山ちゃんの食べもの考

 

 

その193
 



食は生命なり
「生命なきは食にあらず」とも云われますが、
人は多くの生命を頂く事で生かされている。
植物の生命も動物の生命も微生物の生命も、
土の生命も水の生命も空気の生命も、
すべての生命がつながって生かされている。
そんな「共生」の世界で生かされている。
「人は何を食べるのかによって決まる」とも云う。
肉体的な健康、長寿のみならず、
知性、思想、性格までをも決すると。
その食べ物の作り方、その食べ物の商いほう、
その食べ物の選び方、買い方、食べ方は、
その人の生き方、その考え方そのものであると。

                                   
(山ちゃん)
『食は生命なり』 【49】
『食は生命なり』と「新谷弘実」 その16
新谷弘実著 『病気にならない生き方』 より
 
■ 第3章 この習慣が健康な体を作る の4
 
◆こまめに5分間の仮眠を取る
 
私は昼食の後に、20〜30分程度の昼寝をするのを習慣としていますが、このほかにも疲れを感じたときなど、こまめに5分程度の仮眠を取ることを心がけています。
 
昼寝をするときに大切なのは、楽な姿勢で休むということです。
私は腹ばいになって休むことが多いのですが、自分が楽ならば、チェアに腰掛けたまま足を台か何かに乗せて休むのもいいでしょう。
 
たった20分でと思うかもしれませんが、疲れが取れるというのは、別の言い方をすれば、ホメオスタシスがうまく働くということです。
血の流れやリンパの流れ、神経や内分泌など体全体の機能が鈍っているのを正常にもどすのが、休養であり睡眠なのです。
 
なぜ体を休めるとホメオスタシスの機能が高まるのでしょうか。
これは私の仮説ですが、次のようなことではないでしょうか。
 
起きて活動するということは、それだけエンザイムを使っているということです。
それが楽な姿勢で休養をとると、その間はさまざまな体の機能も休止します。
それがたった15分でも、それまで多くの活動のために使われていたエンザイムが一気に消費されなくなることにより、その分のエンザイムが、疲れた場所のリカバーやホメオスタシスの機能を活性化させるために働くことができるようになるからだと思います。
 
実際、眠いな、疲れたなと感じたときに、5分でも10分でも休むと、リカバーはとても早くすみます。
疲労や眠気を引きずったまま仕事を続けていても、能率は上がりません。
最近は企業などでも昼寝の効用を認め、社内で仮眠できる場所を設けているところもあるほどです。
 
私のクリニックでは、12時から13時までの1時間を休養の時間に当てています。
さすがに病院ですから全員が揃って休むことはできないので、職員は交代制で昼食とともに休養をとることが決められています。
その時間帯は、休養している人に電話がかかってきても救急の場合以外は取り次ぎません。
ですから私のクリニックでは、お昼ごろに裏方を除くと、ドクターや看護師が思い思いの格好で仮眠を取っているのです。
 
睡眠というのは、人間の体のリズムの非常に大きな部分を担っています。
規則正しい生活の代名詞が「早寝早起き」といわれることからもそれがわかります。
何時に寝て何時に起きるのか、そのほかに食事の時間、昼寝の時間、そうしたものが一定していると体のホメオタシスに負担がかからず、結果的にミラクル・エンザイムの消費を防ぐことができるのです。
 
ですから、現在の私の最大の悩みは「時差」なのです。
私は基本的にニューヨークで生活し、年に2回、2ヶ月ずつ日本で仕事をしているのですが、ニューヨークと日本の時差(13〜14時間)にはいつも悩まされます。
 
昼と夜のリズムがそっくり入れ替わることになるので、体が新しいリズムになれるまでには、どうしても2週間ぐらいかかってしまいます。
それでも、よく自分の体を観察していると、腎臓の働き、肝臓の働き、胃腸の働きがすべて完全に整うには、さらに時間がかかります。
 
このように「眠くなる」ということも、体のリズムによって自然に訪れるのが、体にとっては一番良い眠りに通じます。
眠れないからといって睡眠薬や睡眠導入剤を常用する人がいますが、こうした薬は脳に直接作用するものなので、とても危険です。
 
睡眠薬は脳のエンザイムを多量に消耗させるので、早くボケたりアルツハイマーになりやすくなると考えられます。
もしも睡眠薬を常用している方で、最近物忘れがひどくなったという人がいたら、それは危険信号です。
安易に薬を使用するのは絶対にやめてください。
 
