山ちゃんの食べもの考

 

 

その196
 



食は生命なり
「生命なきは食にあらず」とも云われますが、
人は多くの生命を頂く事で生かされている。
植物の生命も動物の生命も微生物の生命も、
土の生命も水の生命も空気の生命も、
すべての生命がつながって生かされている。
そんな「共生」の世界で生かされている。
「人は何を食べるのかによって決まる」とも云う。
肉体的な健康、長寿のみならず、
知性、思想、性格までをも決すると。
その食べ物の作り方、その食べ物の商いほう、
その食べ物の選び方、買い方、食べ方は、
その人の生き方、その考え方そのものであると。

                                   
(山ちゃん)
『食は生命なり』 【52】
『食は生命なり』と「新谷弘実」 その19
新谷弘実著 『病気にならない生き方』 より
■ 第4章 「命のシナリオ」に耳を傾ける の3
◆農薬を使った作物の生命エネルギーはない
 
自然界にあるものはすべてつながりをもち、互いに影響しあいながら微妙なバランスを保っています。
そのため、人間から見たら「不要」なものでも、自然界にとっては「必要」なものもあるのです。
 
農作物を育てるとき、害虫被害を防ぐために農薬を使う、という言い方をされることがあります。
しかしこの害虫という言い方も、人間が自分の都合で勝手に名づけただけで自然界に害をなす虫など存在していません。
 
人間は農作物に虫がつくことをとても嫌いますが、じつは害虫であれ益虫であれ、「虫」が作物に止まることによって増える栄養素があるのです。
それは「キチンキトサン」です。
 
キチンキトサンというと、カニやエビの殻に含まれているものとして知られていますが、虫の体を覆っている硬い組織もキチンキトサンによって構成されているのです。
そして、虫が作物など植物の葉っぱに止まると、葉っぱから「キトナーゼ」や「キチナーゼ』というエンザイムが出て、昆虫の足先や体からほんの少しの、それこそほんの何億分の一とかナノグラムという微量なのですが、キチンキトサンを吸収して植物は自らの栄養としていたのです。
 
こうして虫から植物に取り込まれた栄養素は、その植物を食べた動物の生命維持に貢献していたのです。
 
この栄養のチェーンは、現在は農薬というハサミで断ち切られてしまっています。
そしてキチンキトサンではなく、今度は防虫に使われた農薬が野菜に取り込まれ、それを食べる人間の健康を害しているのです。
 
農薬はさらに、農作物のエネルギーの根源である土壌生物たちの命をも奪っています。
農薬を定期的にまいている農地には、ミミズもよい土壌菌もいません。
そんなやせて生命エネルギーを失った土地では作物が育たないので、そこに化学肥料がまかれます。
 
化学薬品の力で作物はできますが、それは形だけのエネルギーのないものになってしまいます。
日本の農作物に含まれる栄養素の量が年々減っているのもこのためです。
 
しかし、いまの農作物に及んでいる人工的な被害は、農薬によるものだけではありません。
 
二つ目の問題は「水」です。
日本の農業用水は生活用水のように多量の塩素で消毒されているわけではありませんが、農薬や河川の汚染、生活排水などの影響を受け、さまざまな汚染物質が含まれています。
 
植物が育成するにはたくさんの水が不可欠です。
人間の体内に入った毒素は、よい水を飲むことである程度排出されることがわかっています。
これは植物も同じです。
ところが、その毒素を浄化するはずの水自体が汚染されているのですから、毒素はたまる一方です。
 
三つ目の問題はハウス栽培です。
日本各地で見られるハウス栽培は日本独自のものでアメリカにはありません。
ハウスを用いる目的は、害虫被害の軽減と室温管理ですが、ビニールによって太陽光線を遮断するデメリットがあることはあまり知られていません。
 
もともと植物というのは、動物のように動き回ることはできません。
そのため多量の紫外線にさらされます。
 
紫外線は動植物に強いフリーラジカルを受けさせ酸化を促進させるので、植物は自らの身を守るために抗酸化物質を体内に大量に作り出す仕組みを備えています。
 
それが植物に含まれるビタミンA・C・Eなどのビタミン類や、フラノボイド、イソフラボン、カテキンなどのポリフェノールなのです。
 
こうした酸化物質は植物が紫外線を受けたときに作り出されます。
つまり、ビニールなどで太陽光線を遮断してしまうと、植物に降り注ぐ紫外線が減り、結果としてビタミンやポリフェノールなどの抗酸化物質の含有量が減ってしまうのです。
 
