山ちゃんの食べもの考

 

 

その170
 



食は生命なり
「生命なきは食にあらず」とも云われますが、
人は多くの生命を頂く事で生かされている。
植物の生命も動物の生命も微生物の生命も、
土の生命も水の生命も空気の生命も、
すべての生命がつながって生かされている。
そんな「共生」の世界で生かされている。
「人は何を食べるのかによって決まる」とも云う。
肉体的な健康、長寿のみならず、
知性、思想、性格までをも決すると。
その食べ物の作り方、その食べ物の商いほう、
その食べ物の選び方、買い方、食べ方は、
その人の生き方、その考え方そのものであると。

                                   
(山ちゃん)
『食は生命なり』 【28】
『食は生命なり』と「永山久夫」 その21
永山久夫 「百歳までの健康ライフ 健康食・健康百科」 より
★★★★★長生きのための健康法と健康訓★★★★★
■仙人の術で不老不死になる
●日本にも入ってきた仙人になるための道教
「長生きしたい」とか、「老衰したくない」あるいは「若いままでいたい」というのは、人間共通の願望といってよいでしょう。
そこで昔からさまざまな「長寿法」や「回春法」が研究されてきました。不老長寿は誰しも抱く、本能的な願いですから、どこの民族にも多かれすくなかれ、その方法が伝承されていますが、世界各国の不老法の中で、驚くほどの熱心さで研究され、実践されてきたのが、中国で発展した「道教」つまり「仙教」です。
道教の目的は、老化とか死、病気、貧困、苦痛、ストレスといったさまざまな俗世間の束縛をのがれ、不滅の生命を得ることにあります。道教を調べてみますと、不老不死につながる“仙人の術”が、実に詳細に伝えられていて、中には頭をひねるような方法もありますが、現在でも立派に通用する“古代科学”である場合も少なくありません。
道教の始祖は老子で、老子は今から2400年くらい前の人物ということになっていますが、実在していたかどうかはあまりはっきりしません。その考えを簡単に言えば、無為自然にあり、長生きを善とする思想です。徹底的な個人主義で、何ごとにも拘束されない自己解放の思想といっても良いでしょう。
 
●「永遠の生命」を手に入れる方法
わずらわしい人間関係を放棄して自然のふところに帰り、その中にとけ込むことによって天地自然のように「永遠の生命」を獲得しようというものです。
老子の道教思想は、中国古来に“神仙思想”と結びついて通俗宗教としての「道教にふくらみ、非常な勢いをもって中国各地に普及しました。やがて海を渡り、日本の政治や文化、宗教、生活にまでたいへんな影響を与えることになります。
戦後最大の発見といわれた明日香村の高松塚古墳などを見ましても、せまい石室の天井や壁などに残された彩色壁画は仏教よりも、むしろ道教の影響を強く感じさせます。神社のまじないやお札、それに年中行事でいえば正月の諸行事、端午の節句、重陽(9月9日)に飲む菊酒、12月のかまど祭りなど、そのツールをたどっていきますと、たいがい中国の「道教」に突き当たります。
 
