山ちゃんの食べもの考

 

 

その185
 



食は生命なり
「生命なきは食にあらず」とも云われますが、
人は多くの生命を頂く事で生かされている。
植物の生命も動物の生命も微生物の生命も、
土の生命も水の生命も空気の生命も、
すべての生命がつながって生かされている。
そんな「共生」の世界で生かされている。
「人は何を食べるのかによって決まる」とも云う。
肉体的な健康、長寿のみならず、
知性、思想、性格までをも決すると。
その食べ物の作り方、その食べ物の商いほう、
その食べ物の選び方、買い方、食べ方は、
その人の生き方、その考え方そのものであると。

                                   
(山ちゃん)
『食は生命なり』 【41】
『食は生命なり』と「新谷弘実」 その8
新谷弘実著 『病気にならない生き方』 より
 
■ 第2章 太く長く生きるための食べ方 の1
◆あなたはあなたが何を食べているかで決まる
 
★You are what you eat
あなたは何を基準に食べ物を選んでいますか。
英語には《You are what you eat》 という格言があります。これは日本語に約すと「あなたはあなたが何を食べているかで決まる」となります。
私たちの体は、日々の食事によって養われています。つまり、健康も病気も日々の食事の積み重ねの結果であるということです。
 
日本でも1998年、厚生省(現厚生労働省)は、ガン、心臓病、肝臓病、糖尿病、脳血管疾患、高血圧症、高脂血症など、それまで「成人病」といっていたものを「生活習慣病」と改称することに決めました。
これは「マクバガン・レポート」などから始まった食と病気の関係の見直しによって、これらの病気が「年齢」ではなく、「生活習慣」に由来するものであることが明らかになったからです。
 
いま、私たちの周りには多種多様な食物があふれています。その数多くの食物の中から、日々何を選ぶかによってあなたの健康状態は決まります。
健康で長生きしたいと思うなら、単に美味しいから、好きだからというだけで食べ物を選んではいけないことがおわかりいただけると思います。
 
★食歴と病気の関係
ところが現代西洋医学では、その人がこれまで何を食べてきたかという「食歴」について、患者さんにたずねるということはほとんどありません。
現在、潰瘍性大腸炎、クローン病、膠原病、白血病などが世の中で「原因不明の難病」といわれているのはそのためだと思います。
 
食歴と病気の関係がもっと研究されるようになれば、「原因不明」の病気はずっと少なくなるはずです。
 
どんな人でも、若いときからタバコをすって、毎日お酒を飲み、食事は肉中心で野菜や果物はほとんど食べない、そうして牛乳やヨーグルト、バターなどの乳製品を食べていたら、だいたい60歳くらいには間違いなく生活習慣病になります。
遺伝的に動脈血管が弱い人は高血圧や動脈硬化、心臓病などになるし、膵臓の弱い人は糖尿病になるかもしれません。
女性なら子宮筋腫や卵巣嚢腫、乳腺症からこれらのガンに進行することもありますし、男性だと前立腺肥大症や前立腺ガンになったり、肺ガン、大腸ポリープ、変形性関節炎を発症することもあります。
どのような病気になるかは、その人の遺伝的要因や環境によっても異なるので明言はできませんが、何らかの病気を発症することは間違いありません。
 
私が「食歴」を患者さんたちに聞くようになったのは、スコープをつかって胃相・腸相を直接見ることができるようになってから2年ほどたってからです。最初に食歴の詳しい聞き取りを始めたのはガンの患者さんに対してでした。
 
健康診断や病院で診察を受けるときに生活習慣を聞かれることがありますが、多くの場合、「現在」のことにしか注目していません。でも、それではあまり意味がないのです。
なぜ病気になってしまったのかを知るには、「食歴」つまりその人がいつどのようなものをどのくらいの頻度で食べていたのかを知る必要があるからです。
もちろん患者さんの中には、よく覚えていないとかいい加減に答える人も少なくありませんが、根気よく聞いていくと、いろいろなことがわかります。
例えば、いま毎日コップいっぱいの牛乳を飲んでいるという人でも、生まれてすぐ粉ミルクを飲み始めたのか、大人になってから牛乳を飲むようになったのかでは違った結果になります。
 
