山ちゃんの食べもの考

 

 

その206
 



食は生命なり
「生命なきは食にあらず」とも云われますが、
人は多くの生命を頂く事で生かされている。
植物の生命も動物の生命も微生物の生命も、
土の生命も水の生命も空気の生命も、
すべての生命がつながって生かされている。
そんな「共生」の世界で生かされている。
「人は何を食べるのかによって決まる」とも云う。
肉体的な健康、長寿のみならず、
知性、思想、性格までをも決すると。
その食べ物の作り方、その食べ物の商いほう、
その食べ物の選び方、買い方、食べ方は、
その人の生き方、その考え方そのものであると。

                                   
(山ちゃん)
『食は生命なり』 【62】  『食は生命なり』と「新谷弘実」 その29
新谷弘実著
『病気にならない生き方』 2 実践編 より その10
 
第3章 病気にならない食生活 の5
 
●私が電子レンジに抱く「一抹の不安」
 
多くの人がうすうす気づいている「食の危険」はまだほかにもあります。
その一つが電子レンジです。
 
今では電子レンジのない家庭はないのではないかと思うほど、日本の家庭には電子レンジが普及しています。
電子レンジは短時間に簡単に食品を温めることができるので、忙しい現代人にはとても便利な道具です。日々のちょっとした温めものや、野菜の下ごしらえなどに活用している人も多いことでしょう。
しかし、そこに危険が潜んでいることは、ほとんど語られることはありません。
 
電子レンジの仕組みを簡単に述べると、超短波の電磁波を発生させ、それを非加熱物に照射することで、非加熱物内部の水分子を振動させ温めているということになります。
つまり、電磁波で食べものの中の水分子が激しく振動(秒速2万回ともいわれている)させられることによって、内部から温まっているということです。
 
電子波が人体に悪影響を及ぼすことは広く知られています。
そのため電子レンジや電磁調理器など、使用時に電磁波が発生する調理危機に対しても、外部に放出される電磁波の危険性が指摘されています。
 
しかし、そうした危険は、電子レンジメーカーが、本体から電磁波がもれないよう工夫することで解決できると思っていませんか?
 
でも、私がここで取り上げたいのは、こうした外部に漏れる電磁波の危険ではなく、電子レンジで加熱された食品そのものの危険です
この危険性を実感していただける方法として、一つの実験があります。
 
それは、電子レンジで沸騰させた水と、普通にヤカンで沸騰させた水を同じ植物に与えるというものです。
最近ではインターネットでも同様の実験結果が写真入で掲載されていますが、電子レンジで加熱した水を与えられた植物は、数日で枯れてしまうそうです。
この実験結果は、電子レンジで過熱されたものには、もう「命を養う力」は失われていることを示すものです。
 
電子レンジに使われているマイクロウェーブとは、放射線の一種です。
放射線は医療の現場でも「放射線治療」などで使われているので、使い方さえ間違えなければ怖くないと主張する人もいますが、安全が確認されているはずの放射線治療においても、激しい副作用があるのは広く知られています。
 
それに短時間で加熱できるというのは、電子レンジの最大のメリットでもありますが、なぜこれほど短時間で加熱できるのかというと、自然界ではありえない速度での振動が物質内部で生じているからです。
 
この自然界ではありえない状態に細胞や遺伝子が耐えられるという保障はありません。放射能汚染が遺伝子を破壊するように、マイクロウェーブの照射を受けた食物の遺伝子が傷ついている危険性はかなり高いと考えられます。
 
現在、さまざまな国で電子レンジにかけられた食品の安全性が研究されていますが、まだはっきりした結果は出ていません。
しかし、安全だという保証がないのも事実です。
 
私が現段階でいえるのは、電子レンジで加熱するとエンザイムが失われるということです。安全性がはっきりしない以上、電子レンジを調理に使うのはお勧めできません。
 
我が家にも電子レンジはありますが、ごくたまにしか使いません。
ご飯を温めなおすときも蒸したり、密閉容器のままボイルしたりしています。ちょっと時間はかかりますが、電子レンジよりふっくらとおいしく温まります。
 
