山ちゃんの食べもの考

 

 

その109
 

 小児科医の真弓定夫先生は、今の子供たちには限りなく自然治癒力や免疫力が低下してきている。その原因に食べものがかなり栄関係している。といい、その著書の中で、「日本人の体質を悪くする食べものとして、先ず甘いもの、それから果物、牛乳、乳製品、肉類、刺身、パン、ケーキ、ジュース、こういうものがアレルギー性疾患とか成人病を作り出す食べものだ」と述べています。
 学校給食を良くする全国運営会議の林雅之さんは、「子供を殺す有害食品のワースト8は、bPが粉ミルク、bQがベビーフード、以下チョコレート、チューインガム、アイスクリーム、インスタントラーメン、コカ・コーラ、市販牛乳」と警告を発しました。
 また、食品添加物研究会を主宰しておられた故郡司篤高さんは、パン、たらこ、ケーキ、ジュース、大豆カス(市販アイスクリームの原料)、米菓、ドロップ、ハム、コーヒー、レトルト食品、牛乳、アイスクリーム、かまぼこ、甘納豆、キャラメル、チョコレート、たいやき、インスタントラーメン、チューインガム、コーラ飲料、ゼリー、プリン、ビスケット、ソーセージ、カップヌードル、粉ミルク、などを、子供をダメにする食品ワースト26、として取り上げました。


 子供たちにどんなおやつを与えていますか。子供達がお小遣いで買い食いしているおやつはどんなものでしょうか。そのおやつが有名無名のメーカにかかわらず、まず、どこで誰がどのように作ったものが、主要原材料として使われているのでしょう。どこで誰がどのように加工したものなのでしょう。その味や香り、色合いその他、保存性を高めるための食品添加物はどうなっているか少しは気になさっていますか。
 子供たちは知らず知らずのうちに、一体何種類の添加物を、どの位の量を体内に取り込んでいるのでしょう。
 立正大学の福岡克也先生は「ごく平均的な日本人の食事の中で、一日に100種類くらいの食品添加物を摂取していると考えられる。その量は15g、スプーン4杯程度になる。単純にその量を加算していくと1ヶ月で450g、1年で5.4kg、10年で54kgになる。20年で100kgを超えるわけで、自分の体重以上の化学物質を食べたことのなる。もちろん、排出され、分解されるものも多いが、残留し、あるいは分解されることによって人体によからぬ影響を与えることも少なくはないであろう。」と述べています。


 「白砂糖は中毒をもたらす薬である。」と真弓定夫先生は断言して、「私は白砂糖というものは(C6H12O5)2という化学方程式で表わせる薬であると考えています。野菜を方程式で表すのは無理です。魚も出来ません。化学方程式で99%表わせるものが、食べものだとはとても思えないのです。」
 「今の子供達がいかに砂糖漬けになっているか。東京のある小学校での2泊3日の修学旅行におけるおやつから白砂糖の量を換算した。その結果、多い子供で600g、平均すると200g。そのほかに料理にも当然砂糖が使われています。今の子どもたちは、知らず知らずのうちに砂糖漬けにされてしまっているのです。200gの砂糖といえば、50年前、私達が子供の頃の年間消費量に匹敵するものです。私達が1年間に摂っていた砂糖を僅か2泊3日の旅行期間におやつだけで摂ってしまっているのです。」
 希有の長寿を誇り奄美諸島の人々は、黒糖を愛用し白砂糖は食べません。


 日本大学、田村豊幸先生のラットによる実験が報告されています。
 餌は同じものにして、一方には水のグループ、もう一方には清涼飲料水を与えるグループとしました。清涼飲料水を与えた方のラットが、先ず歯を冒されることは想像できることでしょう。砂糖を摂りすぎればカルシウムが失われ、骨がボロボロになり骨折しやすく、虫歯も増える。しかし、問題はもっと根深いところにあります。手足の骨や歯が影響を受けて、頭蓋骨だけが健全であり得るでしょうか。このラットの実験で、清涼飲料水グループの頭蓋骨が薄くなり、脆くなっていることがはっきりしたのです。
 それは人間にも言えることで、子どもが転んで頭を打つ、ボールが飛んできて頭にあたる。砂糖づけの子供の場合、その衝撃波より大きなものとなると考えられます。何よりも頭の働き、脳の働きへの影響が心配です。先ず、ものを考える能力が低下し、考え方や物を創造することが苦手になる。人から言われたことはできるけれども、自分から進んでいろんなことを考えてやることが出来にくくなるのではないでしょうか。
 たとえば、登校拒否児を観察した報告では、缶ジュースを自由に飲める状態にしておくと、7時間で23本飲んだという例があります。小さい頃から甘いものを飲み食いしてきた積み重ねです。甘味は味覚の中で一番コントロールの効かないもので、どんどんエスカレートして、中毒のようになってしまうのです。


