山ちゃんの食べもの考

 

 

その179
 



食は生命なり
「生命なきは食にあらず」とも云われますが、
人は多くの生命を頂く事で生かされている。
植物の生命も動物の生命も微生物の生命も、
土の生命も水の生命も空気の生命も、
すべての生命がつながって生かされている。
そんな「共生」の世界で生かされている。
「人は何を食べるのかによって決まる」とも云う。
肉体的な健康、長寿のみならず、
知性、思想、性格までをも決すると。
その食べ物の作り方、その食べ物の商いほう、
その食べ物の選び方、買い方、食べ方は、
その人の生き方、その考え方そのものであると。

                                   
(山ちゃん)
 
『食は生命なり』 【35】
『食は生命なり』と「新谷弘実」 その2
新谷弘実著 『病気にならない生き方』 より
 
■ 第1章 常識を信じていると危ない!  の1
◆40年間、私が死亡診断書を書かなかった理由
 
★ガン再発ゼロ%  患者さんたちとの取り組みの成果
胃腸内視鏡の専門医になって約40年たちましたが、実を言うと私はまだ一度も死亡診断書を書いたことがありません。
眼科や歯科など生死に直結しない疾病を扱うかの医師ならともかく、肺ガン、または早期ガン状態である大腸ポリープの切除や大腸ガンなどのシリアスな疾病と日々向かい合っている医師にとって、これはまれなケースといえるかもしれません。
 
なぜ私が死亡診断書を書くことなく今日までこられたのかというと、患者さんと二人三脚で「健康で生きる」ということに真剣に取り組んできたからだと思います。
 
医師である私が断言しますが、実は医師がどれほどがんばっても、治療だけでは本当の意味で患者さんを健康にすることはできません。
 
手術や投薬よりも、日々の生活を改善することのほうが、根本的にはより重要なのです。
 
これから紹介する「新谷食事健康法」が「ガン再発ゼロ%」という臨床結果を報告できるのは、がん患者の方たちが真剣に自らの健康と向き合い、私を信頼し、日々実践を積み重ねてくださった結果です。
 
本書は、これまでの私の患者さんたちとの取り組みの成果を、読者の皆さんと分かち合うためのものです。
 
 
★自分の健康に自分で責任をもたなければならない時代
これからは、自分の健康に自分で責任をもたなければならない時代です。
昔は、病気は医者とクスリが治してくれるものだと考えられていました。
患者は受身の存在で、医者から出された薬を飲み、黙ってその指示に従っておればよかったのです。
 
しかし、これからの時代は、国民医療費が、国家予算と比べた場合、その半分近い規模まで膨れ上がっている現状からしても、個人一人ひとりが
「自分の健康は自分で守る」
という意識を持ち、積極的に健康維持に取り組むことが必要であることは言うまでもありません。
 
 
★病気にならずに天寿をまっとうする
私は自信を持って、断言したいと思います。
 
「病気にならずに天寿を全うすることは可能である」と。
 
もちろんそのためには、これまで続けてこられた食事や生活習慣を大いに改めてもらう必要があります。
 
このようにいうと及び腰になる人も多いと思いますが、心配は無用です。
よく病気になってから、「なぜ、こんな病気になってしまったのだろう」と嘆く人を見かけますが、病気は神仏が課した試練でも罰でもありません。
 
自分が積み重ねてきた日々の悪い習慣の結果なのです。
 
 
◆元気な百歳になる方法
★未病ーー病気の一歩手前
あなたは健康ですか?
この問いに本当の意味で「イエス」と答えられる人は、実はそれほど多くはないでしょう。
それは、「単に病気ではない」ということだけでは健康とはいえないからです。
 
東洋医学には「未病」という言葉があります。
これは呼んで字のごとく「まだ病気になっていない」という状態を表す言葉です。
つまり、健康とはいえないが、まだ病気にもなっていないという「病気の一歩手前」の状態です。
 
現在の日本人には、実はこうした「未病」の人がとても多いのです。
自分は健康だと思っている人の中にも、慢性的な便秘や下痢、不眠症や肩こりなどに悩まされている人は少なくないはずです。
 
