山ちゃんの食べもの考

 

 

その168
 
『食は生命なり』 【25】




食は生命なり
「生命なきは食にあらず」とも云われますが、
人は多くの生命を頂く事で生かされている。
植物の生命も動物の生命も微生物の生命も、
土の生命も水の生命も空気の生命も、
すべての生命がつながって生かされている。
そんな「共生」の世界で生かされている。
「人は何を食べるのかによって決まる」とも云う。
肉体的な健康、長寿のみならず、
知性、思想、性格までをも決すると。
その食べ物の作り方、その食べ物の商いほう、
その食べ物の選び方、買い方、食べ方は、
その人の生き方、その考え方そのものであると。

                                   
(山ちゃん)
『食は生命なり』 【26】
『食は生命なり』と「永山久夫」 その19
永山久夫 「百歳までの健康ライフ 健康食・健康百科」 より
★★★★★「和食」日本人の健康を守る★★★★★
■ 驚異の仙人食で長生きしよう
仙人がさらに長生きするためにとった食べ物が「仙人食」で、生命力の衰退を防ぎ、より強固なもののするために服用した薬草が「仙人秘薬」です。それらの主な種類と成分を、古代仙術書や医術書の中からピックアップして、解説してみましょう。
● 仙人食 1、ごま
⇒頭脳の働きを良くし、精神を安定させます
「ごまを食べていれば、穀物を絶っても長生きできる」と、卓越したその“延命効果”を述べているのは、わが国最古の医術書である『医心方(いしんぼう)』ですが、古代中国の『抱朴子(ほうぼくし)」の中でも「上薬」の筆頭に置かれ、「常に食事に用いれば老いず、仙家これを食す」とあります。
ごまをハチミツで固めて丸薬にしたものを「精神丸」、または「巨勝子丸」と呼びますが、日本にも伝来して戦国時代には兵糧丸や忍者食として、その威力を発揮しています。
平安時代の医術所・『医心方』は、「食べもの」も用い方によっては「薬」になると、「医食同源の」原理を、「穀類、畜肉類、果物類、野菜類は、これらを用いて飢えを満たすときには“食物”というが、病気の治療するときは“薬”というと説明し、「五穀の部」のトップに「ごま」をすえているのです。
仙人や古代医術家がごまの効能に対して、どのような確信を抱いていたか、同書の説明を解かりやすく箇条書きにしてみましょう
 
第一条 ごまは虚脱感をおぼえ、体力が低下したときの治療食である。
第二条 五臓の精を補い、気力を増して、肌の輝きや皮下組織を豊かにする。
第三条 脳組織や神経組織を充実させ、筋肉と骨格を丈夫にする。
第四条 ひさしく服用すると、体が軽くなり、老衰を防ぎ、視力を向上させる。
第五条 飢餓に対する抵抗力を増し、寿命をのばす
第六条 ごま油は大腸のためによく、また常用すれば流産を防ぐ。
それらの効果は穀物中では最高である。
第七条 つややかで黒い色のものを「巨勝」と呼び、これが最もすぐれている
茎の角のものを「巨勝」といい、丸いものを「ごま」という。
すべて黒いものがよく、白いものは劣る。
第八条 ごまは、季節の流行病の熱や便秘の主治食である。
第九条 ゴマの葉で頭を洗うと、髪の毛の生長を促す。
 
