山ちゃんの食べもの考

 

 

その204
 



食は生命なり
「生命なきは食にあらず」とも云われますが、
人は多くの生命を頂く事で生かされている。
植物の生命も動物の生命も微生物の生命も、
土の生命も水の生命も空気の生命も、
すべての生命がつながって生かされている。
そんな「共生」の世界で生かされている。
「人は何を食べるのかによって決まる」とも云う。
肉体的な健康、長寿のみならず、
知性、思想、性格までをも決すると。
その食べ物の作り方、その食べ物の商いほう、
その食べ物の選び方、買い方、食べ方は、
その人の生き方、その考え方そのものであると。

                                   
(山ちゃん)
『食は生命なり』 【60】  『食は生命なり』と「新谷弘実」 その27
新谷弘実著
『病気にならない生き方』 2 実践編 より その8
 
第3章 病気にならない食生活 の3
 
●果物は自然が生んだ「命のプレゼント」
 
エンザイムを最も多く保有している食べものは、実は「果物」です。
フルーツほどエンザイムに満ち溢れたすばらしい食べ物はありません。
 
どんな食べものでも、フレッシュなものであればエンザイムが含まれていますが、その量となるとさまざまです。
概して動物由来のものより植物由来の食物のほうがエンザイムは豊富ですが、植物由来の食べものの中でも、フルーツは飛びぬけて多くのエンザイムを持っています。
 
どんな食べものでも、消化吸収する際には、体内のエンザイムが消費されます。
エンザイムの多い食物がよいとされるのは、そうした失われるボディ・エンザイムを少しでも補給できるからです。
 
ところがフルーツの場合は、フルーツ自身がもっているエンザイムだけで、そのフルーツ自身を消化するために使われるエンザイムを完全に補うことができると私は考えています。
 
さらに、フルーツの種類によっては、自分自身を消化しても、まだありあるほどのエンザイムを持っているものまであります。
 
パパイヤ、パイナップル、イチゴ、キウイなどは、そうしたエンザイムを大量に含むフルーツの一つです。
 
他にも完熟バナナは、熟すことにより、含まれる炭水化物の多くがグルコース(デキストロース)に変化するため、通常のバナナとは比較にならないほどの多くの消化酵素を持つ食べ物となります。
 
昔から病人のお見舞いにはフルーツがつきものですが、そこには果物に含まれるエンザイムが、自然治癒力をアップさせる効果があることを知っていた先人の知恵が感じられます。
 
でも、なぜ果物にはこれほど多くのエンザイムが含まれているのでしょうか。
ここからは私の想像ですが、そこには命を次代につないでいくための自然の叡智が凝縮されているのだと思います。
 
果物というのは、植物の種を包むゆりかごのようなものです。
そのゆりかごには、種を守ると同時に、自分では歩くことができない植物が、種をより遠くに運んでもらうための工夫がなされています。
 
生き物がもっとも好む食べものは「エンザイム」を多く含むのです。
植物は、だからこそ種のまわりにエンザイムの豊富な果肉をつけ、動物たちに喜んで食べてもらうことで、自分たちの「命をつなぐ種」を寄り遠くまで運んでもらおうとしたのではないでしょうか。
 
いうなれば、エンザイムが豊富な果物は、種を運んでくれる動物に対するお礼、「命のプレゼント」だということです。
 
フルーツはとても消化のよい食べものですが、ここにも命のゆりかごならではの知恵が感じられます。
通常の食物は胃から腸に届くまでに2〜4時間かかりますが、フルーツはわずか30分ほどで腸へ届きます。
これはフルーツ自身が消化酵素をたくさん含んでいるためですが、大切な種が胃酸によって損なわれるのを防ぐためでもあると思われます。
 
胃で損傷されなかった種は、未消化のまま腸を通り抜け、動物の排泄物とともに大地に帰ります。
そして、親木とは離れた場所で新たな命を伸ばしていくというわけです。
 
 
●濃縮還元ジュースの製造過程を知っていますか?
 
