そのままかぶりつく!
うう〜ん これはうま!
糖度も高く凝縮感があり
ほとばしる甘〜い果汁
宮崎県門川町「新門トマト農園
神門トマト
 
 
私の出身は鹿児島県ですが1992年にサラリーマンをやめ、
『おいしいトマトを作りたい。』
『ついでに趣味のサーフィンも楽しみたい。』
と宮崎県門川町に来ました。
1995年より日々楽しくトマトを作っています。
 
私たちがトマトを作っている門川町は宮崎県の北部に位置し、北は延岡市、南は日向市に接しており東は太平洋に面しています。
気候は温暖で、特に秋から春にかけては日本でも最も晴れる日が多い地域です。
私たちは『日本の日だまり』と呼んでいて、一年中おいしいトマトを作るのに適しています。
住んでいる人たちも暖かくおだやかな人柄のかたがとても多いように感じます。
また、春〜秋には太平洋沖を通る台風からうねりが届き、サーフィンするにも絶好の場所です。
 
 
宮崎県門川町で株式会社新門トマト農園を経営する新門剛さん、綾子さんご夫妻は、町内2カ所、合わせて55アールのハウスで、糖度7度から9度の甘くてコクのあるトマトを周年生産しています。
 
夫妻が門川に移住したのは15年前。
新門さんは東京で勤めていたころから、将来は独立して、趣味のサーフィンもできる生活がしたいと夢を描き、家族にも話をしていました。
やがて、種子島に家と農地を借りることができ、念願の就農&サーフィン生活が始まるはずでした。
ところが、引っ越しの途中でフェリーが日向に着いたことが新門さんの人生を大きく変えていきます。
 
農業をするなら甘いトマトを作ろうと考えていた新門さんは、当時、門川に先進的なトマトファームがあったことから、フェリーが着いたら生産者の見学をしよ うと考えていたのです。
サーフィンも兼ねて滞在するうちに、サーファーでトマト農家の曽川政司さんと出会い、農場の人手が足りないから1年間研修がてらやってみないかと誘われます。
新門さんも種子島でひとりでトマト栽培を始めるには不安もあり、迷った末に門川での研修を選びました。
 
「ちょうど五十鈴川河口にいいポイントがあって、サーフィンの研修でもあったんですよ」と笑う新門さん。
家を借り、生まれて間もない長女を連れて綾子さんもやってきました。
 
「知らない土地でしたが、近所や農家のみなさんにいろいろお世話になり、その雰囲気がとても居心地がよかった」と当時を振り返ります。
 
1年 間の研修を終えた時、再度種子島行きを考えましたが、門川での就農を強く勧めてくれた農家のみなさんや、冬場の日照時間が長いなどトマト栽培に合う気象条 件だったこともあって、門川での就農を決めました。
 
「ハウスを新設する設備資金の借り入れなども周囲の協力のおかげでクリアできました。しかし、5〜6年 は収穫も安定しなくて、農業収入だけでは生活できませんでした」。
その苦労も、7年前に土耕から水耕に切り替えたことで収量も品質も安定し、経営が成り 立ってきました。
 
こうして“師匠”の曽川さんと共にさまざまな工夫を重ね、失敗しても“次をうまくやる”と切り替えながら、甘いトマト作りに打ち込む日々が続きます。
トマトは2〜5カ月でローテーションするため、次々に新しい工夫を試せたのです。
 
将来は今の1.5倍程度まではハウスを広げる計画があり、雇用の問題や資金調達のことなども考えて、平成19年11月に農業法人化して株式会社を設立。
現在は夫妻のほか、常勤4人、忙しい時期に臨時を4人という体制で仕事をしています。
 
「今のトマト、上出来ですよ。よくぞトマトを選んだと思います。多くの人においしいトマトを食べて喜んでいただくため、同じ栽培方法でトマトを作る仲間を増やしていきたいんです」と語る新門さん。
チャレンジ精神旺盛でタフなイメージですが、ここに来るまで止めようと思ったことも2度3度あったとか。
「その 時に、支えて励ましてくれたのは妻でした。家族がいたからやれたと思います」。
いつか綾子さんが工夫したトマト料理の店を東京に出せたらなぁと笑顔を見せる新門さんです。
 
 
● 栽培方法
 
トマトは乾燥を好み、雨に弱い作物です。
一年中おいしいトマトをお届けするために温室の中で栽培しています。
 
直径2mmぐらいの種をまくと約7〜10日で芽が出ます。
 
 
芽が出て約1ヶ月後のトマトの苗です(高さ約20cm)
この小さな苗が生長しておいしいトマトを成らせます。
直径約2cmのきれいな花が、2〜3ヶ月後、収穫できる実になっていきます。
 
 
太陽の光をいっぱいに浴びてトマトは少しずつ大きくなっていきます。
光だけでなく水や肥料さらに温度や風の流れをトマトの生育に適した状態に保つよう気をつけています。
へたのまわりの濃い緑色の部分がベースグリーンと言われるところです。
このベースグリーンが強くでているトマトほど糖度が高くなります。
 
 
トマトが色づく頃になると葉が反り返り、表面にツヤが出ます。
糖度の高いトマトは熟すほどに緑→オレンジ→赤と色が変わります。
真っ赤に完熟したトマトを収穫します。
ちぎりたての味と、へたの香りをそのままお届けするため収穫したその日のうちに発送しています。
 
神門さんにトマトは水耕栽培で、土を用いず、ロックウールなどを培地にして育てる栽培方法です。
水槽内に養液を流すことで肥料養分を摂取して育ちます。
 
土を用いると、同じ作物を続けて栽培すると連作障害というのが発生します。
様々な要因がありますが、同じものを連続してつくると、土壌から一定の養分が吸い取られ、また菌類の増殖のバ ランスも崩れることで発生すると考えられています。
 
しかし水耕栽培ではこの連作障害の心配がありません。
ハウス内で機械制御するため、設備投資の初期コストはかかりますが、環境をコントロールすることが出来ます。

品種はタキイのヒット品種である桃太郎ヨーク。
それを、かつお煮汁とカキガラ、草木灰、石灰で栽培したものだという。
 
 

石川県認定
有機農産物小分け業者石川県認定番号 No.1001