ゴマの成分の50%強は油脂成分ですが、そのほとんどは牛や豚の脂身のように固まらない。サラサラと流れる不飽和脂肪酸。脂質の内の約40%が、高血圧や動脈硬化などさまざまな成人病の原因となる「悪玉コレステロル」を洗い流す働きをするリノール酸です。
そのほかにも、パルチミサンやステアリン酸、オレイン酸、レシチンといった健康によい作用をする脂質もたくさん含まれています。
「人は血管とともに老いる」という有名な言葉がありますが、ごまには、延命長寿の栄養を体中のすべての細胞に運搬する血管を、しなやかに丈夫にする働きがありますから、仙人食を食して寿命をのばす仙人にとっては、最も重要な薬食となるわけです。
ごまにはたんぱく質が約20%含まれていますが、ミネラルも多く、中でもカルシウムは100g中に1200mgと大量に含まれています。ビタミンB群も多く、ビタミンBはカルシウムとともに神経の鎮静作用を持っていますから、精神の安定効果も抜群です。
山中の仙人が、常におだやかに生活できたのも、ゴマのような優秀な食べものがあったからなのです。昔の旅人は、小さなお守り袋の中にごまをつめ、歩きながら一粒ずつ食べて、道中の疲れを癒しましたが、真言密教で護摩を焚く真のねらいは、ごま油を火の中に投げ込むことによって、その煙霧を吸入し、呼吸器系の病気を治すことにあったと伝えられています。
仙人に限らず、人々の生活にとって、ごまは非常に貴重な保健食だったのです。
 
コラム
仙人の好きな“山の食べもの”
仙人食としてとりあげた8つの食べもの以外にも、千人が好んだ役藻類には、次のような植物があります。現代の利用法もあわせれ述べてみましょう
★ アケビ
山野に自生するつる性の落葉低木で、秋に紫色をした長楕円形の果実をつけます。アケビの名の由来は「開け実」で、熟すと、たてに割れ、中から白っぽい果肉をのぞかせます。
若葉を干してお茶にしますが、つると茎は乾燥させて煎じると利尿薬としての効果があります。
★ アカザ
新芽の赤いものを「アカザ」白いものを「シロザ」と呼びますが、茎は古くから中風のまじないとして、老人の杖としました。生長しきった幹の枝を取り払い。乾燥させると軽くて意外に丈夫な杖になります。
アカザは、ホウレン草の親類でビタミンやミネラルが多く、貧血や動脈硬化の予防に効果があります。
★ イタドリ
根は「虎杖(こじょう)」と呼ばれ、漢方薬として知られています。山野のいたるところで見られる多年草で、若葉を食用にします。
利尿やせき止め、健胃、整腸などに用います。
★ ウコギ
樹高2、3メートルになる落葉低木で根は全体にとげがあるので生け垣に植えたりします。葉は干してウコギ茶になり、強精効果が強い。感想した根皮を酒につけたのが有名な五加皮酒で、寝る前に飲用するとインポテンツの妙薬に。
天ぷらやウコギめしにもおいしいものです。
★ ウド
日当たりのよい山麓などによく生える宿根草で、ウドの大木のとおりよく育つと2メートルくらいになるものもありますが、秋には枯れてしまいます。
新芽は、みそ汁の実や薬味に、若い茎は、皮をむいてあえものにし、頭痛や解熱に用います。
★ オケラ
「山でうまいはオケラにトドキ」といわれるほど、若芽をゆでて食べると美味しい。山菜の横綱格で、奈良時代から有名な食用野草です。
根を乾燥したものは「蒼朮(そうじゅつ)といい漢方薬として有名で、オケラは、お正月の屠蘇酒の主原料としてもおなじみです。
明るい林の中などに生えている宿根草で、60〜70センチになります。
薬用としては、晩秋になって葉が枯れてから根茎を掘り取ってよく洗い、日干しにして保存します。風邪や利尿、消化不良などによく、弱火で煎じたものを用います。
★ カラスウリ
晩秋に卵形の赤い実をつける。実がからすの好物なところから、この名がつけられました。若い葉はあえものや天ぷらにして食べます。
薬用には根と種子を干したものを煎じて用いますが、利尿やせき止め、黄疸、胃の不調などに効果があります。また、肌荒れやひび、あかぎれには果肉をすり込みます。
★ クズ
漢方で有名な「葛根湯」の「葛根」は、クズの根を干したもの。
山の斜面や土手など、日当たりのよい土地に大繁殖する生命力の強いコメ科の植物。
根からクズでんぷんがとれますが、乾根には発汗解熱の効果があります。花には「葛花解醒湯」の原料で酒毒の解消に用いられますが、二日酔いにはクズ湯でも効果があります。
 