いまの日本の農業は、栄養価よりも見映えのよいものを作ることが優先されてしまっています。
自然の中で育った野菜というのは、虫食い穴があったり、形に大小があったりと、本当はそれほど見映えのよいものではありません。
でもその分、「エネルギー」を備えています。
 
日本のカボチャはグッと握ると指が入ってしまいそうなほどやわらかいですが、アメリカで露地栽培されたカボチャは、出刃包丁で叩いてもなかなか割れないほど強固です。
 
私たちは食べ物からエネルギーをもらっているのですから、その食べ物自体にエネルギーがなければ、いくら食べても健康にはなれません。
 
自然な環境で育った食べ物を食べない人間が、自然の中で強く健康の生きられるはずがないのです。
 
あなたの健康を支えているのは、日々食べている食事です。
その食事をどのような基準で選ぶかであなたの健康状態は決まります。
 
日本ではまだ多くの農家が農薬や化学肥料を使っていますが、無農薬や有機農法に取り組んでいる方も増えてきています。
値段は確かに一般的な商品よりも高いですが、私に言わせればそれは文字通り「命の値段」です。
 
命を養えるのは命だけです。
生命エネルギーを持つ作物は、生命エネルギーのある土地でしか作れません。
 
土壌細菌が健全であれば、野菜も果物も穀物も、とても健康に育ちます。
健康に育った食物は、体に入ったときに、腸の中にいる腸内細菌を健康にしてくれます。
 
農薬に汚染された作物を食べるぐらいなら、私は遺伝子組み換え作物のほうが数段安全だと思っています。
遺伝子組み換え作物というのは、人間が遺伝子をいじり、先天的に虫がつきにくいとか、実りが多いなど、人間にとって都合がよいように遺伝子レベルで作り変えてしまった農作物のことです。
 
もともと虫がつきにくくなっているので、農薬を使う必要がなくなるというメリットがあるのですが、多くの人は、農薬よりも遺伝子組み換え作物のほうに嫌悪を示しているようです。
 
しかし私は、どちらを食べるかと問われれば、農薬を使わずに育てた遺伝子組み換え作物を選びます。
それほど農薬の危険というのは大きなものです。
 
 
◆『愛』は免疫力を活性化させる
 
「人はパンのみで生きているのではない」というのはキリスト教の教えですが、これも自然の摂理に一つだったのだということを、私は多くの患者さんから教えてもらいました。
 
病気の人が、何か目的を得たとき、奇跡的に病気が回復することが実際にあります。
ガンでとても苦しんでいた人が、苦しんだあげくに、何かをきっかけに感謝の気持ちをもてるようになり、そこから病が回復していったという例は世界中にたくさんあります。
 
人間は誰しも無限の可能性を秘めています。
その可能性が開かれたときに、体中のエンザイムが活性化し、そのエネルギーは死の淵からその人を連れ戻してくれることさえあるのです
 
逆に、どれほど健康であっても、毎日ネガティブなことを考え、毎日不幸だと思いながら一人寂しい人生を送っていたら、エンザイムはどんどん力を失っていきます。
 
ですから私は、ガンを治すというのはそれほど難しいことではないと思っているのです。
その人が心から自分は治ると信じ、自分が誰かを心から愛していることを悟ることができたら、その人は病を克服することができるのではないかと思います。
 
愛する孫が学校を卒業して、結婚して、子供を持つまで自分はどうしても生きていたいと心の底から強く思えれば、その人はそこまで生きるのです。
どれだけ強いモチベーションをもつことができるか、それによって無限の可能性が開くのです。
 
病気を癒すというのは、単に悪いところを切り取ったり、薬を与えたりすることではありません。
その人が心からハッピーになれるようなモチベーションをもたせてあげることです。
 
ですから本当の医者というのは、そういうモチベーションを患者に上手に与えることのできる医者なのだと思います。
だから私はそういう医者になりたいと思っているのです。
 
では何が一番強いモチベーションになるのでしょう。
それはやはり「愛」だと思います。
 
男女の愛、親子の愛、友への愛、いろいろな形の愛がありますが、どのような相手であれ、モチベーションやウェルネス、ハッピネスというのはすべて、人を愛するところから生まれてくるものだと私は思っています。
 
健康になるには、人を愛するという気持ちが絶対に大切なのです。
人間は一人では健康にはなれません。
幸福な人というのは、親の愛から始まり、愛する友や伴侶とめぐり合い、新たな命を生み出していくというように、つねに「愛」に満ちています。
これは受ける愛から、互いに育む愛に、そしてそそぐ愛へという愛の進化の過程でもあります。
 