薬など飲まなくても、規則正しい生活をし、日中でも眠くなったら少し仮眠をとり、体のホメオスタシスを整えていくと自然と夜も眠ることができるようになります。
 
 
◆運動の「しすぎ」は百害あって一利なし
 
健康な生活を送るためには、適度な運動が必要です。
私も毎朝、我流の体操を行っています。
 
人間の体には、「血液・リンパの流れ」「胃腸の流れ」「尿の流れ」「空気の流れ」そして「気の流れ」という5つの流れがあります。
これが滞ることなく流れることが健康維持には絶対に必要です。
そしてこの5つの流れをよくする働きが「運動」です。
 
全身を動かすことによって、血行もリンパの流れもよくなります。
こうした流れがよくなると、全身の新陳代謝が活発になります。
新陳代謝がよくなると、ボディ・エンザイムが活性化するのに必要不可欠なビタミン・ミネラルが供給されやすくなるので、エンザイムが働きやすい環境が生まれます。
その結果、体のすべての機能がよくなり、健康が増進されるのです。
 
しかし、これはあくまでも「体に適当な運動」をした場合のことです。
 
運動のしすぎは、じつは健康を害することにつながります。
なぜなら、運動をすればするほど、体内にフリーラジカルが発生するからです。
 
ジョギングの途中で、心臓発作などで突然亡くなるケースをよく見ますが、このように過度な運動は決して体に良いものではないのです。
 
ジョギングを毎日習慣として行っている女性もたくさんいますが、20代の若い女性が、毎日10km近く走っていると、どのような体系になるかご存知ですか?
 
マラソンの選手を思い出していただけるとわかりますが、ガリガリ痩せて、胸もお尻もペッタンコになってしまうのです。
これは、女性ホルモンが充分に出なくなってしまった結果です。
 
結局、人間の体の恒常性というのは、何かを「し過ぎる」と崩れてしまうのです。
何事も体にとっては「適当」がいいのです。
この場合の「適当」は、いいかげんという意味ではありません。
個人個人の体力や生活、精神まで含めた上での「最適の」運動ということです。
これを英語では「モダレーション」といいます。
 
このモダレーションは、人それぞれ違います。
私が毎日行っている運動は、いろいろなものを試したり組み合わせたりしながら、自分なりに作り上げてきた「私にモダレーション」な運動です。
いままで全く体を動かしていない人が、私と同じ運動をしたら、しんどくてストレスを感じるかもしれません。
ストレスは体の中で大量のフリーラジカルを生み出すので、せっかく運動をしても健康効果は望めなくなってしまいます。
 
モダレーションには個人差がある。
それを前提としたうえで運動の目安を述べるとすれば、理想的なのは、毎日、自分のペースで3〜4kmぐらいの距離を歩くことです。
 
それともう一つは、暇さえあれば、目をつぶって深呼吸をすることです。
 
運動のメリットのひとつに、肺の空気の流れをよくするということが上げられます。
空気の流れがよくなると、新鮮な空気が入ってくるので、新陳代謝が活発になり、血液やリンパ、胃腸の流れもよくなります。
 
過度な運動をしなくても、深呼吸を1日数十回することによって、必要な酸素を十分に取り込むことができるようになります。
また、深呼吸には、副交感神経を刺激し、精神状態を安定させ、免疫効果を高めるという効果もあります。
 
あまりストレスを感じない範囲で、楽しみながら毎日続けられる「あなたにとってモダレーションな運動」を心がけてください。
運動も食事同様、継続することで大きな「力」となります。
 
 
◆チャップリンが73歳で子供を作れたワケ
 
健康な生活を語るうえで、欠かすことのできないことがもう一つあります。
それは「セックスライフ」です。
 
最近は若い夫婦のセックスレスや、不妊、ED(勃起不全)など、セックスに関する問題が数多く出てきています。
本当の意味での健康というのは、こうしたセックスライフも含めた体のさまざまな機能が「現役」であることだと私は思います。
どんな健康そうな人でも60代ぐらいになると、セックスについて質問すると、「私はもうそいう機能がありません」とか、「そういうことに興味もよくもなくなってしまいました」と答える人が増えてきています。
 
でもそれは医学的に見れば、とても不自然なことなのです。
セックスライフはいくつぐらいで終わるのかというと、本当なら死ぬまで続くのが当たり前だと私は思います。
 
ただ、あえて機能的なことを言えば、本当に健康な男性なら75歳までは毎日『朝立ち』があって当たり前、健康な女性なら55歳まで規則正しい生理があって当たり前といえます。
 