● 仙人食 2、拘杞(くこ)
老化を防止し、体を軽くします
中国最古の薬物書である『神農薬物本草経』には、365種の薬物が採録されていますが、それらの薬の効能によって「上薬」、「中薬」、「下薬」に分類されています。
拘杞は、「上薬」として記され「久しく服用すれば、筋骨を強くし、身を軽やかにして、老いを防ぎ、寒さ暑さにも耐える」と書かれています。
拘杞は、ナス科の落葉小低木で川のふちや土手、路傍、海辺などに自生しており、日本ではほぼ全国的に見ることができます。
トウガラシの葉に似た、柔らかい葉をつけ、秋から冬にかけて透きとおるような真っ赤な実をつけます。
「拘杞の一名を仙人枝、または、西王母杖(せいおうぼじょう)という。精力を補い体力をつける。筋骨を固くして、長寿となし、顔色をよくして、眼を明らかにする効能がある。拘杞を湯に入れてわかせば、肌色のつやをます」
以上は天保12年(1841)に刊行された為永春水の『閑窓?談』の一説ですが、さらに、「昔より仙家の奇薬として喜ばれた証拠の読書が詳細に述べている」として、「数百の効能の中から、ほんの1、2例を紹介してみよう」と、次の例を記載しています。
 
第一の例
「拘杞を煮てこれを食すれば、たちまち体が軽くなり、高い山にも平気で走り登ることができるようになる』・・・・・・『円機活法』
第二の例
「拘杞を利用すれば、身を軽くして、気を益すこと多い」・・・・・・『康煕字典』
第三の例
「拘杞は心気をさかんにして、五つの疲労、七つの病を補う」・・・・・・『両大師伝記』
 
拘杞は、葉、果実、根の皮と好みによって使い分けますが、効果の高い順に上げますと、根、果実、葉となります。煎じ薬、拘杞茶、拘杞めし(柔らかい葉をさっと塩ゆでにして、炊きたてのご飯を混ぜ合わせる>、拘杞酒(乾燥した果実をホワイトリカーに氷砂糖と一緒につける)など、どれを用いても効果があります。
 
● 仙人食 3、松の葉
⇒内蔵を丈夫にして、齢をのばします
松やにや松の葉、松の実ばかりを食べて仙人になった話は有名ですが、特に注目したいのは、「屋全(あくぜん)」という仙人の場合のように、体中に14〜15センチもある毛が黒々と生えてきたということです。
しかも、「屋全」は疾走する馬に負けないほどのスピードで、走ることができました。
長生きしたのは「屋全」ばかりでなく、彼に松の実を分けてもらった人たちまで、長寿能力を手に入れ、200〜300歳まで生き続けたというのです。
この物語には、「松」についての暗示が、3つ投げかけられているのではないでしょうか。
@松の実には、毛を濃くする効果がある。
A猛スピードで疾走できるほど、体力を強化する神秘的な成分が含まれている。
B不老延命の働きをする成分も含まれている。
事実前出の『神農薬物本草経』の中にも、松やにには悪質な腫瘍を治し、五臓の働きをよく整えるから、久しく服用していると、身が軽くなって年をとらないと出ています。
時代は下がって、今から約400年前の明の時代に表された、漢方の聖典といわれる『本草網目』にも、「(松の葉は)毛髪を生じ、五臓に益する。常用すれば身を軽くし、穀を絶っても飢えず、乾かず、不老延年す」とあります。
薬用や食用にするのは、主として「赤松」と呼ばれる「雌松(めまつ)」ですが、その葉から実、松やに、内皮はいうまでもありませんが、古木の根に発生する「茯苓(ぶくりょう)」(キノコの一種)は、漢方の生薬として欠かせない貴重なものです。
松の葉の主成分は、葉緑素とビタミンCやAで、これらは血液を浄化して壊血病を防ぐ強力な効果を持っており、戦時中、抑留された日本兵がビタミンCの不足で壊血病にかかったとき、ある軍医が、松の葉の煎じ汁を飲ませて治したというエピソードがあります。
松の実の60%は脂肪分ですが、この驚異的な含有量はナッツ類の中でも最高の部類に入ります。たんぱく質や糖質、カルシウム、鉄、ビタミンB1、B2なども多く、栄養効率の非常に高い木の実です。
初級の仙人は、乾燥松葉入りの仙人茶も飲み、黒ごまと黒大豆で作った「仙人食」を食べて体力を維持しながら修業すると伝えられていますが、このように松の葉や実は、老化防止や疲労回復、滋養強壮、心臓強化などに著しい効果があり、仙人が実証したように、まさに不老長寿の「妙薬」といってよいでしょう。
「松葉の茶」は、赤松の葉を洗って蒸し、刻んでから天日によく干し、保存しておき、普通のお茶のように用います。
 
