山ちゃんの食べもの考

 

 

その184
 



食は生命なり
「生命なきは食にあらず」とも云われますが、
人は多くの生命を頂く事で生かされている。
植物の生命も動物の生命も微生物の生命も、
土の生命も水の生命も空気の生命も、
すべての生命がつながって生かされている。
そんな「共生」の世界で生かされている。
「人は何を食べるのかによって決まる」とも云う。
肉体的な健康、長寿のみならず、
知性、思想、性格までをも決すると。
その食べ物の作り方、その食べ物の商いほう、
その食べ物の選び方、買い方、食べ方は、
その人の生き方、その考え方そのものであると。

                                   
(山ちゃん)
『食は生命なり』 【40】
『食は生命なり』と「新谷弘実」 その7
新谷弘実著 『病気にならない生き方』 より
 
■ 第1章 常識を信じていると危ない! の6
◆食の常識を信じていると命が危ない
 
● 病院食の「お粥」は間違いです
「エンザイム」をキーワードにこれまでの常識を見直すと、「体のため、健康のため」と思ってやってきたことの中に、体の仕組みに反するものがあることに気づきます。
病院で入院患者に出される食事「病院食」もその一つです。
 
入院した経験をお持ちの方はわかると思いますが、今の病院食というのは、何かというとすぐに「お粥」を食べさせます。
特に内臓を手術したあとの患者などには、「胃腸に負担をかけないように三分粥からはじめましょう」と、いかにも体を思いやっているような言い方をします。
でもこれは大きな間違いです。
 
私は、胃の手術をした患者さんにも最初から普通職を提供します。
なぜお粥よりも普通職のほうがいいのか、それはエンザイムの働きを知っていればすぐにわかります。
普通食が良いのは「よく噛む」ことが必要だからです。
よくかむことは唾液の分泌を促します。
唾液の中には消化エンザイムが含まれており、噛むことによってエンザイムと食物がよく混ざり合い、食物の分解がスムーズに進むので消化吸収がよくなるのです。
 
しかし、お粥だと最初からどろどろしているので、ろくに噛まずに飲み込んでしまいます。
そのため、やわらかいはずのお粥は、エンザイムが十分に混ざっていないため消化が悪く、よく噛んだ普通食のほうが消化がよいという皮肉な結果になるのです。
私は胃の手術をした3日後の昼食に、普通のお寿司を出したこともあります。
ただし、そのときには「一口あたり70回は噛んでください」ときちんと指導します。
よく噛むということは、病人に限らず消化吸収をスムーズに行うためにとても大切なことです。
特に胃腸に問題のない人も、普段から30〜50回は噛むように心がけることをお勧めします。
 
● 病院食に牛乳は大きな間違い
病院食によく見られるもう一つの間違いは「牛乳」です。
牛乳に含まれる主な栄養素は、タンパク質、脂質、糖質、カルシウム、ビタミンです。
中でも牛乳は日本人に不足しがちなカルシウムを多く含むという理由で、とてももてはやされています。
 
でも実は、牛乳ほど消火の悪い食物はないといっても過言ではありません。
それほど牛乳は消化が悪いのです。
牛乳はさらさらした液体状のものなので、のどが渇いたときに水代わりの飲む人もいますが、大きな間違いです。
 
牛乳に含まれるたんぱく質の約8割を占める「カゼイン」は、胃に入るとすぐに固まってしまい、消化がとても悪いのです。
さらに市販の牛乳はその成分がホモゲナイズ(均等化)されています。
「ホモゲナイズ」というのは、搾乳した牛乳の脂肪分を均質化させるため撹拌することを言います。
なぜホモゲナイズするのがいけないかというと、撹拌するときに牛乳に空気が混じり、脂肪分が過酸化脂質になってしまうからです。
 
過酸化脂質というのは文字通り、「酸化がとても進んだ脂」という意味です。
わかりやすくいえば錆びた脂」です。
これは活性酸素同様、体に非常に悪い影響を及ぼします。
 
その錆びた脂を含んだ牛乳を、今度は100度以上の高温で殺菌します。
エンザイムは熱に弱く、48度から115度の間で死滅します。
つまり市販の牛乳というのは、大切なエンザイムを含まないだけでなく、脂肪分は酸化し、タンパク質も高温のため変質しているという、ある意味で最悪の食物なのです。
 
その証拠に、市販の牛乳を母牛のお乳のかわりに子牛に飲ませると、その子牛は4〜5日で死んでしまうそうです。
エンザイムのない食物では命を養うことはできないということです。
 