人は、本当に幸せを感じていると、免疫機能が活性化することが、血液検査でわかっています。
免疫機能を高めるのはミラクル・エンザイムですから、幸せを感じている人にはミラクル・エンザイムの貯金量が充分にあるということもできます。
 
また、幸せを感じているときというのは、神経系は副交感神経が優位になっているのでストレスが減ります。
ストレスが減るとフリーラジカルの発生が抑えられるので、腸内バランスが善玉菌優位になっていきます。
そして、腸内環境がよくなると、そのよい状態が副交感神経を通して脳の視床下部に伝達され、その情報を大脳が受け取り、「ああ幸せだな」と再び実感するのです。
 
つまり、本当の幸せを感じたことがきっかけで、【幸福の実感→副交感神経優位→ストレスの軽減→腸内バランスがよくなる→副交感神経優位→視床下部伝達→幸福の実感】という幸せのサイクルが回りはじめるのです。
 
人間の体というのは、免疫系でもホルモン系でも神経系でも、どこか一つが単独で動くということはありません。
すべてが影響しあい、一つのよいサイクルが回りはじめると、体全体が一気によいほうへと変化していくのです。
 
このような幸せのサイクルが回りはじめると、腸内細菌もよい環境下で活性化し、ミラクル・エンザイムを大量に作り始めます。
そのミラクル・エンザイムの大量生産に刺激され、体全体の細胞の活性化が起こります。
人を愛することで幸せを感じた人の自己治癒力が活性化する陰には、こうした幸せのサイクルによって大量に生まれるミラクル・エンザイムの働きがあったのです。
 
誰かを愛するということが、私たち人間の「命のシナリオ」に書かれているとても大切な項目の一つであることが、このことからもおわかりいただけると思います。
 
 
◆すべては「命のシナリオ」に書き込まれている
 
体を臓器ごとに見てしまうと大切なものを見失ってしまうのと同じように、人間を肉体だけで見てしまうのも誤りです。
人間の心と体は切り離せない関係にあります。
 
仕事などで精神的な圧迫があると体は交感神経優位になり、逆に幸福感に心が満たされると体は副交感神経優位になります。
夜、寝ている間に体力が回復するのは、寝ると体が副交感神経優位に切り替わるからです。
 
毎日精神的ストレスがある人が、忙しいからと、体に良くない食事を続けていたら、体のバランスは加速度的に悪くなっていきます。
病気に至るプロセスは一つではありません。
精神的要因、肉体的要因、環境的要因、それらすべてが組み合わさって、「悪いサイクル」が生まれたとき、病気になっていくのです。
 
悪い食事は体内に大量のフリーラジカルを発生させますが、憎しみや妬みといったマイナス感情もそれと同じぐらいのフリーラジカルを体内に発生させます。
 
ですから、食事や生活習慣をよいものにしていくだけでなく、精神的に平和で安定した状態を保つことが健康に生きるためにはとても大切なのです。
 
同じようにガンを発病した人の中にも、悪性度の強いガンでとても短い間に命を落としてしまう人と、それほど進行せずにすむ人がいます。
この違いは病気になった本人、これを「ホスト(宿主)」というのですが、そのホストの体力の違いだと私は思っています。
 
ガンが転移するのも、再発するのも、ホストの体力が低下しているからです。
 
ではその体力とは何かというと、その人が持つミラクル・エンザイムの量だと、私は考えています。
 
ホストがミラクル・エンザイムをある程度もっていれば、ガンが体内に発生してもそれほど悪性度の強いガンにならずにすむし、逆にミラクルエンザイムの量が少ないと、すぐに凶悪な性質のガンになってしまうということです。
そして、ミラクルエンザイムをたくさんもっている人には、ガンなど最初からできないということです。
 
宇宙の大きさから見たら、私たち人間はウイルスにも満たないようなとても小さな存在です。
そして宇宙の時間から考えたら、私たち人間の一生は瞬きする間もないような短いものです。
 
でも、それほど短くはかないものだからこそ、私は精一杯長く、精一杯エネルギッシュに生きたいと思っています。
そして、より多くの人にも、そうした生き方をしていただきたいと思っています。
私が、つねに若くいよう、健康でいよう、勉強もしよう、もっといろいろなものに興味を持とうと、多くの人に呼びかけているのもそのためです。
 
私は自分を含め人間の命がちっぽけなものであることを知っています。
でもだからこそ、その小さな命が大切でいとおしくて仕方ないのです。
おいしければいい、楽しければいい、楽ならいい、そんな刹那的な生き方をして、この貴重な短い生涯を失ってしまうのはあまりにももったいないとは思いませんか?
 