● 仙人食 4、昆布
⇒脳細胞の働きを若返らせます
紀元前200年――。
万里の長城を築いた秦の始皇帝は、東海の蓬莱島に不老不死の“仙薬”があると聞き、方士(まじない師)の徐福は、早速、3000人の童男童女を85隻の大船団に乗せて引き連れ、堂々と船出していきましたが、それっきり消息を絶ち、仙薬を待ち焦がれる始皇帝のもとには、二度と戻りませんでした。
徐福の一行はどこへ行ったかというと、一説にはなんと日本の熊野に上陸していたのです。気候が温和で人情のこまやかな熊野を、蓬莱島と思い込んだためですが、あまりにも居心地がよいので、始皇帝に復命することなど、一切忘れてしまったのです。
熊野に住み着いて一生を終えた徐福の墓と伝えられるものは、今でも和歌山県の新宮市にありますが、徐福一行が探し求めた不老長寿の“仙薬”は、実は「昆布」だったと伝えられているのです。
たしかに阿房宮で天下の美女にとりかこまれながら、毎日のように山海の珍味を飽食していた始皇帝にとって、アルカリ食品の「昆布」は、最高の“霊薬”でした。美食家が、なぜ本能的に「昆布」が食べたくなるのかといいますと、ノーカロリー食品である上に、食物繊維の含有量が多いという点に注目したからです。
食物繊維は肥満を防ぐ一方で、腸の働きを活発にして便秘を解消する働きもしていますから、高血圧や大腸がんの予防にも役立っているわけです。
「昆布」の名は『医心方』にも記載されており、同書は「海藻」の効用として、「男性の機能を強くする」とありますので、始皇帝も強精食として、蓬莱島の「昆布」を求めようとしたのかもしれません。
 
昆布の「仙人食」としてのその他の効能を箇条書きにしてみましょう。
その一
健康の維持に欠かせないヨードは海のものにしか含まれていませんから、山棲み専門の仙人にとっては、ヨード含有量の多い昆布は黄金のように貴重な“霊薬”。
その二
ヨードには血行をスムーズにする働きもありますから、昆布を常食すると脳への酸素供給が十分に行われ、常に若々しい発想力を持続できます。
その三
昆布に多いアルギン酸など不消化性の多糖類は、人間が本来備えているガン細胞などの異物を除く脳直を強化する働きをしていますので、結果的にはガンの予防に役立ちます。
その四
昆布にはカルシウムが多く、心の安らぎを維持する効果があります。
その五
海水中には人体が必要とするミネラルのほとんどが含まれており、昆布を食べることは、母なる海の“ミネラル・スープ”を濃縮した形でとることになりますから、延命効果が高くなります。
 
● 仙人食 5、椎茸(シイタケ)
⇒制ガン効果もある、不老長寿の“霊薬”です
深山で生活する仙人にとっては、貴重な食べものです。
中国の明の時代に呉瑞(ごずい)という名漢方医がいて、シイタケの「4つの薬効」を、見事に説いています。
 