 
◆牛乳を飲みすぎると骨粗しょう症になる
● 牛乳とアトピー
市販の牛乳が悪いということを、35年前に私に最初に教えてくれたのは、私の親戚の子供たちでした。その子供たちは、二人ともアメリカで生まれ育ったのですが、生後6、7月ごろにアトピー性皮膚炎を患いました。
子供たちの母親は、かかりつけの小児科医の指示に従っていたのですが、いくら治療を受けても子供たちのアトピーは一向に改善されませんでした。
そして3〜4歳になったころから、ひどい下痢を起こすようになったのです。
そしてついには血便まで出るようになってしまいました。
びっくりした母親が私を頼ってきたので、急いで内視鏡を入れて中を見るとその子供は潰瘍性大腸炎の初期でした。
 
潰瘍性大腸炎は食事内容が関係して起きることが多いので、私はすぐに普段からよく食べている食物を調べました。
そして、ちょうど彼らがアトピーを発生した時期が、医師の指導のもと授乳を打ち切り、牛乳を与えるようになった時期であったことがわかったのです。
私は子供たちの食事から、牛乳と乳製品をのすべてカットするように指示しました。
すると案の定、血便も下痢も、アトピーすらもピッタリ治ったのです。
 
● 牛乳は、さまざまな病気を発祥する原因となっている
後に患者さんたちに食歴のアンケートをとるとき、牛乳・乳製品をどれくらい取っているかという項目を設けたのも、このときの経験があったからでした。
その臨床データによれば、牛乳や乳製品の摂取はアレルギー体質を作る可能性が高いことが明らかになっています。
これは妊娠中の母親が牛乳を飲むと、子供にアトピーが出やすくなるという最近のアレルギー研究の結果とも一致しています。
 
日本ではここ30年くらいの間に、アトピーや花粉症の患者が驚くべきスピードで増加しました。その数はいまや5人に1人とも言われるほどです。
なぜこれほどアレルギーを起こす人が急増したのか、さまざまな説が言われていますが、私はその第一の原因は、1960年代の初めに始められた学校給食の牛乳にあると考えています。
 
過酸化脂質を多く含む牛乳は、腸内環境を悪化させ悪玉菌を増やし、腸内細菌のバランスを崩します。
その結果、腸内には活性酸素、硫化水素、アンモニアなどの毒素が発生します。
このような毒素がどのようなプロセスを経て、どのような病気を招くのかはまだ研究途上ですが、牛乳はさまざまなアレルギーだけではなく、子供もが白血病や糖尿病などシリアスな病気を発祥する原因となっているという研究論文がいくつも出ています。
こうした論文はインターネットなどで見ることができますので、是非ご自分の目で確かめていただくといいでしょう。
 
● 牛乳が体内のカルシウムを減らす
牛乳のカルシウム濃度は、通常9〜10ミリグラム(100cc中)と一定しています。
ところが、牛乳を飲むと、血中カルシウム濃度は急激に上昇するそうです。
そのため一見すると、カルシウムがより多く吸収されたように思いがちですが、この「血中濃度の上昇」こそが、悲劇をもたらすのです。
じつは急激にカルシウムの血中濃度が上がると、体は血中のカルシウム濃度をなんとか通常値に戻そうと恒常性コントロールが働き、血中余剰カルシウムを腎臓から尿に排泄してしまうのです。
つまり、カルシウムをとるために飲んだ牛乳のカルシウムは、かえって体内のカルシウムを減らしてしまうという皮肉な結果を招くのです。
牛乳を毎日たくさん飲んでいる世界四大酪農国であるアメリカ、スウェーデン、デンマーク、フィンランドの各国で、股関節骨折と骨粗しょう症が多いのはこのためでしょう。
 
● 牛乳が体内のカルシウムを減らす
これに対し、日本人が昔からカルシウム源としてきた小魚や海藻類に含まれるカルシウムは、血中カルシウムを高めるほど急激に吸収されることはありません。
しかも、牛乳を飲む習慣のない時代の日本には、骨粗しょう症はありませんでした。
現在も、牛乳を飲む習慣のない人や牛乳の嫌いな人に骨粗しょう症が多いという話は聞いたことがありません。
小エビや小魚、海藻類は腸内で消化されたあと、体に必要なカルシウムとミネラル分を吸収するので、体の仕組みに即したよい食物といえるでしょう。
 
 
◆『ヨーグルト神話』に疑問を感じるこれだけの理由
● ヨーグルトを常食している人の腸相はよくない
最近「カスピ海ヨーグルト」や「アロエヨーグルト」など、各種のヨーグルトが健康効果をうたってブームになっています。
しかし、ヨーグルトを毎日食べると腸によいというのは「ウソ」だと、私は考えています。
 
