山ちゃんの食べもの考

 

 

その191
 



食は生命なり
「生命なきは食にあらず」とも云われますが、
人は多くの生命を頂く事で生かされている。
植物の生命も動物の生命も微生物の生命も、
土の生命も水の生命も空気の生命も、
すべての生命がつながって生かされている。
そんな「共生」の世界で生かされている。
「人は何を食べるのかによって決まる」とも云う。
肉体的な健康、長寿のみならず、
知性、思想、性格までをも決すると。
その食べ物の作り方、その食べ物の商いほう、
その食べ物の選び方、買い方、食べ方は、
その人の生き方、その考え方そのものであると。

                                   
(山ちゃん)
『食は生命なり』 【47】
『食は生命なり』と「新谷弘実」 その14
新谷弘実著 『病気にならない生き方』 より
■ 第3章 この習慣が健康な体を作る の2
 
 
◆食事の一時間前に水を飲みなさい
★水にも「よい飲み方」がある
私が実践している「よい習慣」の一つに、食事の1時間前に500cc程度の水を飲むということがあります。
 
健康のために「よい水」を毎日たくさんの見ましょうとよく言われていますが、
食事に「よい食べ方」があるように、水にも「よい飲み方」があります。
 
ガーデニングや観葉植物を育てている人にはわかると思いますが、植物もむやみに水をやると根腐れを起して枯れてしまいます。
水分を与えるのに適した「時間帯」と「量」があるのです。
これは人間も同じです。
 
人間の体の大部分は水でできています。
乳幼児で約80%、成人は60〜70%、老人でも約50〜60%が水分です。
赤ちゃんの肌がプルプルと「みずみずしい」のは、それだけ細胞に含まれる水分量が多いからです。
ですから、フレッシュなよい水をたくさん飲むことは、人間の体にとってとても大切なことです。
 
口から入った水は胃腸で吸収され、血管を通って全身の細胞に運ばれます。
その際、血液の流れをよくし、新陳代謝がスムーズに行われることを助けます。
よい水は、血液中のコレステロール値や中性脂肪を減らすのにも効果があります。
 
成人であれば、最低でも一日に1500〜2000cc、高齢者でも最低1000ccは飲むことをお勧めします。
 
しかし、口から入るものは水だけではありません。
それだけの量の水をいつ飲めばよいのでしょうか。
 
食事の直前に水を飲みすぎると、胃が水でいっぱいになってしまって食事が食べられなくなってしまいますし、食事中や食後では消化エンザイムが薄まり、消化・吸収の妨げになる可能性があります。
食事中に水を飲むときは、コップ1杯(200cc)程度がいいでしょう。
 
また、夜寝る前や夜中に目覚めたときに、血がドロドロになるのを防ぐために、のどが渇いていなくても水を飲んだほうがいいと指導する医師もいますが、私はこの意見には反対です。
夜寝る前の水分摂取は、先にも述べた「逆流」を防ぐためにも避けなければなりません。
たとえ水だけでも胃酸と混ざったものが気管に入り、それを肺に吸い込むと肺炎を起す危険があるからです。
 
★水の補給は、寝起きと食事の1時間前に
このように体のリズムを考えると、水の補給は日中、それも寝起きと食事の1時間前に行うのがもっとも理想的な方法と考えられます。
水だけならば30分程度で胃から腸へ進むので、この方法なら食事の妨げになることも、消化の妨げになることもありません。
 
私の実践している水の摂取方法は、次のとおりです。
○ 朝、起きぬけに500〜700cc
○ 昼食の1時間前に500cc
○ 夕食の1時間前に500cc
 
もちろんこれは一つの目安です。
夏場や体を動かすことが多く汗をかきやすい人は、もっと多くの水分を必要としますし、胃腸が弱く、消化・吸収に時間のかかる人は、内容物が吸収される前に水分で流されてしまうので下痢をするかもしれません。
体の大きさによっても必要な水分量は違ってきます。
ですから、1日の水の摂取量には、一人一人の体に合わせた自己判断が必要です。
 
もし、1500ccの水を飲んで下痢をするようなら、一度に飲む量を350cc程度に減らし、少しずつ増やしていくようにしてみてください。
また冬場は、冷たい水を飲むと体が冷えてしまうので、少し温めた水をゆっくり飲むようにしてください。
 