その一  シイタケは、気を益す。
「気を益す」というのは、イキイキすることで、「元気」をつけることを意味します。シイタケの中に含まれているメラニン色素には、自律神経を安定させたり、五臓に生気を与え、甲状腺や前立腺などの働きを活発にする効果がありますから、結果的に体力がついて精力も旺盛になります。
その二  シイタケは、飢えず。
「飢えず」は、シイタケにはたんぱく質や脂肪、炭水化物、ミネラル、ビタミンなどに加えて、さまざまな酵素が含まれており、これらが総合的に働いて四肢を強健にするから、食べものが少々欠乏してもびくともしない肉体に改造してしまうという意味です。
その三  シイタケは、風を治す。
「風を治す」の「風」は、「風邪」のことですから、感冒の予防と治療によく効くということです。シイタケの胞子の中には、何種類かのウィルスが入っていて、感冒やガンなどに対する抗体物質を、人体が作り出すのを促進する働きをしているのです。つまり、シイタケにはインフルエンザを予防し、人体の中にガン細胞が発生するのを阻止する作用があるのです。
その四  シイタケは、血を破る。
「血を破る」、というのは、シイタケにはコレステロールを排除して血行をよくし、末端の毛細血管まで活発に血液を循環させる能力があることをいったものです。血圧降下作用を持っているのは、エリタデニンという成分で、この物質は生シイタケにも干しシイタケにも含まれていますから、常食すれば動脈硬化など血管病の予防に役立つわけです。
 
その他、シイタケには便秘や大腸がん、糖尿病の予防に効果のある食物繊維や脳神経細胞の活性化に大切なビタミンB12も含まれており、さらに低カロリーですから、肥満の予防や美容にもたいへん効果のある優れた食べものなのです。
 
シイタケは大別すると「ドンコ(冬茹)」と「コウシン(香信)」に分けられますが、ドンコはかさの肉が厚く、全体にずんぐりとしています。コウシンはその反対で、かさが薄く、開いた状態になっています。
ドンコのほうが味も香りもよく、しかも、かさの裏側のひだの中には、エリタデニンなどの有効成分が多く含まれ、それだけ薬効も高いのです。
 
● 仙人食 6、柿
⇒ビタミンAが多く、病気感染にたいして抵抗力をつける
「青葉のころ、柿の木にもたれているだけで元気が湧いてくる」とか、「柿の実が赤くなると、医者が青くなる」という昔からのことわざは、どちらも柿の効用を伝えたものです。
柿の葉にはミカンの30倍ものビタミンCが含まれていますが、それだけでなく、現代風に解釈すれば、前者のことわざは、柿の青葉が放出するフィトンチッド(植物の殺菌作用のこと)効果をいったものでしょう。
後者は、柿にはビタミンAとCが特に多く、その果実が色づくころになると、お年寄りから子供まで、村人はみんな元気になり、病人も回復してしまうので、医者は青くなってしまうといったもの。
冬になって木枯らしが吹くころになると、風邪を引きやすくなりますが、それを予防するのがビタミンCをたっぷり含んだ柿だったのです。
わが国最古の医術書である『医心方』にも、「柿は鼻と耳を通じ、疲労困憊を防ぐのに有効である。また、干し柿は、胃腸を丈夫にして内臓を温め、うっ血を除く」とあります。
干し柿は糖分が強く、疲れの予防に効き目があるところから、昔の僧侶は旅に出るときには、必ず携行しました。柿だけでなく、ビタミンCの多い若葉は柿茶になりますし、風味のある天ぷらにもなります。
 
