山ちゃんの食べもの考

 

 

その174
 



食は生命なり
「生命なきは食にあらず」とも云われますが、
人は多くの生命を頂く事で生かされている。
植物の生命も動物の生命も微生物の生命も、
土の生命も水の生命も空気の生命も、
すべての生命がつながって生かされている。
そんな「共生」の世界で生かされている。
「人は何を食べるのかによって決まる」とも云う。
肉体的な健康、長寿のみならず、
知性、思想、性格までをも決すると。
その食べ物の作り方、その食べ物の商いほう、
その食べ物の選び方、買い方、食べ方は、
その人の生き方、その考え方そのものであると。

                                   
(山ちゃん)
『食は生命なり』 【32】
『食は生命なり』と「永山久夫」 その25
永山久夫 「百歳までの健康ライフ 健康食・健康百科」 より
★★★★★長生き食歴・健康歳時記★★★★★
■ 「行事食」にこめられた長生きするための知恵
● 日本人の「ビタミン料理」
お祭りの楽しみは、何と言っても、普段は口にできないご馳走を満腹するまで食べられることでしょう。
ハレの日、つまり、お祭りや節日には、通常と違ったご馳走を作り、盛大に飲み食いをします。どのようなご馳走を作るかは、ハレの日によって違いますが、いずれにしても、ケの日とはくらべものにならないくらい料理が出てくるのは間違いありません。
ハレの日の料理は、時代が変わっても、あまり変化しません。これらの「行事食」には、はるかに遠い先祖からのメッセージがこめられており、そのメッセージどおりに再現するのが、ハレの日の目的だからです。
「ハレ」は「晴」で、はれがましいという意味。お祭りや節日などのことで、ふだんの労働で消耗した体に栄養を補給し、休息を与える日。
ハレの日のご馳走をよく吟味してみると、薬効性のあるものが少なくありません。つまり、古くから、ハレの日のご馳走は、日本人の“ビタミン料理”だったのです。
この“ビタミン料理”を、私たちの先祖は、日本の海や山や畑や水田などで取れる食べものをさまざま組み合わせてシステム化しました。子孫の健康を気づかい、その繁栄を願って、ハレの行事食として伝えてくれたのです。
これが、ハレのご馳走にこめられた、先祖からのメッセージ。だから、私たちが日本列島の大地の上で生活している限り、21世紀になっても、ハレのご馳走にこめられた知恵は、生き続けるでしょう。
 
●晴れ着は「ハレの日の着物」
「ハレの日」には、朝から仕事を休んで神様や仏様をまつり、衣服もあらためて、特別のご馳走を作り、神仏と教員強食します。
同じ壺の酒を神様とくみかわし、飲みかわすことによって、より神様に近づくことが可能となる。神様の酒をちょうだいすることによって、初めて神様のお力を分けていただくことができるし、神様は、災いを防いだり、健康を守ってくれたり、あるいは豊作を保証してくれるのです。
したがって、お祭りには酒とご馳走は欠かせません。現在でも、よそゆきを「晴れ着」といいますが「ハレの日の着物」から出ているのは、いうまでもありません。
「ハレの日」の反対が「ケ(褻)の日」です。ふだんとか、日常という意味で、「ふだん食」で生産に従事し、ひたすら働く日です。
 
●月に2回の薬食満腹
「ヶの日」が“素食”の労働日とすれば、「ハレの日」は“美味薬食”の満腹休日といってよいでしょう。
昔は、村のお祭りは「飽食満腹する日でもありました。
お正月からはじまって、さまざまな節供、花見、お盆、満月、ことの日など、「ハレの日」は年間を通じて20回以上ありましたから、月に2回くらいは“薬食満腹”を行う勘定となります。だいたい14日働いて、1日の休みが、平均的な生活のサイクルでした。
日本に年中行事が多いのは、季節の変化が、稲作を中心とする農耕手順の重要な目安になるためで、春夏秋冬の折り目、折り目を大切にしてきたからです。「節(せち)」とか「節日(せちび)」がこれで、この日は薬効成分の高いご馳走を食べて酒を飲み、手足を伸ばして、十分に骨休みをします。
 
