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『食は生命なり』 【116】
生田 哲 著 PHP新書
『食べ物を変えれば脳が変わる』
その5
第2章 脳を快適に働かせる栄養素 の3
● アメリカでは処方される覚せい剤のアンフェタミン
覚せい剤のアンフェタミンは日本ではまず処方されることはないが、アメリカの精神科ではうつや肥満の治療にたびたび処方されている。
アンフェタミンは、セロトニン、ノルアドレナリン、ドバミンの再吸収を妨げる。
そのため、神経細胞から放出された興奮性伝達物質は最初に放出した神経細胞に戻らず、必ず、標的とする神経細胞にたどりつく。
すると、脳は非常に興奮し、集中力、やる気、快感が生まれる。
抗うつ薬として最も頻繁に使用されるプロザック、ゾロフト、パキシルといったSSRIは、セロトニンの再吸収を妨げる。
こうしてセロトニンの利用率が高まることにより、気分が上向き、幸福感が得られる。
ただし、SSRIに代表される精神科の処方薬には望まれない多くの副作用があり、あなたの脳と身体に大きな負担をかけける。
SSRIの効く仕組みは、覚せい剤と同じであることに注意してほしい。
● アミノ酸は抗うつ薬と同じほどの効果がある
アミノ酸のような栄養素は薬と同じくらいの効果があるが、大量に摂取したケースを除き、副作用はない。
それは、栄養素の活用が脳と身体における自然のしくみにのっとっているからである。
したがって、あなたの脳の働きを最適化するには、まず食事でアミノ酸を十分に摂取することが先決である。
それには、アミに酸の素、タンパク質を食べるに越したことはない。
脂肪と異なり、アミノ酸は身体に貯えることができないので、ほぼ毎日、タンパク質を摂らねばならない。
その量だが、戦争や飢饉の経験、それから実験室での多くの研究から、成人は体重1kg当たり毎日1gのタンパク質を摂らねばならないことが判明している。
これは、成人女性なら1日約50g、成人男性なら約60gに相当する。
必須アミノ酸を脳に供給するには、これらをふんだんに含んだ良質なタンパク質を摂るに限る。
良質なタンパク質は、肉(トリ、ブタ、ウシ)、魚介類、トウモロコシ、豆腐、豆類(納豆、金時)、牛乳、チーズなどの乳製品に多く含まれている。
また、米は糖類の固まりと思われているが意外にも、含まれる総エネルギーの8%をタンパク質がしめる。
必須アミノ酸を摂るベストの方法は、肉類を食べることだが、エネルギーの摂りすぎはできるだけ抑えたい。
それには、脂肪分の少ないタンパク質を選ぶのがよい。
低脂肪タンパク質の代表は、魚介類、鶏肉、シチメンチョウ、油の少ない赤身の肉〈ブタ、ウシ、ヒツジ〉などである。
ここで注意すべき点は、動物由来のすべてのタンパク質食品には、アラキドン酸が多いことである。
アラキドン酸はインスリンの効き目が落ちるインスリン抵抗性の引き金となる炎症を起こす。
しかも食品に含まれるアラキドン酸は、たんぱく質食品の脂肪分に比例して増えるから、脂肪分の少ないたんぱく質を摂取するのがポイントである。
● アミノ酸のサプリメントによる摂取
前述の通り、必須アミノ酸をとるベストの方法は肉類を食べることである。
しかし、ある特定の伝達物質が不足しがちな人や、特定のアミノ酸型のアミノ酸にくらべて欠乏しやすい人は、不足分をサプリメントから摂るとよい。
うつ気味の人が、トリプトファンや5−ヒドロキシトリプトファン(5−HTP)を摂取することでうつを寄せつけなくなったという例は、体験談だけなく、一流医学雑誌に発表された医学論文でもたくさん報告されている。
個々のアミノ酸をサプリメントで摂取することの利点は、体内に吸収されやすいことだ。
その理由の一つは、吸収をめぐるアミノ酸同士の競争を避けるからである。