もちろん、煮たり焼いたりしてもエンザイムは失われますが、単なる熱で壊されたエンザイムと、分子レベルで損傷させられたエンザイムでは、その「情報力」が違うのではないかと私は考えています。
 
見た目は変化しないので、電子レンジにかけられた食品の危険性は実感しにくいのですが、十分に考慮しなければならない問題だと思います。
 
 
●白砂糖は「恐ろしい食品」である
 
皆さんはご家庭でどのような砂糖を使っていますか?
真っ白な上白糖は料理の色がきれいに仕上がり、クセもないので愛用しているという方も多いのはないのでしょうか。
 
でも実は、白い砂糖は人間の身も心も蝕む恐ろしい食品なのです。
先ほど精製された食塩は体によくないというお話をしました。
それは、ナチュラルな状態であれば入っているはずの微量栄養素が失われているからでしたが、実はこれと同じことが「白砂糖」においても行われているのです。
 
ひと口に「砂糖」といっても、実際にはいろいろな種類があります。
原料のサトウキビをしぼって加熱したものだけが「黒砂糖」。
それをさらに結晶と蜜に分離し、精製して結晶の純度を高めたものを「精製糖」といいます。精製糖はさらに、「車糖」「ざらめ糖」「加工糖」に分かれます。
 
私たちが普段使っている「上白糖(白砂糖)」や「三温糖」は車糖に含まれます。
ざらめ糖は「グラニュー糖」や「白ざら」、加工糖には「角砂糖」や「氷砂糖」「粉砂糖」が含まれます。
 
ちなみに、高級和菓子に使われている「和三盆糖」は、日本古来の製法で結晶と蜜を分離させたもので、一般の精製糖には含まれません。
 
多くの人はこうしたさまざまな砂糖の成分の違いをほとんど意識していませんが、成分を見比べてみると大きな違いがあることがわかります。
 
皆さんは、甘いジュースや甘いお菓子ばかり食べていて、「甘いものばかり食べ過ぎると骨が溶ける」と叱られたことはありませんか?
実はこれは本当なのです。
 
白い砂糖を摂り過ぎると、体内のカルシウムは失われていきます。
では、なぜ白い砂糖を取りすぎるとカルシウムが失われてしまうのでしょう。
それは、白砂糖が酸性の食品だからです。
 
もっともシンプルな製法で作られた黒砂糖は、弱アルカリ性の食品です。
しかし、精製過程でビタミンやミネラルなどの微量栄養素を失った砂糖は酸性を示します。
 
人間の体内は、基本的に弱アルカリ性です。
そのため酸性の食品が大量に体内に入ると、中和するために体内のミネラル分が使われます。このとき最も多く使われるのが、カルシウムなのです。
 
白砂糖の場合、カルシウムがほとんど含まれていないので、必要なカルシウムは体内の骨や歯を溶かして供給されます。
これが甘いものを摂ると虫歯になったり、歯が弱くなるメカニズムです。
 
しかし問題はこれだけにとどまりません。
人間の体内におけるカルシウムとリンのバランスは1対1が理想なのですが、体内環境の中和にカルシウムが使われると、このバランスが大きく崩れます。
 
人間の体の中には、体重の約2%のカルシウムがありますが、その99%は骨や歯の中にあります。
残りの1%が血液や細胞内にあるのですが、それがほんの少し(1%の1%ほど)でも不足すると、人間はイライラしたり心の均衡を崩してしまうのです。
イライラしたときにカルシウムの豊富な小魚を食べるといいといわれるのは、このためです。
 
また、白砂糖は糖分の吸収がとても早いので、血糖値が急激に上昇します。
そのためインシュリンが大量に分泌され、ホメオスタシスの機能が充分でない子供などは低血糖を引き起こしやすくなります。
そして低血糖が続くと、今度は血糖値を上昇させようとしてアドレナリンが放出されます。
 
アドレナリンは神経伝達物質の一つで、興奮したときに大量に血液中に放出されるホルモンです。
エネルギー代謝を高めるなどよい効果もあるのですが、出過ぎると脳のコントロールが聞かなくなり、「キレる」原因となってしまいます。
 