人間の体内でエンザイムがもっとも活性化するのは、体温が36〜40℃のときだといわれています。
しかもこの範囲内であれば、体温が0.5℃上昇すれば免疫力は35%もアップするといわれています。
 
病気のときに発熱するのは、体温を上げることでエンザイムの活性化を図るという意味もあったのです。
「冷え」は健康を保つ上で大敵なのです。
 
 
◆水はミラクル・エンザイムのよきパートナー
★水は血液の流れをよくし、新陳代謝を促進する
水は人間の体の中でさまざまな働きを担っています。
そのなかでもっとも大きな働きは、血液の流れをよくし、新陳代謝を促進するということです。
 
老廃物や毒素を排出し、腸内細菌やエンザイムの活性化を促します。
ダイオキシンやさまざまな環境汚染物質、食品添加物や発ガン物質なども、よい水はちゃんと体外に排出してくれます。
そのため、水をあまり飲まない人は、病気にかかりやすくなります。
 
ごく身近な例で言えば、よい水をたくさん飲んでいると、風邪を引きにくくなります。
なぜなら、気管支や胃腸の粘膜など、ばい菌やウイルスが侵入しやすい場所がよい水によって潤っていると、免疫細胞の働きが活発化し、ウイルスにとって侵入しにくい場所になるからです。
 
それに対し、水分を充分に取っていないと、気管支の粘膜は脱水し乾いてしまいます。
気管支では痰や粘液が出ていますが、水分が不足するとそれが気管支にベタッと貼りつき、ばい菌やウイルスの温床になってしまいます。
 
水は血管の中だけではなく、リンパ管の中でも活躍し、私たちの健康を守ってくれています。
人間の体のリンパ管システムは、血管を川にたとえるなら、下水管のようなものです。
 
皮下組織にある過剰水分やタンパク質、老廃物などを浄化、濾過、濃縮したあと、血流へ運び込む役目を果たしているからです。
そのなかにはガンマグロブリンという免疫力を持つ抗体やリゾチームという抗菌作用を持つエンザイムも含まれています。
こうした免疫システムが充分に機能するには、よい水が絶対に必要なのです。
 
水は人間の体のすべての部分と関係しています。
水のない体は、命を維持することはできません。
それは砂漠に植物が育たないのと同じです。
 
植物が生育するのに必要なものは太陽と土と水だといわれていますが、太陽と土だけでは養分を吸い上げることができず、木はかれてしまいます。
水があるから養分を取り込むことができるのです。
 
人間の細胞も、水分が行き渡らないと栄養不足になるうえ、細胞の中にたまった老廃物や毒素を排出できなくなるのでさまざまなトラブルが生じます。
そして最悪の場合はたまった毒素が細胞の遺伝子を損傷しガン細胞になってしまうのです。
 
胃腸の流れをよくするとか、血液やリンパ液の流れをよくするというのは、体における水のマクロな働きです。
 
60兆個ある細胞の一つひとつに入り、栄養を与え、代わりに老廃物を受け取って処理するというのはミクロな働きです。
そのミクロの世界で行われているエネルギーの生産やその過程で発生したフリーラジカルの解毒などには、さまざまなエンザイムがかかわっています。
 
つまり言い方を換えれば、水が60兆個の細胞すべてにきちんと行き渡っていないとエンザイムはその機能を充分に果たすことができないということです。
エンザイムがきちんと働くには、ビタミンやミネラルなどさまざまな微量栄養素が必要ですが、そうしたものを運んでいてくれるのも水なのです。
 
しかも人間が一日に排泄する水分量は、汗で蒸発しているものを入れると、約2500ccにもなるといわれています。
もちろん食物の中にも水分は含まれていますが、そう考えるとやはり最低でも1日1500ccは「水」を補給することが必要といえるでしょう。
 
よく水分をしっかり取りなさいというと、「水はあまり飲みませんが、お茶やコーヒーをよく飲んでいます」という人がいるのですが、人間の体にとっては、水分は「水」でとることがとても大切です。
 
なぜなら、お茶類、コーヒー、炭酸飲料、ビールなどの「水」ではない飲料は、多飲すると血液中に水分を補うどころか、逆に脱水を起こす原因となってしまうからです。
これらの飲料に含まれる糖分やカフェイン、アルコール、添加物などは、細胞や血液から水分を奪い、血をドロドロにしてしまいます。
 
