山ちゃんの食べもの考

 

 

その207
 



食は生命なり
「生命なきは食にあらず」とも云われますが、
人は多くの生命を頂く事で生かされている。
植物の生命も動物の生命も微生物の生命も、
土の生命も水の生命も空気の生命も、
すべての生命がつながって生かされている。
そんな「共生」の世界で生かされている。
「人は何を食べるのかによって決まる」とも云う。
肉体的な健康、長寿のみならず、
知性、思想、性格までをも決すると。
その食べ物の作り方、その食べ物の商いほう、
その食べ物の選び方、買い方、食べ方は、
その人の生き方、その考え方そのものであると。

                                   
(山ちゃん)
『食は生命なり』 【63】  『食は生命なり』と「新谷弘実」 その30
新谷弘実著
『病気にならない生き方』 2 実践編 より その11
 
 
第3章 病気にならない食生活 の6
 
●マーガリン、牛乳、ヨーグルトの代わりになるもの
 
前著の反響で最も多かったのが、「乳製品や動物食がよくないことはわかったけど、じゃあ何を食べればいいの?」というものでした。
 
たとえば、毎日パンにマーガリンを塗って食べていた人は、その代わりに何をつければいいのかわからなくなってしまったというのです。そこでここでは、少し細かな話になりますが日常の食事の工夫についてお話したいと思います。
 
(パンに塗るもの)
まず例に挙げたマーガリンに代わるものですが、バターも動物由来のトランス脂肪酸なので避けたほうがいいでしょう。
 
お勧めできるのは「はちみつ」や「メープルシロップ」、質のいい「ピーナッツバター」。ゴマやカボチャの種から作ったペーストも酸化にさえ気をつければ良質のシス脂肪酸とビタミン・ミネラルが取れる良質の食品です。
 
ジャムが好きな人は、白砂糖を使わず、甘さを控えた手作りジャムであれば大丈夫です。
これらのものをパンにつけるときは、使う分だけ小皿にとって使うようにしましょう。
 
良く食卓の上に保存容器のまま蓋を開けっ放しにして使う人がいますが、酸化を早めてしまうのでやめてください。
容器は密閉できるものを選び、蓋の開閉も最小限度にすればそれだけ酸化を防ぐことができます。
 
はちみつやメープルシロップは、質のよいものは安くはありませんが、安売りされるものには糖類が混ぜてあるニセモノがあるので、表示を見て質のよいものを選んでください。
 
(サラダドレッシング)
サラダに使うドレッシングも、市販のものは避け、手作りすることをお勧めします。
手間も暇もかからないものには、必ず添加物や保存料が入っていると思ってください。
 
私が良く作るのは、昆布ダシをきかせたノンオイルドレッシングです。
作り方はかんたん。
濃いめの昆布だしに本醸造のみりんとバルサミコ酢を加え混ぜ合わせるだけですが、とてもおいしいのでぜひ確かめてください。
 
他にもカツオダシと醤油をベースとした基本の「醤油だれ」を作っておくと、練りゴマを加えて「ゴマだれ」にしたり、ショウガやニンニク、長ネギなどを刻んだものを加えて「香味だれ」にしたり、豆板醤を加えて「ピリ辛だれ」にしたりといろいろな応用がきくのでとてもべんりです。
 
(牛乳、ヨーグルトの代わりに)
牛乳・ヨーグルトは過酸化脂質(錆びた脂)を含む動物由来の食品の中でも、腸相を悪化させやすい、とくに避けたいものの一つです。
 
とくに日本人は「乳糖不対症」といって乳糖を分解する酵素をほとんどもたない人が多いので、できるだけ摂らないほうが安全です。
 
牛乳の代わりになるものとしては、植物由来の豆乳がよいでしょう。
豆乳はホワイトシチューやグラタンなど、牛乳を使う料理のほとんどで代用することができます。
 
どうしても牛乳の味が好きで飲みたいという人は、超高温殺菌とホモゲナイズされたものを避け、1〜2週間に1回程度に控えましょう。
 
ヨーグルトは乳酸菌が豊富なので長に言いと信じている人が多いのですが、胃腸内視鏡外科医としてこれまで膨大な数の腸を見てきた経験から、私はまったく別の意見を持っています。
 