短い人生を病気になって苦しむ必要はありません。
健康に生きるすべは、私たち一人ひとりの命に「命のシナリオ」として書き込まれています。
まずは自分の体の声に耳を傾けることです。
その声が聞こえないときは、自然に学んでください。
自然の摂理を見れば、今の私たちに必要なものが何なのか、ちゃんと教えてくれることに気づくでしょう。
 
自然の摂理を謙虚に受け止め、「命のシナリオ」に身をゆだねれば、後はミラクル・エンザイムが太く長い幸福な人生をサポートしてくれます。
 
健康を維持するというのは、人生の目的ではありません。
人生を豊かに生きるために必要不可欠なアイテムの一つです。
大切なのは健康な体を生かして、人生を思い通りに生きていくことです。
 
たとえ120年生きたとしても、やはり「人生は短い」と私なら思うでしょう。
でもそれは、私はこの人生でやりたいことがいっぱいあるからです。
しかもそれは、常にモチベーションを奮い立たせ、体のエネルギーを高いレベルでキープしていなければ、実現できないものばかりです。
 
人生は短い。
でも、だからこそ素晴しい人生を多くの人に送っていただきたいと思います。
 
 
 
=あとがき=
エントロピーからシントロピーへ
 
私は今年(2005年)3月、70歳になりましたが、たまに同級生などに会うと、この70年間をそれぞれがどのように生きてきたかがとてもよくわかります。
すっかり老け込んで、見るからに「ジイサン」になってしまったヤツもいれば、若々しいヤツもいます。
 
こうした違いは、「食歴」「生活習慣」「水」「睡眠」「生活環境」そして「モチベーション」の違いから生じた「違い」です。
体は決してウソをつきません。
その人がどんな人生を歩んできたかは、すべて体に表れているのです。
 
すべての生き物は、生まれたその瞬間から「死」に向かって歩み続けているという人がいます。
確かにそういう面もあるかもしれません。
どのような命も必ずいつかは死ぬのが自然の摂理だからです。
 
しかしその歩みの速度を変えることはできます。
 
人間は、自らに肉体的精神的なストレスを強いながら、その道のりをわずか40年で駆け抜けることもできれば、体と心を慈しみ、道中の景色をパートナーや友人と楽しみながらゆっくり100年かけて歩むこともできるのです。
 
どちらの道を選択するのも、個人の自由です。
でも、どちらの場合もゴールにあるものは同じです。
それならばゆっくり人生を楽しんだほうがよいとは思いませんか?
 
例えば、ここに一本の釘があるとしましょう。
その釘はいつかは錆びてぼろぼろになって崩壊してしまいます。
このようにものごとが破壊や崩壊へ向かって進んでいく過程を「エントロピー」といいます。
 
こうしたエントロピーの速度は環境によって大きく変化します。
塩分を含んだ海沿いの場所では釘は錆びやすくなりますが、そのような場所でも定期的に塗料や油を塗ってコーティングしていれば、さびの発生を長期間抑えることができます。
 
このようにエントロピーの速度をリカバーし、破壊・崩壊という流れを修復・再生・甦生(蘇生)へと向かわせる過程を「シントロピー」といいます。
 
すべての命は「死」が宿命づけられている以上、エントロピーの流れの中に存在しています。
しかし自然の摂理は、エントロピーと同時にシントロピーの機能も命に与えています。
生物がその体の一部から新たな命を生み出すのもシントロピーの一つと見ることができます。
 
動物であれば、母親の卵子と父親の精子が結びつき新たな命が生まれます。
植物であれば、親木が朽ちても、その種子や伸びた根の先から新たな芽が伸びてきます。
サケなどの魚は、親がその命と引き換えに新たな命を生み出していきますが、これなどはまさにエントロピーがシントロピーに転換する瞬間そのものです。
 
エントロピーもシントロピーも自然の摂理です。
日々私たち人間の体は新陳代謝という形で再生されています。
病気になっても自然治癒力が働きます。
これらはすべて私たちに備わったシントロピー機能です。
 
ただし、こうしたシントロピー機能が正常に働くためには、自然の摂理に則した生活をすることが必要です。
それが本書で紹介した「よい食事」と「よい生活習慣」です。
 
人間の場合、エントロピーの流れをシントロピーに向かわせる力がもう一つあります。それは精神力です。
 
本書の中でも「モチベーション」や「パッピネス」が健康に生きるためにどれほど大切な役割を果たしているか繰り返し述べてきましたが、それは精神が肉体の機能に働きかける力がとても大きいということを、しっかりと認識していただきたいからです。
 
