ)、腹部充満などの解消に役立ちます。
また、体を冷やす作用が大きいので、できもの、打撲、体内に余分な水分のたまる人、偏頭痛、高血圧、眼底出血などの補助療法として使われています。
 
漢方の古典『医信方』には
「五臓の汚れを取り、気分をよくし、目・鼻・耳にもよく、気力を増し、腸や胃をしっかりさせる。
しかし、多く食べてはいけない。
体調をくずし、眉毛やひげが抜けたり、めまいを起こし、五痺の毒となり筋肉が痛み、風をひき、体が寒くなり、湿にやられ、体が麻痺を起こす」
とあります。
 
 
■主な食品成分(100g中)
・脂質 3.1g ・ビタミンB1 0.46r ・ビタミンB2 0.30r
・ビタミンE 0.9r  ・カルシウム 17r ・カリウム 410r
・鉄 2.8r ・食物繊維 4.3g
 
 
●そばの効用、
@そばは体を冷やす作用があるので、酒を飲む人にはよいでしょう。
Aそばに含まれるルチンは、ビタミンPの1種で、毛細血管を丈夫にし、高血圧や脳卒中の予防になります。
Bそばに含まれるビタミンB1・B2は、疲労回復に役立ちます。
 
 
●そばの効果的な食べ方
・ 『医心方』には、江戸時代のそば切りにもふれ「そばは飽食を解し胃熱を去り、酒の酔いをさますものである。しかし食べ過ぎてはいけない、血気を失う」とあります。
・ そばは食べ過ぎると悪い面が多く出てきます。
・ ここでは簡単にできるおやつをご紹介します。
 
 
●そばのクレープ
(そば粉+やまいも)
【材料】(4人分)
そば粉・・・200g  ベーキングパウダー・・・小さじ1/2  やまいも・・・200g
卵・・・1個  オリーブオイル・・・適量
はちみつ・ジャム・チーズ・シナモン・サラダなど・・・お好みで
【作り方】
@そば粉とベーキングパウダーをまぜ、2度ふるいにかける。
Aやまいもをすりおろし、卵、@と合わせてよく練る。
トロトロとつながってたれるくらいまで撹拌する。
Bフライパンにオリーブ油を入れ、Aを中心に流し入れ、外へ広げていくようにし、弱火にしてうすく焼き上げて返す。
C出来上がったら皿にとり、好みのものを巻いて食べる。
 
■効能・・・滋養強壮
1、そばの体を冷やす作用は欠点ともなりますが、やまいもで緩和しています。
2、このおやつと一緒に緑茶を飲むと、緑茶の精神安定作用との相乗効果で、疲れが取れます。
 
 
●そば その他の利用法
■下痢のとき
そば粉を煎って温かい砂糖水に入れて飲用します。
 
■そば湯の薬効
そばのゆで汁「そば湯」に含まれているビタミンPは水溶性なので、薬効の高いものです。
 
 
 
(9) なす ( 別名 茄子(かし) 
 
ナスは、8世紀には日本でも栽培され、民間薬として解熱、消炎、消腫に使用された記録が残っています。
 
中国では熱を冷まし、血液の流れをつけ、痛みをとる薬として使われ、
「腹痛、乳腺炎、口内炎、内痔出血、皮膚の潰瘍の腫れを取り、利尿をつけるもの」といわれていますが、
一方では「多食すな、瘡(そう)(できもの)および痼疾(こしつ)(持病)を発す。
虚人には忌む。過食は目をも損じる。性が寒冷のため腹痛や下痢、婦人は子宮を痛め、咳がひどくなり、声を枯らすものなり」ともいわれています。
 
果皮の紫色はナスニンといわれるアントシアニンで、フラノボイド化合物に含まれる抗酸化成分です。
なすを漬物にするとき、鉄くぎを入れたりみょうばんをすり込むと、青紫色が一層鮮やかになりますが、これはニッケルイオンが安定した塩分を作り出す効果によるものです。
ナスのアクはアルカロイドを解毒しますが、食べすぎは禁物です。
 