エンザイムの宝庫である果物は、毎日の食事に必ず取り入れていただきたいものです。
 
しかし、この自然が生んだすばらしい「命のプレゼント」を、私たち人間はあまり上手に取り入れていません。
私がもっとも残念に感じているのは、ほとんどの人が食後のデザートととして食べていることです。
 
フルーツとはとても消化のよい食べものですが、食後に摂ってしまうと、先にとった消化に時間のかかる食べ物がまだ胃腸内にとどまっているため、果物も胃の中にとどまる時間が長くなり、より効果的にエンザイムを体内に摂取できないと思われます。
また胃の中で他の調理した食べものが発酵してしまうと、腸内でガスの発生が多くなり、膨満感やオナラの発生が多くなるもととなってしまいます。
 
ですからフルーツは、食事の前や食感のおなかのすいたときに食べるようにしてください。もっとも理想的なのは朝食の30〜40分前に摂ることです。
長い時間食べものの入ってこなかった朝の体には、最良のエネルギー源である良質な糖分(果糖、ブドウ糖、ショ糖)を含むフルーツは理想的な食べものです。
 
また、フルーツは食物繊維やビタミン、ミネラルも豊富なうえ、抗酸化作用があることで近年注目を集めている「ファイトケミカル」も豊富に含んでいます。
 
フルーツの摂り方で、もう一つ知っておいていただきたいのは、市販のジュースは、たとえ「果汁100%」と銘打ってあるものでも、エンザイム摂取にはつながらないということです。
 
食が細く、フルーツはジュースで摂りたいという方は、必ず自分で作ったフレッシュジュースを飲むようにしてください。
それもつくり置きは酸化しやすいのでよくありません。
必ず作りたてのものを飲むようにしましょう。
 
市販されている100%ジュースがなぜよくないのかというと、多くの場合、「加熱」されているからです。
100%ジュースは冷蔵品として売られているので過熱されているというイメージはないかもしれませんが、牛乳と同じように、殺菌処理するために加熱されるのです。
エンザイムが市販の100%ジュースが失われてしまっているのはこのためです。
 
それでも、新鮮な果物から圧搾した果汁を容器に詰めただけのジュースであれば、加熱処理は一度しか行われないので、まだ少しはエンザイムが残っている可能性があります
 
しかし、よく目にする「濃縮還元」タイプのジュースでは、エンザイムは完全に失われてしまっています。
 
濃縮還元というのはたいていの場合、圧搾果汁を煮て水分を飛ばし、そのペースト状に煮つめたものにふたたび「水」を加えることでジュース状にした飲物だからです。
 
水分がなくなるまでに詰める過程で、エンザイムとビタミンの大部分は完全に失われます。
ジュースにするときには「水」が加えられるわけですが、どのような水が使われているのか明示してある濃縮還元ジュースはほとんどありません。
それに、どれほどよい水を使ったとしても、本来果物がもっている水分のすばらしさには遠く及びません。
果物に含まれる水分には、あらゆるミネラルとビタミンが、その果物にもっと理想的な状態で含まれているからです。
 
濃縮還元ジュースも、成分表示を見るとビタミンやミネラルが含まれています。
しかし、それは自然由来のものではなく、後から人工的に添加されたものもあるそうです。
人工的なものが命を養うことができないのはすでに述べたとおりです。
 
では、なぜこうしたエンザイムもビタミンも奪うような製法が広く用いられているのでしょう。
それは、とても残念なことですが、輸送コストを少しでも安く上げたいという人間の「欲」なのです。コストが安く済むという以外に、この製法のメリットは何もありません。
 
でも、そうしたジュースを好んで飲むのは、まだ食の細い子供たちです。
自分のかわいいわが子に、エンザイムも自然のビタミンも含まないジュースを飲ませたいと思う親はいないと思います。
 
本当によい食べもの、命を養ってくれる食べものは「エンザイム」を含む食べ物だということを心に刻み、ジュースはご家庭で作っていただきたいと思います。
 
 
●私が「全体食」を勧めるこれだけの理由
 
エンザイム・セラピーにもとづく食事で、もう一つ心がけていただきたいのが、食べものはできるだけ「全体を食べる」ということです。
 
穀物であれば表皮や胚芽を含む未精製のもの、野菜は葉や皮まですべて、果物もできる限り皮ごと、魚は頭から骨まで「全部食べる」ということです。
 
こうした「全体食」を勧めるのは、食べものを一つの命としてみた場合、それがもっともバランスの取れた状態にあるからです。
 
たとえば、果物は皮をむくとすぐに酸化が始まり、変色してしまいます。皮をむいたリンゴが茶色くなるのも表面が酸化するからです。
しかし、皮がついた状態であれば、いくら空気に触れていてもリンゴはほとんど酸化しません。
これは皮の部分にたくさんの抗酸化物質が含まれているからです。
 