現在の臓器別医学では、モチベーションのような精神力が体に与える影響力は無視されがちです。
しかし、人が若々しく健康に生きるためには、モチベーションは不可欠なものなのです。
 
俳優や女優、政治家や実業家など常に多くの人から注目される立場にある人は、みな年齢よりも若々しく輝いています。
これは「自分は注目されている」という意識が、その人のモチベーションをつねにかきたてているからです。
 
それは一般のサラリーマンでも同じです。
ほんの少し前までバリバリ仕事をこなしていた人が、定年を迎えたとたんに急に老け込んだり病気になってしまうのはよく聞く話ですが、その最大の原因は「モチベーションの低下」です。
 
そのため、これといった趣味も持たず、ただひたすら仕事に打ち込んできた真面目な人間ほど、こうしたモチベーションの低下や消滅が顕著に表れます。
最近増加している中高年の男性の自殺がそれを物語っています。
 
もし、あなたがこの本を読んでくださって、「よし、もうさびついたものを食べるのはやめよう」「乳製品をとるのはやめよう」「よい水を飲もう」「日々感謝しハッピーに生きよう」と思ってくださったなら、その瞬間から、あなたの肉体はエントロピーからシントロピーへと流れを変えることができるのです。
 
もちろんそう思っていただいたなら、次の瞬間からは、行動することでモチベーションをより強固なものにしていただくことが必要です。
 
「よいものを食べよう」「よい水を飲もう」「酒もタバコもやめよう」といくら心で思っても、行動が伴わなければ、「決心したのにできなかった」という罪悪感や未達成感がモチベーションやハッピネスを阻害することになるからです。
 
大切なのは正しいことを知って正しいことをするということです。
正しい知識を得てもそれを行動に移さなければ意味はありません。
 
1996年、それまで「成人病」といわれていた疾患が「生活習慣病」と呼ばれるようになりました。
しかし、私は機会があるごとに「これは生活習慣病ではなく、自己管理欠陥病ですよ」といっています。
 
確かに、すでに病気になってしまわれた方には、これは非常に厳しい言葉です。
その方々は正しい知識を得られなかったために病気になっただけなのですから、
悪いのは「薬害エイズ」同様、社会や医師かもしれません。
 
それでもあえて「自己管理欠陥病」という名を私が使うのは、自分できちんと管理すれば、未然に防ぐことができる病だということをしっかり認識していただきたいからです。
 
先ほど正しい知識を得られなかったのは社会や医師の責任だといいましたが、実はそれもこれまでは仕方のないことだったのです。
私の知っている医師にもガンになった人はたくさんいます。
糖尿病になる医師もいます。
10年前に、アメリカの医師の平均寿命は58歳と書かれている雑誌を読んだことがあります。
 
つまりこれまでは病気の専門家である医師でさえ、その多くは正しい知識を得ていなかったのです。
 
この本は、30万もの臨床例から私が学んだ「正しいこと」を書いたものです。
でもこれを読んだだけでは健康になることはできません。
あなたの健康を作るのはあなた自身の日々の行動です。
そしてその絶え間ない継続です。
 
よい習慣の継続はそれがいかに小さなものでも大きな力となっていくのです。
 
よいことを始めるのに「遅すぎる」ということはありません。
 
人間の身体の細胞は、部位によって差はありますが、大体120日ほどでそのほとんどが入れ替わります。
ですから私は、初めて「新谷食事健康法」を試される方には、まず4ヶ月、がんばって「よい食事」と「よい生活習慣」を続けて下さいと指導しています。
 
もともと命に備わっているシントロピーの流れをアシストする生活を維持することができれば、たった4ヶ月でも体は劇的に変化します。
 
よい食事をし、よい生活習慣を身につけ、よい水を飲み、充分に休養をとり、適度に運動し、モチベーションを高めたとき、つまりあなたがハッピネスに包まれたとき、それをもっとも喜んでくれるのはあなた自身の肉体です。
 
体は、あなたがいかに不健康な生活をしていても、常に健康になろうと日々努力をし続けてくれているからです。
 
この本を読み、知識を実行に移し、その劇的な変化を、一人でも多くの方に実感していただければ、医師としてこれほどうれしいことはありません。
 
新谷弘実
 
 

 

ごらんいただいたことを大変ありがたく感謝します。

 

生命の農と食を考える
L A F 健農健食研究所 ラフ
L ife A griculture F oods

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池田 優

 

 

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