アメリカでは子供たちにキャンディーなど甘いものをあげすぎると、「シュガーハイになるからやめなさい」とよくいいますが、アメリカではすでに、白砂糖を多く含む菓子類をたくさん食べる子供は「集中力がなく、思考力も減退し、短気でイライラしやすい」ということがほぼ常識となっているのです。
 
最近の子供たちは「キレやすい」といわれますが、その原因の一つは精製糖の過剰摂取にある、と私は考えています。
 
さらに、糖類は体内で分解されるときに、ビタミンB1を消費しますが、白砂糖にはビタミンがほとんど含まれていません。
そのため、ビタミンBの摂取が少ないと欠乏症を起こし、疲労やめまい、貧血、うつ、短気、記憶障害といった、さまざまなトラブルも招いてしまいます。
 
白砂糖がいかに恐ろしい食品であるかお分かりいただけたでしょうか。
砂糖はお菓子類や日々の料理に使われるだけではなく、市販のペットボトル飲料にも多く使われています。
 
500ミリリットルのペットボトルのジュースや炭酸飲料1本に含まれる砂糖の量は約30グラムもあります。
これは、健康な食卓における1日の砂糖の摂取量の目安とされている20グラムを上回る量です。
 
つまり、家庭で一切白砂糖を使っていなくても、ペットボトルのジュースを1本飲んだだけで、砂糖の過剰摂取になってしまうということです。ですから、家庭で白砂糖の使用をやめるとともに、市販のジュースは飲まないように心がけることが大切です。
 
白砂糖に変わるものとしては、黒砂糖やはちみつ、天然のメープルシロップなどをお勧めします。これらは天然のミネラルを多く含んだよい食材です。
 
 
●『白い食品』は「体に良くない食品」と考えよ
 
ここまで読んで、よくない食品に一つの共通点があったことにお気づきでしょうか?
精白穀物、精製塩、精製糖・・・・・・。
そう、体に良くないのは、すべて精製された「白い食品」なのです。
 
精製することによって、食品はナチュラルな形を失います。
これは「命」を失うことにほかなりません。
食品はナチュラルであればあるほど生命力をもったよい食品といえます。
 
しかし、精製していなくても「白い食品=体に良くない食品」となっているものもあります。それは「漂白」された食品です。
 
多くの人は白く、見た目の美しい食品を好みます。
そのため、ちょっと鮮度の落ちたもの、酸化して色が濃くなったもの、ナチュラルなままでは茶色く美しくないものは、漂白されて売られていることが多いのです。
 
市販されているかんぴょうやこんにゃく、かまぼこにはんぺん、タケノコなどには、本来は真っ白でないのに薬品によって白く漂白されているものがたくさんあります。
 
漂白に使われる漂白剤は化学薬品です。
そのうえ、ほとんどの漂白剤には殺菌成分が含まれているので、漂白された食品を食べることは、腸内細菌にダメージを与えることにもつながります。
 
砂糖は、成分表を見るまでもなく、色の濃いものの方が、微量栄養素が多く含まれていることがわかります。
塩もよい塩は真っ白ではありません。
豆腐もナチュラルな色は淡いクリーム色です。
玄米も雑穀もすべて色がついています。
 
自然界には真っ白な食品はないのです。
だいこんは真っ白ですが、全体食を基本とするなら葉の部分の「緑」が入ります。
 
このように、難しいことを考えなくても、いちいち成分表を調べなくても、真っ白い食品を避け、ナチュラルな色、ナチュラルな形(=全体)をしたものの中から鮮度のいいものを選ぶように心がければ、自然と悪いものは排除していくことができると思います。
 
基本的には人間が手をかけていないフレッシュな食品が体にいい食品ということができます。
しかし、例外もあるます。人間が手をかけることによって、体にいい「生きた食品」になっているものもあるのです。
 
その代表は」醗酵食品です。
醗酵とは、酵母などの菌類や、乳酸菌などの細菌の働きによって、有機化合物を分解し、アルコールや乳酸菌、炭酸ガスを生成する過程のことです。
こうした醗酵の過程は、じつは腐敗と同じです。
つまり、腐敗の中で、とくに有用な場合を「醗酵」と呼んで区別しているのです。
 