●どうすれば「仙人」になれるか
延命長寿や仙人になるための方術の理論を詳しく説いた、葛洪(かつこう)(283〜343年)の著作である「抱朴子(ほうぼくし)は、人間はなぜ死ぬのか、その原因を次のように分析して、不死の法も述べています。
「そもそも人が死ぬ原因は、精力の消耗が第一、老いが第二、病気の害が第三、中毒が第四、邪気に傷つけられるのが第五、風や冷気に当てられるのが第六である。今導引(呼吸運動)で気を全身にめぐらし、房虫術で精を洩らさず体内に戻して脳を補い、飲食や起居に節度を守り、薬物を服用し、精神を統一し、横死を招く悪鬼を封ずるために護符を帯び、生命を縮める珍味や美人などの一切を遠ざけるようにすれば、右の六つの害をすべて免れることができよう」
(本田済・澤田瑞穂・高間三良訳  平凡社刊)
仙人になるためには、一般的に次のような修行をしなければなりません。
避穀の法
五穀はとりませんが、草根木皮からわずかな食べものを調達します・
服餌の法
不老不死を得るための「仙薬」の調合法で、漢方医学にも大きな影響を与えています。
調息の法
一種の呼吸術で、まず「気 (万物が育つための根本的な宇宙エネルギー)」を吸って丹田(下腹部にあるツボ)に送り込み、そこから背骨にそってゆっくりゆっくり上昇させて頭頂まで上げ、また丹田におろすという独特の方法。
行うのは早朝から正午までの「生気」の時間内とし、午後は「気」が汚濁したり死んだりしますので、正午から夜半の間に行っても、あまり効果は期待できません。
導引の法
一種の仙人体操。
体内の「気」を損なわないように太極拳のような柔軟体操を用います。
房中の術
セックス長寿法ともいうべき仙術で、男と女、すなわち陰と陽を合体することによって「気」のバランスを良くし、精気を補強しようというもの。
セックスの重要性について『洞玄子』という古代中国の房中術書は、「そもそも天が生んだ万物の中で、人間より貴いものはない。その人間にとって、最も重要なのはセックスである。しかも人間は、天の法則によってかたどられ、女は陰で丸く柔らかく、男は陽で四角でかたい。こういった天地陰陽の原理を悟り、天与の特性にのっとって行うものは寿命を延ばすことができるが、その真理をないがしろにするものは、やがて身を傷つけて早死にする」と説いています。
前出の『抱朴子』も、人間にとって陰陽の交わりは大切だから、すっかりやめてしまうと「気がふさがれ滞る病気になる」と述べ、独身者は男女ともに早死にすること、だからといって情欲に任せて、したい放題にすると、今度は逆に寿命を縮めることになるとの警告も忘れていません。
 
●生命を強化する「山気」
不老不死の術をマスターした人を「仙人」と呼びますが、「仙人」の「仙」は「人」に「山」と書きます。平地よりも盛り上がって高い場所が「山」ですから、その山に住む「人」が「仙人」となります。
山の底のほうの平らな土地に住みついている「人」に「谷」を付けると、「俗」となります。「俗人」は、開かれたにぎやかな土地に住む人を意味し、このようなところで生活していては「仙人」になれません。
ただでさえ空気の流れがよどみやすい平地に、大勢の人たちが住みついて混雑しているのですから、空気は汚れて血のめぐりは悪化します。汚濁した空気の中で生活していますと、頭脳に不可欠の栄養である酸素の質が、いちじるしく劣化し、脳細胞が傷みます。従って、生気は病んで無気力となり、生命力もしぼんでしまいます。
都会人が、他人の体内を一度くぐり抜けて吐き出された炭酸ガスの多い「気」を吸っているのに対して、仙人は、清浄な「山気」の中で呼吸しています。植物の葉は大気中の炭酸ガスをとり込んで酸素を吐き出す作用をしていますから、山の空気は常に新鮮で多量の酸素を含んでいます。
 
●仙人が食べていたカスミとは何か?
森林の酸素だけでも、心身のリフレッシュ効果があるのに、加えて、樹木や葉が発散するさまざまな物質の薬理効果があります。森の中に入りますと、すがすがしい樹脂に匂いがしますが、これらの芳香物質は、植物がまわりの微生物から自分の身をガードするために発散しているもので、「フィトンチッド」と呼びます。ロシア語で、「植物の殺菌作用」という意味です。
樹木が出す芳香物質の中で、特に注目されるのがテルペン類と呼ばれるもので、バクテリアやカビなどに対する強力な殺菌力を持っていますが、さらに、人間の体細胞はもちろん、脳細胞に活力を与える上でもたいへんに役立っています。
山が昔から宗教的な修行の地になってきたのは、このように大気自体がさまざまな“神秘物質”を含んでいるためで、その物質の成分は、山の植物の違いによって、当然異なってきます。従って、山によっては精神が高揚したり、鋭敏になったりしますし、その反対に、非常に安らぎを与えてくれる山もあります。
行者たちは、そのような山の性格をよくのみ込んで修行したといわれていますが、仙人は、もっとも長命効果の高い山を選択して、住みついていたものと想像されます。
仙人はカスミを食うとよくいわれますが、山深い峰などにかかったそのようなカスミは、いつは樹齢何千年といわれる超古木が発散するテルペン物質が中心となって浮遊している気体をいったものではないでしょうか。いってみれば、そのようなカスミに包まれて仙人呼吸法をすれば、ひと呼吸ごとに、体細胞が若返っていくに違いありません。
 