 田村豊幸先生は、砂糖の過剰摂取の恐さについて、さらに次のように述べているのです。それは、妊婦の食べた砂糖が胎児にも影響を及ぼすということです。
 子宮の形や大きさは、砂糖によって抑制される。性周期性も乱れるところから、卵巣にも悪影響が及ぶと考えられる。したがって胎児の発育も悪くなり、頭蓋骨や脳の発育も阻害される。このことから、砂糖の摂り過ぎは脳水腫の一因ともなり、さらに、目や耳や手指などの奇形や、無脳症などの原因にもなる。
 赤坂レディースクリニックの阿部實院長は「最近の患者を見ていると、甘いもの好きの女性のうち排卵の起きない患者が増えています。その原因は低体温。35度5分から36度しか基礎体温がない。こうなると、体内の酸素活動が停滞し、卵子が子宮におりてこなくなる、生理不順や生理痛、子宮内膜症なども激増。その治療に砂糖抜きを取り入れると症状は目に見えてよくなってくる。砂糖をやめただけで生理痛がグンと減り、偏頭痛もなくなった患者が多い。手術後の出血も驚くほど少なくなる。」


 岩手大学の大沢博教授は、砂糖の害に対て、先ず、ビタミン類、特にビタミンB1が不足する、カルシウムが不足する、そして機能性の低血糖症になる、と著書『食原性症候群』の中で報告しています。
 真弓定夫医師は、身体の機能というのは、いろいろな組織によって平衡感覚が保たれていて、タンパク質が余分に入ればそれを調節し、足りなければ調節する。そういう働きを持っています。その調節機能は、日本人が歴史的に古くから摂取してきた食べものに対して、うまく働くようになっています。
 ところが、近年になって日本人が常習的に砂糖を食べ始めてから、まだそれほどの歳月が経っていません。しかも昭和30年代以降、急激に大量に摂るようになってしまいました。そのために糖分を調節する膵臓の機能がバランスを失いやすくなったのです。
 砂糖の過剰摂取による弊害は、子どもや若い人への悪影響ばかりではありません。痴呆老人患者の80%が甘いもの好きです。


 低血糖が起きる大きな原因は、砂糖の取り過ぎです。低血糖というのは、血糖値が低くなることです。高血糖によって糖尿病が引き起こされることを考えれば、悪いことではないように思われがちですが、実は異常な低血糖状態は精神を不安定にするという問題があります。
 砂糖を大量に摂ると、ご飯やパンを食べたときとは比較にならないほどに血糖値が急激に上がります。体はこの異常事態に対処するために多量のインシュリンを分泌します。すると、こんどは血糖値が急激に下がります。そこで体は砂糖を欲しがるようになり、また大量の甘いもの・砂糖を摂取することに走るになって、悪循環になってしまうのです。
 ここで問題になるのは、インシュリンが大量分泌されるによって、攻撃ホルモンとも呼ばれているアドレナリンが大量に分泌されることと、低血糖状態が脳神経系に不安定な状態を引き起こしイライラしやすくなります。
 砂糖など単純糖質の摂取が増えていますが、砂糖の過剰摂取は内臓肥満の一因ともなっています。また、ビタミンやミネラルを消費するので、ストレスの耐性をなくし、いっそう不安定な精神状態をきたします。砂糖を取り過ぎによるビタミンB群やカルシウムの消耗は、神経を興奮させるので、イライラ、ムカつくといった最近の子供の精神状態も、砂糖の過剰摂取との関連が指摘されています。
 砂糖の過剰摂取が注意力の欠損に関係していることや暴力行為との関係も明らかになってきました。砂糖は興奮剤として知られています。少年院に収容されている  276人の砂糖の摂取量を変え、表れる行動の違いを探る調査がありました。清酸飲料を果汁飲料に変え、砂糖の代わりに蜂蜜を使用、調理用の砂糖は黒砂糖や蜜を代用しました。その結果、摂取する砂糖の量を減らしたグループは、院内での問題行動が減り、院内の決まり事を守る変化があることが発見されました。院内での喧嘩、攻撃、窃盗、反抗が約  45%も減少したということです。





 

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生命の農と食を考える
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池田 優

 

 

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