山ちゃんの食べもの考

 

 

その190
 



食は生命なり
「生命なきは食にあらず」とも云われますが、
人は多くの生命を頂く事で生かされている。
植物の生命も動物の生命も微生物の生命も、
土の生命も水の生命も空気の生命も、
すべての生命がつながって生かされている。
そんな「共生」の世界で生かされている。
「人は何を食べるのかによって決まる」とも云う。
肉体的な健康、長寿のみならず、
知性、思想、性格までをも決すると。
その食べ物の作り方、その食べ物の商いほう、
その食べ物の選び方、買い方、食べ方は、
その人の生き方、その考え方そのものであると。

                                   
(山ちゃん)
『食は生命なり』 【46】
『食は生命なり』と「新谷弘実」 その13
新谷弘実著 『病気にならない生き方』 より
■ 第3章 この習慣が健康な体を作る の1
◆病気の大半は遺伝よりも習慣に原因がある
★アメリカではガンの発生率、死亡率が低下してきている
病気になる人には、それだけの理由が必ずあります。
食生活が乱れているか、食べ方が間違っているか、または生活習慣が乱れているか、あるいはそのすべてということもあります。
 
アメリカでは1990年から、ガンの発生率、死亡率ともに減少傾向にあります。
これは1977年にアメリカの議会で報告された「マクガバン・レポート」を機に政府が掲げた「食生活ガイドライン」が、アメリカ社会に少しずつ定着してきたからだと思います。
 
しかし、アメリカ人のすべてが「よい食事」を心がけているわけではありません。
はっきりいって現在のアメリカでは、社会的なレベルが上の人ほど真剣に食生活の改善に取り組んでいます。
そのため、経済力のあるいわゆる「上流」のアメリカ人の食生活は、いまはとてもヘルシーなものです。野菜や果物をたくさん食べ、脂のしたたるようなステーキが食卓に載るようなことはとても少なくなってきています。そのため太っている人もあまりいません。
アメリカでは太っている人は社長になれないといわれていますが、これは、自分の健康管理すらできない人に会社の経営管理はできないということが、社会での常識になっているからです。
 
では、なぜ上流の人と庶民の間で食生活の「差」ができてしまうのでしょうか。
一つにはコストの問題があります。
野菜や果物を購入する際、少しでもフレッシュなもの、農薬や化学肥料を使っていないものを選ぼうとするとどうしてもコストがかかります。これは日本でも同じだと思いますが、よい食物はやはりそれだけ値段も高いのです。そのため、同じ情報を同時に得たとしても、それをすぐに実践できるのは経済力のある層から、ということになってしまうのです。
 
そうしてもう一つの要因は、アメリカの場合は、知識力と経済力が正比例しているからだと思います。
食事が病気の原因になっているという情報を得たとしても、その意味の深刻さをきちんと受け取って、実際の自分の生活に反映させるにはそれなりの知識力が必要です。その結果、いまアメリカでは健康な富裕層と不健康な庶民層に分かれつつあります。そして、この傾向はこれからますます強くなっていくのではないかと思っています。
なぜなら今後、それぞれの階層でいまの食生活が「習慣」として受け継がれていくからです。
 
★生活習慣の受け継ぎが、同じ病気を招くことになる
中高年になって、親と同じ病気を発病する人はとてもたくさんいます。
糖尿病、高血圧、心臓病、そしてガン。
そうしたときに「親もガンだったから仕方ないよ。うちはがんの家計なんだよ」という人がいますが、そんなことはありません。
遺伝的要素がゼロだとはいいませんが、最大の原因は、親が病気になった原因である「習慣」を受け継いでいることにあります。
 
子供は育った家庭の「習慣」を無意識のうちに刷り込まれて育ちます。
食べ物の好み、調理法、生活のサイクル、価値観などは家庭によってそれぞれ違いますが、同じ家で育った親と子ではとてもよく似ています。
つまり、子供が親と同じ病気を発症しやすいのは、遺伝子として病気の原因を受け継いだからではなく、病気の原因となった生活習慣を受け継いだ結果なのです。
 
よい食材を選ぶ、よい水を選ぶ、規則ただし衣生活をする、薬は飲まない、そうした体によい習慣を受け継げば、子供はそれほど苦労せずに健康を維持し続けることができます。
しかし逆に酸化した食物を平気で食べる、ミネラルウォターを買ってまで飲むことはしない、具合が悪くなるとすぐに薬に頼る、不規則な生活をする、そうした悪い習慣を受け継ぐと子供は親よりもさらに不健康になってしまうでしょう。
 
