山ちゃんの食べもの考

 

 

その217
 



食は生命なり
「生命なきは食にあらず」とも云われますが、
人は多くの生命を頂く事で生かされている。
植物の生命も動物の生命も微生物の生命も、
土の生命も水の生命も空気の生命も、
すべての生命がつながって生かされている。
そんな「共生」の世界で生かされている。
「人は何を食べるのかによって決まる」とも云う。
肉体的な健康、長寿のみならず、
知性、思想、性格までをも決すると。
その食べ物の作り方、その食べ物の商いほう、
その食べ物の選び方、買い方、食べ方は、
その人の生き方、その考え方そのものであると。

                                   
(山ちゃん)
『食は生命なり』 【73】
『食は生命なり』と「新谷弘実」 その40
新谷弘実著 『病気にならない生き方』  若返り編 6
《心の若さとみずみずしい体を手に入れる法》
 
第3章 エンザイムパワーを高める方法 1
 
●なぜ、おなかがいっぱいになると眠くなるのか?
 
おなかいっぱい食べた後、私たちは眠気を感じます。
お酒を飲んで酔っ払ったときも眠くなります。
他にも運動した後、仕事で疲れたときなどにも「眠気」を感じます。
 
なぜ眠くなるのでしょう。
人間が生きるためには「睡眠」が必要不可欠ですが、なぜ眠くなるのか、なぜ寝ないと死んでしまうのか、その理由は、一般的には大脳を休ませるためだといわれていますが、正確なところはまだわかっていません。
 
食事したあと眠くなる理由も、食事をすると胃腸に血液が集まり、自律神経が副交感神経優位になり、脳の緊張が解けるからだと一応、説明されています。
 
食後、自律神経にこうした変化が生じることは事実ですが、酔っ払ったり、運動したりしたときにも眠くなることを考えると、必ずしも脳を休めるためということだけが眠くなる理由ではないように思えます。
 
そこで、どのようなときに人間は眠くなるのかということを、エンザイムの視点から見ていくと、とても面白いことがわかります。
 
おなかいっぱい食べた後、お酒を飲んだ後、運動をした後、仕事で疲れたとき、そして夜。
じつはこれらすべてに共通していることがあります。
それは「エンザイムの消耗」です。
 
食事をすると、食べものを消化吸収するためにエンザイムが使われます。
たくさん食べれば食べるほど、使われるエンザイムの量も増えます。
腹八分目だとそれほど眠くならないのに、おなかいっぱい食べると眠くなるのは、エンザイムが消耗するためと考えられます。
 
お酒を飲んだときに眠くなるのは、アルコールを分解・解毒するために、たくさんのエンザイムが消費されるからです。
アルコールに弱い人ほどすぐに寝てしまうのも、アルコール分解エンザイムがもともと少ないため、すぐに枯渇してしまうからだと考えられます。
 
運動で体を動かすのにも、仕事で脳を使うのにもエンザイムは使われます。
激しい運動やハードな仕事をこなしたあとに、強い眠気に襲われるのは、それだけエンザイムを消耗するからでしょう。
 
つまり、消耗したボディ・エンザイム《体内酵素》をリカバー(再生・回復)するために眠くなると考えられるのです。
 
眠ると、私たちの体は、自律神経が交感神経支配から副交感神経支配へと切り替わります。
副交感神経というのは、別名「リラックス神経」と呼ばれるように、リラックスしたときに働く神経です。そして、体温が少しずつ下がっていき、エネルギーの消費量が少なくなります。
 
生物の生命活動には、すべてエンザイムが絶え間なく使われます。
手足を動かすのはもちろん、内臓が動くのにも、脳が働くのにもエンザイムは使われます。
 
たとえば、物を見るとき、見るという行為はもちろん、見た情報を脳で処理するとき、そして、その見たものについて考えるときにもエンザイムは使われるのです。
ですから、目を閉じるだけでも、エンザイムの消費は抑えられます。
疲れを感じたときに、完全に眠らなくても、目をとじて少し横になるだけでも回復した感じが得られるのは、本当にエンザイムがリカバーされるからだと考えると納得できます。
 
