|
|
|
||||||||||||||||||
|
『食は生命なり』と「永山久夫」 その3 「毎日納豆は欠かさず、魚と果物をよく食べる。 74歳になって自分の食生活に少し自信が持てるようになりました」 「食育は自分の命を育てること。いわば長寿者は食育の成功者です」。 全国の「長寿村」を訪ね回り、そこに根付く食生活を取材している、食文化史研究家の永山久夫さんはそう説く。 命を育てる長寿食の秘訣(ひけつ)とは−。 ![]() いわずと知れた「長寿国ニッポン」。 昨年、100歳以上の高齢者は2万8395人に達し、過去最多を更新した。 永山さんは約30年にわたって100歳を超えた人たちに実際に会い、話を聞いてきた。その数は約130人にのぼる。 生き生きとした暮らしぶりもさることながら、心に刻まれているのはその"最期の迎え方"だ。 「3人に1人はがんで死亡する時代で、多くは苦しみながら死んでいます。でも、90歳まで長生きすると本人もほとんど苦しまず、家族もひどく落ち込むことはないんですね」 100歳を超えた人は死について「誰でも(死ぬときは)来るんだから仕方ないさ」と陽気に言い放ち、恐れるどころかまるで楽しみのようにも見えるという。 そんな死を迎えられるのは長寿の特権ではないだろうか。 ![]() 取材を通していくつかの共通点があることがわかったという。 まず、老化やさまざまな病気を引き起こす原因とされる活性酸素を除去する力に優れていることだ。 その食生活の軸になるのが、自宅周辺にある「おかず畑」。 収穫した季節の野菜をみそ汁の具にしたり、煮物にしたりして毎日食べている。 「つまり、β−カロテン、ビタミンC・E・B2といった抗酸化成分をいつも取っている。伝統的な食べ方を引き継いでいるにすぎないのですが、これが理想的な食なんです」と絶賛する。 活性酸素発生の大きな要因となる紫外線が強い沖縄が、長寿県なのも露地栽培の作物によるところが大きいと指摘する。 「野菜も果物も沖縄産のものは、色彩がカラフルでしょう。その色素はアントシアニン系の抗酸化成分。太陽の力が強い土地で生活するうえで欠かせない成分を自然が供給してくれている」 ところが、沖縄では最新(平成12年)の都道府県別平均寿命を見てみると女性は1位だが、男性は前回(同7年)の4位から26位に転落した。 永山さんは「歴史の知恵である伝統食が崩壊しつつあることが、長寿県の崩壊につながっていると思う」と分析する。 ![]() 100歳を超えた人たちには抗酸化成分の摂取と同様、自然に「幸せホルモン」とも呼ばれるセロトニンを増やす食習慣があるという。 豆腐や納豆などの大豆製品をよく食べたり、カツオ節でだしをとったり…。 これらの食品は、セロトニンの原料である必須アミノ酸のトリプトファンが多く含まれているのだ。 近著『長寿食365日』(角川学芸出版)では、こうした長寿村の食の知恵を中心に旬の素材を使い、豊かで健康的な食生活を実践するためのヒントを「食暦」風に紹介している。 永山さんは、まず手始めに家庭菜園を勧める。 「畑でなくてもプランターを使い、屋上やベランダで作ってとれたての野菜を日常的に食べる。朝、水をあげれば朝日を浴びてセロトニンも増えます。人生が楽しくなって、老化を遅らせることができますよ」 ■ 1 5 カ 条 の 教 え 永山 久夫先生 長寿入門より やっぱり「長生きのコツ」はあると思います。 ニコニコしながら 百歳まで元気に長生きしている方というのは 暮らし方そのものが 長生きの「コツ」のような気がするのです。 私は ある放送局の依頼で 長寿村の食生活を 2年近くにわたって現地研究をしたことがあります。 そのときに実感したのは年をとっても元気な方というのは 例外なしに生命力の強さのようなものを身につけていて存在感が大きいということでした。 青森県のある男性には 101歳のときにお会いしたのですけれども 初対面の人とは男女の別なく必ず握手をします。びっくりしたのは その握力でたいへんに強い。 こちらの命のエネルギーが 吸いとられてしまうのではないかと思うほど力がこもっているのです。 握手しながら「ワッハハ」と大笑いするものですからこちらの方もおかしくなってしまって「ワッハハ」と大笑いしてしまうのですがそのうちなぜだか分かりませんが元気がわいてきて気分も明るくなってくるのです。 実はその方はきつく握手することによって101歳のエネルギーをこちらに分け与えてくれていたのです。 そして長生きのコツとして一日に何回でもいいから「大笑い」しなさいと教えてくれました。 