●仙人食は「空気ビタミン」
深山における、仙人の“カスミ食い”も科学的な根拠があったことになります。仙人は、実は“緑のシャワー”を浴びながら“空気ビタミン”を食べていたのです。
仙人の“カスミ食”にはもうひとつの別種がありました。木の芽のことで、春の新芽は淡い色をしていて、遠くから眺めますと山気と融合して、ぼやけていますが、この木の芽が健康に良いのです。大地の中に張り巡らされた無数の毛根によって吸収された滋養分は、細胞分裂の激しい芽にことごとく送り込まれ、芽は驚異的なスピードで、葉や枝に生長していきます。
あらゆる生物の生命力が豊かになっていくとき、それにともなって大量に合成されるビタミンがあります。老化を防ぎ、体の免疫能力を増強する効果の強いビタミンCが発生します。もやしや貝割れ大根が、その好例です。
ドイツには、一日中森林の中で散歩したり、読書したりするだけで、体の変調を回復させる「森林療法」がありますが、最近では日本でも静かな人気を呼んでいます。
人間の精神は、肉体に影響され、その肉体は毎日口にする食べものの質に左右されます。従って、心を開放し、健康をコントロールするためには、食べ物の選択に気を配る必要があります。心を俗世間の束縛から開放し、肉体の老化を永遠に防ぐ食物が、古来中国に伝わる“仙人食”なのです。
 
●何を食べて仙人になったか
仙人は人跡未踏の山や谷で採取した仙人食や仙薬で体を養い、呼吸術や仙人体操を行って寿命を延ばし、外界から災いが入り込まないように用心しながら、若いときのままの体で長生きします。
仙人になるための法典ともいうべき『抱朴子』によりますと、「仙薬」には「上薬」、「中薬」、「下薬」の三種類があります。
一番強力なのは「上薬」で、これを飲みますと、命が延びるだけでなく天に昇ることも可能となり、その上、鬼神を自由自在に使役したり、欲しいものをいつでも呼び寄せることができるようになります。
「中薬」は体を丈夫にして生命力を強化し、「下薬」は病気を治す強い作用を持っています。「仙薬」の中でも最上なのが丹砂で、次が黄金、以下白金や雲母、石硫黄、麦門冬、朽杞、黒ごまなどと植物性の仙人食が続きます。
丹砂というのは硫化水銀のことですから、毒性が強くて手を出せませんが、鉱物質のものはともかく漢方薬のルーツとなった植物性の仙人食でも、その使用法によっては驚異的な効果を上げています。
 
■「古代養生術」は現代の若返り法
●「長生き上手」は「養生の天才」
長生きしている方というのは、実に「養生の法」が上手です。「養生」があって、初めて長生きできるといってよいでしょう。
「養生」は文字通り「生を養うこと」。生命力の衰えを防ぎ、常に新しいエネルギーを補給して、老化を防ぐことです。血管や脳細胞の老化は、すでに20歳前後から始まるといわれており、「養生」は誰にとっても必要な、老化防止法なのです。
このため60になっても70になっても若々しい肉体を保ち、恋もできるほどの情熱を維持する「養生法」が、古くからいろいろ研究されてきました。
性は4年に刊行された『古代養生論』(山田次郎吉著)は、古代中国のあらゆる健康・長寿法を網羅してまとめられた労作で、たいへん貴重な資料ですが、その冒頭が次の言葉です。
「上古の人は、百歳にわたりて、身体の働き衰えず、しかるに、今の人は半百、すなわち五十歳にして皆衰えるのは、時世の異なるせいであろうか」
そうはいっても、古代人といえども百歳まで生きるのは困難だったと思いますが、しかし、長寿者がたくさん存在していたのも事実。例えば、女王卑弥呼や邪馬台国で有名な『魏志倭人伝』の中に、「倭人(古代日本人)は長寿で、百歳ないし八、九十歳まで生きる」とあり、この書物を訳した中国人も驚くほど、当時の日本人は非常に長生きだったと伝えられているのです。
 