野菜の場合も、ナスやニンジン、ジャガイモなど皮のある野菜は、やはり皮の部分に多くの抗酸化物質が集中しています。
ですから、野菜や果物は本来、できる限り皮をむかないで食べたほうが体に良いのです。
 
全体食が望ましいのは、動物食においても同じです。
例えば魚の干物は、天日に晒し乾燥させてあるため、「酸化した食品」といえます。
酸化した食品は、体内でフリーラジカルを発生させるので、干物は基本的にはよい食品とは言えません。
しかし、これが小魚で、内臓も骨もすべて食べられる場合には、必ずしも悪い食品にはならないのです。
 
干した小魚は、よくかむことによって骨に含まれるカルシウムやマグネシウム、カリウムといった物質がいっしょに摂れるので、酸化物質を消化の過程で中和させることができるのです。
また、よくかみ、唾と混ぜることによって食物に発生した酸化を中和してくれます。
 
このように、食べ物は、「全体でとる」ことによってバランスがとれるようになっているのです。
 
エビヤカニも小さなものであれば、甲羅ごと食べることができます。
貝は堅い殻まで食べることはできませんが、「キモ」と呼ばれる内臓の部分には、海のミネラルが豊富に詰まっているので残さず食べるようにしましょう。
 
さすがに牛のような大きな動物は全体食はできませんが、沖縄の伝統食などを見ていると、豚の頭から足の先まで、骨はスープにして、というように残すことなく食べています。
これは全てを一緒に摂っているわけではありませんが、「全体食」といえるでしょう。
沖縄の人が豚肉をたくさん食べているのに健康でいられるのは、もしかしたら、こうした全体食に近い食べ方をしているのがよいのかもしれません。
 
 
●見た目にも美しい野菜は『工場由来』と考えよ
 
全体食をする場合、とくに気をつけて欲しいことがあります。
それは、「フレッシュ」なものを選ぶことはもちろんですが、その中でも「農薬を使っていない食品を選ぶ」ということです。
 
料理をする人には覚えがあると思いますが、最近の野菜には、古くなると溶けていくものがあります。昔はしなびたり腐ってぶよぶよになることはあっても、どろどろと溶けていくような野菜はありませんでした。
 
また果物では、見た目はとてもきれいなのに、切ってみると芯の部分が腐っているものがあります。どうして中から腐るのだろうと、不思議に思ったことはありませんか?
実はこれらはどちらも「農薬」のせいなのです。
 
農薬を使って栽培された作物には、どうしても農薬が残留します。そして、残留農薬が体内に入ると、その解毒のために大量のエンザイムが消費されます。
 
全体食をするとき、特に注意しなければならないのは、果物や野菜の皮の部分が、栄養素が豊富な部分であるとともに、農薬がたまりやすい部分でもあるからです。
 
これは野菜や果物だけではなく玄米にも当てはまります。
白米はいわば皮をむいたお米です。
玄米のほうが皮をむいていない分、ビタミン、ミネラル、エンザイムなど全て豊富ですが、白米より農薬が残りやすいのもまた事実です。
 
農薬の最大の問題は、その多くが、エンザイムの働きを阻害する「酵素阻害剤」だということです。
 
雑草を抜く手間を省くために使われている「除草剤」も酵素阻害剤の一つです。
なぜ雑草の芽が出なくなるのか、それは発芽・生育にかかわる酵素を阻害する化学薬品だからです。
 
こうした農薬は、作物の生育には影響しないように作られていますが、大地に浸み込んだ農薬を作物が吸収していることには変わりはありません。そのような毒性の化学薬剤を吸い込んで成長した作物が体にいいはずがありません。
 
また、農薬は大地に浸み込むことで、土壌の中に生きる土壌細菌たちも殺してしまっているのです。
 
皆さんも「ミミズのいる土地は肥えている」という話を聞いたことがあると思いますが、本来、ミミズや微生物などの「生命体」を育むことのできる土壌こそが、作物を栽培するのにはもっとも適した環境なのです。
 
