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2月6日の『日本農業新聞』に「米国で大豆ブーム、骨粗しょう症予防で」と次のような文が掲載されていた。 骨粗しょう症予防に大豆が注目されている。特に米国では大豆蛋白食品の関心が高く、閉経後の女性を対象にした実験では、大豆に含まれる蛋白質を多く摂ることで、骨密度の低下を抑えることが分かった。 骨粗しょう症は、年齢を重ねるごとに骨量が少なくなり、骨折しやすくなる病気で、一般にカルシウム摂取が骨粗しょう症に効くといわれるが、「カルシウムを取るだけでは骨量は増えない」という。 「カルシウムの摂取量が欧米人の半分程度の日本人を始めアジア人の方が、大豆をたくさん食べることによって、欧米人よりも大腿骨の骨折が少ない」 大豆蛋白の中でもイソフラボンという物質が骨密度に影響している。実験ではイソフラボンをより多く取ることで骨密度が高くなることが分かった。更年期障害の症状である「のぼせ」もイソフラボンで軽減された。 米国では、1999年に食品医薬局(FDA)が心臓病予防効果を認め、大豆蛋白を含む食品に健康表示をするようになった。 食文化史研究家の永山久夫著『世界一の長寿食』(NHK出版)には、大豆こそ日本一の100歳食としている。 アメリカでは、動脈硬化や肥満、心臓病の原因といわれる動物性食品の摂り過ぎが大きな社会問題になっているのでが、そこで「畑の肉」といわれる大豆の人気が急上昇ということ。 「元気で長生きしたかったら、大豆をしっかり食べよう」というわけです。 大豆には体が必要としているビタミンやミネラル類のほとんどが含まれ、ビタミンA、B1、B2、B6、E、コリンなど、ミネラルではカルシウム、カリウム、鉄、リン、マグネシウム、マンガンと多彩。 カルシウムが不足すると骨が脆くなるだけでなく脳の働きも鈍くなる。精神が不安定になり、落ち着きがなく怒りっぽくなる。イライラしたり怒りっぽくなると、血圧が高くなり脳や心臓にもよくない。 大豆に含まれるレシチンはボケを防ぎ、記憶力の回復にも役立ち、若々しい脳を保つためには大豆は理想的な食べ物であり、一日に30粒くらい食べるのが良いそうです。また大豆サポニンは、宿便を癒し、便通を良くして腸をきれいにし、腸の働きを活発にするとともに、血管に付着した脂肪やコレステロールを洗い流し、動脈硬化の予防にもなるという。 同書によると、大豆サポニンには次のような作用があるといいます。 �� 血液中のコレステロール値を下げる働き。 �� 血圧を安定させる作用。 �� 太り過ぎを防ぐ作用。 �� 肝臓の機能向上に役立つ。 �� 血栓が出来るのを防ぐ作用。 �� 老化の原因・過酸化脂質の発生を防ぐ働き。 �� 便秘の解消効果が高い。 �� 脳卒中や心臓病を防ぐ働き。 �� 肩こりの解消にも役立つ。 �� 血の巡りを良くする作用。 京都大学大学院の家森幸男先生の著書によると、蛋白質は長寿に欠かせない栄養素である。しかし蛋白質を多く摂ればいいというものではなく、極端な高蛋白質の食事では、蛋白質が尿からカルシウムを排出させてしまうことになるというのです。つまり高蛋白食の過剰摂取が続く欧米では、カルシウムが体外に出てしまうことで骨粗しょう症の問題が起きているのです。 また家森先生はハワイでの研究実験から「大豆イソフラボンが人類を救う」と次のように述べている。 1993年と1995年にハワイのヒロで検診した結果、70歳以上の人たちはいたって健康で、寝たきりや痴呆も少なかったが、50代では肥満も高血圧も多くなっていた。 尿を分析して驚いたことは、大豆の重要な成分イソフラボンは、50代の人たちの尿では、70代の尿に比べ4分の1に激減していた。 そこで2000年の2月、コレステロールや血圧が高めの人90人を選び、2ヶ月間毎日25グラムの大豆蛋白を食べてもらった。血圧もコレステロールも下がり、骨からカルシウムが抜け出るのが抑えられたという。 「元気百歳、豆一生」という諺があるという。元気で長生きしたかったら一生の間毎日豆を食べなさいということで、前述したように、大豆に含まれるビタミンB類、レシチン、サポニンなどが、血管を若く保つ上でも役に立ち、 また大豆レシチンは脳の老化を防いだり、記憶力を向上させ、ボケ防止にも効果ありとのこと。 昔から「畑の肉」と言われてきた大豆は、日本人の健康長寿には欠かせない重要な蛋白源なのです。 ところがこの日本人の健康長寿を支えてきた大豆の自給率は僅かの2%前後。日本人が一年間に消費する大豆は500万弱で、そのほとんどはアメリカや中国、ブラジルなどからの輸入大豆。日本で豆が作れないわけではなし、何かやりきれない気持ちになりませんか。 スーパーマーケットなどで見る豆腐や納豆、味噌や醤油などに国産大豆使用などが多く目立つようになってきました。疑うわけではないが腑に落ちない。 どこで誰がどのように生産したものなのか、どの程度使用されているのか素性を明らかにして欲しいものです。 「身土不二」の観点から、また休耕などで農地を荒廃させないためにも大豆の国産を大いに進めるべきだと思うし、消費者も進んで国産の大豆製品を求めて健康づくりに役立てるべきだと思うのです。消費者が国産を食べるということは、食べることを通して日本の農地を耕しているということであり。人や環境に良い栽培方法のものを選ぶということは、質の良い食べものの生産に関わっているということになるわけです。 「日本人の栄養所要量」では、1日600mgのカルシウムを摂ることが必要とされていますが、現実には500mg強しか摂取していないことから、「もっともっと牛乳を飲むように」と指導されます。 しかし宮崎大学の島田彰夫博士によると、乳糖分解酵素ラクターゼを持たない大多数の日本人やアジア人、アフリカ人には、牛乳を飲むことによってそれに含まれるカルシウムが吸収されないばかりでなく、他の食物から摂取したカルシウムも含めてカルシウムの排泄が促進されるというのです。 そして、日本人はカルシウムを多く含む緑色野菜、大豆製品、小魚類や昆布やワカメなどの海草類、ゴボウなどの根菜類、椎茸などのキノコ類などから摂るのが望ましいとのべています。 アジア人やアフリカ人のカルシウム摂取料は、1日400mg以下であり、日本人のカルシウム摂取量が400mgを超えたのは1962年のこと。 それでもその当時日本人の骨粗しょう症は欧米人よりも少なかったという事実があり、そうした日本人の過去の実績やアジア人アフリカ人の状況から見ても、カルシウムは多く摂取さえすればいいというものではなく、私たちの生体や食体系に応じた食品から400mg程度の摂取で十分だというのです。 子どもを何人も生み育ててきた日本人は何を食べてきたのか、その伝統食を確かなものとし、しっかり守り伝えていかなければならないのではないでしょうか。
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