このように、「よい習慣」も「悪い習慣」も、次世代に受け継がれます。
小さいころに、親からは「牛乳は体にいいから毎日飲みなさい」といわれて育った子供は、それを信じて飲み続けるでしょう。そして、大人になったときには健康を害してしまうのです。
ですから私たちは、自分が今どのような習慣をもっているのか、それはよい習慣なのか悪い習慣なのか、きちんと見極めてから次世代に手渡す責任があるのです。
 
 
◆習慣は遺伝子を書き換える
★子供時代の刷り込みは、生涯を左右する
年齢を重ねれば重ねるほど、身についた習慣を改めるのは難しくなります。
逆に、幼いうちに刷り込まれたものは、その人の一生を左右するほど深く根付きます。ですから、よい習慣をできるだけ早い時期に刷り込むことが大切なのです。
 
日本では幼児教育やゼロ歳からの右脳開発など、子供が物心つく以前から集中力や発想力を鍛える、知能開発系の刷り込みは盛んに行われていますが、健康に関する問題意識はというと心もとない限りです。
知能開発は、将来の進学や社会生活をよりよいものとするための努力ですが、健康系の刷り込みは、その人の人生そのものを左右する、より根本的な問題だと私は認識しています。よい学校に進むことができても健康でなければ豊かな人生を送ることはできません。
 
日本はアメリカと違い、健康意識の強さと社会低地位が比例していません。
たとえ大学教授であっても、企業の社長であっても、食事は妻任せ、健康は医者任せ、自分が飲んでいる薬の名前さえ知らないという人がたくさんいます。
医者の立場から言わせていただくと、医学に関する知識レベル、健康に関する勉強程度が社会的地位に比べて低い人が多いといわざるを得ません。
 
人間の体質というのは、親からの「遺伝」として持って生まれたものと、幼いころからの「生活習慣」によって培われたものとの二つによって決まると私は考えています。
例えば、親がアルコール分解エンザイムをあまりもっていない人は、やはりアルコールエンザイムが少ない人が多いといえます。
しかし、アルコール分解エンザイムがもっとも少ない人でも、少しずつ飲む量を増やしていくと肝臓で使われるエンザイムの量が増えていき、かなりお酒が飲めるようになります。こうしたことを私たちは「鍛える」という言い方をします。お酒に鍛えられるというわけです。
 
同じようにアルコール分解エンザイムの少ない人でも、親が「お酒に鍛えられた」経験の持ち主か否かで子供のお酒に対する意識は変わります。
つまり、親が鍛えた結果飲めるようになっていると、自分も鍛えれば飲めるようになると思うし、逆に親が飲まなければ、最初からうちは飲めない家系なんだ、と思うということです。
これは悪い例ですが、実は同じ方法を利用して、遺伝子をよいものに変えていくことができるのです
 
★よい習慣を継承していき、遺伝子も書き換える
例えば、ガンになりやすい遺伝子を持って生まれても、親が健康に気を配り、よい生活習慣を身につけてガンを発病せず天寿を全うすることができれば、子供は「たとえガンになりやすい遺伝子を持っていても、自己努力で防ぐことができる」という意識を持つことができます。
 
そうして親から「よい食べ物」「よい食べ方」「よい生活習慣」を受け継ぐと、その次の世代ではガンの遺伝的要素はどんどん弱まっていくと考えてよいでしょう。つまり、よい習慣を継承していくことで、遺伝子をも書き換えていくことができるということです。
 
例えば母親に母乳が出ずミルクで育った子供は、母乳で育った子供よりもアレルギーが出やすいとか腸内細菌のバランスが悪いなど、はじめのうちは健康に少し問題を抱えるかもしれません。
しかし、それでも離乳してからよい食事を心がけ、よい生活習慣を積み重ねていけば、年をとっても生活習慣病になることはありません。
逆に母乳で健康に育てられた子供でも、悪い生活習慣を身につけ、肉や乳製品を好み、添加物の入った酸化した食べ物ばかり食べていれば、30代にハートアタック(心臓発作)で亡くなってしまう可能性だってあるのです。
 
遺伝的要素は持って生まれたものです。
でも習慣は、「努力と意志の力」で変えることができるのです。そして、
習慣の積み重ねによって遺伝的要素はプラスにもマイナスにも変わっていくのです。
自分を救う「よい習慣」は、あなたの次世代をも救うものだということをぜひ覚えておいてください。
 