●現代は毎日がハレのご馳走
季節が移り変わるときには、とかく体調を崩しやすく、病気になったりしますが、それを防ぐのが行事食で、昔から、薬効性の強いものや、力のつく特別の食べ物をとって酒を飲み、体のコンディションを整えてきました。
ふだん食と労働の連続では、体が持たないから、「ハレのご馳走」によって栄養の穴埋めをし、生命に力をつける。神に供えたものを食べると、生命力が強化されるという古くからの信仰があるから、いっそうご馳走の効果があがりました。
ところが、最近の日本人の食生活は、毎日が「ハレのご馳走」です。麦めしとかゴボウの煮物といった、昔の「ふだん食」のほうが貴重になってしまいました。その結果が、ガンや心臓病の急増です。
昔の人は、ご馳走の連続が健康を害することを知っていて、普段の食事を大切にし、ご馳走は何日おきかにとって、健康維持、老化防止の“ビタミン”としていたのです。
 
 
■ 1月(睦月・霞初月・暮新月・太郎月・子日月)
●1月・・・もちに「百味」あり
日本人は「もちに百の味、つまり百味あり」といわれるくらい、たいへんなもち好きな民族です。とくにお正月は「もちの月」とか「もち食い日」といわれるくらいもちを食べる機会が多いのです。
なぜお正月にもちをたくさん食べるかというと、新しい年の始まる月だからです。もちというのは、歳神様と人間の橋渡しをする上で大変な神聖で重要な食べ物なのです。
もちは丸く作って神棚に上げ、歳神様に供えます。なぜ丸くするかというと、神様の魂を表現するためです。神棚に上げたもちには決して消滅することのない、神様の永遠のエネルギーが宿ります。これをおろして食べます。
丸いもちを食べることによって、前の年365日、働きずくめですり減った人間の生命力をよみがえらせます。もちを食べることによって、神様の新しいエネルギーを体の中にちょうだいするのです。
お正月は生命力の再生行事ですから、他の月に比べてたくさんもちを食べる機会があるわけです。もちはまた、めったに口にできませんでしたから、最高のご馳走でした。
日本に稲作文化が渡来したのは縄文時代の終わりごろで、今から2500〜2600年前と見られています。当時の米は、赤い色素を持ったもち米タイプの種類と推測されており、したがって初期のもちは「赤いもち」と見てよいでしょう。
今でも古い伝統を守っている地方では、お正月のお供えを作るとき、上のもちを赤く染めたもの、そして下の鏡餅は普通の白いもちにします。
赤いもちは古い時代のもちを示し、下のもちは時代が下がって白米中心になってからの新しいもちを示しています。
 
●1月5日・・・棚さがし
「棚さがし」はお正月の4日または5日に行われる行事。歳神様をお祭りした年棚のお供えものをすっかりおろして食べる日です。
お正月の三が日の間に食べ残したお供えものなどを集めて、雑炊にして食べるところから、「棚さがし」とか「棚さらえ」などと呼ばれます。年棚に供えられていたのは根っこの野菜やもち、魚が多く、みんな一緒に煮込んで食べます。
三が日はいろいろなご馳走がたくさんあるものですから、ついつい偏食になってしまいます。そこで野菜を中心に魚も加えて、繊維質の多いものをとるわけです。土地によっては「福入り雑煮」とか「福入り雑炊」といって、お正月のお供えものを残らずかき集めて雑煮や雑炊を作ります。
本来の意味はお正月行事の「直会(なおらい)」で歳神様へのお供えものを下げて、全部混ぜにして家族揃って食べることによって、神様の永遠の生命力を分けてもらおうという意味になっています。
「福入れ、福入れ」と唱えながら、すり鉢でみそをすり、12のもちを入れてみそ雑炊にして食べる地方もあり、これなどは1年12ヶ月、毎月無事で過ごせますようにという祈願がこめられています。
 