タンパク質の豊富な食べ物をいっしょに食べるよりも、トリプトファンや5−HTPをサプリメントで摂取したほうが、体内への吸収がスムーズになる。
トリプトファンや5−HTPをフルーツといっしょに摂取すれば、吸収はさらに促進される
糖類があれば、これらアミノ酸の吸収は促進されるのだ。
● タンパク質摂取の注意点
タンパク質が脳によいのは確かだが、いくらよいものであっても摂りすぎはいけない。
前述のとおり、成人は1kgあたり、毎日1gのタンパク質が目安だ。
もし摂りすぎたらどうなるのだろう。
たとえば体重70kgの人が1日に85g以上のタンパク質を摂取したとしよう。
すると、タンパク質の分解産物であり、生体にとって毒物であるアンモニアが増える。
このアンモニアを体外に排泄するために、腎臓に負担がかかってしまう。
その上、アミノ酸が多すぎると血液が酸性に片寄る。
生体はこれを中和するために、骨からカルシウムを放出する。
アザラシの肉ばかり食べているイヌイットに骨粗しょう症が多発するのは、このためだ。
高タンパク質食は骨粗しょう症の原因になるのである。
最近、日本に腎臓病と骨粗しょう症が急増している原因の一つは、タンパク質の過剰摂取にあるのかもしれない。
タンパク質の摂取は十分に、なおかつ多すぎないように注意したい。
● ビタミンとミネラルのはたらき
映画でも演劇でもそうだが、よい作品には、表舞台に現れない多くの裏方が営々とはたらいている。
同じことがあなたの脳にもいえる。
その裏方に当たるのはビタミンやミネラルといった保因子である。
わたしたちの食べた食べ物を酵素がモデルチェンジして、神経細胞、伝達物質、受容体をつくる。
酵素が働くのに欠かせないのが、ビタミンとミネラルだ。
ブドウ糖を酸素で燃やしてエネルギー物質ATPをつくるのも、アミノ酸から伝達物質をつくるにも、単純な必須アミノ酸をγーリノレンサン、DHA,プロスタグランジンに、あるいは、脂肪酸をリン脂質にモデルチェンジするにも補因子は欠かせない。
マルチビタミンやマルチミネラルをサプリメントによって大量に摂取することによって、こどもの非言語的IQが平均10%高まったこと、1日摂取所要量を摂取した子供では平均4.5ポイントの上昇だったことを述べた。
このことから、もし最適な量を摂取するなら、子どもでも大人でも、頭の回転が速くなり、集中力が持続することが予測できる。
脳の神経細胞、伝達物質、受容体をつくるのに欠かせないビタミンやミネラルは、脳にとってかけがえのない友達なのである。
● 主なビタミン・ミネラル類
脳に最適な栄養素を与え始めるのが早ければ早いほど、よい結果が得られる。
つまり、妊娠中や授乳期の母親には多くの責任があるということになる。
早期における栄養素の供給が子どもの脳の発育にどれほど大事であるかは、MRC(イギリス医学研究所)のアレン・ルーカス教授が発表した論文が雄弁に物語っている。
同教授は、424人の早産児を2グループに分け、1つのグループには標準ミルク、もう1つのグループにはタンパク質、ビタミン、ミネラルを強化した特別ミルクを飲ませた。
18ヵ月後、2グループの知能を測定したところ、標準ミルクを飲んだ児童は、特別ミルク児童に比べ、知能の発達が芳しくなかった。
さらに8歳で再検査したところ、標準ミルク児童のIQは、特別ミルク児童に比べ14ポイントも低かった。
おもな必須栄養素は50ほどだが、そのどれもが脳と心の発達に欠かせないものばかりである。
その中でもとりわけ大事な栄養素とその栄養素を含む食べ物を紹介しよう。
● 脳が冴えるビタミン・ミネラル類
■ ビタミンB群
ビタミンB群は、いずれも脳と心の健康に欠くことができない栄養素だ。
B群のメンバーは、B1〈チアミン〉、B2〈リポフラビン〉、ナイアシン(ニコチン酸、ニコチンアミド、B3)、B6、B12、葉酸、パテント酸、ピオチンの8種類。