女性の機能が55歳という比較的若い年齢で限界に達するのは、妊娠することと大きくかかわっています。
妊娠というのは、自分の体のなかにもう一つ別の人間を作り出す作業ですから、母体に非常に大きな「肉体的ストレス」を与えます。
肉体的ストレスというのは、いわゆる精神的なストレスとはまったく別のものです。
体にかかる負担、付加ということです。
 
そうした大きな肉体的ストレスに耐えるには、やはり「若さ」が必要なのです。
出産はただでさえ命がけの行為ですが、そのリスクは年齢を経れば経るほど大きくなっていきます。
 
母体のカルシウムがどんどん使われ、ボディ・エンザイムの消費量も2人分になるのですから当然多くなります。
そうした急激に増大した消費を助けるミラクル・エンザイムも、若いうちは再生能力が高いのですが、年齢とともに衰えていきます。
 
肉体は、どうしたって年齢とともに機能が低下するのです。
そんな肉体に負担を強いず、その後の人生を自分のために楽しく生きるために、ホルモンバランスの入れ替えが行われるのではないでしょうか。
 
人間が100歳まで生きるとして、そのちょうど半分くらいの年齢でホルモンバランスが入れ替わり、もうこれで生産期間は終わりましたよということになっているのは、これも体の自己防衛本能の一つだと私は思うのです。
 
男性の場合は、妊娠・出産という大きな肉体的リスクがないため、生殖能力は女性よりも長い期間保たれます。
精子の生産自体は、健康ならば生涯続きます。
 
90歳になっても精力的な芸術活動を続けたことで知られる画家のパブロ・ピカソは、67歳で子供を作っていますし、喜劇映画の名優、チャップリンは生涯で4回結婚し、最後の子供が生まれたのは73歳のときでした。
日本人でも、一昔前なら上原健が71歳で、最近では歌舞伎の中村富十郎が74歳で父親になっています。
 
誤解していただいては困るのですが、私は別に高齢者に子供を作るよう勧めているわけではありません。
子供が作れるような体を維持することが、健康維持につながるということです。
高齢になってから子供を作られた先の4人に共通しているのは、健康な肉体と、仕事における現役生活の長さです。
 
もちろんエンザイムはセックスライフにも大きくかかわっています。
ミラクル・エンザイムを消耗させない生活は、間違いなく性的機能の維持にもつながるのです。
 
 
◆生理がなくなってからが、本当のハッピーセックス
 
生理が来なくなった女性の多くに、セックスライフに抵抗を示す傾向が見られます。
しかし、子供ができなくなったということと、セックスする・しないということは、まったく関係のないことです。
 
確かに、生理がこなくなると性ホルモンの分泌が少なくなるので、膣の潤いが不足したり、胸の張りが失われたり、肉体的変化はいろいろ表れます。
しかし、そうしたことをネガティブにとらえるのではなく、やっと生理から開放され、子供ができるかもしれないという精神的ハンディからも開放され、純粋に精神的・肉体的にセックスを楽しむことができるようになったと、ポジティブにとらえてみてはいかがでしょうか。
 
男性も女性も、ある年齢に達してホルモンバランスが変化すると、性的な欲求は衰えます。
しかし頻度は少なくなっても、男女がセックスライフを楽しむことは、とても大切なことです。
 
男性の機能も、バイアグラのような薬に頼らなくてもちょっとした努力で、高めることができます。
最も簡単なのは、セックスの1時間ぐらい前に500ccの水を飲むことです。
水を飲み膀胱に水分がたまることによって、前立腺が刺激され、勃起力が格段に上がります。
ちなみに、この効果は、ビールやお茶などでは得られません。
なぜならカフェインやアルコールが血管を収縮させてしまうからです。
 
年をとると、「あんな面倒くさいこと、疲れるしやりたくないよ」という男性も多いのですが、本当に愛情のある夫婦・男女なら、セックスは決して疲れることでも消耗することでもありません。
精神的・肉体的幸福感が人の免疫機能を高めることも医学的には証明されています。
 
男性には、いうまでも若々しい自分であり、女性から愛されたいという欲求があります。
そして女性にも、いつまでも美しい自分であり、男性から愛されたいという欲求があります。
そういう気持ちをいつまでも持ち続けるということは、健康で長生きするためにとても大切なことです。
 
何ごともそうですが、早くギブアップしたほうがまけなのです。
「もういいや」「もうだめだ」と精神的な部分で諦めると、肉体の老化は早く表れます。
決して諦めないこと。これが健康で長生きする秘訣なのです。

 

ごらんいただいたことを大変ありがたく感謝します。

 

生命の農と食を考える
L A F 健農健食研究所 ラフ
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池田 優

 

 

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