山ちゃんの食べもの考

 

 

その182
 



食は生命なり
「生命なきは食にあらず」とも云われますが、
人は多くの生命を頂く事で生かされている。
植物の生命も動物の生命も微生物の生命も、
土の生命も水の生命も空気の生命も、
すべての生命がつながって生かされている。
そんな「共生」の世界で生かされている。
「人は何を食べるのかによって決まる」とも云う。
肉体的な健康、長寿のみならず、
知性、思想、性格までをも決すると。
その食べ物の作り方、その食べ物の商いほう、
その食べ物の選び方、買い方、食べ方は、
その人の生き方、その考え方そのものであると。

                                   
(山ちゃん)
『食は生命なり』 【38】
『食は生命なり』と「新谷弘実」 その5
新谷弘実著 『病気にならない生き方』 より
■ 第1章 常識を信じていると危ない! の4
 
◆薬はすべて基本的に「毒」である
★薬品に対して鈍感になっている
日本人は、とても気軽に「薬」を服用します。でも薬はすべて基本的には体にとって「毒」だということを覚えておいてください。
化学薬品を嫌う人でも、漢方薬なら副作用もなく体に害がないと信じている人がいますが、それも間違いです。
漢方薬であろうが、化学薬品であろうが、薬が体にとって毒であることに変わりはありません。
 
私は19歳のときにインフルエンザにかかったのを最後に、病気というものにかかったことがありません。
そのため薬もほとんど飲んだことがないのです。
私のように何十年も薬を飲まず、酒やタバコはもちろん、農薬や食品添加物の入らない食事を続けていると、少しでも「薬」が入ると体は非常に敏感に反応します。
例えば、化学調味料の入った味噌汁を飲むと、脈拍が20くらい多くなり、顔にカーッと血が上がっていくのがはっきりわかりますし、コーヒーをカップにいっぱい飲んだだけでも、血圧が10〜20は上がります。
 
私のように少量の薬にも反応する人を今では「薬品過敏症」というようですが、私に言わせればそれはまったくの逆です。
人間の体というのは、本来こうしたものなのです。
 
多くの人のほうが、酒やタバコ、コーヒーや紅茶などの嗜好品を常用したり、食品添加物や化学調味料を使った食事を日常的にとっているため、薬に対する耐性ができ、刺激に鈍感になってしまっているのです。
 
★新しい薬は、自分の体で人体実験をして
しかし、そんな私も医者なので、必要の応じて患者さんたちに薬を処方することがあります。
処方する以上、医者にはできるだけ体に負担の少ない薬を選ぶ責任があります。
 
そこで私は、薬に敏感に反応する自分の体を使い、新しい薬を処方する前には必ず、自分でその薬の処方量の4分の1とか8分の1ぐらいを飲んでみて、体にどのような反応が起きるのか、人体実験をして確かめるようにしていました。
 
もちろんアメリカには薬の副作用についてこと細かく書かれたものがあります。
それでも自分で飲んでみないと、本当のところはわかりません。
実際、説明書にはない反応が現れることも少なくありません。
こうして患者さんには、自分の体験と、公にされている副作用の両方を説明し、納得してもらった上で「薬」を飲んでいただいているのです。
 
でも、今ではもう薬を自分の体で試すことはしていません。
なぜならある薬をいつものように処方する前に自分の体で試したとき、死にそうな目にあったからです。
その薬は「バイアグラ」です。
 
★効果が早く表れる薬ほど毒性が強い
最初私は、いつものように一番小さな50mgの錠剤を4分の1に割って飲んでみようと思いました。
ところがバイアグラの錠剤はとてもかたく、どうしてもうまく割れません。
そこで少し削った粉を指先につけてなめました。
ですから、実際に飲んだ量は7分の1にも満たない量だったと思います。
それでもその後の苦しみはたいへんなものでした。
今にして思えば、あれ以上飲まなくて本当に良かったと思います。
 
変化はわずか10分ほどで表れました。
まず最初に私の体に表れた反応は、鼻詰まりでした。
そして息苦しくなったと思ったら、次に顔がウワーッとはれたような感じがしてきたのです。
その後も息苦しさはどんどんひどくなり、もしかしたらこのまま窒息して死んでしまうのではないかと思うほどでした。
正直なところ勃起するどころではありません。
本当にそのときは苦しさと強烈な不安から、心の中で「死なせないでくれ」と祈ったほどでした。
 
これだわかったのは、効果が早く表れる薬ほど毒性が強いということです。
薬を選ぶ際には、効果の強い薬、即効性のある薬は、それだけ体に害になるということを忘れないで下さい。
 