ヨーグルトを常食している人に腸相のいい人はいないことを考えると、ヨーグルトが腸にはよいとはとても思えないのです。
 
ですから、乳酸菌を取りたいのなら、ヨーグルトではなく、自家製の糠漬けやキムチなど乳酸菌による醗酵食品を摂ることをお勧めします。
ヨーグルトの味や食感が好きな人は、豆乳を使った「豆乳ヨーグルト」がお勧めです。
 
 
●動物食のとり方にはコツがある
 
動物食は、全体の10〜15%なでに抑えれば、それほど心配はいりません。
15%といわれても良くわからないという人とは、1日あたり100グラム程度と考えていただければいいでしょう。
 
とはいえ、やはり含まれる脂肪分の性質の違いを考えれば、牛、豚、鶏などの「肉」よりも「魚介類」で摂るほうがよいというといえます。
 
体温が人間より高い動物を食べた後、生きた血液を顕微鏡で調べると、5、6時間から12時間ぐらい血液が固まっている状態が続く場合があります。
 
ですから、高血圧、高脂血症、糖尿病、肥満(メタボリック・シンドローム等)のような異常のある人は動物食としては魚介類を選んでください。
また、魚介類は肉類よりも全体食がしやすいというメリットもあります。
 
小魚や小エビはカルシウムなどのミネラルを豊富に含むとてもよい食品です。
とくに成長期の子供や妊娠中の女性は、どうしてもカルシウムが不足しがちなので、毎日1、2回は積極的に摂取しましょう。
また海藻類も毎日食べるようにしてください
 
シラスやジャコのような小魚であれが、魚の骨を嫌う子供も抵抗なく食べることができます。
干物などの「酸化」が気になる食品でも全体食であれば、食品が持つカルシウムが中和してくれるので活性酸素の発生を抑えることができます。
 
イリコなど、少し大きい干し魚もミキサーで粉砕し、スープ・チャーハン・パンケーキなどと混ぜ合わせて食べてみるのもよいでしょう。
 
カツオやマグロなどの赤身の魚は、鉄分が多いので体によい反面、とても酸化しやすいので、調理にちょっとした気を使うことが大切です。
まずマグロやカツオはできるだけ大きなサク(ブロック)で購入し、刺身であれば食べる直前にカットするようにしましょう。
 
あらかじめカットした刺身も売られていますが、空気にふれている時間が長いので酸化している危険性が高くお勧めできません。
カットする際に、少々もったいないようですが、空気にふれていた周りの部分をすべて取り除くと、さらに安全な食品になります。
 
いかやタコはコレステロールが多いからと敬遠する人もいますが、実はこれは誤解です。
いかやタコに含まれているのは「ステロール」という成分で、いわゆる悪玉コレステロールとはまったく別物です。
 
それどころか、イカ、タコ、かに、エビ、貝に多く含まれる「タウリン」というアミノ酸は、血液中のコレステロール値を低下させるよう成分であることがわかっています。
ただし、いかやタコは弾力が強くかみにくいので、調理するときに小さめにカットし、良くかんで食べるようにしてください。
 
そのほか、青魚も、DHAやEPAといった良質の魚油である不飽和脂肪酸を多く含んでいるので、よい食べものといえます。
こうした魚介類の「はらわた」にはビタミンやミネラル、そしてエンザイムも豊富なので、できるだけ鮮度のよいものを選び、はらわたも一緒に食べるようにしましょう。
 
動物食は魚介類だけでも十分なのですが、やはり肉も食べたいというのが正直な気持ちでしょう。
ですから私は、患者さんたちに1、2回ほどに控えるように指導しますが絶対に食べてはいけないとはいいません。
 
しかし、魚介類よりリスクは高いのですから、食材選びには十分な配慮をするようにしてください。
 
まず大切なのは、フレッシュなもの、酸化していないものを選ぶことです。
酸化していないものを食べるには、刺身と同じように肉もブロックで購入し、食べる直前に自分でカットするのがベストの方法です。
 
自分でカットするのが難しいという人は、お肉屋さんに頼み、目の前でカットしたものを購入し、その日のうちに食べるようにしましょう。
アメリカでは肉もハムなどの加工品も、注文してから目の前で切るのが普通です。
 
実は、この目の前でカットしてもらうという方法には、酸化を防ぐということと同時に、もう一つ大きなメリットがあります。
それは、「防腐剤」や「発色剤」の添加を免れるということです。
 