ヨーグルトを食べ続けている人に話を聞くと、「胃腸の調子がよくなった」「便秘が治った」「ウエストがスッキリした」というようなことをいいます。
そして、こうした効果があるのは、すべてヨーグルトに含まれている「乳酸菌」のおかげだと信じているのです。
 
ところが、この「乳酸菌のおかげ」というのが、そもそも怪しいのです。
人間の腸にはもともと乳酸菌がいます。
こうしたもともといる菌を「常在菌」といいます。
人間の体は、外から入ってくる菌やウイルスに対するセキュリティステムが出来上がっているので、たとえそれが体に良い菌であったとしても、常在菌でないものは、このセキュリティシステムに引っかかり殺菌されてしまうようになっているからです。
 
まず最初に働くのが「胃酸」です。ヨーグルトの乳酸菌は、胃に入った時点でほとんど胃酸によって殺されます。そのため、最近では特別な工夫を施して「腸まで届く乳酸菌」を売りにしたヨーグルトも登場しています。
しかし、腸まで届いたとしても、果たして常在菌と手を取り合って働くことが本当に可能なのでしょうか。たしかにシャーレの中では生きたまま腸まで届くことが確認されているようですが、実際の胃腸の中は実験室とは違います。
 
私がこうした「ヨーグルト神話」に疑問を感じるのは、臨床現場では、ヨーグルトを常食している人の腸相が決してよいものではないからです。
 
ですから私は、ヨーグルトに含まれている乳酸菌が生きたまま腸まで届いたとしても、そこで腸内バランスをよくする働きがなされることはないと考えています。
 
● 大人には乳糖を分解するラクターゼがない
では、なぜヨーグルトに「効果」を感じる人が多いのでしょうか。その理由の一つに「乳糖」を分解するエンザイムの不足が考えられます。
乳糖というのは乳製品に含まれる糖分のことですが、これを分解するエンザイム「ラクターゼ」は、年齢を経るごとに減少していきます。
でも、これはある意味で当たり前のことです。なぜなら「乳」というのは、赤ん坊が飲むものであって、大人が飲むべきものではないからです。
つまり、本来ラクターゼは大人には必要ないエンザイムなのです。
 
乳糖はヨーグルトの中にもたくさん含まれています。
そのため、ヨーグルトを食べると、エンザイム不足から乳糖をきちんと消化し切れず、その結果消化不良を起こします。
つまり、ヨーグルトを食べると、軽い下痢を起こす人が多いということです。
この軽い下痢によってそれまで町内に停滞していた便が排出されたのを「乳酸菌のおかげで便秘が直った」と勘違いしてしまっているというわけです。
 
ヨーグルトを常食していると、腸相は悪くなっていきます。これは30万例の臨床結果から自信を持っていえます。
 
もしあなたがヨーグルトを常食しているなら、便やガスのにおいが強くなっているはずです。これは腸内環境が悪くなってきている証拠だと思ってください。
くさいのは、毒素が腸内で発生しているからです。
 
● 自分の体の中の声に耳を傾けて
このように、一般的にも健康効果がうたわれ、企業などがいかにわが社の商品がすぐれているかを訴えているものの中にも、実際には体にとって良くないものはたくさんあるのです。
 
冒頭でも述べましたが、これからは自分の健康は自分で守っていかなければならない時代です。
相手から出される情報を鵜呑みにするのではなく、自分の体で確かめ、真実を見極めることが必要なのです。
自分の体で確かめるというのは、ただ単に食べてみる、やってみるということではありません。なぜなら、先ほどのヨーグルトの例のように、「便秘が治ったからよい」というように勘違いしてしまうこともあるからです。
 
自分の体で確かめるというのは、きちんと選び、実践し、その上で、定期的に「胃相」「腸相」を信頼できる医師に見てもらうなど、客観的な結果を確認する努力をするということです。
本書で紹介する新谷食事健康法も、実践してくださるなら、私のところでなくても結構ですから、ぜひ実践する前とあとで内視鏡検査を受けてみてください。きっと胃相・腸相の劇的な変化を実感していただけることと思います。
 
健康で長生きするためには、外から聞こえてくる声に翻弄されるのではなく、自分の体の仲から聞こえてくる声にもっと耳を傾けてみることが必要なのです。
 

 

ごらんいただいたことを大変ありがたく感謝します。

 

生命の農と食を考える
L A F 健農健食研究所 ラフ
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FAX :076-223-2005
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池田 優

 

 

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