長時間目を閉じ、体もほとんど動かさず、呼吸数も少なくなる睡眠時は、起きて活動しているときよりも、エンザイムの消費量がとても少なくなります。
つまり睡眠は、エンザイムの消費を抑えながら、新たなエンザイムを生産するためのものだったと考えられるのです。
 
 
●睡眠は脳を休ませるためだけにあるのではない
 
寝ている間にボディ・エンザイムの保有量がリカバーされるというと、エンザイムは夜の長時間睡眠の間に作られていると思うかも知れませんが、エンザイムが作られるのは、必ずしも夜の睡眠に限ったことではありません。
エンザイムは、つねに作られ、つねに使われています。
 
しかし、ずっと起きて活動していたり、暴飲暴食をしたりするなど、エンザイムを消耗することが続くと、生産量が消費量に追いつかなくなってしまいます。
エンザイムがなければ生物は生きていられないので、定期的にエンザイムの使用を抑える時間帯を作り、エンザイムの生成に専念しようとする。
それが「睡眠」のもつ大きな役割だと私は思います。
 
もちろん、いくらエネルギー消費が落ちるといっても、生命活動が停止するわけではないのでエンザイムは使われつづけています。
 
さらにいえば、副交感神経の支配下にある胃腸などは、起きているときよりも活発に動いています。胃腸が活発に動いているのに、ボディ・エンザイムがリカバーされていくのはなぜでしょう。
ここに胃腸が私たちの健康と若さを担っているといえる大きな秘密があります。
 
健康な胃腸であれば、活発に動けば動くほどミラクル・エンザイム生産能力は高まっていくのですが、それには胃腸の中に住む「微生物」の働きが関係しています。
 
私たちの体には膨大な数の微生物が住みついています。
住みつくというと寄生されているようですが、実際には彼らとの関係は「共生」です。
彼らが働いてくれなければ、私たち人間の体はその機能を全うできないからです。
 
私たちの体の中にいる微生物の数は、体調や環境によって日々変化していますが、それでも何百兆という数は下らないといわれています。
人間の体を構成する細胞の数が約60兆個であることを考えれば、それがいかに膨大な数であるかおわかりいただけるでしょう。
 
私たちの体内でエンザイムを作っているのは、細胞だけではありません。
腸内にいる微生物「腸内細菌」たちも多くのエンザイムを作り出し、私たちの生命活動に寄与してくれているのです。
 
前著『病気にならない生き方A実践偏』で、体内の微生物と細胞の中の遺伝子がコミュニケーションをすることによって、必要なエンザイムが作られている、というお話をしましたが、覚えていらっしゃるでしょうか。
 
つまり体細胞は、いつどんなエンザイムをどれだけ作ればいいのか、エンザイムを生成するのに必要な情報を、腸内細菌とのコミュニケーションによって得ているということです。
そして、両者のコミュニケーションの媒体となっているのが、体内の「水」である可能性が高いことにも触れました。
 
体内に水が不足すると、細胞が必要なエンザイムをきちんと作れなくなる理由は、ここにあるのだと思います。
 
私たちの体を実年齢以上に老化させる原因は「酸化」です。
その酸化にもっとも強力な抗酸化物質がSOD・カタラーゼ等のエンザイムですが、その抗酸化物質であるエンザイムを生成するには、体の細胞内と体の中の常在菌、特に腸内細菌が大きく関わっているのです。
 
よい食品をとり、よい水を充分にとると、腸内環境がよくなり、細胞が潤うので、エンザイム・遺伝子(細胞)・微生物(腸内細菌を含む)という三者の「トライアングル・コミュニケーション」がスムーズになります。
それは、単にエンザイムの生産量が増えるということだけではありません。
より正確な情報がもたらされることによって、質の高いエンザイムが作られると考えられます。
 
睡眠時にボディ・エンザイムのリカバーが行われるのは、他の場所で使われるエンザイムを節約し、その分、ミラクル・エンザイムの生成にエネルギーが使われるためでしょう。
 
睡眠時にボディ・エンザイムのリカバーが行われているというのは、現時点では、私の仮説ですが、いずれ、ミラクル・エンザイムの存在も、睡眠中にエンザイムのリカバーが行われていることも医学的に証明される日が来ると私は信じています。
 