 
◆「酒」と「タバコ」は最悪の生活習慣である
日本の多くの医者は、まだ外科手術や薬に頼ることが多く、患者の食生活に意識を向けている人は少ないようですが、ガンの発生に食事が深く関わっていることは、もはや世界の常識になりつつあります。
しかし食事を完璧に改善しても、それだけで病気を100%防ぐことはできません。
なぜなら、食事以外にもミラクル・エンザを消耗する要因が、現代人の生活にはたくさんあるからです。
健康を守るためには、食事だけではなく、意識的に「体に悪い習慣」を排除していく必要があります。
その代表が「酒」と「タバコ」です。
この2つが最悪のものといえる最大の理由は、習慣性が強く、毎日飲まず(吸わず)にいられなくなることが多いからです。
 
私は、顔を見ただけでタバコを吸う人かどうか、すぐにわかります。なぜなら、タバコを吸っている人の肌には、タバコ特有の「どす黒さ」があるからです。
タバコを吸っているとなぜ肌が黒くなってしまうのかというと、毛細血管が収縮するため、細胞に酸素や栄養が補給されなくなるうえ、老廃物や腐敗物を排泄することもできなくなるからです。
つまり、あの「どす黒さ」は、皮膚細胞にたまった汚れと毒素なのです。
 
タバコの害というと「肺」にタールがたまることばかりが注目を集めていますが、それと同じくらい深刻なのが、全身の毛細血管が収縮してしまうということです。
毛細血管が収縮してしまうと、水分が全身に行きわたらなくなります。
水分が行かないということは、水分とともに運ばれるはずの栄養も行きわたらなくなれば、それと入れ替わりに排泄されるはずの老廃物も出て行かないということです。
その結果、老廃物がたまり、それが腐敗し毒素を生み出してしまいます。
皮膚に表れる「どす黒さ」はたまたまわかりやすいだけで、実際には体の中の毛細血管の先端の至る部分ですべて同じトラブルが生じているのです。
 
お酒を毎日のように飲む人の血管も、タバコと同じように収縮してしまいます。
少量のお酒は血管を広げ血行をよくするという人もいますが、お酒によって血管が広がるのはわずか2、3時間のことに過ぎません。
実際には、この「血管が広がる」というのが、血管の収縮の原因なのです。
飲酒によって急激に血管が広がると、次に体はリバウンドとして血管を収縮させてしまうからです。
血管が収縮すると、やはりタバコのときと同じように、栄養物や老廃物の吸収・排泄ができなくなります。
 
こうしてお酒もタバコも体内に大量のフリーラジカル(特に活性酸素)を生み出してしまうのです。それを中和するのが、抗酸化物質であるSODやカタラーゼ、グルタチオン、ベルオキシターゼなどの抗酸化エンザイムです。
よくタバコを吸うとビタミンCが大量に破壊されるといいますが、それはビタミンCが抗酸化物質の一つだからです。
 
フリーラジカルの中和には大量の抗酸化エンザイムが消費されます。
ただでさえ現代人の生活は電磁場や環境汚染などフリーラジカルを発生させる要因が数多くあるのに、わざわざタバコやお酒など自分自身でコントロールできるものまでとりこんで、フリーラジカルを大量に発生させてしまうと、貴重なミラクル・エンザイムを消耗することになります。
 
エンザイムというのは、使うとなくなる消耗品です。つまり、貯金と同じで年中バンバン使っていたら、すぐに底をついてしまいます。
よい食事をし、よい生活習慣を身につけるということは、毎日コツコツ貯金をしていく行為と同じなのです。普段ムダ遣いをせずコツコツためていれば、いざというときに少々無駄遣いをしても大丈夫ですが、毎日大量に使い続ければ、大きな借金を負うことになります。
エンザイムの場合、借金が「病気になる」ということです。お金の場合、借金を返せず使い続ければ破産してしまいます。破産は人間の健康で言えば「死」にほかなりません。
毎日タバコを吸って、毎日お酒を飲んでいる人の行く先は、その習慣を身につけてしまった時点で決まっているのです。
 
 
◆睡眠時無呼吸症候群はこの習慣で治る
★寝る前には胃をからっぽに
日々の習慣が病気をつくる反面、日々の習慣を少し改めるだけで治すことのできる病気というのもあります。最近何かと話題に上ることの多い「睡眠時無呼吸症候群」はその一つです。
睡眠時無呼吸症候群とは、睡眠中に断続的に無呼吸を繰り返す疾患です。
睡眠中は筋肉が弛緩するため、仰向けに寝ていると誰でも、舌の根もと(舌根)が垂れ下がり、気道が狭くなります。
睡眠時無呼吸症候群の人は、この「気道狭窄」が著しく、気道を一時的にふさいでしまうため息が止まってしまうのです。
息が止まると苦しいので、本人には目覚めた自覚はなくても、夜中に何度も目を覚まします。結果的に熟睡できず、昼間に強い眠気が生じたり集中力が低下したりしてしまうのです。
 