●これが古代長寿法
この書物を中心にして、古代中国の人たちがどのようにして養生法、不老報を実行していたか、その方法を列挙してみましょう。
 
■ 夜、寝るとき、手足や胸、腹を十数回こすって血行をよくする「乾沐浴」をする。
この後横になって膝を屈伸させれば気力が増大する。
■ 常に濁った唾液をはき、舌の先を上顎につけて、新鮮な津液(唾液のこと)を集めてこれを飲み込めば、五臓をうるおして、肌を美しくし、長生きさせる。
■ 常に慎むべきもの三つあり。
一に飲酒、二に房事、すなわち色欲、三に塩辛き食べ物なり。
この三者をよく節して、つつしむ者は、薬を使わなくても病気にはかからない。
■ これを知らない者は、,たとえ仙導や霊薬を持っていても、いずれ病気にとりつかれる。
■ ほしいままに飲食する者には、五つの憂いあり。
一に胃を損なうこと。二は小便が近くなる。三は眠ってばかりいる。
四は体が重くなって、満足な仕事ができない。五は慢性的な消化不良。
従って、常に病気がちとなり、長寿はおぼつかない。
■ 精気が衰えてきたら、早朝森に行って「迎気の法」をすると精気が戻る。
迎気というのは、鼻をもって森の気を吸い、口から気を吐く呼吸法である
吸気を多くし、口より出す気を少なくすることが大事である。
■ 朝、家を出るときに、ショウガの小片を口に含むと、
わざわいを寄せ付けないだけでなく、胃を開いて食欲を増すから、健康に良い。
口にうまいものばかり食べていれば、ついに病気を引き起こすことになろう。
同じように、快楽ばかり追い求めていれば、必ず病気になるものだ。
病気になってから良薬を求めるよりは、病気になる前に、用心するが良い。
■ 昔、一人の大女がいた。罪を犯して深山に入り、薬草ばかり食べてすごしているうちに、体が飛鳥のように軽やかになったが、ある日、煮たものを食べたために、飛ぶことが不能になってしまった。
■ 千年も長生きするためには、火食をしてはだめだ。
これは仙人術であるが、ふつうの人も同じで、
長生きしたかったら、時々薬草を煎じて飲むことも必要になるのだ。
■ 食べてすぐごろりと横になったり、一日中座っていたりすれば、
気血がとどこおって、しまいには寿命を縮めてしまうだろう。
■ ナツメの種子を口の中に含んで終日しゃぶっていれば、
気を受けて津液(唾液)が生じ、長生きできる。
■ 天は「五気」をもって人を養い、地は「五味」をもって人を養う。
「気」と「味」が一体となったとき、初めて生命を養う本当の栄養が生じる。
それは何かというと、旬の食べ物だ。
季節外れの野菜や果物は、食べてもあまり養いにはならない。
■ 「初ものを食べると75日間長生きする」というのは、
天の気と地の味が、人間の生命を強くするからだ。
■ 年をとってきたら『かゆ』が良い。朝と夕は、かゆにするようにする。
肉はなるべく控えて魚にし、野菜をたくさん食べること。
煙草は寿命の刃と知るべし。
■ 長生きしたかったら、一日に一回は大木の下に行き、
大木の霊気を深呼吸していただき、体の老化を防ぐように努める。
■ 人間は歩かないと、腰がだめになり、足が弱ってくる。
そして柔らかいものばかり食べていれば、歯もだめになり、
顎もだめになるから、唾液の量が減って、結局は長生きできない
 
■ 頭の老化を防ぐ「三上の説」
●なぜ電車の中でヒラメクのか
中国に、ヒラメキやアイデアを得る方法として、面白い「三上の説」があります。
どういうことかといいますと、良い考えというのは、「馬上」、「床上」、「厠上」の三“上”で浮かぶものだという意味です。
■その1 「馬上」・・・馬の背に乗ってゆられているとき
■その2 「床上」・・・寝床の中でリラックスして、うつらうつらしているとき。
■その3 「厠上」・・・厠(かわや)(トイレのこと)で用をたしているとき。
 
確かに、電車のつり皮につかまって、ぼんやり考えごとをしているときなど、それまで解けなかった問題の解き方が、突然ひらめいたりするケースは良くあることです。まさに寝ようとしているときや、トイレで素晴しいアイデアが生まれるのも、よく経験することです。
中間子理論で素粒子理論に新しい進路を開き、ノーベル賞を受賞した湯川英樹博士は、その素晴しい発想をふとんの上で思いついたといわれています。なぜ電車の中やベッドの中で、思わぬ素晴しい発想がひらめくのでしょうか。それは脳がリラックスしているからです
 