夏の暑い日やサウナに入った後に、ビールをジョッキでがぶ飲みする人がいます。
渇いた喉にビールの刺激は爽快ですが、中高年の人で高脂血症や高血圧の気のある人、糖尿病の人などは心筋梗塞や脳梗塞を起しやすくなるのでとても危険です。
 
のどが渇いたら、ビールでもお茶でもコーヒーでもなく、まず「よい水」を飲んで、しっかり水分補給をするように普段から習慣づけ手下さい。
 
 
◆還元力の強い水こそ「よい水」の条件
★水道水は酸化された水になっている
健康のためによい水をしっかり飲むことが大切だということは、ご理解いただけたと思います。
では、何度でも繰り返している「よい水」とはどのよいなものなのでしょう。
 
よい水といって「水道水」を思い浮かべる人はさすがにないと思います。
水道水には消毒に使われる塩素のほか、発がん物質であるトリハロメタンやトリクロロエチレン、そしてダイオキシンなども含まれていることが広く知られています。
 
これら水道水に含まれる物質については、すべて安全上の基準が決められていますが、水道水が毒性のあるものが入っている水であることは事実です。
 
水道水が塩素で殺菌されていることは有名ですが、なぜ塩素を水に投入すると殺菌されるかご存知でしょうか。
じつは、水に塩素を入れると、水の中で大量の活性酸素が発生するのです。
その活性酸素にとって、微生物が死んでしまうので、結果的には殺菌されたということになるのです。
 
しかしこの殺菌法では、水中の微生物が死滅すると同時に、水そのものも酸化してしまうのです。
こうして水道水は、酸化された水になってしまいます。
 
こうした水の酸化の度合いを測るものに、「酸化還元電位」というものがあります。
酸化とは、原子レベルで見ると、電子が離脱または取られる過程のことです。
還元はその反対で、電子を受け取ることです。
 
つまりこうした電子の増減を測定することによって、その水が他の物質を酸化させやすい状態にあるのか、還元させやすい状態にあるのかを知ることができるのです。
従って、電位の数値が低い(マイナス方向)ほど還元力(他の物質を還元させる力)は強く、高い(プラス方向)ほど酸化力(他の物質を酸化させる力)が強い水ということになります。
 
それで見ると、水道水の数値は非常に酸化力が高い水であることがわかります。
特に東京や大阪など大都市の水は600〜800と非常に高い数値が出ます。
 
★化学物質に汚染されていない、還元力の高い水
ではどのような水が、還元力の高い水なのでしょうか。
還元とは電子を受け取った状態を言うと説明しましたが、こうした状態の水を電気的に分解して作り出したものが、いわゆる「還元水」というものです。
こうした浄水器は、水を電気分解することによってイオン化し、還元力のある水を作り出しているのです。
 
アルカリイオン浄水器もマイナスイオン浄水器も同じような仕組みで還元力のある水を作り出しているのですが、電気分解する際に陰極にカルシウム、マグネシウムなどのミネラルがついてくるので、電気的に処理された水ではより多くのミネラルをとることもできます。
 
また電気分解の際に活性水素の発生も起きるので、体中の余分な活性酸素を除去する作用もある程度、期待できるかもしれません。
こうした浄水器を通した水は、水道水に含まれる残留塩素や化学物質も取り除かれているので、「よい水」ということができます。
 
また最近はよい水の条件として「クラスター」といわれる、水の分子が小さいことをあげる人もいますが、クラスター説については、現状では賛否が分かれており、まだ明確なことはわかっていません。
 
このように考えていくと、「よい水」というのは、「化学物質に汚染されていない、還元力の強い水」ということになります。
 
現在日本では、国産物、輸入物を含め、たくさんのミネラルウォーターが売られています。
水に含まれるミネラルの中で人間にとって特に大切なのは「カルシウム」と「マグネシウム」です。
この2つは、実はバランスがとても大切なのです。
 
口から入ったカルシウムは、細胞の外液には行かず、細胞の中にとどまるといわれています。
細胞内にカルシウムがたまると、動脈硬化や高血圧の原因になりますが、マグネシウムをバランスよく取っていれば、カルシウムが過剰にたまるのを防ぐことができるからです。
 