★ガン患者は動物食を多くとっている
ガン患者の食歴を調べていくと、動物食(肉や魚、卵や牛乳など動物性の食物)をたくさんとっていたことがわかりました。しかも、早い年齢で発病している人ほど、早くから動物食(特に肉、乳製品)を多く、そしてひんぱんにとっていたことがわかったのです。
乳ガン、大腸ガン、前立腺ガン、肺ガンなど、発病したガンの種類はさまざまですが、この傾向だけは同じです。
 
そして、どんなガンを発病した人も例外なく腸相が悪かったのです。
そのため、私は体のどこかにガンができた人は、大腸ポリープや大腸ガンができている可能性が高いので、必ずコロノスコープの検査を受けるよう、いい続けてきました。
 
大腸検査の提唱者である私のところにも多くのガン患者が来ていますが、結果は予想通りでした。
中でも女性なら乳ガン、男性なら前立腺ガンを発病した人の大腸に異常が発見される確率は、とても高いという臨床結果が出ています。
その結果を受けて、今アメリカでは、乳ガンや前立腺ガンを発病した人は大腸検査を受けるというのがだいぶ浸透してきています。
もし読者の中これらのガンを経験された方があれば、できるだけ早くコロノスコープによる検査を受けるようにしてください。
 
食事が原因で起きる病気は、それを食べたからといってすぐに発病するようなものではありません。
しかし体の中では、これまでの食生活が確実に蓄積されています。
今現在、症状が表れていないからといって安心することはできません。
「継続は力なり」といいますが、よいほうにも悪いほうにも大きな力になるということを忘れないで下さい。
 
 
◆新谷食事健康法でガンが再発しない理由
★ガン発症があると、すでに全身にガン細胞が生まれている
異常な細胞が増殖して組織が塊になったものを「腫瘍」といいます。
さらに、腫瘍の中でも、浸潤や転移をせず、成長に限界のあるものを「良性腫瘍」といい、そうでないものを「悪性腫瘍」といいます。この悪性腫瘍を「ガン」と呼ぶのです。
そして最初に腫瘍ができた臓器や部位の名称を冠し、「大腸ガン」「肺ガン」「肝臓ガン」「乳ガン」というような病名がつけられます。
 
ガンと診断されたとき、真っ先に心配するのは「転移」があるかどうかでしょう。
転移があると、外科手術で病巣部をすべて取りきることが難しく、完治は難しいといわれているからです。
 
転移というのは、最初にガンができたところとは別の場所に、ガンが現れることです。なぜガンが転移するのかということについては、一般的にはリンパ腺や血管を通してガン細胞が他の臓器に運ばれ、そこで増殖するからだといわれています。
でも私の考えは少し違います。
私は、最初にどこか一か所にできたがん細胞が増殖する過程で他の臓器に飛び火するとは考えていません。
 
通常ガンが発見されるのは、小さくても直径1cm程度に成長してからです。
ガンの腫瘍は、一つのがん細胞が増殖してできたものです。
わずか1cmの腫瘍でも、それを形成する細胞の数は何億にも及ぶのです。
ですから、そこまで成長するのに要する時間は決して短いものではありません。
ガンが生活習慣病である以上、どこかにガンができたということは、その間に、腫瘍になで成長していないガン細胞がすでに全身に生まれていると考えられます。
目に見えないからといって、ガンがないと考えるのは危険です。
 
★ガンは局所病ではなく全身病である
日々の生活によって体内に蓄積された「毒」は、まるで時限爆弾のように全身の細胞に仕掛けられているのです。
その無数にある爆弾のどれが先に爆発するかは、その人の遺伝的要因や、生活習慣などによって違います。
 
食品添加物や農薬を使って育てたものばかり食べていた人は、解毒をつかさどる肝臓に仕掛けられた爆弾が最初に破裂するかもしれません。
でも同じような生活をしていても、遺伝的要素が違えば、爆弾の破裂する箇所は違うかもしれません。
つまりガンは、どこか一部だけが侵される「局所病」ではなく、体全体がおかされる「全身病」だということです。
 