●集中したらリラックスが必要
あるひとつの問題を解決しようとして、そのことに思考が集中しますと、脳の中の思考回路に血液がより多く集中し、その部分がシャープになります。
脳というメカが、自動的に使用中の思考回路にたくさんの血液を送り込み、フル回転させて、問題を解決しようとするわけです。従って脳の中はたいへんな緊張状態になります。
しかし、いくら頭を抱え込んで考えても、解けない場合もあります。また緊張が続くと一種のストレス状態となって、思考能力が低下してしまう場合も少なくありません。ですから、勉強していて回答能力が低下してきたような場合には、思い切って頭の中を解放してあげるのです。
それを無理して続けていると、「下手な考え休むに似たり」になってしまいます。そうなる前に、リラックスさせてやることが大切です。つまり、能率的な勉強というのは、「問題解決に集中すること」と「リラックスすること」のくりり返しが重要になってくるのです。
なぜ、「集中」と「リラックス」が必要かといいますと、ひとつの問題に取り組んで熱中しているときというのは、問題だけが同じ思考回路の中をぐるぐると回転している状態なのです。しかし肩の力を抜いてリラックスすると、何かのはずみで他の思考回路の中から情報が飛び出してきて、ヒントになったり、あるいは「答え」そのものになったりするからです。
ですから、頭の中が疲れてきたら、散歩するのもいいでしょう。気分転換になるだけでなく、脳細胞の血液も入れ替わってリフレッシュされるからです。
 
●脳の血行を良くするには?
問題解決のために頭を使うと、その思考回路に多量の血液が重点的に配分されます。もし血液がコレステロールや脂肪でドロドロのような状態になっていたら、血液の循環がうまくいかなくなってしまいます。「三上の説」、つまり、「集中」と「リラックス」をくり返しながら思考能力を高めるためには、まず何よりも血液をサラサラ流れる清流のように、きれいにしておく必要があります。
血液を常にきれいにしておくために心がけなければならないことは、野菜をたくさん食べること。そしてサポニン含有量の多いものをとって、体内で脂肪ができるのを防ぐ必要があります。サポニンの「サポ」は「シャボン」、つまり「石鹸」を意味します。その名前の由来のように、水や油によく溶け、水につけたときに発泡作用にある成分です。
特に多く含まれているのが、大豆です。この“大豆サポニン”は、今世界中の学者から注目されています。その理由は、血管の中にたまった余分な脂肪を洗い流したり、コレステロールを防ぐ力が強く、動脈硬化の予防に有効であることが証明されたからです。
人生、いまや80年の時代。生涯現役でがんばるためには、まず脳の若さが不可欠です。そのためにも大豆に注目してください。納豆もいいし黄な粉もいい。ともかく一日50粒を目安にし、大豆を食べ、思考回路の老化を防ぎたいものです。
 
■ 「五計長寿法」で老化を吹き飛ばそう
●五つの計の実行で、だれでも長寿に
「五計長寿法」のヒミツ、これだけ守れば長生きできるという5つの方法があります、
「五計長寿法」とは長生きするための「五つの計」で、「計」には「はかる」とか「しめくくる」、あるいは「計画を立てて実行する」といった意味があります。
つまり、五つの「計画」を立案して、それを「実行」することによって、誰にでも長寿法はできますと―――という意味がこめられています。
昔の人が考えだした「五計」というのは、「食計、気計、運計、眠計、脳計」をいいます。
「五計」を知れば長寿法に強くなります。
 
◆ 長寿法その一・食計
老化を防ぐ食べ物の選択法、食べ方。
食べ物を上手に選ぶことによって体細胞の若返りを図り、いつまでも若さ、みずみずしさを保持する法。
食計の中で、特に重要なのが「大豆、ごま、昆布、イワシ」で、野菜などとともに積極的に食べるようにしよう。
◆ 長寿法その二・食計
新鮮で汚染されていない空気を吸うこと。
都会や幹線道路周辺のように汚濁した空気の中で生活していますと、脳細胞に不可欠の栄養である酸素の質が、いちじるしく劣化し、脳の細胞がいたみます。
今ほど大気が汚染されていなかった昔でも、人々は定期的に山や森林の中に入り、新鮮な空気をとり込み、生命力をリフレッシュしてきたのです。
森林の酸素だけでも、心身の健康再生効果があるのに、加えて樹木や葉が発散する薬理効果があります。これが最近注目されている「フィトンチッド」で、ロシア語で「植物の殺菌作用」という意味。
樹木が出す芳香物質の中で特に注目されるのがテルペン類と呼ばれるもので、バクテリアやカビなどに対する強力さ殺菌力を持っていますが、さらに人間の体細胞はもちろん、脳細胞に活力を与える上でも、たいへん役に立ちます。
このように新鮮な空気を吸って「気力」を充実させ、体のすみずみまで活力を送り込みます。
◆ 長寿法その三・運計
体を動かして、血のとどこおるのを防ぎ、体が固くなるのを予防します。
運動の健康元気に及ぼす重要性をいったもので、不足すると脂肪が体細胞につきやすくなり、骨格も弱くなって骨折しやすくなります。
◆ 長寿法その四・眼計
健康にいい睡眠法のことで、睡眠不足が続きますと、イライラしやすくなってストレスに対する抵抗力も弱くなってきます。
さらに疲労感がいつまでも続き、慢性的な肩こりや頭痛に悩まされたりします。
運動不足にならないように気をつけ、精神安定効果の強いミネラルといわれるカルシウムをコンスタントにとるように配慮します。
「眼計」の効果を上げる食べものとしては、大豆やミルク、昆布、ごまなど。
◆ 長寿法その五・脳計
脳の老化を防ぎ、いつまでもその若さ、活力を維持するための計画です。
趣味を持つことも大切、さらに好奇心を常に持続することも必要です。
脳の若さを維持する食べ物で、重要なのは、記憶力を高めたり集中力を高めるといわれるレシチン含有量の多い大豆やごまなど。
さらに、最近では魚に豊富に含まれているドコサヘキサヘン酸という物質が注目されています。
 