その比率はカルシウムとマグネシウムで2対1といわれています。
そういう意味では、マグネシウムを多く含んでいる「海洋深層水」や、マグネシウムとカルシウムのほかにも鉄や銅、フッ素など数多くのミネラルがバランスよく入っているほかの硬水も「よい水」といえるでしょう。
 
ちなみに水の硬度は【(カルシウム量×2.5)+(マグネシウム量×4.1)=高度】という公式で求めることができます。
日本ではこの数値が100未満の水を「軟水」、100以上のものを「硬水」と呼んでいます。
 
ただし、こうしたミネラルウォーターで一つ注意したいのは、ペットボトルのまま長く置いておくと、還元力が次第に低下してしまうということです。
 
また、飲み水をすべて市販のミネラルウォーターにするのは、手間もコストもかかります。
よい水を毎日たくさん飲むためにも、また調理のためにも、還元作用のある浄水器を使用するのはよいことといえると思います。
 
 
◆やせたい人は「よい水」をたくさんとろう
ニューヨークの町を歩いていると、水のボドルを抱えて歩いている肥満の女性を見かけることがよくあります。
これは、よい水をたくさん飲むとダイエットに効果があるといわれているからです。
 
水を飲むだけで痩せるなんてうそのような話ですが、これは事実です。
 
水を飲むことでなぜ痩せられるのかというと、交感神経が刺激され、エネルギーの代謝が活発になり、消費カロリーが増すからです。
交感神経が興奮するということは、アドレナリンが分泌されるということです。
 
アドレナリンは、脂肪組織のなかにあるホルモン感受性リパーゼを活性化させて、中性脂肪を脂肪酸とグリセロールに分解し、蓄えられていた脂肪を燃焼しやすい形にします。
 
水を飲むとカロリーの消費がどれくらい増えるのかという実験が報告されていますが、それによると、500ccの水を1日3回きちんと飲み続けると、カロリーの消費量が約30%も増えたといいます。
しかも水は飲んだ後30分前後で、カロリーの燃焼率がピークを迎えるというのです。
 
このことからも、よい水を毎日1500cc程度飲む習慣は、余分な脂肪をため込んでいることの多い現代人にとって非常に望ましいことだといえるのです。
 
では、どのような水を飲めばその効果が最も高くなるのでしょう。
これも実験結果が報告されているのですが、ポイントは体温よりも低い温度の水を飲むということです。
この実験では、20度前後の冷水がカロリーの消費量を益すことができるという結果が出ています。
 
冷たい水がいい理由は、体内に入った水が体温と同じ温度に温められるのに、相当量のエネルギーが使われるからです。
 
人間の体は、体温が常に一定になるようにさまざまな機能が備わっています。
例えば、寒い冬の朝に、トイレに行って排尿するとブルブルッと振るえがきます。
これは膀胱の中にたまっていた温かい尿が一気になくなったために、失われたカロリーを少しでも早く回復させるために起こる「震え」です。
 
冷たい水を飲んだときも、体はさまざまな方法で、少しでも早く水を加熱し、体温と同じレベルに持っていこうとします。
 
じつは水を飲むと交感神経が刺激されるのも、体温を上げるエネルギーを作り出すためのシステムの一環なのです。
しかし、消費エネルギーを増やそうと、氷水のような冷たい水を飲むことは返って逆効果です。
 
冷たすぎる水は、体を一気に冷やしてしまうので、下痢や体調不良のもととなってしまいます。
 
最近は平熱が35℃台という「低体温」の人が、若い人を中心に増えてきていますが体温の低下は体にさまざまな悪影響を及ぼします。
健康な人の平熱は36.5℃前後、これが1℃下がると、新陳代謝は約50%も落ち込むといわれています。
 
さらに、がん細胞がもっとも増殖しやすいのも、体温が35℃台のときですが、これはエンザイムの働きが鈍くなり免疫機能が低下するためと考えられます。
エンザイムは体温が高いほうが働きが活発になるからです。
 
風邪などで病気になったときに熱が出るのも、じつは体が免疫機能を高めているのです。
ですから体全体のことを考えれば、夏場でなければ、飲み水の温度は、20度前後にととめておいたほうが安全だと思います。
 
 
 
 
 
 

 

ごらんいただいたことを大変ありがたく感謝します。

 

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池田 優

 

 

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