それが体のあちこちに「再発」していくように見えるのは、全身に仕掛けられた爆弾が、時間差で次々と爆発していくからです。
そう考えると、現在の原発病巣をリンパ腺や血管まで含めて広範囲に切除するという、一般的な手術方法が本当に正しいのかどうか、という疑問が生じます。
ガンは、転移を見逃して原発病巣を切除してしまうと、転移部分のガンが急成長を始めるので危険だといわれます。
しかしこれも、ガンを全身病だと考えれば、当然のここといえるでしょう。
ただでさえ、生命エネルギーの低下している肉体から、リンパ腺や血管まで含む臓器を大幅に取り除いてしまったら、体の免疫機能がより急激に低下するのは当たり前だからです。
 
ですから私は、大腸がんの場合、リンパ腺への転移を防ぐため、または目に見えないガンのために広範囲にわたって腸間膜を切り取るということはしません。
ガンを残すことよりもリンパ腺をなくすことによるダメージのほうが大きいと考えるからです。
 
★新谷式食事療法で免疫力を高める
いまの医学では、ガンは切除しない限り自然には治癒しないとされていますが、それも違います。
人間の免疫力、自然治癒力というのは、本来はもっと強いものなのです。
私の患者さんたちが、リンパ腺に少しガンが残っていても、その後の食事療法で再発もせず健康を保っているのがその証拠です。
 
新谷食事健康法に即した食事改善をすると、生命そのものである「ミラクル・エンザイム」が大量に補われます。
そして同時にミラクル・エンザイムを消耗する生活習慣も改めていただくので、その効果は倍増します。
こうしてミラクル・エンザイムの量が充分に回復するので、その人本来の免疫力が高まり、活性化した免疫細胞の働きによってガンを抑え込んでくれるのだ、と私は考えます。
 
ただし限界もあります。
ガンが末期まで進行してしまっていると、いくら食事や生活習慣を改善しても、免疫力を上げるようなサプリメントを与えても、体の機能を完全に回復させるのは難しいといえるでしょう。
なぜなら、すでにミネラル・エンザイムが消耗しつくされてしまっているからです。
 
私の臨床例では、大腸内周の半分から3分の2がガンに侵されていた人での、原発病巣を取り除く手術のあとに、正しい食事と正しい食生活をしてもらい、抗がん剤ではなく、「ミラクル・エンザイム」がより効率よく働けるようサプリメントを処方したところ、転移も再発もなく健康を取り戻すことができています。
 
もともと私の患者さんの多くは、病気の有無を検査しようと思ってこられることが多いので、あまり多くのガン患者を見ることは少ないのですが、それでも手術後に新谷食事健康法を実践していただいた人で再発や転移などをされた方は一人もいないというのは、注目すべきデータだと思います。
 
私の患者さんで診療中にガンで亡くなられた方はいません。
だから私は「死亡診断書」というものを書いたことがまだ一度もないのです。
そして、そのことを私は医師として誇りに思っています。
 
 
◆とにかくエンザイムの多い食べ物を食べなさい
★動物たちも皆エンザイムを求めている
私は子供のころから、どんな犬とでもすぐに仲良くなるというと釘を持っています。
それほど難しいことではありません。
自分のつばを手のひらに出して、犬になめさせてやればいいのです。
これでどんな犬とでもあっという間に友達になれます。
 
私は小さいころから犬を飼っていたこともあり、犬が人の口をなめたがることを知っていました。
なぜ口をなめるのだろうと考えていたとき、「唾が好きなんだ」ということに気づいたのです。
そこで先の方法を試してみたら、どんな犬でも大喜びで尻尾を振るようになったというわけです。
でも私がこの方法で近所の犬と片っ端から友達になっていったのは、まだ小学生のころです。
当時はなぜ「唾」を犬が喜ぶのかわかりませんでした。
その謎が解けたのは、私が医師になり「エンザイム」に注目するようになってからのことです。
 
「そうか! 犬は唾に含まれるエンザイムをほしがっていたんだ」
そして、この視点でさまざまなものを見直すと、動物たちが皆エンザイムを求めていることが見えてきたのです。
 