■ 「サカソウ」の健康法
●80歳の素晴しい恋
「元気で長生きしたい」「ボケたくない」「病気になって、苦しみながら生きるなんてまっぴら」。
これが老後の願いではないでしょうか。80歳になっても、恋をするほど元気でいたい。50、60はまだまだ“ハナたれ小僧”です。
そうです。元気で長生きしなければ人生損なのです。そのためには、普段の生き方が大事。よく運動をする、そして頭を使う。好奇心を失わない。異性に対する情熱も、年齢に関係なくもい持ち続けたい。
それこそ素敵な人生ではありませんか。
 
●「海」は「産む」
「元気な体」「疲れのこない若さ」を維持するには、何が大切なのでしょうか。
食べ物なんです。毎日三度三度口にする食べ物が、体を作っているのです。いいものを欠かさずとっていれば、頭も体も老化しません。
元気に素敵に、長生きできるのです。そこでおすすめしたいのが、海のもの。
「海」の語源は「生む」とか「産み」からきており、すべての生き物の生まれ故郷は海なのです。従って生みは生みの親であり、母なる大洋といってもよいでしょう。
人間の血液の成分が、海水に似ているのも、生物としての人間と海との関係をよく表しています。
地球の三分の二は海であり、陸地は三分の一に過ぎません。世界一高いエベレストは8848メートルですが、最も深いマリアナ海溝の10340メートルには及びません。
かつて陸上で繁栄していた巨大な恐竜たちも次々と絶滅し、今では象が陸上最大の動物ですが、海には体長30メートルを超すシロナガスクジラが悠々と生息しています。また陸上の動物よりも海の生物のほうがその種類において圧倒的に多いこともよく知られています。
これは、陸上よりも海水中のほうが栄養源が豊富であることを物語っています。
 
●海水は栄養スープ
海水中に栄養源が豊富であれば、生物や植物が増え、それら自体にもミネラルやビタミン量が増えるわけです。
地球が誕生したのは約46億年前、そして36億年くらい前になりますと、大陸ができて海中に生物が発生します。大陸と海の分離でそれ以来現在まで、陸上にあった多種多様のミネラルが、40億年もの長い間、雨水に溶けて海に流れ込んでいるのです。
海水中の水分は蒸発して濃いだしのような栄養のエキスとなり、無数の生物や植物が生活できる絶好の場所となりました。
それが魚であり、貝類であり、海藻類です。だから、人間は一日一回は「サカソウ」を食べることによって、体の若返りをしたほうがよいのです。
「サカソウ」は「魚貝類」で、その頭文字。「海」は「生み」であり、健康の「生みの母」でもあります。それが「サカソウ」で、それらをとることによって、海水中に含まれている“生命のもと“ともいうべきミネラルをまんべんなくとれるのです。
中でも注目されるのが、貝類やイワシ、マグロなどに含まれているタウリンという含硫アミノ酸。血圧を安定させて血中コレステロールを低下させる働きがある点です。しかも、いずれも良質のたんぱく質が多く、血管を丈夫にして、脳卒中を防ぐ作用もあります。
 

 

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生命の農と食を考える
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池田 優

 

 

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