それ以来 私は忠実に実行し実はこの原稿を書く前にも「ワッハハ」と大笑いしてからペンをとったのです。 この方のように長生きしている方に共通し実行しているいってみれば長生きのコツのようなものを持っている場合が少なくありません。 それを 「長生き十五カ条」 にまとめてみました。 1.腹八分目を守る。 食後にお茶を一杯飲むことによってちょうどよい腹具合になります。 2.好ききらいをしないで何でもよく食べます。 3.出歩くのが好きです。 4.お酒をほんの少量晩酌にしている方が多い。 血行をよくしストレスもたまりません。 5.牛乳を飲む習慣を持っている方が多い。 6.ほとんどの長寿者はみそ汁を一日に一回は必ずとります。 軟らかく煮た何種類かの野菜が入った実だくさんのみそ汁。 7.趣味や生きがいを持っています。 8.新聞を読みテレビをよく見ます。 とくに ニュースやスポーツに関心が高い。 9.食の好みでは刺し身が一番好きで、二番は握りずし。 とくにマグロファンが多く、マグロに多い必須(ひっす)脂肪酸のドコサヘキサエン酸が、脳の老化防止に役立っているものと推測できます。 10.ニンジンや里いも、大根、ゴボウ、昆布の煮しめのように、 根菜類の煮物が好き。 11.よく笑い、性格的にも明るい方が圧倒的に多い。 12.何を食べても 「おいしい おいしい」とニコニコしている。 13.お茶を飲む習慣を持っている方が多い。 14.葉野菜のおひたしが好き。 15.軟らかく煮た煮豆の好きな方も多く、大豆に含まれているレシチンが、脳やからだの若さを保つ上で役に立っているものと思われます。 ■ 新鮮野菜でワッハッハと長生き ![]() 日本は世界一の長寿国だ。 高齢者人口もよそのどの国よりも多い。自慢じゃないけど、世界で一番老人がたくさんいる。 高齢者の健康の特徴は、個人差が大きいことだ。 ![]() しかし、多病息災でもかまわない。 少し位、不調があっても、すぐに生命に影響がでるとはかぎらない。 車だって何十年も使っていれば多少はポンコツ傾向が出てくる。 ちょと位、故障のある車の方が、なだめなだめ修理しながら使用するために、かえって耐用年数が増える。 平均寿命は車でいったら耐用年数のようなもの。 もちろん日本人が世界一で、男性が78歳であり、女性は実に85歳。 たいがいの日本人はこの年数あたりで"エンジン"がこわれて寿命もつきる。 ![]() ところが最近、あまり大きな病気もしないで、自分の"生命"というエンジンを90年から100年以上も長持ちさせる力を持った長寿者が増えてきた。 「長生きの達人だ」。 達人は人生に自信を持っていて、時に「ワッハッハッ!」と大笑いしてまわりを驚かせたりする。 記憶力もしっかりしている。 この前なんか関西のある村で「老後のため」といって貯金にはげむ96歳の男性に会った。 ニコニコ楽しそうだった。なぜ、こんなに元気なんだろう。 車にたとえれば"燃料"がいいからエンジンも快調なのだ。 「燃料」こそ食事であり、とくに「野菜」だ。 元気な長寿者は、野菜バリバリといってもいい位に「野菜食比率」がうんと高いのだ。 ![]() 現在、新聞の仕事で長寿村の食生活を取材中であるが、その結果分かったことは、「長寿は野菜を食べる量によって決まる」ということだ。 地方の農村地帯に行くと、たいがい家のまわりに「野菜畑」を持っている。 これを「おかず畑」と呼ぶ場合が多く、農家ではない家でも、裏で一年中野菜を作っている所が多い。 野菜作りの担い手はおじいさん、おばあさん。 ニコニコしながらねぎやだいこんを作っていて、帰る時には2、3本引っこ抜いて、早速、夕飯のみそ汁の具だ。新鮮この上ない"おかず"である。 野菜は新鮮であればあるほどビタミンCやE,カロテン、それに抗酸化成分のポリフェノール類などが多い。 老化は主として細胞のサビ、つまり酸化によって進行するから、ビタミンC、E、カテキン、ポリフェノールなどの抗酸化成分をぎっしり含んだ新鮮野菜は「不老寿の天然サプリメント」みたいなものだ。 昨年、ニューヨークに講演の仕事で行った時「ファイブ・ア・デー運動」が行われていた。 一日に5種類以上の野菜や果実をとろうという運動で、その結果、生活習慣病が激減したそうだ。 ところが、それと同じようなことを何十年も前から実行してきたのが、長寿村の元気なスーパー長寿者たち。 さァさァさァ、野菜だ野菜。 元気に長寿人生を楽しみたかったら、今日から「地産地消」の新鮮野菜をモリモリ食べなきゃ。ワッハッハッ!
|
|
||||||||||||||||||
|
|
|