スーパーなどで売られているスライスされた肉は、とてもきれいな色をしています。
カットしてから何時間も店頭に並べていたはずなのに、なぜ茶色く変色しないのでしょう。
そう、パック詰めされるときに添加物がふりかけられているからなのです。
 
買ってきた肉を使おうと思ったら、表面はきれいなのに、肉同士が重なっていた部分だけ茶色く変色している。そんな経験を皆さんもしているのではないでしょうか。
それは、重なり合っていた部分だけ防腐剤・発色剤がかからなかったから酸化して変色しているのです。
 
本来なら、表面に出ている部分のほうがより多くの空気にふれているのですから、表面が茶色くなり、重なり合った部分がきれいな色をしているはずです。
それが逆転しまうのは、表面に添加物が噴霧されているからです。
 
次に大切なのは、どのように飼育された動物の肉なのか、ということです。
その一つの目安になるのが「値段」です。
 
たとえば牛肉なら、あまり安いものは、防腐剤や発色剤が使われている可能性が高いので避けたほうがいいでしょう。
でも、誤解しないでいただきたいのですが、何も松坂牛や神戸牛を選びなさいといっているわけではありません。
問題は、健康な生活を送っていた牛かどうか、ということです。
 
安い牛肉は、たいていの場合、狭い牛舎の中でろくな運動もさせてもらえず、エサは生命力を持たない配合飼料を食べて育った牛の肉です。
 
狭い牛舎の中で病気が出るといけないからと抗生物質を常用していたかもしれません。そのような肉に保存料や発色剤がかけられていたとしたら・・・・・・、それはもう食品といえるものではありません。
 
理想は、自然放牧で、農薬のかかっていない牧草を食べて育った牛です。
そういう牛の肉は霜降りの肉でもなく、筋肉が発達しているので少しかたいかもしれませんが、本当はそういう肉の赤身の肉をよくかんで食べるのが、体には最もいい動物食の食べ方なのです。
 
 
●「おなかがすいた」は健康のバロメーター
 
よい食品を選ぶとともに、「規則正しい食習慣」を身につけることも、健康維持にはとても大切なことです。
 
規則正しい食事をしてくださいというと、多くの人は、朝7時に朝食、12時になったら昼食、そして15時になったらおやつやフルーツを食べて夕方の6時ごろに夕食をとるというように、時間を決めて食事をしようとします。
 
こうした試みも一概には悪いとは言えないのですが、大切なのは「きちんと空腹を感じてから食事をする」ということなのです。
 
空腹を感じていないのに時間が来たから食事をするというのは、決していいことではありません。
胃腸が健康であれば、食後3〜4時間ほど経過すると食べものが消化され、「おなかがすいた」と感じます。
 
ですから、健康な人というのは、時間を決めて食事をしているのではなく、自分の空腹感に素直に反応していった結果が、ほぼ決まった時間に食事をするという規則正しい食生活になっているということなのです。
 
大切なのは時間を決めて食事をするということではなく、胃腸をいつも決まった時間におなかがすくような健康な状態にしておくことなのです。
 
もしもあなたが、胃が空っぽになっているはずなのにまったく空腹を感じないということであれば、かなり胃腸が弱っている、つまりエンザイムが不足だと考えなければなりません。
 
とくに、朝目覚めたときに空腹を感じないという人は、ボディ・エンザイムがかなり不足していると思ったほうがいいでしょう。
 
「おなかがすいた」という感覚は、実は「健康のバロメーター」なのです。
 
逆に、食べても食べても飢餓感があり、ついつい食べ過ぎてしまうという人も、やはりエンザイムが不足しているのです。
 
このような人たちにもっとも効果のあるのは、「よくかむ」ことです。
空腹を感じない人は、良くかむことによって、胃腸の負担を減らすことができるので、ボディエンザイムの節約に効果があります。
 
食べ過ぎる人は、「良くかむことによって消化・吸収がよくなるので、それでうまく取り込めなかった栄養素をきちんと吸収できるようになります。
 
食べても食べても治まらない飢餓感があるというのは、体が必要としている栄養素がきちんと摂れていないために起きる反応なのですから、食べものがきちんと吸収されれば過剰な飢餓感はなくなります。
 
かむ目安としては、最低でも30〜50回、かたいもの、消化の悪いものであれば70回ぐらいかむようにしましょう。
ドロドロになり、もう歯に当るものが何もなく、自然とのどから入っていってしまうぐらいまでかむのが理想です。
 