こうした状態は、未病の体が送っている信号といえます。
「いつものことだから」と軽く見ていると、大きな病気に進行してしまう危険性だってあるのです。
 
 
★健康であってこその長生き
戦後、日本人の平均寿命は右肩上がりで延び続け、今や日本は世界一の長寿国になりました。
長生きは人類共通の願いですから、これはとても喜ばしいことといえます。
 
しかし、平均寿命の数字だけを見て単純に喜んではいけません。
なぜなら、その数字には「健康状態」が反映されていないからです。
 
元気に日常生活を送っている100歳の人も、病気で寝たきりの100歳の人も、そこでは全く同じ「100歳の人」としてカウントされています。
二人は同じ100歳ですが、人生の充実度は同じとはいえません。
 
いくら長生きできても、健康でなければその長い人生を有意義に過ごすことはできないからです。
寝たきりでもいいから、病気で苦しみながらでもいいから長生きしたいという人はいないでしょう。
健康であってこその長生きなのです。
 
あなたの身近にいるお年寄りの姿を思い出してみてください。
その人の健康状態が、あなたがその年齢に達したときのものだとしたら、それは満足のいくものでしょうか?
残念ながら、ほとんどの人の答えが「ノー」だと思います。
 
高齢になれば、健康な人でも体の機能は低下します。
しかし、機能が低下するということと、病気になるということはまったく別のことです。
 
 
★健康は、その人の食事・生活習慣しだい
では現在、高齢者の多くが多額の医療費を必要とするほど健康を害してしまっている原因はどこにあるのでしょう。
 
元気に生活している100歳の人と、寝たきりの100歳の人、その違いを生んだのは、年齢ではありません。
両者の違いは、それまでの100年間をどのように積み重ねてきたのかによって生じるのです。
 
一言でいえば、健康でいられるか否かは、その人の食事・生活習慣しだいということです。
 
食事、水の補給、嗜好品の有無、運動、睡眠、仕事、ストレスといった日々の積み重ねが、その人の健康状態を決定しているのです。
 
となると問題となるのは、どのような生活習慣を身につければ、健康で長生きできるのかということです。
 
現在、健康市場は巨大なマーケットになっています。
巷にはさまざまな健康法が氾濫し、「これさえ飲んでいれば」と高い健康効果をうたうサプリメントや健康補助食品も無数に販売されています。
それでもテレビや雑誌で「これが体にいい」といわれると、翌日にはその商品が店頭から消えるというほど売れるといいます。
 
これは何を意味しているかというと、何が本当に健康に良いのか、ほとんどの人は分かっていないということです。
正しい知識を持っていないから、マスコミや企業宣伝に踊らされて右往左往してしまうのです。
 
 
◆流行の健康法にはウソがいっぱい
★あなたの健康法は間違っていませんか
あなたは健康の維持・増進のために、普段から心がけていることがありますか?
定期的な運動、サプリメントや漢方薬、食事内容にも気をつかっている人も多いのではないでしょうか。
 
そうした努力に水を差すつもりはありませんが、いま行っている健康法が本当に効果のあるものなのかどうか、是非一度自分の健康状態をチェックしてみることをお勧めします。
 
なぜこのようなことをいうのかというと、一般に健康に良いといわれているものの中に、実際には健康に害を及ぼすものがたくさん含まれているからです。
特に食に関する健康法には、かえって健康を損なう危険を含んだものが少なくありません。
 
 
★例えば、胃相・腸相を悪くする「間違った健康法」
例えば、あなたは次のような健康法を信じて実践していませんか。
・ 腸のために毎日ヨーグルトを食べるようにしている。
・ カルシウム不足にならないよう、毎日牛乳を飲んでいる。
・ 果物は太りやすいので控え、ビタミンはサプリメントでとるようにしている。
・ 太りすぎないよう、ご飯やパンなど炭水化物はなるべく控えるようにしている。
・ 高たんぱく低カロリーの食事を心がけている。
・ 水分はカテキンの多い日本茶でとるようにしている。
・水道水は残留塩素を抜くために、かならず一度沸騰させてから飲んでいる。
 