この疾患で、睡眠中に窒息して死に至ることはありませんが、睡眠不足は免疫機能や代謝機能など生命維持機能を低下させることに加え、循環器系に負担をかけるので、心臓病や脳卒中になる確率が3〜4倍も増加する怖い病気です。
 
この病気は、患者の7〜8割は肥満の人なので、当初は肥満によって気道が狭くなることが原因かと思われましたが、研究の結果、肥満と睡眠時無呼吸症候群に直接の因果関係はないことがわかっています。
 
睡眠時無呼吸症候群には、気道が閉塞することによって起きる「閉塞型」と、脳の呼吸中枢の活動が低下することによって起きる「中枢型」、そしてこの2種の混合である「混合型」の3種類があります。
じつは、このなかで最も患者数の多い「閉塞型」睡眠時無呼吸症候群を簡単に治す方法があるのです。それは、睡眠の4〜5時間前から、胃に何も入れないことです。もっとわかりやすくいえば、胃を空っぽにしてから寝るようにすることです。
 
人間の気管というのは、空気以外のものが入らないような仕組みになっています。
しかし、寝る前に胃に物が入っていると、横になることでその内容物がのどまで上がってきてしまいます。すると体は、気管にその内容物が入らないように、気道を狭め、呼吸を止めてしまうのです。
これが著しく気道が狭くなる「閉塞型」の原因だと私は考えています。
 
睡眠時無呼吸症候群の患者のほとんどが肥満であるということも、この私の仮説と符合します。
夜寝る前に食事を取ると、インシュリンが大量に分泌されるのですが、インシュリンは、炭水化物もタンパク質も、すべて脂肪に変えてしまうため、同じものを食べても夜遅く食べると太ってしまうことがわかっているからです。
つまり、肥満だから睡眠時無呼吸症候群になるのではなく、寝る前にものを食べるという習慣が、睡眠時無呼吸症候群の発病と肥満の原因を同時に作り出しているということです。
食事に限らず、夜寝る前に胃に物を入れるというのは「悪い習慣」です。
 
睡眠薬を飲むよりいいからと、「寝酒」を習慣にしている人がいますが、これも危険です。本人は寝つきがよくなるといいますが、寝ている間に呼吸が止まりやすくなるため、血液中の酸素濃度(PO2)が低下してしまいます。
もともと動脈硬化があったり、心冠動脈の細い人にとっては、酸素濃度の低下は心筋の酸欠を招き、文字通り命取りになってしまいます。
夜明け前に心臓麻痺や心筋梗塞で亡くなる人が多いのは、じつはこのように夜遅く飲食したために逆流が起こり、それによって気道をふさぎ、無呼吸を招き、血液中の酸素濃度が低下し、心筋が酸欠で壊死してしまうのが原因なのです。
寝る前に食事だけでなくお酒まで飲むと、このリスクはさらに高まります。
なぜなら、アルコールを飲むと呼吸中の抑制が起こり、血中の酸素濃度がさらに減少するからです。
アルコール分解エンザイムの少ない人は、アルコールがより長時間血中にとどまることになるので、充分な注意が必要です。
 
また、よく眠れるからと子供に寝しなにホットミルクを飲ませる方がいますが、これも絶対に止めてほしい「悪い習慣」です。
子供は夕方6時ごろに夕食を食べたとしても、大人よりも早く寝かされるため、寝るときに胃に物が入っていることが多くあります。そこにミルクを飲ませると、さらに逆流しやすくなってしまいます。そして、無呼吸が起き、次に強く息を吸ったときにアレルゲンとなりやすいミルクを吸い込んでしまいます。
じつは、これが小児喘息の原因の一つではないかと私は考えています。
これはまだ証明されたことではないのですが、私の患者に聞き取り調査をしたデータによると、小児喘息を持っていた人というのは、子供のころに食事をしてすぐ寝かされたり、寝しなにミルクを与えられたりした人がとても多いのです。
 
小児喘息、睡眠時無呼吸症候群、心筋梗塞、心臓麻痺、これらの病気を予防するためにも、胃を空にしてから寝る習慣をぜひ身につけていただきたいと思います。
 
夜どうしてもおなかがすいて耐えられないという人は、フレッシュでエンザイムをいっぱい含んだ果物を少し食べるようにするといいでしょう。
エンザイムを含んだ果物は非常に消化がよく、だいたい30〜40分程度で胃から腸へ移動します。ですから、果物であれば、食べても1時間ぐらい経つと、横になっても逆流を起こす心配はありません。
 
 
 
 
 
 
 

 

ごらんいただいたことを大変ありがたく感謝します。

 

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池田 優

 

 

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