● 仙人食 7、蓬(ヨモギ)
⇒春一番にヨモギを食べ、胃腸や肝臓の機能を強化し、
血液の消化を
別名「医草」とか「千年草」と呼ばれるくらい、強力な薬効成分を持った植物で、濃厚な葉緑素と芳香の強い精油、それに、ビタミンAをトップにB1、B2、C、さらにたんぱく質にカルシウム、鉄、カリウムと驚異的な内容です。
蓬は、古くから「厄除けの霊草」としても神聖視されてきましたが、古代中国では、祭事に先立って、まず祈祷師が両手にヨモギを持ってふりかざし、乱舞しながら悪霊を追い払いました。日本でも、ついこの間まで、戸口にヨモギの束をつるして「わざわいよけ」のまじないをしたものです。
ヨモギの「よも」は「四方」で、四方八方という意味であり、「ぎ」は「気」ですから、「宇宙エネルギー」とか「生命エネルギー」を指しています。つまり、ヨモギは四方八方に、強烈な“降魔エネルギー”を放射する稀有の草なのです
ある仙人は、ヨモギの敷物上で座禅を組み、ヨモギの“霊気”を体細胞のひとつひとつに吸収させることによって、生命力を補強しました
また別の仙人は、「ヨモギ枕」を常用することによって、140億個の脳細胞にヨモギの“気”の放射線を当てて、神通の強力化をはかりました。
3月と5月という季節の変わり目に行われる「節句」に、「草もち」を作って食べるのは、もちの威力とヨモギの霊気で、病気や災害などの邪気の進入をシャットアウトするためです。3月3日は「ひな祭り」で女子の節句。冬から春への変わり目です。季節の行事は、まずレディーファーストで、女子が草もちを食べてヨモギの霊気と栄養をとり、変わり目の変調に備えます。
5月5日は「端午」で男子の節句。春から夏への移行に備えて、今度は男子がヨモギの霊気を取り、「気」の補強をはかります。
ヨモギは、お灸の「もぐさ」の材料ともなりますが、この場合も、単に火がつきやすいというだけでなく、ヨモギの火気をかりてからだの中の陰気を追い出し、陽気(元気)を強くするという目的があるわけです。
 
仙人も愛用したヨモギの優れた効能を上げてみましょう
その一
カリウムの含有量が多く、体の中の過剰塩分を排出し、高血圧に効果があります。
その二
豊富に含まれる葉緑素には、潰瘍の治療促進のほかに浄血の作用もあります。
その三
チフス菌やブドウ球菌などの増殖を抑え、インフルエンザウィルスを強く抑制する働きをします。
その四
香気の主成分はチオネールという精油で、これには虫除けの効果があります。
 
● 仙人食 8、山イモ
⇒消化力抜群のスタミナ強化食です。
漢方では、干して白い粉にしたものを「山薬(さんやく)」と呼びます。「山」の「薬」という意味で、疲労回復や精力増強、虚弱体質の改善などに使われます。
山野に自生する生命力の強い多年草で、「自然薯」または「自然生」と呼びます。
山イモのヌルヌルした成分は、たんぱく質を無駄なく活用させるムチンという物質ですが、人間の精子のアミノ酸の約60%を占めるアルギニンも多く、山イモを食べると精がつくのは、この特殊成分のためです。
アルギニンは、元気の良い精子を生産するためには不可欠のアミノ酸であり、山イモは“強精型の生薬”といってよいでしょう。
山イモが消化が良いのは、でんぷん消化酵素のジアスターゼを多量に含んでいるためで、これが山イモの強精作用のひとつになっています。消化が良いからエネルギーの発生が非常に速く、すぐにスタミナ源として役に立つ能力を持っているのです。『医心方』に説かれている、山イモの効き目を、例によって箇条書にしてみましょう。
 
その1 体が弱って衰えたものの元気を補う上で、即効性がある。
その2 内臓を丈夫にして、気力を増進する。
その3 皮膚や皮下組織に滋養をつける
その4 風邪やめまいに効果がある。
その5 腰痛を和らげ、五臓を充実させて、男性機能を強くする。
その6 長く食べ続けると、耳や眼がさとくなり、体も軽くなる。
その7 常用すると、飢えに対する抵抗力がついて、寿命が延びる。
その8 日に干して搗いて粉にしたものは薬餌であるが、食べてもたいへんおいしい。

 

ごらんいただいたことを大変ありがたく感謝します。

 

生命の農と食を考える
L A F 健農健食研究所 ラフ
L ife A griculture F oods

FAX :076-223-2005
mail :m.ikeda@ninus.ocn.ne.jp

池田 優

 

 

◎ ご意見、ご教示はこちらまで    掲示板も御座います。是非ご利用下さい。→ 掲示板

最新号へ戻る