最近は、何でも医学的・科学的に証明されなければ信じないという人もいますが、体のこと、生命に関しては、何よりも体の声に真摯に耳を傾けることが大切だと私は思います。
 
最近、若返りホルモンとして注目を集めている成長ホルモンも、今では寝ている間に分泌されていることがわかっていますが、そのことが医学的に証明されるずっと前から、「寝る子は育つ」といわれていました。
これは寝ている間に成長ホルモンが分泌されることを、昔の人が経験的に知っていたことを意味します。
 
何日も寝不足が続くと、肌がみるみる衰え、老けていくのは、誰もが経験していることですが、これは、睡眠が単に大脳を休ませるためにだけあるのではないことを示しているといえます。
 
よい食事とよい水を摂り、そのうえで、充分な睡眠をとること、それがボディ・エンザイムを回復・活性化し、体の酸化を防ぐ基本だと、体は語っています。
 
 
●高齢者にとって「昼寝」は最高の習慣である
私はもう30年近く、昼食後の昼寝を習慣としています。
最初に昼寝をするようになったのは、あまりにも仕事が忙しく、夜に充分な睡眠をとることができなくなってしまったためでした。
食事をした後、眠気が抑えられず、ラクな体勢でほんの15分から20分、仮眠をとっただけでしたが、体が驚くほど回復したのを感じました。
 
たった20分でと思われるかもしれませんが、上手にリラックスできれば仮眠でも、充分なリカバーを得ることができます。
さらに、昼寝が習慣化していくと、わずか5分でもぐっすり眠り、体をリカバーモードに切り替えることができるようになります。
 
ですから、今では眠いと感じたらすぐに、5分でも10分でも横になって休むようにしています。
忙しいスケジュールの中でも、私が講演活動をこなしたり、音楽やスポーツを楽しんだりすることができているのは、じつはこうした短時間の仮眠を上手に使っているからだと思います。
 
人間は年をとると、長時間眠ることができなくなってしまいます。
なぜ長時間続けて眠ることができなくなるのか、理由はわかっていませんが、お年寄りが夜中に目を覚ましてトイレに行ったり、朝早く目が覚めたりすることはよく知れれています。
おそらく、交感神経と副交感神経が入れ替わるリズムのスパンが短くなっているのでしょう。
そうであればなおさら、昼寝の習慣は健康維持、若々しさの維持に有効です。
 
これは私自身の体験でもあるのですが、昼食後の昼寝を習慣化すると、それが自分自身の生活のリズムとして細胞の中で記憶されるのでしょう。
短時間の仮眠で乗りカバー力がアップするのです。
同じ5分の仮眠でも、普段から習慣化されている人のほうが、回復力が大きいということです。
 
日本人は勤勉な人がとても多く、年をとってからも昼寝を習慣として生活に取り入れている人はあまり多くありません。
しかし、海外では昼寝を生活の中に取り入れている人たちが多くいます。
特に有名なのが、スペインなどで社会的にも認められている「シエスタ」の習慣です。
シエスタの習慣が根付いているのは、午後の外気温が高く、労働には不向きな環境の土地だからです。
体に負担の大きい時間帯には無理をせず休み、エンザイムをリカバーさせてから午後の仕事に備える。
自然の知恵からできた習慣なのだと思いますが、とても体にいい習慣です。
 
最近アメリカでも、仕事の合間に30分程度の短い仮眠を取ることが仕事の効率アップにつながるとして、適度の仮眠をとることを社員に奨励する会社が増えてきています。
こうした仮眠は、コーネル大学の社会心理学者、ジェームス・マース氏にとって「パワーナップ(power nap)」と名づけられ、長くても30分を超えないほうが効果は高いといわれています。
30分を超えないほうがいいというのは、それ以上になると深い眠りに入ってしまい、その人の睡眠のサイクルと合わない時間で起きると、かえってだるさを感じることになるからです。
昼寝から起きたときにだるさを感じるという人がときどきいますが、それは自分の眠りのサイクルと仮眠の時間が合っていなかったことを示しています。
 
昼寝や仮眠はエンザイムのリカバーにはとても有効です。
ぜひ、皆さんも生活の中に、上手に昼寝を取り入れて、エンザイムのリカバーを高めるようにしてください。
 
 
 
 

 

ごらんいただいたことを大変ありがたく感謝します。

 

生命の農と食を考える
L A F 健農健食研究所 ラフ
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池田 優

 

 

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