 
■主な食品成分(100g中)
・ビタミンK 10μg  ・カルシウム 18r ・カリウム 220r
・マグネシウム 17r ・鉄 0.3r ・亜鉛 0.2r
・パテント酸 0.33r ・食物繊維 2.2g
 
 
●なすの効用、
@なすのビタミンPは毛細血管を保護・強化し、出血を止めるはたらきがあり、血栓の予防になります。
Aフラノボイドは細胞膜や悪玉コレステロールの酸化を防ぐのに役立ち、高血圧や動脈硬化を予防する働きがあります。
Bなすには体内の温度を下げ、潰瘍の予防によい効果もあり、口内炎や胃腸のはたらきを改善します。
 
 
●なすの効果的な食べ方
・ 「なすの花と親の言葉には無駄がない」といわれます。
・ ナスの花も薬用になり、二日酔いに効くといわれています。
・ 「ぼけなす」という言葉がありますが、大きくなりすぎるとふわふわとして、美味しくありません。
・ なすは、漬ける、煮る、焼く、炒める、揚げる、和える、と自在に料理ができ、美味でカロリーが低く、便利な食材です。
 
 
●揚げなすの甘酢あんかけ
(なす+温性薬味野菜+植物油)
【材料】(4人分)
なす・・・大2個または小4個  赤ピーマン・・・1個  白髪ねぎ・・・10cmくらい
うすやき卵・・・2個分  にんにく(刻み)・・・少々  しょうが(刻み)・・・少々
オリーブ油・・・適量  薄力粉・・・適量  だし汁・・・1カップ
水とき片くり粉・・・大さじ3  塩・こしょう・・・少々
A(酒・しょうゆ・・・各大さじ1  黒酢・砂糖・・・各大さじ3)
【作り方】
@茄子(大は半分にして4つに割り、小なら4つ割り)をあく抜きし、ふきんで水分を取り薄力粉をまぶす。
オリーブ油で最初は中温、2度目は高温で2度揚げする。
A中華なべに少し油を残し、にんにく、しょうがを炒める。
揚げなすを入れてまぜ、だし汁とAの調味料を加える。
B煮立ったらうす焼き卵と水とき片くり粉を入れ混ぜる。
C最後にせん切りした赤ピーマンと白髪ねぎを加える。。
 
■効能・・・夏バテ予防、クーラー病予防
1、なすは油との相性がよく、植物性油脂を加えることで、有効成分の溶け出しを防ぎます。
2、油によりコレステロールをおさえるはたらきが高まり、薬味野菜との組み合わせで体を温めます。
 
 
●なす その他の利用法
■なすのヘタで歯みがき
なすのヘタを黒焼きにして歯みがきすると、歯周病に効きます。これを練りこんだ商品も販売されています。
 
■胃を温める
焼きなすにはしょうがとおかかを添えます。
 
■食べ方いろいろ
・ 茶の湯に使う「茶せん」のように包丁を入れ、あく抜きして、見た目も美しい煮物にします。
赤唐辛子の輪切りも入れるとよいでしょう。
・ 皮むき、あく抜きのあと、蒸して冷まし、ヨーグルトと和えます。
ヨーロッパの食べ方です。
 
 
 
(9) れんこん ( 別名 蓮(れんぐう) 
 
はすの肥大した根茎を食用とするのがれんこんです。
中国では、花・茎・実・葉・節の部分まで、すべて薬効のあるものとして利用されています。
 
正月には必ずはすを使った筑前煮や酢ばすを作りますが、中が丸く穴が開いていて見通しがよいようにと願ってのことだけではありません。
滋養効果満点の食材で、でんぷん、ビタミン、カリウム、鉄分、ミネラルが豊富にあり、一年の健康を祈願する食べ物として最適だからです。
 
甘みがあり、冷やす作用があるので、生食すると熱を清め、渇きを止め、糖尿病の予防になります。
煮て食べると、胃の働きが高まり、血液をよくし、下痢止めに効果があります。
 
れんこんの皮や節に含まれるタンニンによる収斂作用は、高血圧やぜんそくの発作などによいのですが、レンコンの芯には毒素のアルカノイドが含まれているので、食べすぎには注意する必要があります。
 
