山ちゃんの食べもの考

 

 

その180
 



食は生命なり
「生命なきは食にあらず」とも云われますが、
人は多くの生命を頂く事で生かされている。
植物の生命も動物の生命も微生物の生命も、
土の生命も水の生命も空気の生命も、
すべての生命がつながって生かされている。
そんな「共生」の世界で生かされている。
「人は何を食べるのかによって決まる」とも云う。
肉体的な健康、長寿のみならず、
知性、思想、性格までをも決すると。
その食べ物の作り方、その食べ物の商いほう、
その食べ物の選び方、買い方、食べ方は、
その人の生き方、その考え方そのものであると。

                                   
(山ちゃん)
『食は生命なり』 【36】
『食は生命なり』と「新谷弘実」 その3
新谷弘実著 『病気にならない生き方』 より
 
■ 第1章 常識を信じていると危ない! の2
 
◆肉を食べてもスタミナはつかない
 
●1977年、アメリカの 「マクガバン・レポート」
1977年、アメリカで食と健康に関する非常に興味深いレポートが発表されました。
そのレポートは、発表した上院議員ジョージ・S・マクガバン氏の名をとって「マクガバン・レポート」と呼ばれています。
 
当時、このレポートがまとめられた背景には、アメリカの国家財政を圧迫するほどの巨額に膨れ上がった医療費の問題がありました。
 
医学が進歩しているにもかかわらず、ガンや心臓病をはじめとする病気にかかる人の数は年々増え続け、それにともない国家が負担する医療費も増え続け、ついには国家財政そのものをも脅かすところまで迫っていたのです。
 
何とかしてアメリカ国民が病気になる原因を解明し、根本的な対策を立てなければ、アメリカは病気によって破産してしまうかもしれない。
 
そんな危機感から上院に「国民栄養問題アメリカ上院特別委員会」が設立されたのです。
マクガバン氏はその委員長でした。
 
委員会のメンバーは、世界中から食と健康に関する資料を集め、当時最高レベルの医学・栄養学の専門家らとともに「病気が増えている原因」を研究・調査しました。
その結果まとめたのが5,000ページにも及ぶ「マクガバン・レポート」です。
 
●多くの病気の原因がこれまでの「間違った食生活」にある
このレポートの公表は、アメリカの国民に大きな選択を迫ることになりました。
なぜならそこには、多くの病気の原因がこれまでの「間違った食生活」にあると結論付けられていたからです。
そして、今の食生活を改めない限り、アメリカ人が健康になる方法はないと断言していたのです。
 
当時アメリカでは、分厚いステーキのような高タンパク・高脂肪の食事が食卓の主役でした。
タンパク質は体を構成するもっとも基本的な物質ですから、体を作るうえでとても大切な栄養素だといえます。
そのため、動物性蛋白をたくさん含んだ食事をとることが、スポーツ選手や成長期の若者はもちろん、体の弱い人やお年寄りにも良いとされていました。
日本で根強い「肉こそ活力のみなもと」という考えは、このころのアメリカ栄養学の影響です。
 
ところが「マクガバン・レポート」は、こうした当時の食の常識を真っ向から否定しました。
そして、最も理想的な食事と定義したのは、なんと元禄時代以前の日本の食事でした。
 
元禄時代以前の食事というのは、精白しない穀類を主食に、おかずは季節の野菜や海藻類、動物性タンパク質は小さな魚介類を少量といったものでした。
 
近年、日本食が健康食として世界的な注目を集めるようになったのは、じつはこれがきっかけなのです。
 
●肉食は、健康を害し、老化を早めている
たしかに、肉を食べなければ筋肉が育たないというのは、真っ赤なウソです。
これは自然界を見れば分かります。
 
肉食動物の代表ライオンは、とても強いため、さぞかし立派な筋肉を持っているのだろうと思いがちですが、実際は馬や鹿のような草食動物のほうが、はるかに発達した筋肉をもっています。
 
その証拠に、ライオンや虎は、獲物を捕らえるとき長々と追いかけたりはしません。
彼らが得意とするのは、瞬発力を生かしたスピード勝負です。
これは持久力では、筋肉の発達した草食動物にかなわないことを彼ら自身が知っているからです。
 
肉を食べなければ体が大きくならないというのもウソです。
象やキリンはライオンや虎の何倍もの大きさがありますが、彼らは草食動物です。
しかし、動物性タンパクをたくさん食べると人間の成長が早くなるということは事実です。
最近の子供たちの成長が早いのは、動物性タンパクの摂取量が増えたためと考えられています。
 
しかし、ここにも動物食の危険な落とし穴があります。
それは「成長」はある年齢を超えた時点で「老化」と呼ばれる現象に変わるということです。
 
つまり、成長を早める動物食は、別の言い方をすれば、老化を早める食事ということになるのです。
お肉を好んで食べている人は、それがあなたの健康を害し、老化を進めているということを覚えて追い手下さい。
 