★強い制酸剤の服用が男性のインポテンツや不妊の原因に
胃腸の薬にも思わぬ副作用があるものも少なくありません。
例えば、消化性潰瘍治療薬やH2ブロッカー系の胃薬を常用すると、インポテンツ(ED/勃起障害)を引き起こす可能性があります。
さらにインポテンツにならなくても、精子の数が急激に減少するというデータも出ているのです。
ですから、近年、問題となっている男性の不妊の原因もどんな薬であるのかきちんと知っておくべきです。
いろいろな強い制酸剤を服用しているせいであるといっても過言ではないでしょう。
 
病院から山のように薬を処方されるのに慣れてしまった人の中には、自分が飲んでいるのが何の薬なのか、どのような効果と副作用があるのか、知らずに飲んでいる人もいるでしょう。
 
しかし、どんな薬でも薬である以上、なんらかのかたちで体に負担を強いているのですから、どんなリスクがあるのかきちんと知っておくべきです。
 
 
◆本当のことは体に効かないとわからない
★臓器は、その人のすべての健康状態を反映している
私が胃相・腸相に注目するようになったのは、そのよしあしが単にその臓器だけの問題ではなく、その人の健康状態をもっとも的確に反映しているということを、多くの患者さんたちの臓器から教えられたからです。
 
おかげで今では私は、内視鏡で胃腸を見ただけで、その人の健康状態や生活習慣はもちろん、ときには寿命までも読み取ることができます。
 
健康上の問題を抱えている人は、そのシグナルが必ず胃相・腸相に現れています。
例えば乳ガンの患者さんは、憩室や停滞便が多く悪い腸相をしています。
乳がんと腸なんて一般的には無関係のように思われていますが、実際には密接に関係しているのです。
 
私たちはガンという病気を恐れ、なんとかしてその発病原因を探ろうとしてきました。
しかし、実際には病気が発生する原因は一つではありません。
これはガンでもその他の病気でも同じです。
 
食事、水、嗜好品や薬、運動やストレス、生活習慣など、その人をとり巻くすべてが複雑に影響しあった結果として発病に至るからです。
 
★胃酸は健康を維持するために必要だから出ている
ところが、最近は臓器別医学が進んだこともあり、病気を発病した部位だけを解決しようとする傾向が見られます。
そのため、胸やけを訴えると、それは「胃酸過多」だから胃酸を抑える薬を飲みなさいといわれてしまいます。
胃酸が必要以上に出すぎているから、それを薬で抑えなさい、というのです。
 
たしかに胃酸の分泌を抑えれば胸やけの症状は消えます。
しかし、それが体の他の部分に多大なダメージを与えることはすでに述べたとおりです。
 
だいたい「胃酸過多」という考え方自体が間違っていると、私は思っています。
胃酸が出すぎるということは、実際にはありません。
胃酸は健康を維持するために必要だから出ているのです。
そうした体の仕組みを無視して薬を飲むことは、文字通り命取りにつながります。
 
★日々の食べ物と水の質が健康を左右する
人間の体というのは、とても繊細な仕組みとバランスの上に成り立っています。
その繊細な仕組みとバランスは、単細胞生物から始まった小さな生命が、膨大な年月をかけて少しずつ作り上げてきたものです。
そして、その仕組みは、人間を形作っている約60兆個の細胞の一つひとつの中で働いているのです。
ですから本当の意味で人間の健康を考えるならば、人間の体を細胞レベルでとらえ、何が健康維持に大切なのかを考えることが必要なのです。
 
人間の体を細胞レベルで見ると、常に少しずつ細胞が入れ替わり、部位によって差はありますが、短い場所では数日、長い場所でも数年ですべて入れ替わるといわれています。
 
その新しい細胞を作っているのは、日々摂取している食べ物と水です。ならばその食べ物と水の質がその人の健康を左右するのは当然といわれるでしょう。
 
★食事の質は全身に反映される
そして、その体のもととなる食べ物を取り入れるための器官が胃腸です。
 
食事や水の質が悪ければ、それを取り入れる胃腸が真っ先にダメージを受けます。
その後、吸収された悪い成分は、血管というパイプラインで全身の細胞に運ばれていきます。
細胞たちは、いくら材料が悪くても、運ばれてきた材料を使って新しい細胞を作るしかありません。
こうして食事の質は全身に反映されるのです。
 
胃相・腸相が全身の健康状態を反映するものであることに気づいてから、私は患者さんたちに食事と生活習慣に対するアンケートを実施することにしました。
それは体にとって良いものと悪いものを、これまでの常識にとらわれることなく、臨床結果を素直に受け止めることで知るためです。
人間の体の中で起きることは、実験室にビーカーの中で生じる反応とは異なります。
本当のことは直接、体に効くしかないのです。
 