 
■主な食品成分(100g中)
・ビタミンB1 0.1mg ・ビタミンC 48r ・ビタミンE  0.6μg
・カルシウム 20r ・カリウム 440r ・鉄 0.5r
・パテント酸 0.89r ・食物繊維 1.9g
 
 
●れんこんの効用、
@新しいれんこんを切ると、糸をスーッと引きますが、これはムチンという成分の多糖体で、胃のはたらきを整え、かぜの予防にもなります。
A食物繊維が豊富なので、便秘解消に常食するとよいでしょう。
Bれんこんに含まれるタンニンの殺菌作用や収斂作用で、出血を止め、湿疹やかぶれを改善してくれます。
C葉で米を包み、蒸して食べると、暑熱の効果があります。
 
 
●れんこんの効果的な食べ方
・ れんこんの種子を蓮子(れんし)といい、中国では大変珍重しています。
・ 日本でもよく使われるようになり、不老長寿、補腎、強壮、強心、精神安定、虚弱体質の改善などによいといわれています。
・ ご紹介する料理は、蓮子を使った漢方薬膳です。
以前中国人の学生から教えていただいたものです。
 
 
●淮山蓮子粥(わいさんれんしかゆ)
(蓮子+?苡仁(よくいにん)+竜眼肉)
【材料】(4人分)
蓮子・・・150g  ?苡仁・・・15g  百合(びゃくごう)・・・15g
玉竹(ぎょくちく)・・・10g  山薬(さんやく)・・・15g  竜眼肉・・・少々
玄米・・・1カップ
*漢方の食材は漢方薬店でお求め下さい。
【作り方】
@竜眼肉以外のものを軽く荒い、一晩水につけてもどす。
A、@と約10倍くらいの水を入れ、はじめ強めで、のち弱火にして1時間ほど煮る。
B最後に竜眼肉をさっと湯通しして加える。
 
■効能・・・補中益養血作用
成人病や皮膚のかゆみ、疲れやすいなどの体の機能低下による諸症状の改善に効果があります。
 
●れんこん その他の利用法
■発熱、咳の出るとき
れんこんの節の部分と梨をすりおろし、その汁を飲用します。
 
■心臓が弱ったとき、血圧が高いとき
荷葉(はすの葉)を煎じて服用します。
 
■気力がないとき
れんこんには神経の疲労を回復させる作用がありますので、煮て食べると、胃腸の状態をよくし、全体に活力が出てきます。
 
■鼻血、血便が出たとき
れんこんの節を日干しして、煎じて飲用します。
 
 
 
● 陰陽五行説に見る「腎臓」と「黒い食品」
 
(1)「肝腎かなめ」の腎臓
腎臓の背骨の左右にある、こぶし大くらいの大きさの器官です。
血液の中の不要なものをろ過して尿として排泄する働きを持っています。
腎臓を通る血液の量は1日約500リットル。
この腎臓がはたらかなくなると、血液中の老廃物が排泄されなくなり、むくみや高血圧の原因となります。
ひどいときには、尿の中に淡白が出ることもあります。
命にかかわる病気を引き起こすことにもなりかねません。
 
「肝心かなめ」とは、とても大切なものの例えに使われます。
肝臓と腎臓をさしていますが、「肝心」と書く場合もあります。
この場合は肝臓と心臓です。
どれも大切な器官です。
 
(2)腎臓のための「黒い食品」
腎臓を疲れさせないためには、まずタンパク質と塩分を控えることが大切になりますが、それと同時に腎機能を助ける黒い食品を豊富にとることを心がけたいものです。
 
陰陽五行説では「黒いものは腎を養う」といわれています。
 
腎臓の働きが弱っているなと感じたら、砂糖を入れずに煮た黒まめを、1日に湯飲み1杯分食べるとよいでしょう。
食べにくかったら、黒砂糖を少量入れるとほのかな甘味が感じられて、おいしく食べることができます。
 
わかめや昆布、じゅんさいといった黒くてぬめりのあるものには、腎臓の中でろ過の役割をうけもっている「糸球体(しきゅうたい)」の再生能力を高める「コンドロイチン」が多く含まれています。
これらのものは、煮物や汁物でできるだけ毎日食べることをおすすめします。