これらはどれも一般的に健康に良い」といわれていることばかりです。
ところが胃腸内視鏡医である私に言わせれば、これらはすべて胃・腸相を悪くする「間違った健康法」なのです。
 
事実、私は毎日ヨーグルトを食べているという人で、良い腸相の持ち主に会ったことがありません。
 
アメリカ人の大半は毎日たくさんの牛乳を飲みますが、非常に多くの人が骨粗しょう症に悩まされています。
 
カテキンの豊富なお茶を毎日飲み続けた日本人は、とても悪い胃相をしています。
お茶の先生など仕事で大量のお茶を飲んでいる人には、胃ガンの先駆症状とも言える萎縮性胃炎を起こしている人が少なくありません。
 
 
★胃相・腸相の悪い人に健康な人はいません
胃相・腸相の悪い人に健康な人はいません。
 
では、胃相・腸相を悪くするようなものが、なぜ健康にいいともてはやされているのでしょう。
それはその食物に含まれる一つの成分の効果しか見ていないからだと思います。
 
緑茶を例に見てみましょう。
たしかに緑茶に多く含まれるカテキンには、殺菌効果や抗酸化作用があります。
そのため日本茶をたくさん飲んでいれば長生きするとか、ガン予防につながるというストーリーが生まれました。
 
でも私は、こうした「カテキン神話」にかねがね疑問を抱いていました。
それは、先にも触れましたが、「お茶をたくさん飲む習慣のある人の胃相は悪い」という臨床データが出ていたからです。
 
 
★お茶がもたらす危険
お茶に含まれるカテキンが、抗酸化作用を持つポリフェノールの一種であることは間違いではありません。
 
しかし、そのカテキンはいくつか結合すると「タンニン」と呼ばれるものになります。
タンニンというのは、植物がもつ「渋み」成分であることから、日本では昔から「渋(しぶ)」と称されてきました。
 
柿の「渋」もこのタンニンです。
タンニンは非常に酸化しやすい性質を持っており、熱湯や空気に触れることによって、容易に「タンニン酸」に変化します。
そしてタンニン酸には、蛋白を凝固させる働きがあります。
 
ここからは私の仮説ですが、こうしたお茶に含まれるタンニン酸が、胃粘膜に悪い影響を及ぼし、胃相を悪くしているのだと考えられます。
 
事実、タンニン酸を多く含むお茶(緑茶、中国茶、紅茶、コーヒー、ドクダミ茶、杜仲茶など)を常飲している人の胃を内視鏡で見ると、粘膜が薄くなる萎縮性変化が起きていることがよくあります。
 
慢性の萎縮性変化、または萎縮性胃炎は、胃ガンになりやすくすることがわかっています。
そして、この説を裏付けるように、2003年の9月には、日本癌学会において三重大学の川西正祐教授(衛生学)らが、カテキンによりDNAが損傷するというレポートを発表しておられます。
 
お茶がもたらす危険はそれだけではありません。
現在市販されているお茶の多くは、その栽培過程で農薬が使われているからです。
残存農薬やタンニン酸、さらにカフェインの影響を考えると、お茶を水代わりに飲むのはお勧めできません。
 
お茶が好きな方は、無農薬栽培の茶葉を使い、比較的胃粘膜に負担がかからないように空腹時をさけ、食後に飲む、そして1日2、3杯程度にとどめるようにしてください。
 
このように誤った情報を多くの人が信じてしまうのは、今の医学が人間の体を全体として見ていないからだと思います。
 
人間の体はすべてつながっています。
一つの場所でよい働きをする成分が含まれているからといって、それが全体にとっても良いとは限りません。
 
「木を見て森を見ず」という言葉がありますが、食べ物も、そこに含まれる一つの成分だけを見て、体に良いとか悪いとか決めることはできません。
 
 
 

 

ごらんいただいたことを大変ありがたく感謝します。

 

生命の農と食を考える
L A F 健農健食研究所 ラフ
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池田 優

 

 

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