生命力をもった作物を育てられるのは、生命力をもった大地だけです。
 
しかし、農薬の散布は、大地の生命力である土壌細菌を殺してしまうのです。
土壌細菌の死んだ土は、養分のない痩せた土地になっています。
そこで登場するのが「化学肥料」です。
 
化学肥料の代表は、「肥料の3要素」とも言われ「窒素、リン酸、カリウム」です。
そして、痩せた土地でも、これらの肥料を土壌に混ぜると、たしかに作物はよく育ちます。
 
しかし、本来の土壌に含まれる「窒素、リン酸、カリウム」は、土壌細菌が作り出したものであり、化学的に合成された肥料とは、化学式が同じ物質であっても、もっている「情報」が違うのでまったく別物と考えなければいけません。
 
物質は全て「情報」を持っています。
エンザイムを含む食品を食べると体内のエンザイムが増えるのも、エンザイムの情報を持ったアミノ酸として吸収されるからでした。
 
植物が吸い上げる養分も同じです。
自然の土壌細菌が生み出した「窒素、リン酸、カリウム」には、命の情報がふんだんに入っていると考えられますが、工場で化学合成された「窒素、リン酸、カリウム」には「命の情報」はまったく含まれていないのです。
 
私が、同じタンパク質でも、それが動物由来のものなのか、植物由来のものなのかで、体に入ったときの働きが異なると述べてきたのは、由来によってもっている情報が異なると考えているからです。
 
農薬と化学肥料で育てられた野菜は、畑で収穫された見た目に美しい野菜かもしれませんが、私は「工場由来の食品」と考えます。
なぜなら、命の情報を持たず、工場で作られた化学薬品の情報をその身に秘めているからです。
 
しかし、いまの時代は、農薬や化学肥料を使った野菜、果物をすべて排除するのは不可能に近い状態にあります。
私も外食すれば、農薬まみれの野菜を口にしてしまうことも当然あります。
 
ですから、急に一切を排除することを考えるのではなく、まずは少しでも農薬の少ないものを選んだり、ちょっと高くても有機栽培のものをたまに買ってみたりすることから、始めてみてはいかがでしょうか。
 
有機栽培は虫食いが合ったり、見た目がよくないのに値段ばかり高い、そう思っていた人が、虫食い穴があるのは、虫が食べるほど安全な作物なんだと知っていただくだけでも、大きな変化だと思います。
 
本当に安全な食品、本当に体に良い食品はどのようなものなのかを知り、少しずつでもそういうものを購入する人が増えれば、現在の農薬・化学肥料重視の日本農業も変わっていくと思います。
実際多くの生産者が有用微生物を使うなどの工夫をして、安全な農作物を作る努力をしています。
 
私は、完全無農薬・無化学肥料で作られた玄米を愛用しています。
値段は通常より少し高めですが、田んぼに引く水に備長炭を入れて水の浄化に努めたり、合鴨農法で雑草と害虫の駆除を行うなど、本当に消費者の健康に配慮している姿勢を見ると、決して法外な値段だとは思いません。
 
このような話をすると、「それではお金に余裕のある人しか健康になれないのか。オーガニック食品の生産量が限られている現状を考えると、一部の人しか健康を享受できないではないか」と、反論される方もいるでしょう。
 
私たち消費者が「安全な食品が欲しい」と声を大にしていってこなかったから、生産者も作ってくれないのです。
安全な食品を本気で求める消費者が増えれば、安全な食品を作ろうとする生産者も増えてくるはずです。
やがて市場原理が働き、価格も下がってくるでしょう。
 
体に良い食材を、手間隙を惜しまずにきちんと作ってくださっている方は、日本の農家にもたくさんいます。
 
ですから、安全な食品を選ぶ行為は、自分の体のためになるのはもちろん、日本の社会全体にとってもいま一番大切なことなのです。
どうか自信をもって、体に良い商材を求めて欲しいと思います。
 
 
●『ビニールハウス製野菜』に欠けている大事な成分
 
私はもう40年以上アメリカで生活していますが、まだ一度もアメリカでビニールハウスを見たことがありません。
調べてみると、花を育てるためのガラス張りの「温室」は古くからありましたが、農作物を作るための「ビニールハウス」は日本の発明品なのです。
 