脳は、全エネルギー消費(1日2000カロリー)の20%を占める大食いの臓器である。
この大量のエネルギーを作るのに活躍するのが、ビタミンB群というわけだ。
もし短時間でも不足すれば、すぐに脳の働きの低下となってあらわれる。
不足を防ぐために、B群やマルチビタミンのサプリメントを摂取するのがよいだろう。
それも、毎日が望ましい。
B群は水溶性であり、尿といっしょに迅速に排泄されるからだ。
■ ビタミンB1(チアミン)
―ー頭がさえ、元気が出る
ビタミンB1はブドウ糖からエネルギーを生産する酵素を助ける。
そのためビタミンB1が不足したときに最初にあらわれる症状は心とからだの疲れである。
ビタミンB1不足の人は注意力や長続きしないのだ。
ビタミンB1は、豚肉、玄米、胚芽米、ノリ、タラコ、ワカサギ、サバ、ヤツメウナギ、ヒマワリの種などに豊富である。
精白米にはビタミンB1が入っているが、ご飯を炊く前に米を研ぐ際にほとんど流出してしまう。
このため、B1は非常に不足しやすい。
そこでサプリメントでB1を摂取すると、頭が冴え、元気が出て、迅速に物事に反応できるようになる。
■ ナイアシン(B3)
―ー心の病に効果的
心の働きをさゆうするビタミンのうちで一番有名なのが、ナイアシンである。
ナイアシンが発見されたのは、欠乏によって心の病、下痢、浮腫を起こすペラダラという病気が発生したためである。
エブラハム。ホッファーとハンフリー・オスモンド両博士による統合失調症治療の徹底的な研究によって、1日数gのナイアシンを摂取することで症状が改善することが判明した。
ナイアシンの1日摂取所用量はわずか18mgであるから、これがいかに大量であるかがわかる。
心の病が治るだけにとどまらない。
毎日14mgのナイアシン摂取によって、若い人も老人も記憶力が10〜40%も上昇したことが報告されている。
ナイアシンは、レバー、玄米、マグロ、ホタテ、タラ、カキ、イカ、焼き豚、アヒルなどに多い。
■ パテント酸
―ー記憶力を高める
パテント酸もまた、記憶力を高める物質として知られている。
ストレスホルモンのコチゾールや記憶物質アセチルコリンの生産にも欠かせない。
フォスファチジルコリントいっしょに摂取すると、記憶力が高まる。
パテント酸の豊富な食べ物には、酵母、ピーナッツ、豆腐、ネギ、ニラ、ブロッコリー、白魚、ニシンがある。
■ ビタミンB6、ビタミンB12、葉酸
―ー「頭のビタミン」と、妊婦に必須のビタミン
B6とB12は脳の神経細胞に多く含まれているため、「頭のビタミン」と呼ばれている。
B6は、タンパク質をバラバラに分解してアミノ酸にする酵素や、あるアミノ酸を別のアミノ酸にモデルチェンジする酵素の働きを助けている。
炭素1個の単位であるメチル基を、分子から分子へと移動する化学反応をメチル化と呼んでいる。
メチル化は伝達物質やホルモンの合成に欠かせないが、これを進めるのに必要なのが、B12と葉酸である。
もしB6が不足すれば、「幸福物質」セトロニンの生産が落ちてしまう。
脳内はセトロニン不足になるから、何かのきっかけでうつになりやすい。
B6はストレスを緩和するが、ストレスはB6を消費する。
もしB6で、しかもストレスを受けているなら、うつに向かっているのかもしれない。
B6や葉酸の不足気味の人は多い。
イギリスのキングスカレッシュ病院は、うつや統合失調症の、精神科の入院患者123人の血液を調べたところ、その半数は葉酸レベルが低かったことを公表した。
そこで彼らに葉酸か偽薬を6ヶ月間与えたところ、葉酸グループだけに気分の向上が見られたという。
葉酸の不足が気落ちの原因となることがわかる。
1960年代から、精神科の患者にB12や葉酸が不足していることが多いことは指摘されてきた。