●1月7日・・・七草がゆ
「七草がゆ」は、お正月の7日の朝に食べるおかゆのことですが、注目したいのは、この中に用いられている7種類の若菜は、すべて薬効成分を持ったものばかりという点。
「七草がゆ」は、実は「薬膳がゆ」なのです。
平安時代の初期から行われているほど古い行事で、鎌倉時代の『年中行事秘抄」にも「正月七日、七草の菜をもって熱汁を作り、これを食する。人、万病をなからしむ」と、その効能が記されています。
7種類の「薬草を加えて作ったおかゆを食べることにより、お正月中のご馳走で疲れた胃腸を休め、冬場に不足しがちなビタミンやミネラル、それに薬効成分を供給することによって、寒い季節に多い風邪や肺炎、高血圧症などを予防し、長寿を祈ったのです。
まさに「薬食同源」による健康管理の知恵といってよいでしょう。「七草」というのは、セリ、ナズナ、ゴギョウ(ハハコ草)、ハコベラ(ハコベ)、ホトケノザ(コオニタビラコ)、スズナ(カブ)、スズシロ(大根)のことですが、それぞれの成分を見てみましょう。
■セリ・・・寒さに強くビタミンAやB、カルシウムや鉄分も多く、貧血症に用います。
■ナズナ・・・たんぱく質が多くビタミン類も豊富。高血圧の予防に使用される。
■ゴギョウ・・・草餅に用いられる。蛋白質やミネラル、ビタミンが多く風邪の予防に。
■ハコベラ・・・たんぱく質とビタミンCが多く、長寿効果の強い春の若菜。
■ホトケノザ・・・健康や成長作用があり、みそ汁の実、からし和え、ごま和えに美味。
■スズナ・・・主として根を食べるが、茎や葉にも栄養が豊富。ビタミン類を多く含む。
■スズシロ・・・消化酵素ジアスターゼが多く腹のもたれに。葉はビタミンA、Cの宝庫。
 
 
■2月(如月・初花月・梅見月・雪消月・小草生月)
●2月3日・・・節分
二月三日は「節分」。冬から春に節分かれする日。翌日が「立春」になります。
節分の夜、豆の茎にイワシの頭を刺してヒイラギの葉とともに家の戸口に飾ります。それから「福は内、鬼は外ーっ」と大声で唱えながら豆をまきます。
鬼は病気や災いをもたらすもの。その鬼を家の中から豆を打ちつけ追い出します。あわてて逃げていった鬼が家人のすきを見て家の中に戻ろうとしますが、戸口には鬼の嫌いなイワシの頭と体に刺さって痛いヒイラギがあるため入ることはできません。
豆まきをした後で、自分の年齢にひとつ加えた数の豆だけ、よく噛んで食べながら一年間の無病息災を祈願します。実は豆まきというのは厄除けであると同時に「歯固め」の行事でもあったのです。「齢(よわい)」は年齢のことですが、「歯」が中心になっているのを見てもわかりますように、歳を重ねて長生きするためには、まず歯が丈夫でなければ無理。そこで固い豆を噛むことによって、歯の根を固め、丈夫に長持ちしますようにと祈ったわけです。
 
●2月・・・春田のセリ
生命力の強い水草で、雪の下にしっかりと根を張り、じっと春の到来を待っています。お正月の「七草がゆ」では「セリ、ナズナ・・・・・・」とトップバッターが、まさに春告げ草でした。平安時代から文字は「芹」で、「水中に生える葉也」と『和名抄』は説明しています。
昔は冬が長く、ひと冬越すのも命がけでした。青もの不足でビタミンCが欠乏し、人々の命を削ったのです。
その代わり、日本の春は季節になるとナズナ、ワラビ、フキノトウ、ヨモギ・・・・・・といっせいに芽吹きます。まだ風は冷たく、残雪の多い水辺にも、セリはたくましい生命の根を張ります。若葉の季節の始まる前、セリは貴重なビタミンCの供給源だったのです。『万葉集』にも
健男(ますらお)と思へるものを刀(たち)はきて
かにはの田井に芹ぞ摘みける
   あなたは勇敢な健児と思っていたのに、私のためにセリを摘んでくれるなんて、とってもやさしいおかた・・・・。
セリにはとくに粘膜を丈夫にするビタミンAとCが圧倒的に多いですから、のどを守って風邪の予防にはたいへん効果があります。
 