食事の時間についても、もう一つ心がけていただきたいのは、食事は太陽の出ている間に済ませるということです。
とくに夕食の時間には注意していただきたいと思います。
 
現代人、とくに働き盛りの人は、仕事などでついつい夕食の時間が遅くなりがちです。残業が終わって家に帰るともう9時過ぎ、それから夕食という人も珍しくないでしょう。
 
しかし、前著でもふれましたが、夕食は寝る5時間前ぐらいまでに済ませることが必要です。寝るときに胃に食べ物が残っていると、寝ている間に逆流が起き、肺炎や睡眠無呼吸症候群を招く恐れがあります。
 
そこまで深刻な状態にならなかったとしても、胃に食べ物が残ったまま寝ると、胃がもたれ睡眠の質が悪くなり、体の疲れを取りきることができないので、慢性的な疲労を感じるようになるでしょう。
 
ですから夕食は、できれば6時、遅くとも7時過ぎぐらいまでにすませるよう工夫を考えていただきたいと思います。
 
こうしたお話をすると、夜遅く自宅で玄米中心のきちんとした食事をするのと、早い時間に一般的な外食で済ませるのとどちらが体にいいのでしょう、ときかれることがあります。
 
こうした選択は、一見究極の選択のように思われますが、難しく考える必要はありません。
家庭にきちんと夕食が用意されているなら、それをお弁当にしてもらうか、家とオフィスが近ければ、仕事の合間に食事をしにいったん家に戻ってもいいでしょう。
 
外食をするのであれば、お蕎麦屋さんや和食の店に入る。
最近は自然食レストランも増えているので、そういうところを選べば問題ありません。
よい店がない場合は、行きつけの店に頼んで、玄米メニューを作ってもらうという方法もあります。
 
ぜひ、ご自分のライフスタイルや環境に合わせて、続けられる方法をいろいろ考えていただきたいと思います。
 
 
●『胃腸の声』を無視する人は病気になる
 
「動物食は極力避けてください」
「乳製品はやめましょう」
「搾った油はトランス脂肪酸になっていることが多いので、天ぷらや揚げ物は月に一度くらいにしてくださいね」
 
私のこうした話を聞くと、患者さんのなかには「食べる楽しみがなくなってしまう」と、悲しそうな顔をする人もいます。
 
でも、そうしたネガティブな考え方は、自分を不幸にするだけです。
食べたいものを食べたいだけ食べることが本当に「食べる楽しみ」なのでしょうか?
 
読者の方には、もう少し深く、食事と健康について考えていただきたいと思います。
食事は私たちにとって、生きるために絶対に必要なものであると同時に、大きな楽しみの一つでもあります。
 
若いときに読んだSF小説に、未来の食事はすべての栄養素が詰まった錠剤になっているというものがありましたが、どれほど文明が進化したとしても、人間はそんなことはしないと思います。
 
目で楽しみ、花で香りを楽しみ、舌で味わい、満腹感を覚えるという喜びは何ごとにも変えがたいものです。
 
しかし、いくら大きな喜びだといって、快楽だけを常時追求するのはやはりよくありません。そのも快楽は、目や舌や脳といった、私たちの一部だけが感じているものだからです。
その快楽の陰で、胃腸は大変な苦しみを背負わされているのです。
 
おいしいステーキをたくさん食べたとき、胃腸がどれほどがんばってそれを消化しているのか。そのためにどれだけ多くのエンザイムが使われているのか。
そのことに想いをはせてください。
 
胃腸の苦しみを無視しつづけると、最後にその大きな代償が必ず回ってきます。
 
「病気」は、体への思いやりをもたず、胃腸の声を無視し続けた代償なのです。
 
大切なのは、食事を楽しむ「心」と、食事を生命エネルギーに作り変える「体」とのバランスだと私は考えます。
 
食事はおいしく、喜びを感じられるものでなければなりません。
しかし同時に、体を養うに足る生命エネルギーに満ちたものでなければなりません。
 
この二つは決して矛盾するものではありません。
本来生命にとって、おいしさを感じるものというのは、体にいいものであるはずだからです。
 
しかし、幼いころから添加物入りの食事をしてしまっていると、体に良くないものでも「おいしい」と感じてしまうようになります。
これは添加物による一種の味覚破壊です。
 
本書を読んで、自分はエンザイムを含まない死んだ食品をおいしいと感じているな、と思ったら、過去の食事を反省し、体を思いやった食事を心がけてください。
 
半年から1年、エンザイム・セラピーに基づく食事法を続けていると、あなたの本来の味覚、エンザイムをおいしいと感じる味覚がよみがえります。
 
ただし、嫌いなもの、まずいと感じるものを、体にいいからと無理して食べる必要はありません。
人の体は一人ひとり違うからです。
ボディ・エンザイムの量も、特定の食品に対する耐性も、遺伝子のON/OFFの状態も一人ひとりみな違います。
 