1967年、ランカスタームーア病院のカーニー博士は、精神科の患者はB12や葉酸が不足していることが多いため、まず、ビタミンレベルを調べることを提唱した。
もし12が不足すると、感覚が鈍くなり、思考力も落ちる。
じつに、認知症の半数に、B12不足が見られるという。
また妊婦がB6、B12、葉酸を十分に摂取すると、脊椎の一部が左右に分割している二分脊椎症といった発達障害を防ぐ。
胎児の知能の発達の観点からも不可欠だ。
葉酸不足の妊婦から生まれた赤ん坊は、知能の発達が遅れることが知られているのである。
それぞれのビタミンはつぎの食べ門に含まれる。
B6は、サバ、カニ、インゲン、バナナ、ブロッコリー、ホウレンソウ、ニラ、キャベツ。
b12はハマグリ、うニ、チーズ、シジミ、鶉の卵、スジコ、ウシ、ブタ、トリのレバー。
葉酸は、酵母、牛や豚のレバー、胚芽、ホウレンソウ、ダイズ、ジャガイモ、アズキ。
■ ビタミンC
―ー心の病の患者に不足しているビタミン
ビタミンCは白血球の働きを強め、インターフェロンレベルを上げ、抗体の活性を高め、甲状腺ホルモンの放出を進めることで、免疫力を増強する。
その上、ビタミンCは伝達物質をつくるなど、脳内でも大役を果たしている。
ナイアシンほどの劇的さはないが、ビタミンCはうつや統合失調症の症状をやわらげることも確認されている。
これまでの研究から明らかになったのは、心の病と診断される多くの人は、ビタミンCを普通に摂取するだけでは不足がちになるということである。
これは彼らのビタミンC要求量が高いことを意味する。
ある研究では、患者は1gのビタミンCを摂取して初めて、対照群と同じだけのビタミンCを排泄したという。
ミシガン州のバンデンカンプ博士は、ある統合失調症患者は、ビタミンCを健常人の10倍も必要としていることを報告している。
健康を維持するのに、ある人は他者の10倍もの微量栄養素を必要とすることもある。
このため、いわゆるバランスの取れた食事が、多くの人にとって適切なものとは限らない。
だから、脳と心を健康に保つためには、食事のほかにサプリメントからの栄養摂取が欠かせないのである。
ビタミンCは、ミカン、イチゴ、キウイ、グァバ、ニガウリ、パセリ、コマツ菜などに豊富である。
■ カルシウムやマグネシウム
―ー不安やイライラを解消
不安やイライラに襲われたとき、あるいは、ストレスから開放されたいとき、その解決策にミネラルを摂取しようと思う人はあまりいないだろう。
しかしじつは、これがとても効果的なのである。
カルシウムやマグネシウムは「自然の精神安定剤」で、神経や筋肉の細胞をリラックスさせてくれる。
もしカルシウムやマグネシウムが不足すると、不安やイライラが起こり、攻撃的になりやすい。
筋肉の痙攣も、マグネシウム不足によって起こることが多い。
マグネシウムは自閉症児や多動児の治療に他の栄養素と併用され、かなりの成果が上がっている。
その上、マグネシウムには睡眠を助ける効果もある。
最近、マグネシウミ不足が心の病の原因になっていると指摘されている。
皮肉にも、精神科の薬を服用するとカルシウムもマグネシウムも失われやすくなる。
これが患者の心の状態を悪化させているようだ。
そんなときはカルシウムやマグネシウムをサプリメントで摂取することで、薬の副作用を減らすことができる。
カルシウムは、アジ、イワシ、サンマなどの魚類、ハマグリ、シジミなどの貝類、コンブ、ノリ、ワカメ、ヒジキなどの海藻類、ヨーグルト、チーズなどの乳製品に多い。
1日に必要なカルシウムの量は700mgとされているが、ストレスの多い現代人には1000mgの摂取を勧める。
マグネシウムは、亜鉛についで最も不足しがちなミネラルである。
マグネシウムが緑色の葉野菜に豊富なのは、緑色のクロロフィル色素の中心にマグネシウムが存在するから。