●2月15日・・・八皿(やさら)
東北地方で行われる行事で「八皿のお祝い」とか「八皿祝い」などと呼ばれています。土地によっては二月9日、あるいは卯の日、巳の日などに行われますが、15日にお祭りするのが一般的のようです。八皿は「八皿酒」ともいって、8つの皿に濁り酒を盛り、これを神様に供えることで、祭事の後で参加者全員で酒盛りをします。
「春八皿」「秋八皿」と呼んで年に二回する場合が多く、春の場合は豊作の祈願であり、秋は取入れを感謝する行事になっています。春の「八皿のお祝い」が終わると、明日から始まるのが農作業。まだ残雪の深い中で田仕事にとりかかったり、種まきの準備を始めます。
8つ皿に酒を盛るところが「古事記」に出てくるヤマタノオロチ伝説と似ているために、蛇除けのまじないとみる説もあります。蛇は水神様であり、同じ蛇を祭るにしても、田植え時に水不足になりませんようにという祈願もあると思います。いずれにしても古い古い伝統行事であるのは間違いありません。
 
■3月(弥生・早花咲月・染色月・春惜月・夢見月)
●3月・・・草もち
3月3日は、ひな祭り。ひな祭りにつきものなのが草もちです。ヨモギをつきこんだもちで、菱形に作ってお供えします。菱形にするのは魔よけのためで、赤もちと白もち、それに草もちを添えてお供えします。
ヨモギは、古くから「千年草」とか「魔除け草」と呼ばれるくらい薬効成分の強い草で、濃厚な葉緑素と芳香の強い香油、それにビタミンAをトップにB1やB2、C、さらにはたんぱく質やカルシウム、カリウム、鉄と、驚異的な内容です。特に鉄分と葉緑素が多いため、貧血傾向の強い女性に対して増血作用を向上させる働きがあります。
3月はちょうど冬から春に季節が移り変わるときでもあり、昔から季節の変わり目には薬草をとって厄除けにする習慣がありました。
それが3月3日に食べる草もちです。古代中国では祭事に先立って、祈祷師が両手にヨモギの束を持って振りかざし、乱舞しながら悪霊を追い払ったと伝えられていますが、日本でもついこの間まで戸口にヨモギの束をつるして「災い除け」のまじないとしたものです。ヨモギは天ぷらにしても風味がありますし、新芽を摘んでヨモギ茶を立てても春の香りがしてとってもさわやかです。
 
●3月・・・摘み草
春日野に煙たつ見ゆ  おとめらし
春野のうはき  摘みて煮らしも
「万葉集」に出てくる有名なつみくさのうた。春日野に煙が立ち上がるのが見える。乙女たちが摘んだばかりのウハギ(ヨメナの古名)を煮ているらしい。と春のうららかな風景を詠んだものです。この歌のように、春は何をおいても「摘み草」の季節だったのです。草木がいっせいに芽吹き、蕾をふくらませ、小川は水かさを増し、そして鳥たちが歌いさわぎます。
人間も同じです。春になるとわけもなく心が弾み、野山に飛び出したくなるのです。開放感が体中に広がり、もうじっとしていられません。そして摘み草をします。
春の精気を取り込んで、冬の間に衰えた生命力に活力を補給します。「春の料理には、苦味を盛れ」とよく言われますが、「苦味」というのは「小菜」や「木の芽」のことですから、この伝承は冬の食事に不足しがちだったビタミンCの補給にあります。
昔は、春になると、「土手食い」という行事を行いました。小皿に生みそを盛って出かけていき、土手や野原などに生えている若菜を摘んでその場で料理して食べるのです。「万葉集」以来の伝統といってよいでしょう。
 