小さいころから牛乳が大好きで、大人になっても飲みつづけているのになんともないという人もいれば、たまに飲むだけなのに、すぐに腸相を悪化させたり、病気になってしまうという人もいます。
 
私の臨床データでも、とても面白い結果が出ています。
私が集めてきた「食歴調査」のデータによると、牛乳が原因で腸を患うという人というのは、子供のころに牛乳が好きでなかった人、大嫌いだったことがほとんどなのです。
 
好きじゃないのに学校給食で強制的に飲まされ、家庭でカルシウムが豊富なんだから好き嫌いを言わないで飲みなさいといわれ、そうやって飲みつづけた結果、アトピー、クローン病や潰瘍性大腸炎、関節炎になってしまった人を私は何人も見てきました。
 
ですから、嫌いだというものを無理に食べるように指導することは一切しません。
とくに子供の好き嫌いを無理に治す必要はないと考えています。
嫌いなもの、おいしいと感じられないものは、その人にとってよくない食べものであるケースが多いからです。
 
体はとても正直です。
体に良いものは「おいしい」と感じますし、体に悪いものは「まずい」と感じます。
これは一種の自己防衛システムで小さい子供にとくに多く見られます。
 
ただし、それがその食品に含まれる本来の成分を「まずい」と感じているのかどうかを見極めることは必要だと思っています。
それを確かめる最もよい方法は、できるだけよい食品をまず食べさせてみることです。
 
最近は野菜嫌いの子供が多いのですが、それは、野菜が嫌いなのではなく、野菜に含まれている化学肥料や農薬を「まずい」と感じている可能性が高いと私は感じています。
 
その証拠に、無農薬で有機栽培された本当によい野菜を食べさせると、ほとんどの子供がおいしいといって、嫌いだったはずの野菜を食べてくれます。
もし、お子さんのいる家庭で、野菜嫌いで困っているという方は、ぜひ一度本当にいい野菜を食べさせてあげてみてください。
 
本当に良質な食品を食べても「まずい」と感じるようなら、そこにはその人の体にとってよくない何かがあるのです。
長年にわたり多くの患者さんを見ていると、個人差はとても大きいものだということを痛感します。
 
人は同じ環境に住んでいても、メンタルな部分や、遺伝子の違いなどによって、「健康に悪いもの」に対するキャパシティは一人ひとり違います。
同じDNAをもった一卵性双生児でさえ、誕生からこれまでの過ごし方によって、「キャパシティ」の大きさは変わります。
 
ですから、厳密なことをいえば、気候風土、飲む水の質、自分が受け継いできた遺伝子、現在の環境、生活習慣、精神状態など、さまざまなことをすべて考慮しなければ、本当にその人にとってベストな食事というのはわからないのです。
 
でも、どんな人であっても、どんな環境にあっても、本書で紹介した食事法を守っていれば健康を害することだけはありません。
それだけは、日米30万人の胃腸を、データを取りながらつぶさに見てきた実績から、自信を持って申し上げることができます。
 
しかし、これはあくまでも「基本」です。
これをそのまますべて、一部の狂いもなく実践しなければ病気になるというわけではありません。
 
動物食を週に3日食べても大丈夫な人もいれば、1日でも体調に影響が出る人もいるというのが現実なのです。
そうした個人差については、自分で自分の体の声に耳を傾けながら微調整していただくしかありません。
 
そのときは、食べたいのか食べたくないのかという気持ちだけでなく、それを食べた後の自分の体調、ガスのたまり具合や便の状態など、体からのメッセージに耳を傾けることが大切です。
 
まず「人間にとってよい食事の基本」を知り、そのうえで、自分の好みやキャパシティの大きさを検討するという体の思いやりこそが、食事を楽しみながら健康に長生きするコツなのです。
 
 
 
 
 

 

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池田 優

 

 

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