日本のハウス栽培は最初、ビニールではなく障子紙が使われていたといいます。
それが1953年に塩化ビニールが使われるようになったのを機に、全国に広まったのです。
 
ビニールハウスが日本で普及したのは、限られた農地でより高い生産性を上げるためでした。
ハウスを使えば、春のまだ寒い時期から、初冬のまだ寒い時期まで農地が活用できるため、より多くの農作物を栽培することができるというわけです。
しかも、ビニールで囲うため、風雨や害虫の被害から農作物を守ることも可能です。
 
このようにいいことばかりのように思われるハウス栽培ですが、最近になって、大きなデメリットがあることがわかってきました。
 
それは、ハウス栽培で作られた農作物は、露地栽培のものとくらべ、「ファイトケミカル」が少ないということです。
 
ファイトケミカルというのは、植物に含まれる色素や香りなど、これまでの栄養学では「栄養素」と認めていなかった機能性成分のことです。
 
しかし、近年の研究により、ファイトケミカルに高い抗酸化作用があることがわかると、一躍、免疫力を高め、さまざまな病気の予防に役立つ「抗酸化栄養素」として注目を集めるようになったのです。
 
「ファイトケミカル」という名前になじみのない方でも、「ポリフェノール」や「イソフラボン」という名は聞いたことがあるのではないでしょか。
 
ワインに含まれることで有名な「ポリフェノール」も、スイカやトマトの赤い色のもととなっている「リコピン」も、ダイズのイソフラボン』も、緑茶の「カテキン」やごまの「リグニン」も、全てファイトケミカルです。
現在見つかっているファイトケミカルは数千種類ですが、実際には数万種類のファイトケミカルがあるのではないかといわれています。
 
ファイトケミカルに関する研究が始まったのは1980頃と、まだ歴史は浅いのですが、すでに次のような多くの健康効果が報告されています。
 
【ファイトケミカルの健康効果】
1、活性酸素の除去
2、傷ついた細胞【遺伝子】の修復
3、がん細胞の増殖防止【がん予防】
4、感染症に対する抵抗力の強化
5、免疫力を高める
6、記憶量、集中力の強化、アルツハイマーの予防
7、老化防止
 
こうしたすばらしい働きをもつファイトケミカルのほとんどは、植物性食品に含まれるのですが(タウリンなど魚介類に色素として含まれるものもある)、その生成過程には「日光」が深く関係しています。
 
植物は動物のように自らの意志で移動することはできません。
強い紫外線にさらされても、虫にたかられても、じっとそこに耐えなければならないのです。
そのため植物には、強い紫外線を浴びてもやけどをしないように紫外線を吸収し無害なものに変える物質や、害虫に食べられないように虫の嫌う物質が生成されるようになっているのです。
その生成される物質が、ファイトケミカルです。
 
つまり、生成を誘発する刺激としての紫外線が少なければ、ファイトケミカルの生成も十分には行われないということです。
だから日光や風雨、害虫といった外的刺激を遮るビニールハウスで育った植物は、十分に刺激を受けた露地栽培の野菜よりもファイトケミカルの量が少なくなってしまうのです。
 
たしかに、ハウス栽培された日本の野菜と、露地栽培されたアメリカの野菜を比べると、色も香りもアメリカのもののほうが強く感じられます。
キューリもピーマンもナスも、明らかにアメリカのもののほうが大きく、皮も厚く歯応えがあります。
レタスやホウレン草などの葉もの野菜も、ごわごわした食感がするほど肉厚です。
 
国内の繊細な野菜に慣れた人の中にはアメリカの野菜は食べにくいという人もいますが、私は野菜というのは、本来はそうした力強い食べものなのだと思います。
それに、栄養素もファイトケミカルも、そうしたナチュラルな環境で育ったものの方がはるかに豊富に含まれているのです。
 
抗酸化物質は、私たちの体の中でも作られますが、エンザイムと同じように、新鮮な食品から摂ることは、体の負担を減らし健康維持に役立ちます。
ですから、できるだけ太陽をいっぱい浴びた健康な野菜を選ぶようにしてください。
ファイトケミカルが豊富な野菜は、エンザイムも間違いなく豊富なよい食品です。
 
ハウス栽培かどうか見ただけで野菜を区別することは難しいのですが、旬の野菜を選ぶようにしていれば、自然とハウス栽培のものは避けることができます。
 
 

 

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生命の農と食を考える
L A F 健農健食研究所 ラフ
L ife A griculture F oods

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池田 優

 

 

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