●3月21日・・・彼岸の中日
「秋分の日」は3月21日ごろになります。この日は「彼岸の中日」。この日の前後7日間が「春の彼岸」で、めっきりと春めいてきます。
ぼたもちやだんごを作って、ご先祖の霊を供養します。アズキあんやきな粉を使って作りますが、納豆やトロロ汁を欠かさないでお供えする土地もあります。これはご先祖の霊との関係が納豆やトロロZ汁の糸のようにいつまでも長く続きますようにという願望です。
彼岸の入りは18日ころですが、その2日前の16日は、「十六だんごの日」。稲作の神様が山から種籾を背負って村に下りてくる日といわれ、16個の黄な粉団子を作っておもてなしをします。「きなこだんご」はちきれそうに実った稲穂を表し、秋の豊作を祈願します。、
 
■4月(卯月・卯花月・得鳥羽月・夏初月・花残月)
●4月・・・つばな摘み
「つばな」というのは「ちがや」の穂で、なめるとかすかな甘みがあり。食用になります。つばなをテーマにやり取りした面白い歌が「万葉集」にありますので、紹介してみましょう。
紀郎女(きのいらつめ)という大伴家持の贈答歌です。
戯奴(わけ)がためわが手もすまに春の野に
抜ける茅花(つばな)ぞ食(め)して肥えませ
   あなたのために、手も休めないで春の野でつんだつばなです。どうかめしあがってすこしはふとってくださいな、と紀郎女が大伴家持に送った歌ですが、家持は早速答えて、
   わが君に戯奴(わけ)は恋ふらし賜(たば)いたる
    茅花(つばな)を食(は)芽といや痩(や)せに痩せす
   あなたに対してどうやら私は熱愛しているようです。なぜならあなたが贈ってくれたつばなを食べても、ますますやせていくばかりなのですから。
この贈答歌は、ざれ歌の表現をとっていますけれども、ほほえましい雰囲気の中に、恋する気持ちがよく表現されています。
 
●4月・・・潮干狩り
今でこそ潮干狩りは楽しい、春の行楽ですが、昔は重要な「みそぎの行事」でした。「みそぎ」というのは、海や川に行って水で体を洗い清めることでした。春になって農作業が始まる前に、冬の間中家の中に閉じこもりきりで、体にたまったけがれを洗い流すための行事です。
春の暖かな日を選んで海に出て、遠くまで干上がった砂浜や磯浜に入り、思い切り潮の香りの強い空気を吸い込みます。海水に足をつけることによって、体を外側から清め、深く呼吸することによって内側も清め、春を迎えるための「きよめ」をします。
これを現代的に見ると、一種の健康法になっているのです。はだしになって干潟を歩き、水たまりに入ります。水はひんやりしていますから、血液の循環が良くなって元気が沸いてきます。こうして一日中磯遊び浜遊びをすることによって自然の霊気にふれ、冬の間に衰えた生命力に活力を送りこんだのです。
同時にアサリやハマグリ、サザエなどの貝類を採取して家に持ち帰り、家族揃ってちょうだいし、光を強め始めた太陽の新しい生命力をとり込んで、農繁期に備えたのです。
 
●4月・・・桃の木の神秘
桃は木へんに「兆」と書きます。兆は億の一万倍で非常に大きな数字を表しています。ここから桃の実を食べるとたくさんの子宝に恵まれるとか、桃の小枝を身につけておくと良縁がある、あるいはお金がたくさん入ってくるといわれるようになりました。
女の子が桃のみをつぶしたとき、果汁が飛んだ方へ縁づくという諺もあります。
モモは古くから不老長寿のフルーツとして知られ、『西遊記』の主人公、孫悟空は仙人食として知られた西王母の桃をたらふく食べて、不死の術を身につけています。
日本でも桃は古くから厄除けとして知られ、『古事記』の中でも出てきます。死んだ妻恋しさのあまりイザナギノミコトがヨミの国に入っていったところ、もの凄い形相をした悪霊に襲われます。ところがとっさの機転で桃の実を投げつけると、悪霊たちはばたばたと倒れてしまいます。
オカメ、ヒョットコの「おかめさん」は、実は日本女性を代表する美人顔。福々しくユーモラスですが、あの顔を古くは「桃顔」と呼びました。よく見ると「おかめさん」の顔は大きくて前頭葉が非常に発達していることを示しています。つまり、頭の良い女性のシンボルでもあるのです。
 
 

 

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池田 優

 

 

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