つまり、醗酵食品が生きた食べものとなっているのは「微生物」のおかげなのです。
私たちの体の中の腸内細菌がたくさんのエンザイムを作っていてくれているように、醗酵食品に使われる微生物たちも多くのエンザイムを生み出しています。
その豊富なエンザイムが含まれているから、醗酵食品は「生きた食べもの」なのです。
 
醗酵食品は世界中にあります。
ヨーグルトやチーズは牛乳を乳酸菌が醗酵させたものです。
韓国の辛い漬物キムチも、イワシの漬物アンチョビも発酵食品です。
 
日本にも、味噌、しょうゆ、納豆、お酢、糠漬けなど、伝統的な醗酵食品がたくさんあります。
郷土料理である鮒ずしやくさや、塩辛や豆腐、お酒では日本酒やワイン、ビールなどが醗酵によって作られています。
 
醗酵食品で一つ注意しなければならないのは、醗酵食品のすべてが体にいいわけではないということです。
 
では、よい醗酵食品かどうかはどこで見分ければいいのでしょう。
ポイントは2つあります。
1つは原材料が動物食か植物食かということです。
植物を原材料とする醗酵食品は、ほとんど体に良いと考えることができます。
 
ダイズを原料とする味噌やしょうゆ、納豆も豊富なエンザイムを含むよい食品です。
お米の中でも微量成分を豊富に含む糠を使っている糠漬けは、微量成分の摂取につながります。
 
ちなみに、私の家では「糠」か、ときおり玄米そのものを粉にした「リブレフラワー」を使った「リブレ床」で漬け物を作っています。
糠漬けと同じ要領ででき、全体食にもつながるので試してみてはいかがでしょうか。
 
ヨーグルトやチーズは健康食品だといわれていますが、前著で詳しく述べたように、牛乳を原料としているので、好きな人はときどき少量食べる分にはよいでしょうが、週一、二回以上食べることはしないほうがよいと私は考えています。
 
動物食を原材料としていても塩辛やアンチョビなど魚介類であれば、取りすぎなければ、エンザイムの補充につながるので問題はありません。
 
もう1つのポイントは、アルコールが含まれているかどうか、ということです。
ビール、ワイン、日本酒などの原材料は、それぞれ小麦、ぶどう、お米と植物食なのですが、醗酵によって作り出されたアルコールを含むものは、体の中でアルコールを分解しなければならないのでよい食品だとはいえません。
 
ちなみにお酢のように、製造過程でアルコールが完全に分解されているものは、とってもエンザイムを消耗することはありません。
 
醗酵食品を購入する場合、とくに味噌や醤油で絶対にやめていただきたいのが、「減塩」の表示のついているものです。
 
塩分の摂りすぎが高血圧を招いていると信じられているため、日本では「減塩」と銘打った調味料が「健康によいもの」として売られています。
しかし、味噌やしょうゆは適度な塩分があるから腐らないですむものです。
つまり、塩分を控えるということは、それだけ腐りやすくするということです。
 
しかし、腐りやすい商品は売れません。
そこで登場するのが防腐剤です。
減塩と名のつく商品のほとんどに「防腐剤」が使われています。
 
防腐剤が使われているかどうかは、味噌やしょうゆがかびるかどうかでわかります。
夏の暑いときに出しっぱなしにしておいてもかびないような味噌・醤油には間違いなく防腐剤が入っています。
 
昔から味噌・醤油にできるカビは無害だと知られています。
カビが生えても、その部分だけ取り除けば、味噌も醤油も使うことができます。
カビが生えないような醗酵食品は、命を育む力のない「死んだ食品」です。
 
それに、本当によい塩を使い、伝統的な手法で醗酵させた味噌や醤油は、塩分が強くても決して高血圧を招くことはありません。
 
醗酵食品は、人類の知恵が詰まったとてもすばらしい「生きた食品」です。ぜひ上手に日々の食品に取り入れていただきたいと思います。
 
 

 

ごらんいただいたことを大変ありがたく感謝します。

 

生命の農と食を考える
L A F 健農健食研究所 ラフ
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池田 優

 

 

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