 
◆胃相と腸相が教えてくれること
 
●健康な人の胃相・腸相、不健康な人の胃相・腸相
人間の顔に人相の良し悪しがあるように、胃腸にも、「胃相」「腸相」の良し悪しがあります。
 
人相にはその人の性格が表れるといいますが、胃相・腸相にはその人の健康状態が表れます。
 
健康な人の胃相・腸相はとても美しいものです。
胃であれば、粘膜が均一のピンク色で、表面にでこぼこがなく、粘膜下の血管が透けて見えることもありません。
また健康な人の粘膜は透明なので、内視鏡が照らす光に粘膜が反射し、キラキラと輝いて見えます。
健康な人の腸も、胃の場合と同じようにピンク色をしています。
さらに非常にやわらかく、大きくて均等性のあるひだが見られます。
 
不健康な人の胃は、粘膜の色がまだらで局所的に赤くなっていたり、はれていたりします。
また日本人に多い萎縮性胃炎になると、胃粘膜が薄くなるので、粘膜の下の血管が透けて見えるようになります。
さらに胃の粘膜が萎縮すると、それを補うために表面細胞が部分的に増殖するため、胃壁がでこぼこになってきます。
 
ここまでくると、もうガンの一歩手前です。
そして不健康な腸は、腸壁の筋肉が厚く硬くなるため、不均等なひだが生じたり、所々に輪ゴムをはめたようなくびれができています。
 
●未病の方々に「新谷式食事健康法」を実践してもらいたい
体に痛みや不調が生じていない「未病」の人に、「腸相が悪くなるから動物食は控えてください」といっても、素直に忠告に従って実践する人はあまり多くありません。
そこには動物食がおいしいからという理由もありますが、一番の理由は「見えないから」だと思います。
 
体の表面に生じた変化には、人は比較的敏感に反応します。
例えば、髪の毛が抜けたり、顔にしわができたりすれば、大騒ぎでお金も時間もかけて対処します。
しかし、自分では見えない腸の中の変化となると、「まあ、痛くなければいいか」と、驚くほどいい加減な対処で終わってしまうのです。
そして病気になってしまってから、後悔することになるのです。
 
目で「見えない」と、その変化が意味する怖さも見えなくなってしまうのかもしれません。
しかし、私のように腸に中を知り尽くしてしまうと、体の表面の変化よりも中の変化のほうが気になります。
それはその変化が自分の健康状態に直結していることがわかっているからです。
 
私の患者さんたちが、新谷式食事健康法に真剣に取り組んでくれるのは、それが自分の生死に直結していることを知っているからです。
一度ガンという病気に直面した人にとって、「ガン再発率ゼロ%の健康法」は、他の何よりも優先されるものとなります。
 
私は、この健康法を「ガン再発率ゼロ%」ではなく、未病の方々に実践してもらい、「発病率ゼロ%の健康法』にしたいと思っているのです。
 
そのためにも、肉食を続けたとき、腸の中でどのような変化がおきるのか、是非知っていただきたいと思います。
 
●肉食・・・腸相悪化・・・停滞便・・・ポリープ・・・ガン化
肉食が腸相を悪くする最大の理由は、食物繊維がなく、脂肪やコレステロールを大量に含んでいることにあります。
 
肉食を続けていると、腸壁がどんどん硬く厚くなりますが、これは食物繊維がないために便の量が極端に少なくなり、その少ない便を排出するために腸が必要以上に蠕動しなければならなくなるからです。
 
つまり、過剰な蠕動運動により腸壁の大部分を構成する筋肉が鍛えられて厚く大きくなってしまうのです。
こうして腸は硬く短くなっていきます。
 
腸壁が厚くなると、内腔(ないこう)は狭くなっていきます。
硬く狭くなった腸の内圧は高くなるのですが、動物性タンパクに加えて脂肪も大量に摂取して腸周辺の脂肪層が厚くなるので、さらに腸壁に圧力がかかります。
こうして腸内の圧力が高くなると、中から外に向かって粘膜が押し出されるという現象が起きます。
この現象が「憩室(けいしつ)」と呼ばれるポケット状のくぼみを作り出します。
 
こうなると、ただでさえ量の少ない便は腸の中を進むのが難しくなります。
その結果、腸の中に長く停滞する「停滞便(宿便)」がたまってきます。
その停滞便は腸壁にこびりつくようにたまるのですが、そこに憩室があれば、そのポケット状のくぼみに停滞便が入り込み、さらに排出されにくくなります。
 
憩室やひだの間にたまった停滞便は毒素を発生し、その部分の細胞に遺伝子変化を起こさせポリープを作り出します。
そしてポリープが成長し、ガン化していくのです。
 
腸相の悪化は、大腸ガン、大腸ポリープ、憩室炎などさまざまな体調の病気を起こすだけにとどまりません。
実際には腸相の悪い人の多くが子宮筋腫、高血圧、動脈硬化、心臓病、肥満、乳ガン、前立腺ガン、糖尿病などのいわゆる「生活習慣病」を発生しているのです。
 
このように胃相・腸相が悪いということは、ただ単に見てくれが悪いということではありません。
体が内部から蝕まれているということなのです。

 

ごらんいただいたことを大変ありがたく感謝します。

 

生命の農と食を考える
L A F 健農健食研究所 ラフ
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池田 優

 

 

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