ライオンなどの肉食動物は、獲物を捕まえたとき、必ず「内臓」から食べ始めますが、それは内臓がエンザイムの宝庫だからです。
 
エスキモーのように植物のほとんど育たない極寒の地で暮らす人々も、アザラシを捕えると真っ先に内蔵を食べます。
ウサギは自分の一度目のやわらかい糞を食べますが、これも未消化のえさとともにエンザイムを再吸収していたのです。
 
★エンザイムの含まれていないペットフードに問題
最近、ペットの病気が急増していますが、その原因も創造できます。
ペットフードです。
ペットフードにはペットが生きる上で必要な栄養がバランスよく含まれているといいますが、それはあくまでもエンザイムを無視した現在の栄養学に基づいてのものです。
 
カロリーが足りていても、ビタミン、ミネラル、たんぱく質、脂肪などの栄養が足りていても、エンザイムが含まれていなければ、生物を命を養うことはできません。
 
しかし、その大切なエンザイムは熱に弱く、48度から115度で死滅してしまいます。
にもかかわらずペットフードは、缶詰にしてもドライフードにしても、必ず加工工程で加熱されています。
つまり、エンザイムはペットフードを作る過程でなくなってしまっているということです。
 
もともと野生の動物は加熱してものを食べるということはしません。
近い将来ペットの病気についても、その多くが生活習慣病であることが明らかになるのではないかと私は思っています。
 
★エンザイムの含まれていないペットフードに問題
こうしたペットフードの問題は、人間の食事にもそのまま当てはまります。
現在の栄養学の中心となっているのは「カロリー」と「栄養素」です。
「カロリーのとりすぎを控え、栄養のバランスを考えた食事をするように心がけましょう」 これが現代の栄養学の骨子です。
 
一日に必要なカロリーは成人男子で約2000キロカロリー、女性なら約1600キロカロリー、これを栄養的特長によって分けられる4つの食物群でバランスよく摂取することが望ましいとされています。
 
その4つの食物群とは、第1群が乳製品と卵で、良質たんぱく質、脂質、カルシウム、ビタミンA・B2を含む、栄養をより完璧にする食物。
第2群は肉や魚、豆類と、それぞれを原料とする製品で、良質たんぱく質、脂質、ビタミンB1・B2、カルシウムなどを含み、筋肉や血液を作る食物。
第3群は、野菜と果物で、ビタミン類とミネラル、繊維などを含み、体の調子を整える食物。
そして第4群は、穀物、砂糖、油脂などで、糖質、脂質、たんぱく質などを含み、体温やパワーの源となる食物とされています。
 
どこにもエンザイムという言葉はありません。
たしかに、食物に含まれるエンザイムの量を見極めるのは、簡単ではありません。
私たち一人ひとりのボディ・エンザイム(体内酵素)の量に個人差があるように、食物がもつエンザイムには個体差が大きいからです。
例えばリンゴ一つをとっても、そのリンゴがどのような環境で育ったものなのか、また、収穫されてからどのくらいの日数を経ているかによっても含まれるエンザイムの量は違ってきます。
 
★よい条件で育てられた作物を、収穫して直ぐに食べる
私の提唱している食事法では、基本的には、エンザイムを多く含む食物を良い食物、エンザイムが少ない、またはなくなってしまっている食物を悪い食物と考えています。
 
そのため最もよいのは、ミネラルをたくさん含んだ肥えた土地で、化学肥料や農薬を使わずに作られたものを、収穫して直ぐに食べるということになります。
 
野菜でも果物でも肉でも魚でも、新鮮であれば新鮮であるほどエンザイムの量は多いと思って間違いありません。
私たちが新鮮なものを食べたときに「美味しい」と感じるのは、エンザイムが一杯詰まっているからなのです。
 
しかし人間は、他の動物たちと違って食材を調理して食べます。
煮たり焼いたり、ときには脂で揚げたりもします。
エンザイムは熱に弱いので、調理すればするほど失われていくことになります。
かといって、何もかも『生』で食べることはできません。
ですから、これから詳しく述べて生きますが、食材の選び方、調理の仕方、そして食べ方というものがとても大切になってくるのです。
 

 

ごらんいただいたことを大変ありがたく感謝します。

 

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池田 優

 

 

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