 
◆健康のカギは「エンザイム」の量だった
★生命のあるところ必ずエンザイムがある
アンケートの結果やさまざまな臨床データを集めていくうちに、私はそこに一つのキーワードが隠れていることに気づきました。
それが「エンザイム(酵素)」です。
 
★生物が生きるために行うありとあらゆる行為を可能としているもの
エンザイムというのは、化学的にいえば、「生物の細胞内で作られるタンパク質性の触媒の総称」ということになります。
簡単に言えば、生物が生きるために行うありとあらゆる行為を可能としているものということです。
 
★エンザイムの量と活性度が健康状態に大きく影響する
動物であろうが植物であろうが、生命があるところ必ずエンザイムがあります。
例えば植物の種から芽が出るのもエンザイムが働いているからです。
その目が葉に成長し、大きな幹に成長していくときにもエンザイムは働いています。
私たち人間の生命活動も、多くのエンザイムによって支えられています。
消化吸収はもちろん、細胞が新しいものと入れ替わる新陳代謝も、体内に入った毒素を分解し解毒しているのもエンザイムの働きです。
そのため、エンザイムの量と活性度が健康状態に大きく影響するのです。
 
人間の体内で働いているエンザイムは、5000種以上あるといわれていますが、そのすべてが体内で作られているわけではありません。
エンザイムには体内で作られるものと食物として外部からとるものの2種類があるのです。
そして、体内で作られる酵素も、腸内細菌が作り出しているものが約3000種あるといわれています。
 
★エンザイムを増やす食生活、エンザイムを消耗する生活習慣の改善
良い胃相・腸相の人たちに共通していたのは、エンザイムをたくさん含むフレッシュな食物を多くとっていたことでした。
そしてこのことは、単に外部からエンザイムを取り入れるだけでなく、エンザイムを生み出してくれている腸内細菌が活発に働くような腸内細菌を作るのにも役立っていました。
 
一方、胃相・腸相の悪い人たちに共通していたのは、エンザイムを消耗する生活習慣でした。
お酒やタバコの常用、大食、食品添加物を含んだ食事、ストレスの多い生活環境、医薬品の使用、これらはすべてエンザイムを大量に消費する行為です。
そのほかにも悪い食事によって腸内で作り出された毒素や、紫外線やレントゲン、電磁波を浴びたときに多量にできるフリーラジカル(活性酸素はフリーラジカルの一つ)の解毒にも大量のエンザイムが消費されます。
 
このことからわかるのは、健康を維持するためには、体内のエンザイムを増やす食生活をするとともに、体内のエンザイムを消耗する生活習慣を改める必要があるということです。そしてそのことこそが、私が提唱する「新谷食事健康法」の根幹となっているものなのです。
 
★体内にあるエンザイムの量が、その生命体の「命運」を握っている
現在エンザイムは、健康をつかさどるカギとして世界的に注目を集め、研究が進みつつあります。まだわかっていないことはたくさんあります。
 
その中でアメリカの酵素研究の第一人者であるエドワード・ハウエル博士は、生物がその一生の間に作ることができるエンザイムの総量は決まっているという説を述べています。
その一定量のエンザイムをハウエル博士は「潜在酵素」と呼んでいます。
そして、この潜在酵素を使い切ったときが、その生命体の寿命に尽きるときだというのです。
 
この説が本当かどうかは今後の研究成果を待たなければなりませんが、体内にあるエンザイムの量が、その生命体の「命運」を握っていることは確かです。
体内にエンザイムが豊富にあれば、生命エネルギーも免疫力も高いといえます。つまり、体内のエンザイムの消耗を抑え、いかに十分な状態に保っておくかが、健康状態を決定するということです。
 
現在エンザイムを作ることができるのは生命体だけです。
発酵食品のようにエンザイムを多く含む食品を人工的に作ることはできますが、そのエンザイムを作り出しているのは細菌などの微生物です。
つまり、微生物が酵素を作りやすい環境を整えることはできても、酵素そのものを人工的に合成し作り出すことはできないということです。
 
新谷食事健康法が「食」を重視する理由はここにあります。
先にも述べましたが、エンザイムを多く含む食物を摂取することは、腸内環境を整え、腸内細菌がエンザイムを作るのを助けることにつながります。
 
もし、ハウエル博士の言うように生物がその一生で作ることができるエンザイムの量が決まっているのだとしたら、ストレスや環境汚染などにより、ただでさえエンザイムの消耗が激しい現代社会に生きるわれわれにとって、自分以外の生命体が作ってくれるエンザイムを効率よく摂取・活用することは、まさに命綱といえるほど重要なことなのです。
 

 

ごらんいただいたことを大変ありがたく感謝します。

 

生命の農と食を考える
L A F 健農健食研究所 ラフ
L ife A griculture F oods

FAX :076-223-2005
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池田 優

 

 

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