ナッツや種子、とりわけ、ゴマ種、ヒマワリ種、カボチャ種にも多く含まれている。
1日に必要なマグネシウムの量は300mgとされているが、ストレスの多い現代人は600rを摂取するのが望ましい。
とりわけ女性はマグネシウムを積極的に摂るようにしたい。
なぜなら、女性は骨粗しょう症になりやすく、この予防にカルシウムを大量にとる必要があるからである。
カルシウムはマグネシウムに性質がよく似ているため、カルシウムが大量に摂取されれば、マグネシウムの身体への取り込みが減少する。
どうすればいいかというと、カルシウムだけでなく、マグネシウムも十分に取るとよい。
毎日、カルシウムやマグネシウムの豊富な種子をスプーン1杯食べると同時に、マルチミネラルも摂取するのがよい。
■ マンガン
―ー統合失調症を防ぐ
マンガンについては、バランスがとりわけ大切になる。
多すぎても少なすぎてもいけない。
マンガンが井戸水や水道水を通じて過剰に体内に入ると、甲状腺に蓄積して甲状腺肥大を起こすことはよく知られている。
マンガンを採掘する鉱山労働者は、鉱石の埃を吸うことにより、パーキンソン病に似た運動障害を起こすことが報告されている。
もっとも、マンガンは吸収されにくく、排泄されやすいから、こうなるケースは稀なことである。
一方、マンガンが少なすぎれば、統合失調症などの心の病を引き起こすとされる。
すでに1917年には、マンガンが統合失調症の治療に効果的なことが示されている。
かつて、ニュージャージー精神研究所のカール・ファイファー博士は、心に病を持つ人がマンガンと亜鉛を摂取することによって、その症状が改善することを報告した。
同博士はまた、銅が過剰になると銅がマンガンと置き換わり、神経を連続的に刺激し精神状態が悪化することを発見した。
また、マンガンがわずかでも不足すると、不眠症、ソワソワ、ひきつけ、高血圧などの症状があらわれやすい。
マンガンが豊富な食物は、緑茶や紅茶の葉、ノリ、小麦胚芽、貝類などである。
■ 亜鉛
―ー心の健康に最も影響を及ぼす栄養素
亜鉛はすべての細胞に存在し、全酵素2200種類のうち100種類以上の酵素の補因子になっている。
どのミネラルよりも多くの酵素を助けているのが、亜鉛なのだ。
それほど大事な亜鉛だが、実は一番不足しやすく、心の健康に最も影響を及ぼす栄養素でもある。
日本人は1日に平均9ミリグラムの亜鉛を摂取している。
だが、この値はアメリカ人やイギリス人の1日の平均摂取量15mgの60%に過ぎない。
日本人の大多数は、潜在的に亜鉛欠乏症の状態にあるのだ。
それに拍車をかけるのが、フィチンという物質が亜鉛を捉え、亜鉛の身体への吸収を妨げることである。
フィチンは、パンなどの小麦やインスタント食品中に大量に含まれているため、日常の食生活で摂取しやすい。
このため亜鉛は私たち現代人にとって最も不足しやすいミネラルになっている。
亜鉛の不足は統合失調症、うつ、不安、摂食障害、多動などの危険因子になる。
要するに、心の健康を妨げるのだ。
食事からの亜鉛の摂取が不足気味であるばかりか、生体がより多くの亜鉛を必要とする状況も増えている。
たとえば、ストレス、感染、月経前症候群、ホルモンのインバランス、経口避妊薬、過剰な銅、過度の飲酒、血糖値の不安定などだ。
それから、体質的に亜鉛を多く必要とする人もいる。
亜鉛は精液に多く含まれるから、射精によって急速に失われる。
亜鉛はナッツ類、穀物の種子に豊富。
肉類や魚にも含まれているが、いちばん多いのがカキだ。
一個のカキ(100g)にはやむ13mgもの亜鉛が含まれている。
昔からカキは男性の「精力剤」とされてきたが、その効果はカキに含まれる亜鉛の追うところがだいっだったのである。
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